とある日のトレード解説(1)

お久しぶりです。ホント読者の皆さんからは忘れ去られてしまうレベルで、随分とブログを更新してませんでした。

仕事が忙しいのに加え、今まで使ってた画像編集ソフトが新しいPCでは使えないという状況となり、新たに記事を更新する気が全く失せてまして・・・

ただ、今日は仕事がお休み。なので、さっき見つけたフリーの画像編集ソフトの練習がてら、先日やったトレードの解説でもしてみようかと思ってます。

今までこのブログでは、環境認識からエントリーの考え方など、トレードをやるうえでの方法論は、随分とお話ししてきたと思います。

なので今日は、それを踏まえたうえで、実際のトレードにおける実例解説みたいなのにしていこうかな、と。

このブログの常連読者さん達にとっては、今まで学習したことの総合復習だと思って読み進めてもらえたらと思います。

ということで、早速ですが本題に入っていきましょう。

解説するのは、2023年8月21日のゴールド(XAU/USD)です。

それでは、始まり始まり~!!

環境認識から現状認識へ

まずは、週足の環境認識から

このブログでは、「環境認識から現状認識へ」ということを、事あるごとにお話ししています。

そこに例外はありません。

ということで、まずはゴールドの週足から環境認識していきましょう。

もうパッと見でレンジですね。並行レンジです。

まぁ、上図赤丸の部分でオーバーシュートしてますから、ここで振り回された人は結構いるんじゃないかなー、というのが印象的です。

で、今はどんな状況かというと、

並行レンジを下にオーバーシュートしてから再びレンジ内に値を戻した後は、ジグザグと波を描きながらも勢い良く上昇を続け、レンジ上限に到達。そして今度は、再び下降を始めたかに見える状況ですね。(緑色で描いた波を参考に)

では、この後の展開は?

レンジだから、波を描きながら素直にレンジ下限に向かって下降していく・・・

とは限らないんでしたよね。

覚えてますか?( ̄ー ̄)ニヤリ

このブログでは何度か説明していますが、平行レンジというものを教科書的な図で解説すると、

上図の様に描かれることがほとんどです。

が、現実の相場はこんな風に規則正しく、「レンジ上限に当たったら素直に下へ向かい、レンジ下限に当たったら再びレンジ上限に向かって素直に上へと進む・・・」なんてことは、滅多にありません。

レンジの内部では、不規則な値動きになりやすいんですよ。

レンジ上限に到達して反転しても、素直に下に向かわずにグジャグジャな値動きになったり、ようやくレンジ下限に到達して反転上昇し始めたと思ったら再度レンジ下限を試してみたり、レンジを抜けたと思ったら再びレンジ内に戻ってみたり(オーバーシュート)・・・

ゴールドの週足をもう一度見てみましょうか。

並行レンジの最初の部分を見てください。

レンジ上限に到達した後は、ジグザグと波を描いてレンジ下限まで下降していますが、その後は素直にレンジ上限に向かってませんよね。レンジ半ばまで行った後は再び下を目指して下降し、再度レンジ下限で下値を試した後は素直に上に向かわず、グチャグチャとした値動きを続けているのが、見て取れると思います。

なので、緑色で描いた波が、レンジ上限に到達した後は素直に下に向かってくるとは断定できないんですよ。

レンジとは、そういうものです。

では、このレンジの特徴を頭の片隅の置いたまま、次に緑色で描いた波を日足チャートに落とし込んで見ていくことにしましょう。

日足を見てみよう

日足チャートを覗いてみると、週足で描いた波の様子は、下の図の様になってました。

レンジ下限を一旦オーバーシュートした価格は、上昇トレンドを形成してレンジ上限に到達。その後は反転して下降トレンドを形成し出しているのが分かると思います。

じゃあ、このまま日足レベルでの下降トレンドは続くのか?

それは、分かりません。

確かに日足レベルで見た場合、上昇トレンド最後の押し目(直近低値)を価格は下抜いています。なので、ダウ理論においては上昇トレンドは終了し、下降トレンドが始まったと判断できます。

ですが、そもそも週足では並行レンジ。つまり、値動きは不規則だったんですよね。

しかも、週足レベルで波を見ると、日足で見た上昇トレンド最後の押し目は消えてしまっているんですよ。もう一回週足を見て、確認してみてください。

上昇波動の押し目安値を価格はまだ下抜いていないのが分かりますよね。

であれば、

  • 週足は、並行レンジで値動きは不規則な状況
  • 日足は、下降トレンド開始?

ということになり、数日以上のスパンで見た場合、今のこの価格の下落傾向の継続性は決して高いと言えません。

とてもじゃないけど、数日間ポジションを保有するスイング・トレードを売りで攻める気にはなれません。

もっと短い時間軸、つまりデイトレード以下の短時間トレードじゃないと怖いよなぁ・・・

((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

ということで、長く保有するにしても数時間程度のトレードをすることだけを考えて、チャートを分析していくことにします。

では、直近の状況を探るために、もう1度日足チャートを覗いてみましょう。

今度は、日足の大きな流れを見る必要はありません。直近の波とロウソク足を見ていきます。観察しやすいようにロウソク足を大きくして表示してみました。

まずは、四角Bと四角Aの間に並んでいるロウソク足1本1本に注目してみてください。いずれのロウソク足も、前日の高値低値を切り下げ続けているのが分かると思います。

つまり、この期間の相場を日中足(4時間足や1時間足)で見た場合、比較的綺麗な下降トレンドを描いているであろうことが、容易に想像できるわけです。

ところが、直近の2日間、つまり四角Aで囲った2本のロウソク足を見てください。最後のロウソク足は安値を更新できず、むしろ切り上げて終わっています(いわゆるハラミ足)。最終日には買い勢力がやや力を増してきたような気配を感じさせます。

さらにこのAで囲った2本のロウソク足。1本目は、実体は陰線ですが小さいコマ足。そして2本目は実体がほとんどなく、下降傾向にあるくせに下ヒゲの小さな十字線になってます。

これは「迷い十字」。上に行こうか下に行こうか迷っている状態を示しています。

要するにこの2本のロウソク足からは、直近2日間では売り勢力と買い勢力が拮抗してきているのが、見て取れるわけです。

つまり、ここ2日間の日中足は、レンジだったということ。

であれば、

「今日もレンジかな?それともこのレンジを破ってくるかな?」

と考えるのが妥当な判断でしょう。

お~、なんだか見えてきましたねぇ・・・

ということで、さらに小さな時間軸を見ていきながら、現状認識を続けていくことにしましょう。

(いつもの通り、先の状態が見えない様に解説時点より後のロウソク足は画像処理で消してます。が、今気が付いたんですが、RSIの方は処理し忘れてました。これ以降の画像は全てRSIだけ先の部分が見えてしまってますが、予めご了承ください)

4時間足は、どんな感じ?

では、時間軸を日足から日中足へと移します。まずは4時間足を見てみましょう。

下降チャネルを描いて、綺麗に下落を続けてるのが分かりますね。日足チャートで考えた通りです。

ただ、ちょっとこのチャネルラインについて、ここで補足しておきますね。

僕はブログやX(旧Twitter)において、

「斜めラインは面倒くさいよ」

と、事あるごとに言ってると思います。

斜めに引くラインというのは、同じ局面であっても、それぞれの解釈で如何様にも引くことができます。そして、引き方によって様々に違った印象を持ってしまうんですよ。

でもそれって、実際のトレードでは大きな弊害を招いてしまうわけで。

これについて話し出すと、完全に話がそれるんで割愛しますが、今回のケースでいうと、例えば先のチャネルラインを以下のような感じで引いてしまうと・・・

恐らく多くの人が、

「チャネル上限に当たってはじき返されてるから、このまま下落だね。」

っていう風に見えてしまいがちになるんですね。

チャートを分析する上での認識の甘さやスキル不足というのは、勝てない人を更に負けに追い込むことになります。

で、斜めライン(特にトレンドライン)というのは、それを加速させる大きな要因の1つです。

なので、斜めラインを引いてトレードをしようとする際は、十分に注意が必要です。

もちろん、今回のトレードではチャネルを用いてトレードするわけではないので、チャネル・ラインについては厳密に考えなくても良いです。

では、話を戻しましょう。

トレード方針を決める

では、この辺りでこの日のトレード方針を大雑把にでも決めておくとしましょうか。

もう1度、4時間足チャートを見ておきましょう。

見ての通り、価格はチャネルを形成しながら下落しているわけですが、直近数十時間の値動きを見ると、日足チャートで見た様に、高値も低値も越えられずに保ち合い状態にあるわけです。

では、ここから今日一日は、どんな相場つきになるでしょうか?

まぁね、色々考えられますよ。

  • このままレンジが続いて横滑りでチャネルから外れていく
  • レンジを下抜けて再度下落がはじまり、下降トレンドが継続する
  • これは下降トレンド終了の兆しで、レンジを上抜けて上昇トレンドがはじまる

もちろん、レンジがどの程度の期間続くのかも分かりません。この日のうちにレンジは破られるかもしれませんし、何日もレンジが続くかもしれません。

買い勢力や売り勢力が、どの程度の勢いに変化するのなかんて、それこそ知る由もありません。

でもまぁ、別に未来のことなんて分かる必要なんてないんですけどね。事実についていけば良いだけですから。

そう、それがトレードというもの。

繰り返し言いますが、勝てない人にありがちなのは、「予想」や「予測」をして相場の方向性を当てようとすることです。

そうではなく、大切なのは、事実に従ってついていくこと。そして、その事実に従って行動できるために、予想や予測をするのではなく、あらゆる事態に対応できるように「想定」をしておくこと。

これがトレーダーの仕事です。

では、現在の事実とは何でしょう?

ここ2日間は保ち合い状態にあるわけですから、現在の事実は「レンジ」です。

ということは、この日に想定できる値動きとしは、

  • 上値下値を試しながら、ずっとレンジ内を動き回る
  • レンジを上にブレイクする
  • レンジを下にブレイクする

の3つです。お馴染みですね。

レンジに対するトレード方針は、もうご存じの通り3パターン。

  • レンジ内取引(レンジ上限で反転したら売り、レンジ下限で反転したら買い)
  • レンジ上限を上にブレイクしたら、買い
  • レンジ下限を下にブレイクしたら、売り

このブログの常連読者の方はもう、耳タコ状態ですね。

では、ここからは実際のトレードをより現実的にするために、1時間足に時間を落として観察することにします。

レンジの上限下限を具体化する

以下の図が1時間足です。

下降チャネルの中を綺麗に下降していってますが、直近の2日間(ざっくりとですが、前日分が緑の四角で囲った範囲、前々日分が水色の四角で囲った範囲)を見ると、やっぱり高値も低値も越えられない保ち合い状態が続いているのが分かります。

で、今日はその保ち合いを想定したトレードをするわけですが、実際にトレードするためには、そのレンジの上限と下限を具体的にしておかなくちゃいけません。

ということで、1時間足をもう一度じっくり見てください。

目先、赤い水平線で囲った範囲がレンジの上限下限と想定できますね。

また、このレンジ初日には赤い水平線をオーバーシュートしてますから、念のためにその価格(緑色の細い水平線)を超えるまではまだレンジの可能性があることも想定しておきます。

もちろん、他にも想定できますよ。

2つの赤丸で囲った高値と2つの紫丸で囲った低値を結んだ三角保ち合いとか。

ただ、細かい解説は省略しますが、この場合の局面だと三角保ち合いを想定しても、値動きの激しさからオーバーシュートを繰り返してしまい、結果として三角保ち合いの体をなさないことが多くなるんですね。

だから三角保ち合いのつもりでトレードすると、損切を連発しやすくなります。この相場つきにおいては、三角保ち合いの想定は実際のトレードには向いてないんですね。

なので、三角持ち合いのパターンは想定から外してトレードすることにします。

1時間足を分析

さぁ、これから相場はどんな値動きをしていくのか、1時間足を観察してきましょう。

下の図は1時間足チャートを見やすいように、ロウソク足を拡大して表示したものです。

既にお話しした通り、赤く囲った範囲内がレンジであると想定。ただしオーバーシュートした形跡があるので黒い水平線までは警戒領域としています。

またレンジ内でも青い水平線が上値抵抗線になるのかな、ということも忘れずに想定しておきましょう。

なぜこの想定が必要かというと、売り方目線でいえば、まだ下降トレンドは継続中だからです。

僕が「レンジだ」と思っていても、それはあくまで僕の見方でしかなく、4時間足や1時間足を見ている売り方からしてみれば、今の状況はまだ「下降トレンド継続中」なんですよ。

なので、下降トレンドの戻り高値であるこの青い水平線の価格付近まできたら、強い売りが発生する可能性は、容易に想定できますよね。

ということで、僕が想定したレンジ範囲内においても、この青色の水平線は結構重要な上値抵抗線となり得ます。

さて、以上で具体的なレンジの上限下限は定まりました。

ここからは、トレードチャンスを待ち構えます。

エントリーのタイミングを狙おう

1時間足を監視

で、1時間足を監視していると、早々に強めの陰線が発生しました。

ただこれ、見ての通り、レンジ下限で止められてるんですよね。

ということで、トレード・チャンスが到来!

既に方針を固めていた通り、

  • レンジ下限から反転したら買い
  • レンジを明確にブレイクしたら売り

を狙っていくことにします。

では、反転確認もしくはブレイク確認をとるために、ここからは5分足チャートを観察して、エントリーのタイミングを計っていくことにします。

5分足でトリガーを引く

さて、ここまで記事を書いておいて言うのもなんですが、正直なところ、画像処理で何度も先の値動きを隠していくことが面倒になってしまいました。

ということで、ここからのチャート画像では、一気にこの後の展開をお見せすることにします。

ただ、いきなり5分足チャートに切り替えると、何が何だか分からなくなるので、とりあえず1時間足チャートでその後の展開を確認しておきましょう。

まずは、先ほどのレンジ下限に到達した際の1時間足チャートをもう1度。

で、その後の1時間足チャートでの展開が下の図です。

結局のところ、想定したレンジ内を動き回ってただけでしたね。

で、この後は再び上昇して再度青色の水平線のところまで到達するんですが、そこまでを15分足で見ると、以下の様になります。

結果としてこの日1日は、想定した赤い枠のレンジよりも狭い範囲での値動きを繰り返しています。図で表すと、上限を青色の水平線とした緑色の枠で囲ったレンジですね。

で、この局面を5分足チャートにしたのが、次に示す画像になります。

では、この5分足チャートを使って、実際のエントリーとエグジットの解説をしていきたいと思います。

まず、1時間足で見た赤線のレンジ下限に到達した場面が、赤丸1の箇所です。

ここから、レンジを下にブレイクするのか反転上昇していくのかを、5分足で観察していくわけですが・・・

レンジ下限に到達して下ヒゲをつけているロウソク足が確認できますよね。レンジ下限で価格は止められ、反発しています。

しかし、ここでの買いエントリーはダメです。「反発した」という証拠はあっても、「反転した」という証拠にはなっていません。(もちろん、超短時間のスキャルピングなら買いエントリーは可)

反転確認をとる必要があります。

で、この反転確認は過去に何度も解説している通り、各自が何度も検証と練習を重ねて熟達したテクニカルを用いる必要があるので、誰もがピンポイントで同じとなるわけではありません。

ただ、大体のテクニカルにおいては、緑丸aの中のどこかで反転確認がとれていると思います。このチャート図だけで判断しても、プライス・アクション及びRSIによって、緑丸aの内(赤丸1で下ヒゲをつけた次の陽線ロウソク足が確定したポイント)で反転確認がとれ、このタイミングで買いエントリーすることになります。

では、次にどこでエグジットするか?

ストップ(損切の位置)は、当然のごとくレンジ下限の少し下に置くとしても、利益を出してエグジットする場合は、どのポイントでポジションを手放したら良いのでしょうか?

忘れていけないのは、4時間足や1時間足で見た場合、まだ下降トレンドは継続中だということです。ですから、青色の水平線の辺りでは強めの売りが発生しやすいわけです。

なので、長々とポジションを握ったままというのは、危険行為です。

机上の空論で言えば、緑丸cでエグジットするのが理想なんですが、売りの入りやすい環境であることを知っていれば、最初に青色の水平線近くまで上昇した直後に強めの売りが入ったと確認できる陰線の終値(緑丸b)でのエグジットが精一杯なところかな、と思います。それ以上握っておくのは、メンタルが持たないかと。

で、実際の僕は、画像に印つけるの忘れてたんですが、赤丸2に至る前で逃げてます。上図にある200SMA(赤色の移動平均線)に到達して2回上値を試したところで、エグジットしてます。

でもまぁ、これでもRR比(リスク・リワード比)は、1:3なので上出来ですよ。(強がり)

いや、この時はYouTubeで動画観ながらSNS覗いたりと色々と忙しくて、チャートをガン見してるしてる暇なんてなかったから、この辺でサクッと利益を頂いて、ネットに集中たかっただけです。(さらに強がり)

べっ、別に握力強けりゃトレード上手いってわけじゃねーんだよ!(真実だけど、強がり)

ということで、先に進みましょう。

で、次のエントリーですが・・・

買いポジションを決済する理想のポイントというのは、逆に言えば売りエントリーするための理想的なポジションであるとも言えます。

ということで、緑丸cが次の売りポイントになります。

赤丸2、3、4を見てください。青色のレジスタンスまで到達せずに押し戻されています。高値を更新してもそれは極わずかですよね。これはこの価格帯で繰り返し売りが入っているという証です。

であれば、ここから下落へと反転確認のとれる緑丸cが売りエントリーのポイントになるのは、セオリー通りです。ロウソク足が強めの陰線をつけ、RSIでも反転確認できているのが分かると思います。(繰り返し言いますが、反転確認は各自が熟達したテクニカルを用いてください)

ただ、ここで1つ問題が・・・

STOPの位置は、上値抵抗線となる青色の水平線より上に置かなくちゃいけません。正確に言えば、前日にこの青色レジスタンスをオーバーシュートしているロウソク足(上図左側)の高値より少し上に置くことになります。

ってことは、損失想定幅はそれほど小さくはないわけで。

でも、赤丸1から2までの強い上昇波動を見る限り、下の方では強い買いが入ってきそうで、やっぱり長くポジション握ってるのは危険なんですよね。

つまり、トレードするにしてもRR比が、あまりよろしくないわけで・・・

ということで僕は、ここはより短いスキャルピングでトレードすることにしました。緑丸Cまで待たずに、それより2本手前のロウソク足の安値を下抜いた瞬間にエントリー。STOPは一応赤丸4のすぐ上に置きましたが、実際の損切はもっと早めにやる予定。

で、結果としては、エントリー直後に強めの陰線をつけてダダ下がりしてくれたので、幸運な展開となりました。そして、緑丸Cから3本目の陰線の終値で速攻エグジットして利食うことができました。(RSIもちょうど30%ラインにタッチしたところだったので)

ラッキー!

( ̄∇+ ̄)vキラーン

やっぱ、日頃の行いが善いと、幸運の女神は微笑んでくれるんですね。

さて、僕がエグジットした後も価格は少し下落をしていますが、その後からは比較的小さな揉み合いが続いています。緑色の四角で囲った部分がそれです。

やや形が煩雑ですが、基本的にはレクタングル・フォーメーション(並行レンジ)です。赤丸5と赤丸6の部分で、上下にオーバーシュートをしていますので、フォーメーションの区別は慣れないと難しいかもしれませんね。

で、実際の僕はこの揉み合いが始まったあたりから、チャートから離れてトレードを一旦休止しています。いつまでもトレードするためにチャートを見続けるって、非効率ですから。

(もちろん、学習のためにチャートを見続けるのはOKですよ)

再びチャートを見始めたのは、赤丸7でレンジ・ブレイクする10分ほど前になります。

やっぱり僕は運が良い。ブレイク直前でチャートを見始めることが出来たので、赤丸7のポイントで、すかさず買いエントリー!!

 

というのは、嘘です。

( ̄ー ̄)ニヤリ

 

確かに、ブレイク直前でチャートを見始めたのは事実ですが、僕はここで買いエントリーしていません。見送っています。

なぜ?

このブログの常連さんなら、きっと分かるはず。

 

そう、赤丸7でレンジ上限を価格が越えたとはいえ、これが本当のブレイクなのかオーバーシュートなのかは、この時点で判断できなかったからです。

赤丸5でオーバーシュートしてるだけじゃなく、その前にも2回ほどヒゲをつけて一瞬レンジ上限を抜けてますよね?

つまり、赤丸7でレンジを上抜けたからと言っても、オーバーシュートで再びレンジ内に戻ってしまう可能性は捨てきれないわけで。

そこで、「完全にブレイクしたぞ」という証を、テクニカルによって確認する必要が出てくるわけです。

ブレイク確認をするための代表格は、「ロールリバーサル」です。ロールリバーサルの解説を図にしたものが、これです。

しかし、ブレイク後にチャートを見守っていても、結果的にはロールリバーサルせずに、そのまま勢いよくっ直線に上昇してしまったんですよ。

だから、エントリーは見送りです。(RR比も考慮に入れての判断です)

もちろん、チャート見始めて10分程度でブレイクしたわけですから、事前に次のブレイクが本物になるかどうかを他の方法で分析する余裕は、ありませんでした。

が、そうであってもなくても、このブレイクが本物かどうかの事実確認がとれない以上、エントリーはするべきではないんですよ。

どんなに価格が伸びようとも、ここは見送って正解の場面なんです。

これまた繰り返し言いますが、トレードで負け続ける人というのは、エントリー出来なかった局面から価格がグングンと上昇するのを見て、

「あ~~!エントリーできなかったよ~~!勿体ない~~!!」

と欲望で歪み切った感情を丸出しにして、嘆き悲しみます。

インジケーターを張り巡らし、テクニカル・トレーダーを気取っているくせに、テクニカルとは無縁なところ、つまりスケベ根性と勿体ないお化けだけと向き合って、一喜一憂してるんです。

 

バカなの?

 

あ・・・今、心の声がちょっと漏れてしまいました。

でもまぁ、これって本当のことですからね。僕も負け続けていた10年間、ずっとそんなトレーダーだったわけですし。(黒歴史)

勝てるようになるためには、そんなおバカな自分とは、決別する必要があるんです。

 

さて、お話が長くなり過ぎました。

この続きは、次回に持ち越しということで、今日はこの辺でお終いにしておきましょう。

久しぶりのブログ更新でしたが、このブログを良く知っている人にとっては、今までこのブログでお話ししていたことの総合的な復習といった内容になったと思います。

皆さんのトレード上達の一助となれば、幸いです。

それじゃあ、また。

 

 

エントリーの実際(チキン利食いについて)

さて、今日は昨日僕が行ったトレードを題材に解説していきます。

このトレード結果を例題に、トレード界隈に蔓延る誤った考え方から抜け出せてもらえたらなー、なんて思ってます。

それでは、はじまりはじまり~!

実際のトレード例から

こんな感じでエントリーしました

まずは、昨日のゴールド(XAU/USD)のトレードから。

環境認識等は、今回お話したい主旨とは違うので、ここでは省略します。前回のお話やTwitterを参考にしてください。

また、この記事は速攻アップするつもりなので、いつものごとく先の展開を隠すために画像処理とかはしないで解説していきます。

で、僕は4時間足に、こんな感じにラインを引いておいたんですが・・・

僕は上図赤丸の付近で2回ロングしています。

これを、5分足でもう少し詳しく見てみましょうか。

上図、「1回目」「2回目」と表記している箇所で、僕はロングをしています。利確の目安は、青ラインAが第一目標で、青ラインBが第二目標でした。

で、既に出来上がったチャートで見ると、まるでこの展開を予測したかのようなシナリオだったわけです。

じゃあ、僕が実際に利確した箇所はどこだったかと言うと、自慢じゃありませんが・・・

チキン利食いじゃん!

全然自慢にならねぇ・・・

 

という結末でした。

で、今回お話したいのは、なぜこんなことになったのか?ということです。

なぜチキン利食いになるのか?

勝てない人の特徴として、チキン利食いした後も順調にエントリーした方向に伸びていったのを見て

「あ~~っ!!やっぱり方向性は当たっていた!メンタルが弱いせいだ!!」

なんて嘆くんですよ。

で、トレードのメンタル本なんかを参考にして、メンタルのコントロールや強化を気にし出したりするんですね。

 

ま、だからいつまで経っても勝てないんですが。

( ̄ー ̄)ニヤリ

 

ここで一旦、頭の中をフラットにして、考えてみて下さい。

幼い頃から人生の大半をその競技に費やして、世界レベルで戦い続けるトップアスリートでさえ、極まれにしか入れない(もしくはまだ1度も経験したことのない)という「ゾーン」に、ちょっとトレードの練習や検証したくらい(つか、ほとんどのトレーダーはそれすらしていない)の人間が、トレードする度にソーンに入れるとでも?

 

一体、何様のつもりですか?

 

トップアスリートですら稀な状態を常に保とうなんて絵空事、信じない方が良いですよ。いや、マジで。

で、話を元に戻しますが・・・

じゃあ、なぜチキン利食いをしてしまうのか?

答えは単純明快です。

 

「自信がないから」

 

ただそれだけの話なんですよ。

で、僕の昨日のトレードに話を戻します。もう1回、さっきのチャート画像載せますね。

実は僕、エントリーしたこの時の気持ちとしては、ロングで入る根拠にちょっと自信がなかったんですよ。

まず、見ての通り三角保ち合いを下抜けてる状態でのロングです。恐らくオーバーシュートだろうという判断で、キリ番で止められたのを見て2回とも反転確認せずに入っています。

しかも、前回お話した通り、大きな時間軸での値動きは不安定、さらに詳細は割愛しますが、4時間足や1時間足を見る限り、やや売り圧力の方が優勢なんじゃないか?と気にかかってたんですねぇ。

だから、ロングで入る根拠としてはやや薄く、自信があったとは言えないんですよ。

ただ、僕の心の中では、

「少なくとも、一旦は買いが入ってリバウンド(反転じゃなくて反発)するから、伸びそうもなければスキャで逃げれば良いだけだし」

という気持ちでロングしたわけです。

もし仮に、伸ばしたいところまで伸ばせるだけの根拠を持ってロングしたいのであれば、

三角保ち合いを一旦オーバーシュートした後、保ち合い内に再度戻ってからもう一度下値を試しに行って止められた上図赤丸部分、ここを確認してからのロールリバーサルからのエントリーになるわけです。

そうであれば、僕の中ではロングで入るための根拠が強くなり、その結果「自信」が生まれ、青ラインBまでは引っ張ることが可能になるんですよ。

結局のところ、エントリーする根拠に自信があるかないかが重要なんです。

根拠が強ければ強いほど、それが自信に繋がり、引っ張れそうなところまで引っ張れるわけです。

ただし、ここで勘違いしないで欲しいのは、じゃあこれを読んで知っただけの読者が上図のタイミングで自信を持ってロングできるのか?と言えば、

「答えはNOだぜ!」

ということです。

知っただけのものに根拠も自信も生まれないんですよ。それは単なる欲ボケか過信のどちらかです。

自分の手と頭を使って、何度も何度も検証と練習を積み重ね、それでもって初めて

「その根拠がどの程度強いのか?」が分かり、それが

「自信」の強度へと繋がっていくんですよ。

その意味を本当に分かっている人だけが、

  • 根拠強い→出来るだけ引っ張れる→きちんとした利食い!
  • 根拠弱い→チキン利食い→きちんとした利食い!

となり、チキン利食いも立派な利食いとして受け入れられるんですよ。

問題なのは、自分のエントリーの根拠が強いのか弱いのかも分からずにエントリーしてしまい、自信もなくビビッてチキン利食いして、自分のメンタルの弱さのせいにしてしまうといった、全くお門違いの思考と行動を繰り返してしまっていることなんですよ。

大した裏付けのない薄っぺらな根拠をもとにエントリーしたところで、そりゃあチキン利食いするのは当然の結末です。

では、根拠強めのエントリーの場合だったら、どの様な振る舞いになるのか?

これについては、このゴールドのトレードと同日に行ったポンド円のトレードを題材にして解説していきたいと思います。

が、今日はこの辺でお終いにします。

とりま、早めにアップするのが今日の目標なんで。続きは、明日か明後日にアップしようかと。

それじゃあ、また。

エントリーの実際(スキャル編1)

本来は、前回お話したダウ理論による反転確認の続編を書くべきなんでしょうが、書いてる途中で書く気が失せてきてしまい、

 

全然ブログが更新できねぇ!

ノ( ̄0 ̄;)\オー!!ノー!!!!

 

ということで、今回は趣向を変えていこうかと。

今回お話する内容は、先日トレードしたゴールド(XAU/USD)のスキャルピングの解説です。

スキャルピングやって負け続けてる人って、

元々はデイトレから入って、エントリーすると少しは含み益出るけど結局は損切りで終わったり、たまに勝てた時はチキン利食いするし、目先のちょっとした値動きばかり気になって1分足とかガン見し出したりする結果、

「ひょっとして自分は、デイトレよりスキャの方がむいてるんじゃね?」

って自分に都合の良い解釈してる人ばっかりの様な気がします。

なぜ分かるかって?

そりゃあ、「経験者は語る」だからです。

ということで、

「どんな風に考えて、どうトレードするのか?」

そんな一例をお話することで、多くの人の頭の中にある誤った考え方みたいなのに、少しでも風穴が明けられたらなぁ・・・というつもりでお話していきます。

それでは、はじまりはじまり~!

まずは環境認識

ちょっと、その前に

環境認識する前に、ちょっと確認しておきましょう。

このブログでお話する内容は、基本デイトレです。ただ許容範囲は、数日間ポジションを保有するスイング・トレードからスキャルピングまでと考えています。

で、これから見るチャートは、ゴールド(XAU/USD)の週足です。

では、このブログをご覧の皆さんは、ゴールドの週足で売買する様なトレードをしますか?

週足レベルの、しかもボラティリティの大きなゴールドの「ちょっとの誤差」は「巨大な値幅」です。

普通、しないですよね。少なくとも、僕はやりません。

ですから、週足を見て売買方針を決めることはありません。

あくまで環境認識のみ、つまり今相場がどの様な環境にあるのか?どの様な規則性が見出せるのか?を把握するためだけに、ゴールドの週足を見ます。

この点、勘違いしない様にしておきましょう。

いざ、環境認識

ということで、まずは環境認識から。

下図はゴールドの1週間足ですが・・・

まぁ、ザックリと見ても、上昇トレンドが続いた後、今はレンジだってことが分かると思います。

で、このレンジは形成過程なので、平行レンジなのか、上限は平行で下限は下値を切り上げていくレンジなのかは、断定できません。

もちろん、断定する必要もないんですが、でもまぁ、下値を2,3回試していますから、平行レンジの可能性が強いかな、くらいの認識でOKなんじゃないかと。

ただし、この段階で僕が皆さんにお話しておいた方が良いかな、と思うのは、このレンジの内部構造。

以前にお話したことがあると思いますが、レンジというのは原則として、そのレンジの際にしか優位性はありません。

教科書的なレンジな解説だと、簡易化された値動きなので、

上図の様に、レンジ下限からレンジ上限へと値動きは一気に進み、上限に到達したら次はレンジ下限に向かって値動きが一気に進む様に描かれます。

しかし、実際のレンジ内の値動きというのは、そんなに単純なものではありません。上下に激しく揺れながらようやく上限から下限に到達したり、下限に到達後に上昇したと思ったら再び下値を試してみたり、到達しそうなところで再び踵を返してみたりだとか、不規則な値動きが繰り返されるんですよ。

もう一度チャートを見直して見ても、やっぱりレンジ内ではそんな値動きですよね。

なので、実際のレンジでの売買ポイントは、

レンジ際にしか売買ポイントがないわけです。

レンジ際から離れた中途半端な位置でエントリーしても、値動きは不規則に動くので、

「買えば下がるし、売れば上がる。損切りしたら元の方向へと逆戻り」

という勝てないトレーダーあるあるが頻発します。

じゃあ、今はどこに価格があるのかと言えば・・・

際どころか、レンジの真っただ中にいるわけで。正直この段階では、手を出しづらい位置にいるんですね。

ですから、この週足を見た限りでは、

「値動きは不規則な環境下にある」

と判断することになります。


レンジの内部構造に関しては、実は解説する内容がもっとあります。

例えば、レンジ際ほどではありませんが、レンジ中値にも優位性があるというお話は、以前もしたことがあると思います。

で、今回の週足チャートにもそのレンジ中値にラインを引いて見ると、

見ての通り、やはり意識されている値動きになっています。

しかし、今回はこれらについての解説は省略します。理由は、今回のお話の主旨が、レンジ解説なのではなく、スキャルピングの1例紹介だからです。

でもまぁ、省略しても今回のトレードには何ら問題はありませんし、分析を複雑にしたからといってトレードが上手くいくわけでもありません。

むしろ「週足の値動きは不規則」として、シンプルに判断しておくことの方が、リアルにトレードをする人にとっては、吉と出ることが多いと思います。


それでは、徐々に時間軸を下げていって、現状認識していくとしましょうか。

現状認識

日足

では、週足レベルにおけるレンジ相場を、日足で拡大して見るとどの様な値動きになってるかを覗いてみましょう。

週足で認識したレンジの上限下限が赤い太線、レンジ中値を黒の太線にしてあります。

ではまず、日足直近の値動き(薄青色で囲った丸部分)を見てみましょか。

価格は、順調に下降している様に見えますよね。今現在は、レンジ中値より下のブロックに突入しています。中値を下抜けた後、一旦上昇していますが、中値付近で止められている印象です。ぱっと見で言えば、下降トレンド中の絶好の戻り売りのタイミングかの様に見えます。

しかし、週足で確認した通り、値動きは不規則に動きやすい環境にあるのが現状です。

なので、今の値動きが、このまま素直に下げてくれるかは謎です。

さらには、この図のオレンジ色の丸に注目してみましょう。徐々に低値を切り上げてきていますよね。青丸で囲った下降する値動きも、切り上げた直近低値を下抜けることは出来ず、大きく跳ね返されています。

下の方では、買い上がる勢力が存在すると考えるべきでしょう。

また、波の強弱にも少し注目して見ましょう。下降する波動に対して、下値から仲値に向かって上昇する波動は、負けないくらいの勢いで返してきています。

であれば、今の値動きを見て、素直に下へと再び落ちだすなんてのは、疑問視した方が妥当かもしれません。

ではここで、ちょっと価格付近に数本のラインを引いてみます。

見ての通り、現在の価格は水平線と水平線のちょうど真ん中あたりに位置しています。

う~ん・・・これ、仮に下に向かうにしても、少なくとも一旦は直下の水平線に遮られる可能性がありますよねぇ・・・ひょとしたら揉み合うかなぁ・・・・

いずれにせよ、この日足の段階では、想像の域を脱しません。もう少し詳細を見ていきたいので、時間軸を4時間足に下げて観察しいきましょう。

(ちなみに、ここで引いた水平線は今回のトレードには使わないので、チャート画像が見やすくなる様に、4時間足以下のチャート図には表示させていませんのであしからず)

4時間足

日足チャートで見た青丸部分の値動きを4時間足でもう少し詳しく見ていくと、こんな感じになります。

下降チャネルという規則性の中で下降を続けた後、上にブレイクして今度は上昇チャネルを形成。

典型的なパターンで言えば、この上昇チャネルは下降フラッグと判断し、このチャネルを下にブレイクしたところで、再度下降波が発生することになります。

しかも、この上昇チャネル内の最高値は、下降チャネルに対して38.2%戻しです。この戻り高値をつけた後、この上昇チャネルを下にブレイクしたのが、今の局面なわけです。

絶好の売りエントリーのタイミング!

と言いたいところですが、今まで見てきた週足・日足の環境認識、忘れてないですよね?

値動きは不安定の中にいたんでしたよね。なので、トレンドの継続性は常に疑ってかかる必要があります。

また、日足では買い上がる勢力がいて、下値を買い上がっている形跡がありました。ということは、このまま素直に下落が再開すると判断するには、抵抗があります。

え~っとですねぇ・・・

ここで1つ覚えてもらいたいことがあります。

それは、例えば同じ下降トレンドであっても、さらに上の大きな時間軸の環境によって、値動きの勢いや素直さは変わってくるということです。

  • 下降トレンドの中の下降トレンドなのか
  • 上昇トレンドの中の下降トレンドなのか
  • レンジの中の下降トレンドなのか

これらによって、トレンドの長さや勢い、また値動きの素直さは全く違ってくるんですよ。

この点、絶対に忘れないでください。

で、今はレンジの中の下降トレンド、しかもレンジ際ではなくレンジ中央付近の値動きの比較的不安定な位置にあるわけですから、

安易に「今が下降トレンド戻り売りのチャンス」と判断するには、ちょっと怖すぎなんですね。

もちろん、チャネル下限ブレイク直後では、そのタイミングで売ってくる勢力は存在するでしょうから、その時点で売りを仕掛けるなら、妙味はあるでしょう。

しかし、今はブレイクしてから数十時間経っています。順調に下げていますか?

ここではきちんとロウソク足1本1本の動き方に注目します。

まず、チャネル下限をブレイクして陰線を付けます。が、次のロウソク足を見ると、下げ切ることが出来ずに一旦上に向かい、斜めラインに到達した辺りで再度押し下げられます。ただ、押し返しきれずに小さな陽線の実態となっています。

これ見た時点で僕は、

「あぁ、下の時間軸ではレンジ展開」

と判断します。下に行けば買われて下がらず、上に行けば売られて上がらないんですから。

で、その後のロウソク足の動きを見ても同様に、下げたと思ったら買い上げられ、上げたと思ったら売り下げられが続いていますよね。

ただ厄介なのは、この揉み合いの上値低値がキレイに揃っていないという点です。下値も上値もややオーバーシュート気味になっていて、どちらかというと直近では価格を切り上げているのかな、という印象です。

ということで、トレードするには、もう少し細かい値動きを見ていく必要がありそうです。さらに下の時間足を見ていきましょう。

1時間足

さて、ここからは1時間足チャートを見ていくことになるんですが・・・

その前に、2点お話しておくことがあります。

まず1つ目ですが、ここからは「RoundNr」というインジケータを用います。

先日、Twitterでも紹介したので、既にご利用の方もいると思いますが、このインジはキリ番(ラウンドナンバー)に自動的にラインを引いてくれるというものです。

相場というのは、キリ番を意識して売買されることが多いんですね。なので、水平線をわざわざ引かなくとも、キリ番にラインが引いてあれば、それを意識してチャートを見ることが可能なわけです。

設定の仕方ですが、ゴールド(XAU/USD)の場合は、

1つのチャートにこのRoundNrを2つ入れます。100pと50p単位で表示したいので、設定値はそれぞれ「1000」と「500」にします。

ラインの表示の仕方ですが、実際に手動でラインを引いたりもすることもあると思うので、それとは別な表示にしておきましょう。僕の場合は、「1000」に設定した方を濃い目のグレー、「500」に設定した方を薄いグレーにし、両方とも実線ではなく点線表示にしています。

すると、こんな感じに表示されます。(下図は、別の期間のゴールド15分足です)

わざわざラインを引かなくとも、キリ番が意識されて相場が動いているのが分かると思います。

ただ、このキリ番ラインを全ての時間軸に適用すると、大きな時間足ではチャートが横線で溢れかえって見づらくなります。

なので、「1000」に設定した方の表示は1時間足までとし、4時間足以上には表示しない様に設定してください。「500」の方は1時間足でもゴチャゴチャし過ぎるので、表示できるのは15分足以下までで、それ以上は非表示にしておきましょう。

さて、次に2つ目ですが、実はリアルタイムでチャート画像を保存していなかったので、実際にトレードした時よりも時間が経ってしまったチャート図を使います。

しかし、いつものごとく解説に合わせて先の値動きは画像処理して消しておくんですが、先ほどのインジ「RoundNr」が自動的にラインを引いてしまった上に白塗りでロウソク足を消してしまうため、点線表示が途中途切れたりして表示されてしまいます。

点線を後から編集で補足すれば良いんですが、面倒臭いのでそのまま塗り潰したままにします。不細工な画像になるかもですが、その点はご了承ください。

ということで、以上の点を踏まえて、1時間足チャートを見てみましょう。

上昇チャネルを下抜けた後、下げることはなく揉み合っているのがわかりますね。どちらかと言えば価格は切り上がってきている様な印象。

でもまぁ、この段階でトレードを試みようとすれば、想定できるシナリオは様々になるかと。

まず、レンジ想定であれば、青色の枠組みになるのか、オレンジ色の枠組みになるのか?また、その他にもいくつかのパターンが考えられます。

仮に青色の枠組みで値動きが進行するとしても、上図の様に様々なパターンが考えられます。

また、レンジとはならず、上値低値を切り上げてせり上がっていくケースもあるわけで。その場合は、ブレイクしたはずのチャネルラインを上限にしてせり上がってくパターンが結構多くなるわけで。

いずれにせよ、この段階では売りか買いを判断するには早計かなと。

ということで、もう少し様子を見ることにします。

で、1時間後・・・

陰線をつけて終わりました。これ、ちょっと気になる感じですよねぇ。2回高値を試してからの陰線ですし、ひょっとしたらここから下値を試すのかなぁ?ってな感じで。

ということで、5分足で詳細を確認。展開を見守ることにしましょう。

5分足

そう言えば明言してませんでしたが、1時間足を見た時点で、今のところ方向性が明確ではありませんし、東京時間ということもあって、一定の方向性が出にくい側面も考えられます。また、僕は午後からは仕事なんですよ。

ということで、この時点での僕のトレード方針は、超短期的に方向感が出たらエントリーして即逃げるというスキャル一択です。

では、そんなつもりで5分足チャートを覗いてみましょう。

チャート・パターンで見る

直近高値を2回試してから下落していますから、チャート・パターンで言えばこれはダブル・トップに見えます。であれば今は、ネックラインを割り込んで、もう一度ネックラインを試しているところですね。

ここで弾き返されて再度下に行くようであれば、ダブル・トップ完成と言うことで、売りエントリーになります。

ただし、相場を見る場合は複眼的な視点が必要です。この段階で、

「ダブル・トップだ!売ったら儲かる!ワクo( ̄▽ ̄o)(o ̄▽ ̄)oワク」

なんて決めつけは、危険です。

ということで、視点を変えてみましょう。

移動平均線で見る

さっきからずっと表示し続けているのは、ご存知200SMAです。5分足200SMAは1時間足20SMAと比較的似た動きをして、チャートポイントが一致することが多いというのは、僕のブログの読者なら既にご存知でしょう。

今現在の価格は、この200SMAに止められている感を醸し出してるのが分かると思います。

で、この5分足200SMAを過去に辿ってみてください。やっぱり、以前にも何度もこの200SMAは効いてるのが見て取れると思います。

であれば、この200SMAに止められて、再び上に行く可能性は大いにあり得ます。

ラインで見る

次に、チャートに形成する高値・低値に注目して相場の状況を判断してみたいと思います。分かりやすい様にラインを引いてみました。すると、こんな感じ。

まず薄緑色で囲った部分を見てください。揉み合ってますよね。

揉み合っているゾーンが直近であるというのは、この価格帯に侵入しようとする値動きをブロックする機能があります。

なので、ここに侵入するのが難しく、落ちてきても黒ラインFの辺りで止められてしまうんですね。

ということで、今が小さなレンジの中に環境にあると仮定して、ここから再度上に行くとしたら、黒ラインEもしくはDの辺りまでは到達するかな、と僕は考えました。

しかし、もう少し大きな枠組みのレンジとして考えた場合、その上限はオレンジ色ラインA、下限はラインB(伸びたとしてもラインC)です。

なので、ラインDを越えてさらに上に行くなら、次の目標値はラインAとなります。

逆にラインFを割り込み薄緑色のゾーンへの侵入に成功した場合は、やはりBのラインまでは到達しそうです。

ダブル・トップが完成した場合、そのセオリーとして考えても、D-Fと同程度の長さまでは落ちると考えますから、そうなるとやはりラインBまでは到達しそうです。

ということで、今の段階では上に行くのか下に行くのか判断しづらい状況です。

なのでセットアップはとらず、この後の展開を見て、

  • 短期目線で強い買い勢力が生まれたなら、そちらについていく
  • 短期目線で強い売り勢力が生まれたなら、そちらについていく

というスキャルピングの方針を採ることにします。

買った場合の利確第1目標はE、次がD、さらに伸びる様であればAまで引っ張る方針で。売った場合の利確目標はB付近。勢いよく越えていくのであれば、目先Cあたりで利確する方針で。

それでは、その後の展開を5分足チャートで見守っていきましょう。


注意!

今回は5分足を見てラインを引いてますが、基本的に5分足でしか認識できない様なラインは大口市場参加者には意識されないケースが多く、簡単に破られたりしますので、基本やらないでください。

いや、ライン初心者は絶対に止めておけ。


いざ、エントリー!

値動きで判断する

5分足で様子をうかがっていると、こんな感じになりました。

上にも行けず下にも行けないという展開で、ラインFとキリ番の間で揉み合いが続いています。最後のロウソク足も一旦ラインFを越えますが、直ぐに押し上げられ、ラインFの上に収まってしまっています。

結果として、クラスターが出来てビルドアップされている状況なのが分かると思います。ついに、トレードチャンスがやってきたようです。

やったね!( ̄∇+ ̄)vキラーン

(「クラスター」「ビルドアップ」に関して知らない方は、「エントリーポイントの狙い方(3)」をご覧ください)

上向きかけている200SMAに支えられてビルドアップした値動きは、上に向かう可能性が強まってきました。

が、「予想はよそう」です。価格が下に向かう可能性はまだ完全には排除されていないんですから。

なので、あくまで値動きの「結果」を見て判断します。このクラスターを上抜けてキリ番を越えていくなら買い、下抜けてラインFを越えていけば売りです。どちらにでも反応できる様に準備しておくことが大切です。

ということで、次の展開ですが・・・

クラスターを上抜け、一気にせり上がりました。強い買いが入っている様子です。

もう、完全に買いですね。

僕自身は、このクラスターを上抜けた場合、即エントリーしようと考えていたんですが、

正直言うと、他のことやっていて見逃してしまいました。気が付いたのは、この最新の5分足が確定した段階。

ノ( ̄0 ̄;)\オー!!ノー!!!!

でもまぁ、実際のところは嘆く必要はありません。

このまま爆上げするなら素直に諦めて次のチャンスを狙えば良いだけの話ですし、もう一度下を試すならそれに便乗して買えば良いだけです。

トレードにおいてやってはいけないのは、バイ~ンと伸びた先で安易に飛び乗ることです。

特にスキャルピングの場合は、獲得する値幅が小さいため、さらに注意する必要があります。出来るだけ引き付けてエントリーしなくちゃ、小さな利益はより小さくなり、小さな損切りはより大きくなって、勝ちからは遠のいていくんですよ。

ということで、次の展開を見守ります。すると・・・

先ほど、バイ~ンと伸びたロウソク足の次に陰線が出来ました。見れば分かる通り、下へ向かおうとした陰線はキリ番に止められています。

ここで買いエントリーです。

と言いたいところなんですが・・・

実際の僕は、さらにもう一度キリ番を試して割り込む可能性を排除したかったため、次のロウソク足の値動きを観察し、再度キリ番で止められて陽線の実体が生まれるタイミングでエントリーしています。

で、見ての通りその後は陽線をつけ2本前のロウソク足の高値を更新して終わっています。

( ̄∇+ ̄)vキラーン

ということで、まずは利確第一目標のEもしくはDに価格が到達するのを待ち構えます。

すると、次のロウソク足で、

Dにはわずかに到達しませんでしたが、Eはあっさりと抜けました。

スキャルは欲張ったらダメ!

ということで、ここで僕は「利確しようかなぁー」とも思ったんですが、一応ロウソク足の終値がEより上で終わっていたので、「次のロウソク足でEを少しでも割り込んだらその瞬間にエグジットする」と決めて、次の値動きを見守ることに。

すると・・・

Eを割り込むことなく、あっさりと上昇。

次の到達目標はAです。大きな枠のレンジであると仮定した場合、少なくともここで一旦は止められるはずです。

なので、Aにタッチしたと同時に利確する方針で、次の展開を見守ります。

で、上図の通り、見事Aに到達しました。ここでエグジットして、トレード終了です。ポジションの保有時間は約20分でしたので、あまり期待していなかったこの時間帯のトレードにしては、ラッキーな展開でした。

( ̄∇+ ̄)vキラーン

 

ということで、今回の解説はこの辺で終わりにしようと思います。

今回の実際のトレードの解説において気付いてもらいたいことは、やっぱり

秘密の手法なんてのは、これっぽっちも使っちゃいねぇ

ってことです。

今回使ったテクニカルは、一般的に公開されているものばかりです。

大切なのは、そのテクニカルをどう考え、どう使いこなせるのか?

ってことなんですよ。

要するに、それがトレーダーとしての「腕前」になるわけです。

そのことに気づけさえすれば、今まで勝てなかった人でも、勝てる様になる道筋を立てることが出来る様になると思います。

まぁ少なくとも、自称凄腕トレーダーの

「手法公開します」

とかいう営業トークに、

「ぜひお願いします!」

とかいって群がる様な醜態を晒すことはなくなるかと。

 

ということで、腕磨きのための練習と検証、頑張ってください。

それじゃあ、また。