エントリーのタイミングをどう考えるか?トレンドフォロー編

例えば、「今日は買い方針!」なんて決めたとして、チャート見てエントリーしたものの、

「買ったら逆行して損切り!でも、その後に反転して上昇!マジかよ・・・」

なんてことは、初心者には結構あるもので。

言ってしまえば、方向性は良くても、エントリーのタイミングが全く分かっていないから起こるんですが、

どのタイミングでエントリーしたら良いのかって、実はボヤ~としてて、分かっている様な分かっていない様な感じの人は、初心者ではなくとも結構多いんじゃないかと。

ということで今日は、エントリーするタイミングをどう設定していくかを、ちょっと解説していこうと思います。

まずは、下の図を見てください。

買い方針で臨むことを決めていたアナタがチャートを覗くと、上図の赤丸のポイントまで上昇しているのを見たとします。

では、アナタはどのタイミングでエントリーしますか?

 

目先の値動きばかりが気になる人の場合、特にこの上昇が勢い良くてロウソク足がグングン伸びちゃっている場合は、

「このチャンスを逃したくない!」

とか思ってしまい、飛び乗ってしまうんですよ。

で、良くあるのが・・・

買って直ぐに反転下落し、怖くなって損切りすると、そこから反転上昇・・・ってやつ。このパターンを繰り返し、挙げ句の果てには

「方向性は間違ってないし、エントリーして10pips位は含み益になるんだから、俺はスキャルピングに絞ってやった方が良いのかも」

などと、何一つ自分のエントリーポイントの精査を行なうことなく、スキャルに逃げ込んだりするんですよねぇ。すみません、昔の僕のことです。

しかし、飛び乗りを繰り返してると、たまにはそのままバイ~ンと伸びて大きく利益を掴むこともあって、やめられないんですよねぇ。

でも、改めて上の様に説明すれば分かる通り、分析してみたりシナリオ作りをしているつもりでいても、実際は目先の値動きに釣られ感情だけのトレードになってしまってる人が多いんですよ。

エントリーポイントをきちんと判断できる様にならないと。

じゃあ、こういった局面の時は、どの様に考えるか?

まずは損失幅を考えよう

とりあえず、「自分が何をしようとしているのか?」をきちんと把握しておきましょう。上記の例で言えば、上昇トレンドに乗ろうとしているんですよね。

「上昇トレンドに乗るために、買う」

はい、そうですね。

では次に、今買った時の損失幅と利幅を考えます。今回は利確の目安となるポイントを提示してないので、仮にそれが50pipsとなる利幅だとしましょうか。

で、損失幅、つまり損切りする箇所がどこになるかを考えます。

損切りポイント(以下、「STOP」と呼ぶことにします)は、エントリーの根拠が失なわれる箇所に置きます。

さっき確認した通り、エントリーするのは上昇トレンドに乗るためでしたよね?

上昇トレンドとは、ダウ理論では高値と低値を更新し続けている状態です。

となると、直近低値を価格が下回った時点で、上昇トレンドの継続は否定されます。つまり、トレンドに乗るとして買った根拠が失われるのが直近低値を下回った箇所です。

ですから、その直近低値を下回ったところにSTOP(損切りポイント)を置くことになるわけです。

そして、STOPから現在値までの幅が、今この時点でエントリーした際の損失幅となるわけです。

じゃあ、アナタがその損失幅を許容できるのかを考えましょう。

仮にこの損失幅が40pipsだったとしましょう。これがアナタにとって1回のトレードの損失幅として大きいのであれば、現時点でのエントリーは見送りです。

ましてや、想定した利幅が50pipsであれば、利幅:損失幅=50:40ですから、リスクリワード比は約1.25。損失比率としては大き過ぎですねぇ。やっぱ、見送りです。(リスク・リワード比に関しては、機会をみていずれお話します)

この様に、まずはSTOPの位置を確認し、エントリーしようとするポイントからの損失幅をみます。そして、その損失幅が許容できる範囲なのかどうかで、エントリー出来るのか出来ないのかを決めることが必要になります。

「じゃあ、見送ったあとはどうするの?」

次の押し目などの調整波を待ちます。

「たいした押し目も付けずにバイ~ンって伸びちゃったら?」

そのトレードは諦めましょう。

「え!?でも、せっかくのチャンス、勿体ない!」

それは、「勿体ない」という感情だけのトレードですよね。仮にその後に100pips、200pipsと一気に伸びようとも、損失を許容できない状況なのであれば、そのトレードはチャンスとは呼べないんでよ。むしろピンチです。

目先の欲望を満たすためだけのトレードは止めましょう。大切なのは、負けてもかすり傷程度の戦いを繰り返し繰り返し行うことなんです。本当に勝ち続けたいのであれば、バイ~ンと伸びるのを指をくわえて見ることのできる覚悟が必要です。

「分かりました。でも、なぜ押し目なんかを待つ必要があるわけ?」

許容できる損失幅内でトレードできるチャンスを待つからです。

「意味が分かりません。」

じゃあ、ちょっと詳しく説明しますね。

エントリーポイントの2つのパターン

上記の様に上昇トレンドに乗ろうとする場合、エントリーするポイントは2つあります。それは、

  • 直近高値を越えたところ
  • 直近低値を下回らずに反転したところ

いずれも、ダウ理論を根拠にしたエントリーポイントとなります。図にすると、以下の様な感じ。

どちらのポイントでエントリーするかは、各自のトレードスタイルによります。どちらも一長一短がありますからね。1つ1つ説明していきます。

エントリーポイント1について

 上直近低値を切り上げ、直近高値も切り上げた直後、つまり上昇トレンドの継続が完全に確定したその場面が、上図のエントリーポイント1になります。

よくトレンドフォロワーが、「高いところで買って、より高いところで売る」ということを言いますが、それがこのエントリーのやり方です。

エントリーポイント2よりも上昇トレンド継続の根拠が厚いので、信頼性は高くなります。レンジ相場のブレイクアウト手法と混同しない様に!似ている様で全く別物です)

 ただ、信頼性が高い反面、短所もあります。エントリーポイント2と比較すると、

  • 損失幅が大きく、利幅が小さくなる
  • 含み損が出る時間が長くなる傾向

の2点が特徴的です。まずは、下の図を見てください。

利確ポイントとSTOPの位置は、感情や思い付きで決めるのではなく、理屈で決めるわけですから、エントリーポイントが違っても、同じ位置になります。

なので一目瞭然ですね。エントリーポイント1は2に比べて、利幅が小さくなり、損失幅がどうしても大きくなります。

また、含み損に耐えなきゃならない時間も長くなります。下の図を見てみましょう。

エントリーした直後に、素直に価格が伸びてくれるとは限りません。直近下値を下回らない限り、トレンドは継続と判断するので、その間の下落場面は含み損を抱えたまま我慢しなくちゃいけないんですね。

で、上図で見れば分かる通り、エントリーポイント1は2に比べ、その値幅も時間も長くなる可能性が大きいわけで。予め、含み損を抱えてる場面があることは想定済みでエントリーする必要があります。

エントリーポイント2について

 エントリーポイント2は、1と比較すると既に上述した様に、

  • 損失幅が小さく、利幅が大きくなる
  • 含み損を抱えている時間が少ない

というメリットがあります。

その逆にデメリットは、エントリーポイント1と比較すると、

  • 信頼性が低い
  • 判断が難しい

ということです。まずは下図を見てください。

エントリーポイント2とは、Aのラインで押し目をつけて反転したと判断してのエントリーです。

しかし、そこが本当の押し目であるとは限らないわけで。小さな波を打っただけなのかもしれないんですよ。

Aラインが本当の押し目ポイントではなかった場合、Aは直近低値とはならず、Bラインが直近低値として継続して見られることになります。

なので、Bラインを割り込むまでは上昇トレンドの継続が否定されたことにはならず、上図の様にSTOPを越えて損切りした後に再度上昇するという可能性は十分にあるわけです。

この様に、エントリーポイント2は1と比べ、信頼性が低くなるというデメリットがあるわけです。

そして、この信頼性が低いというデメリットとリンクするのが、もう1つのデメリットである「判断の難しさ」という点です。

エントリーポイント1の場合は、難しい手法を必要とするわけではなく、単純に言えば直近高値を越えたらエントリーすれば良いだけです。

しかし、Aラインで押し目を付けて反転したと判断するのは、実際のリアルトレードでは結構難しいんですよ。

この反転確認を、どういった手法を用いるかで勝率が変わってきます。

また、相場つきやトレンドの強弱などによって、同じ手法を用いても偏りがでますし、手法によっても得意不得意な場面がありますからねぇ・・・

なので、エントリーポイント2を選択する場合は、結構大変になります。勝率を上げるような信頼性のある判断が出来るようになるのは、どういった手法を用いれば良いか、各々が検証を続けて自分なりの答えを結論付けていかなくちゃいけません。

どちらのポイントを選択すべきか?

では、エントリーポイント1と2、どちらを選択すべきでしょうか?

結論から言えば、それは各トレーダーの性格やスキル、トレードスタイルによります。

損切りが躊躇なく行える人は、2のポイントで攻めてみるのも良いかもしれません。Bラインを割り込むまでは繰り返しエントリーを続けてみたり。

(また、この局面に関しては唯一ナンピンが許される場面です。Bを割り込むまでは分割して買うという予め計画性を持ったナンピンは、その場しのぎのナンピンとは別物ですから)

逆に損切りするのが苦手で含み損ばかり抱えているのに慣れている人(という言い方は変ですが)は、ポイント1をエントリーポイントとするのも手です。

手法に自信がない人は1のポイント。検証やトレーニングを続け、自信の持てる手法を手にしたら2に挑戦するのもアリですね。

 ちなみに僕は、ポイント2でエントリーするトレードスタイルです。僕は損切りすることに比較的抵抗が少なくて、逆に損失幅を極力小さくして利幅を伸ばしたいタイプなんで、必然的にエントリーポイントは2となります。

また、僕は含み損を抱えたままじっとしているのがあまり好きではなく、失敗なら失敗で早く結論を出したい人。エントリーした後は、ほぼチャートから離れてテレビ見たりネットを徘徊したり、ギターを弾いたりと、他に費やす時間を楽しみたいんで、含み損を抱えている時間は少ない方が楽ですしね。

エントリーポイントは、トレーダー各々で自分の性格や取引スタイル等を考えて決めるべき事柄です。誰かに決めてもらうのは止めましょう。

反転確認について

基本的に、下降トレンドから反転上昇を捉える反転確認より、今回お話したトレンドフォロー、つまり上昇トレンドでの押し目を付けてからの反転確認の方が、成功率は高いです。

なので、「難しい」と言っても、難し過ぎるくらいに考える必要はありません。

ただ、注意する点がいくつかあります。今回のお話は手法のお話ではなく、エントリポイントをどう考えるかのお話なので、補足程度にちょと説明します。

シンプルに考えたいのに・・・

繰り返し言いますが、トレンドの天底を見極めて逆張りをしようという反転確認に比べ、トレンドに沿ってエントリーする際の反転確認は、それほど難易度が高くありません。

「難しい」というのは、エントリーポイント1に比べての話です。

なので、トレンドフォローの場合は、とてもシンプルなやり方で充分通用します。むしろ巷で色々と語られている手法よりずっとシンプルでOKです。

例を挙げましょうか。これ、今僕が記事を書いてる時点でのポンド円の1時間足チャートです。

高値低値を更新し続けていることを確認して上昇トレンドが続いていると判断するには、ロウソク足だけの方が見やすいんですが・・・

どの波のどの高値低値を基準に見ていけば分からない人って結構多い、というかほとんどの人がそうかと思います。

なので、インジケーターなんかを表示させたりするわけですね。どのテクニカルを使うかは人それぞれですが、まぁ一般的っぽい移動平均線3本とオシレーターでも表示させてみましょうか。

とりあえず、移動平均線を3本(20、50、100期間)とMACDを表示してみました。

なんか、チャートがゴチャゴチャしてます。こういった風に情報を沢山並べると、やっぱり情報過多でゴチャゴチャになり、判断がしづらくなるんですね。具体的に、下の図で解説します。

青色の矢印を見てください。上昇トレンドの中に、トレンドが弱い時期と強い時期があります。

で、トレンド強の時は、比較的分かりやすいですよね。ずっとパーフェクトオーダーですし、MACDとの兼ね合いも割と揃ってます。トレードしやすい環境です。

しかし、トレンド弱の期間の場合はどうでしょう?

反転上昇を捉えたい部分の多くが、黄色っぽい四角の枠で囲んだ部分の様に、インジケーターがゴチャゴチャしていて判断しづらくなってしまっています。

この期間は、ミストレードを連発したり、どうしたら良いか分からなくて何も出来なかったり・・・

で、赤い丸部分はパーフェクトオーダーが完成した部分です。見れば分かる通り、ゴチャゴチャした期間が終わった頃にパーフェクトオーダーが完成しています。

随分と高い位置での買い物になってしまいますが、それでもゴチャゴチャ場面に翻弄されるよりは、思い切ってパーフェクトオーダーの時のみのエントリーとシンプルにしてしまえば、まだマシかもしれません。

しかし!

そんなことなら、インジケーターなんて表示させずに、最初っからエントリーパターン1の直近高値更新でエントリーした方が、よっぽどシンプルですし確実です。

元々は、エントリパターン2で入るための反転確認じゃなかったんでしたっけ?

ということで、「結局俺は何をやってるんだー!!分けわからなくなってきたー!!」状態が続き、目先の値動きに翻弄され、感情だけのトレードが続いて、やればやるほど負け越していきます。

おまけに、この画面上のトレンドは、トレンド弱の方が強の時よりもずっと長い期間が続いていますから、このトレンド中のほとんどはずっとトレードしづらい思いをすることになるんじゃないかと。

もっとシンプルに考え、シンプルに行動しよう

ということで、もっとシンプルに考え、シンプルに行動してみましょうか。

先ほどのロウソク足のチャートを見てください。

本来は、高値低値を確認して上昇トレンド継続を確認していきます。

が、それが出来ない人が多そうなので、とりあえず

「なんか、右肩上がりだな」

と思えるなら、ざっくりとトレンドラインを引いておきましょう。厳密なライン引きは、とりあえずスルーで良いです。ざっくりと適当に。(気になる人は、このブログの「ライントレードの基礎」の記事を読んでください)

で、そこに移動平均線を1本だけ引いてみましょうか。とりあえず短期トレード向けの王道20MAにしておきます。

するとこんな感じになります。

 

これ、後付けチャートになっちゃってるんで申し訳ないんですが、ちょっと補足説明しますね。

緑色で囲った部分は勢いよく下落した後に勢いよく元の価格に戻ってます。これはオーバーシュートとして片づけます。(詳しくは、「ライントレードの基礎」をご覧ください)オーバーシュートは「やっぱり上に行きますよ~」という示唆にもなります。

で、トレンド判定の知識が少なくとも、なんとなくトレンドラインを引こうと思ったら、早い人で赤丸A、遅い人でも赤丸Bの辺りで引けると思います。

じゃあ、現時点がBの部分から始まるとしましょうか。そこから先は見えない状態として考えてください。

ちなみにトレンドラインを引きましたが、このトレンドラインを使ってトレードはしません。

「トレンドは上ですよ」

ということを意識するだけのために引きました。トレンドフォローのため、反転上昇を捉えて買いエントリーする目的を忘れない様にるためです。

さて、準備は整いました。

後は、何も考えずに、20MAで反発、もしくは一旦下抜けた後に20MAを上抜けた場面を買っていきます。(エントリーの解説なので、エグジットに関しては解説しません)

難しく考えなくて良いです。移動平均線の角度とかも考えずに、ただ単純に、20MAで反発もしくは上抜けた場面を買っていきましょう。

さて、結果どうでしたか?

青色の丸部分が、買った場面です。オレンジ色の丸部分は、習熟度によって判断が分かれるところですが、それでも7回トレードして、失敗したのは1、2回程度かと。少なくとも勝率7割。

う~んと・・・僕は、何か難解で誰にも知られない秘密の方法を使ってトレードしましたっけ?してないですよね。

至って、シンプルです。シンプルに考え、シンプルに行動しただけです。

でも、ほとんどの人がこんな単純な作業すら出来ない。

なぜでしょ?

その話を始めると、今回の主題とはかけ離れていきそうです。この話の続きは、またの機会をお楽しみに。

それじゃあ、また。

 

デイトレーダーのための日足分析(4):日足内部構造編

(以下は、2018年10月8日付けに書いたものを大幅に加筆編集したものです)

さて、今まで3回に渡って、「デイトレーダーのための日足分析」をお話してきました。5日単純移動平均線たった1本を用いた日足分析法です。

  1. 気づき編
  2. 実践編
  3. 理解編

さて、第4回目の今回が完結編となります。デイトレーダーのための日足分析をさらにデイトレーダー向けに実用性をアップデートさせた方法をお話していきます。

日足の内部構造を分析しよう

5日間移動平均線の弱点

5日間移動平均線を用いた日足分析のやり方は、シンプルかつ強力な判断方法ですが、やはり裁量に基づくものなので、練習を繰り返して感覚を掴む必要は、少なかれあります。

ただ、練習を繰り返したとしても、移動平均線の特徴として若干扱いづらい部分もあるんですよねぇ。

移動平均線の先っぽは、当日の値動きにあわせて、多かれ少なかれリアルタイムに動きます。特に5日の様に短い期間をとった移動平均線の傾きは、当日の値動きに合わせて割と大きく変化するんですね。

となると、実際のトレードにおいて判断が定まらない場面もチラホラ出てきます。

例を挙げましょう。下のチャートは、ある日のポンド円の日足がはじまった辺りのものです。

緩やかな上昇トレンドを描いてますね。この日の移動平均線は傾きは緩やかですがやや上向き。現在の価格と移動平均線の乖離の度合いも微妙なところ。判断しづらいかなぁーって感じです。

じゃあ、しばらく様子を見てると、こんな感じになります。

先ほどのチャートと比べると、移動平均線の傾きが上方向へとハッキリしてきてますね。直近の上値も越えてきてるし、「あー、やっぱ今日は上だったかぁ!」なんて思う人もいたかもしれません。

でも、その数時間後を見ると・・・

移動平均線と現在値の乖離は小さくなり、移動平均線の傾きはほぼ平行になってますねぇ。

要するに、同日の日足を覗いてみても、その覗いた時間ごとに、判断が異なってしまいがちになるんですね。

う~ん、これは困った。

おまけにデイトレーダーの場合、日足をチェックするのは毎日の日課としても、ずっと日足を監視し続けることにあまり意味はありませんからね。ロウソク足1本の形の変化を1日かけて見るだけですから、やっても実用的かどうかは疑問が残るところです。

じゃあ、どうしたら良い?デイトレーダーとして有用な5日移動平均線を利用しつつ、より実用的な活用方法って何かないわけ?

「あるよ。」

ということで、もう少し話を進めていきましょう。

日足の内部構造を見よう

繰り返しお話している通り、デイトレーダーは日足チャートのトレンドに乗ってトレードするのではなく、日中に起こるトレンドに乗ってトレードします。

しかし、1日の値動きは、日足チャートだとロウソク足たった1本です。

なので、日中に起こる値動きの流れを知るには、この日足1本の中身をもう少し細かく見ていきたいところです。その日その日がどんな値動きで構成されながら日々を繰り返しているか?を知ることが、とっても重要じゃないかと。

ということで、時間軸を1つ下げて、4時間足を見てみましょう。

4時間足は、1日の値動きの流れを、6分割して僕らに提示してくれます。日足自体の流れを踏襲しつつ、日足の構成要素が確認するのに最も便利なのは、4時間足なんですね。

ちょっと、チャートを見てみましょうか。

上の図はドル円の日足チャートですが、赤く囲った部分が4時間足チャートでは6倍にズームアップされて表示されます。下の図がその4時間足チャートです。

日足だと、その日の高値安値がどの時間帯で付けたのが分からないですが、4時間足チャートにすると、それが分かります。4時間足チャートは、日足チャートの流れを押さえつつ、その内部状況を端的に示してくれるんですね。

日足分析の内部構造をあぶり出すには、4時間足が最適と考えられます。

日足分析を4時間足に適用させよう

では、この4時間足に、今まで僕らが学んできた日足の5日間移動平均線も適用させちゃいましょう。

ただ、ここで注意点。

4時間足で5日移動平均線を表示させる場合、4時間は1日の6分の1だから「5日 × 6 = 30」で、4時間足には30期間移動平均線を適用させましょう、みたいな計算してるチャート解説ブログなんかを見かけますが、それは大きな間違いです。

単純移動平均線は、とった期間のそれぞれの終値の平均値を出してるわけですから、5日間の終値だけを足して5で割ってる5SMAが描く線と、4時間ごとの終値30回分を足して30で割ってる4時間足の30SMAが描く線とでは、結構な隔たりが出てくるんですよ。

ほら、見てみ。(波の動きが比較しやすい様にロウソク足の表示本数を変えてます)

移動平均線と価格との関係性が、「似てる程度」でしかなく、実際にトレードするにおいては、少し無理があるのが分かると思います。

なので、日足チャートにおける5SMAと似た様な動きを4時間足で表示する単純移動平均線を探すことになります。

ありますかね?

「あるよ。」

答えから先に言っちゃいますが、日足5SMAと似た様な動きを示すのは4時間足20SMAです。もちろん、こればっかりは人それぞれの感覚によるところも大きくなりますので、20期間前後を各自の好みで当てていっても構いません。では、比べてみましょう。

あぁ、なんか凄く似てる。

いや、実はこれ、細かい部分を色々と検証していくと、4時間足で20SMAを活用した方が「より見えてくる」場面が多くなるんですね。具体例は、そろそろ面倒臭くなってきたので端折りますが。

で、この「20MA」という文字を見て、ハッ!とした方も多いんじゃないでしょうか。

そう、20期間移動平均線といえば、インジケーターを用いたテクニカルでは、王道中の王道。

デイトレーダーが日足分析をより発展させた形で4時間足を用いる場合、この20期間移動平均線を使わない手はありません。

4時間足分析をさらに発展させてみよう

さて、5日間移動平均線を用いた日足分析を、デイトレード向けに4時間足にまで落とし込んでみました。

こうすることで、日中につけた高値安値の時間帯を把握しやすくなりました。デイトレーダーにとっては、日中に起こる上下動の流れのタイミングを把握できるようになったと思います。

4時間足チャートを用いた分析の要領は、日足チャートの時と全く同じです。5SMAの代わりに20SMAを代用していますので、その移動平均線の傾きとロウソク足の位置関係で日中に起こるトレンドの方向性を探っていけば良いわけです。

  • 例えば、20SMAが上向きでロウソク足はその直ぐ真上にあるから、そろそろ買いで入るタイミングかな?とか。
  • 例えば、20SMAは上向きだけどロウソク足がかなり20SMAと乖離してきているから、そろそろ下げ始めるかな?とか。

要領は、日足分析の時と一緒ですね。やっていくと、むしろ日足チャートでやっていた時よりも、タイミング等を掴みやすいと思います。

出来れば、その乖離の度合いを具体的に掴めたりすれば、もっとトレードしやすくなるんですけどねぇ・・・

ん?

20MA?乖離の度合い?あれ?なんか、どこかで聞いたような言葉・・・

20期間移動平均線を用いて、しかもそれとの乖離状況、つまり値動きの範囲を示してくれるテクニカルって・・・

ボリンジャーバンド!!

なんか、凄くないですか?面白くないですか?何かが何かと繋がってきた様な気がしてきませんか?

ということで、4時間足にボリンジャーバンドを表示させてみます。

ボリンジャーバンド使いの人なら、グッと分かりやすくなったと思います。


このブログをご覧の方は、既にボリンジャーについて詳しいかと。先日解説したばっかりですからね。読んでない方は、ボリンジャーバンドについて知っている知らないにかかわらず、一読をお勧めします。


というか、今まで単にボリンジャーバンド使ってただけだった時よりも、日足分析5SMAを踏まえてからの4時間足ボリンジャーバンドの方が、もっと上手く分析できるんじゃないかと。

それではちょっと、具体的に見ていきましょう。例えば、先の日足チャートの次の日の始まりは、以下の様になります。

ダウだのレジサポだのその他テクニカル的な考察は一旦横に置いといて、この日1日が一体どのような動きをするのかということを5SMAだけで判断するとなると、

  • 5SAMはやや上向き
  • しかし、数日間の流れでの5SMAは小さな波を打ちながらの横ばい
  • 5SMAと価格はやや離れ気味
ということで、「この日は陰線で終わるか、そうでなくとも、一時的にはガッツリと下落する場面がありそうだな」という判断になるかと思います。ただ、どのタイミングで下落するかとなると、全く分かりません。最初からショートで攻めるにはちょっと落ち着かない感じです。

ということで、4時間足ボリンジャーバンドのチャートを覗いてみます。

もう、ぱっと見でレンジ。バンド幅はスクイーズしてない状態から+2σにタッチしている状態です。とてもじゃないですが、ロングで攻める気にはなれません。朝からショートで攻めて見たくなる場面ですね。

ということで、この後、どんな風にチャートは動いたでしょうか?ちなみに上のチャートは、昨日の朝方のチャートで、下がその結果となる、今日の朝のチャートになります。

ああ、やっぱ朝からガラってますね。ショートで攻めて正解だったみたいです。横ばいになってるボリンジャーバンドの-2σ付近まで到達してます。

こうしてみていくと、攻めるべき点が結構見えてくると思います。例えば、

  • トレンドが出ている時は、日足5SMAの代用である20SMA(ボリンジャーのミドルバンドのことね)付近まで来たらトレンド方向に攻める
  • ボリンジャーバンドが横を向いている時は、±2σまで到達もしくはその付近で長ヒゲが出たら逆張りで攻める

といった教科書通りのやり方をルールにしてみると、ぱっと見だけで、

ほら、こんなに明確にエントリーポイントが見えてくるわけです。このタイミングが来るのを「待つ」ことが、とっても大切なんですね。

他にも、5日間移動平均線の応用パターンとして、この4時間足ボリンジャーを活用すると、色んなエントリーポイントが見えてくると思います。皆さんも、色々と試しながらトレーニングしてみてください。

テクニカルの根底にある思想を読み解く

とまぁ、こんな感じでちょっと実践的なチャート解説をしてみました。デイトレーダー向けに「日足分析」を「4時間足分析」にまで落とし込んでみたわけです。

が、

ここで注意してもらいたいことがあります。まぁ、言わなくとも気が付いている人はいると思いますが、敢えて言葉を添えさせてください。

結果だけで言えば僕はここで、単にありきたりなボリンジャーバンドの解説をしただけの話です。極めて教科書的なお話。

ただ、僕はここの解説に至るまでに、5日移動平均線によるチャート分析方法から徐々にその理屈を展開させていきました。そして、これらを読みながら練習を繰り返してきた人たちからすれば、ここにきてようやく腑に落ちたんじゃないでしょうか?

特に、僕が先日解説したボリンジャーバンドをご覧になった方は、さらに腑に落ちたんじゃないでしょうか?

全てが繋がってきている・・・。と、そんな感じで。

表面上の「そんなの知ってる」ではなくて、本当の意味で理解できたという「腑に落ちた」です。

テクニカルの根底にある思想や仕組みを噛みしめながら、トレーニングを積み、さらに突き進んでいくことで、ようやく腑に落ちるわけです。

そして腑に落ちることで、ようやく使えるテクニカルにたどり着くんですよ。しかもそれは、他にはない秘密のトレード手法とかではなく、

極めて当たり前なことを当たり前にこなせるようになる

ということでしかありません。これを読んだトレーダーの方々の中で、1人でも多くの人がこの真実にたどり着いてくれることを願ってやみません。

それでは、また。


以前のブログでは、「NR7」を用いるやり方も紹介していましたが、今回は省きました。これは当時のブログ記事でも書いていますが、「日足分析」としては非常に扱いづらいことが多いからです。

ただ、「補足編」としてこのNR7を以前とは少し違った形で紹介することは考えています。

また、ボリンジャーバンドのみを使って実際のトレードを検証してみたいと思っています。

まぁ、時間が出来たらの話ですが。