トレンド転換時の思考と方法論(2)

前回は、トレンド転換時において初心者が陥りやすい思考について、お話しました。

今回は、テクニカルの面に重点を置いてお話しようと思います。

ここで解説するポンド円のトレードは、「エントリーの実際(セットアップの重要性)」で解説したトレードの続きとなります。ご覧になってない方は、予め読んでもらえると理解しやすいかと思います。

それじゃあ、始まり始まり~!

前略、トレンド転換という丘の上より

トレンドが反転する際の値動き

実際のトレード例を挙げて解説する前に、まずは頭に入れておいてもらいたことがあります。それは、トレンド転換する際の一般的な値動きのありかたについてです。

例えば上昇トレンドの場合、今まで続いていたトレンドが、あるポイントに到達した途端に一気に滝が流れるかの様にだだ下がりすることは、滅多にありません。

あるとしたら、一斉に売りを誘発するような衝撃的なニュースが突然舞い込んだとか、商い薄の中に誰かが意図的に仕掛けた場合とか、極稀な例に限られます。(仮想通貨は別)

基本、トレンドが反転する際は、レンジを挟みます。

で、仮にそれがレンジと言える程ではなくとも、上昇トレンドの場合は下がり出しても1,2回は再度上を目指しますし、下降トレンドの場合は上がり出してもやはり1,2回は再度下を試します。

これ、極めて基本的な事なので、シッカリと覚えておいてください。

こういったことも知らずに天井獲りにいくと、

  1. 自分が想定したポイントで天井獲りに売って
  2. その後下がるとウキウキワクワクして
  3. でも再度上昇する姿に顔面蒼白して
  4. 再び下がり出したらホッとして

を繰り返すことになります。

トレンド転換の物語を読もう

では、なぜトレンドがいきなり転換せずに、少なくとも1,2回は高値低値を試すのでしょうか?

値動きの本質を考えてみましょう。

上昇トレンドとは、「下がれば買われ、下がればまた買われる」を繰り返し、買い勢力が勝ち続けている事象です。

逆に下降トレンドとは、「上がれば売られ、上がればまた売られる」を繰り返し、売り勢力が勝ち続けている事象です。

トレンド転換は、この買い勢力と売り勢力の力関係が逆転する現象です。

であれば、上昇トレンドを経て価格がチャートポイントに到達した途端、売り勢力だけが売りまくって、買い勢力は全く買い上がろうとはしなくなるというのは、むしろ不自然です。

売り勢力が力を増してきたとはいえ、買い勢力は下がれば買うわけですから。

しかし、下がれば買う勢力と上がれば売る勢力の力が徐々に拮抗して、ついには逆転していくことで、トレンド転換が行われます。

この勢力争いの拮抗する場面が、長ければ長いほど、長いレンジが形成されます。

この勢力争いが短い場合でも、上昇トレンドで売り込まれたら、少なくとも1,2回は買い勢力が大きく買い上げていくのが普通です。

で、この売り込まれても再度買い上げようとする行為を、テクニカルの世界では「高値を試す」という言い方で表現するんですね。

で、直近高値を越えようと、高値を試すけれども越えきれず1度で息絶え、次に直近低値を割り込む姿を、「ダブル・トップ」と言います。2度の高値試しで息絶えるのが、「トリプル・トップ」です。

さらに言うと、1度目の高値試しでは直近高値をようやく抜きますが大きく抜けず、その直後に大きく売り込まれ、徐々に買い勢力が力を落として売り勢力が力を増す様子を4段階で見せているのが、「三尊(ヘッド・アンド・ショルダー)」なんですね。

なので、トレードを学習する際に、反転パターンを覚えておくのは非常に得策です。パターンを知っていると、相場でのポイントを手早く見つけることが可能になります。

ただ問題なのは、パターンだけを見様見真似に知るだけで、なぜその様なパターンを値動きが形成するのかという理由を知らないと、痛い目にあったりするので注意が必要です。

以前、「反転確認(ダウ理論編その1)」でもお話しましたが、三尊でないものを形だけで三尊だと判断し、「三尊のダマシ」とか言ってる人って、この界隈では結構多いんですよ。

ですから大切なのは、値動きによって描かれる「物語」をチャートから読み取ることです。

「今まで綺麗に上昇トレンドを描いてきたのに、チャートポイントに到達したら大きく売り込まれた。でも、このポイントで買い方が大きく巻き返してきたなぁ・・・。あ、でも直近高値に届く前にまた売り方が大きく売り下げてきたぞ。う~ん・・・。おっ、前回買い方が巻き返したポイントの低値を、ついに売り方が破ってさらに値を下げてきた。勢力争いに決着がついたぞ!」

ってな感じで。

相場が描く波を見ながら、売り方と買い方の戦国物語を読み取っていくことで、僕らはその勝敗を知ることが出来るんですよ。

チャートを見る時は、そんな視点で値動きが織りなす物語を読み取っていく練習をしてみましょう。きっとチャートを見ることが、今まで以上に楽しくなるはずです。

実際のトレードを用いて解説

さて、ここからは実際のトレードを例に用いて、トレンド展開時の考え方やトレードのやり方を解説していくとしましょう。

用いるのは冒頭でもお話した様に、前々回の「エントリーの実際(セットアップの重要性)」で解説したトレードの続きとなります。

それでは、行ってみましょう!

フラクタル構造を理解しよう

下図は、以前解説したポンド円15分足チャートです。

この時のトレードから時間が経っていますから、皆さんご存知の通り、この後も下降トレンドを描きながら相場は下がり続けていきます。

で、トレンド転換に関して僕はここで、分足や1時間足を用いながら解説します。

が、相場はフラクタル構造です。この相場を日足の様な大きな時間軸で見た場合、

ということで、まだトレンドは継続中です。

「今、調整レンジに入ってるのかなぁ?でも、それにしてはこの値動き大きいぞ。う~ん・・・でも高値は止められても低値は切り上げ続けてるから、レンジだとしても下げ切れずに再度上昇していきそうだけど・・・う~ん・・・」

といたレベルの印象でしかなく、トレンド転換には全く至っていません。

なので、ここで解説するのはもっと短い時間軸の中でのトレンド転換についてです。このことは、忘れずにおいてください。

順張り思考の逆張りトレード

もう1度、ポンド円15分足のチャートを見てみましょう。

前々回は、上の赤い丸のところで売りエントリーし、下の赤丸のところでエグジットしたんでしたね。エントリーについては、既に解説済みです。

で、僕はなぜここでエグジットしたのでしょうか?

まずは、それについてお話します。分かりやすい様に、1時間足に切り替えて話を進めていきますね。

まず上昇トレンドの場合、そのトレード方針はトレンド方向への買いエントリー、つまり順張りが原則です。

以前もお話しましたが、ダウ理論ではトレンドが否定されるまではそのトレンドが継続すると判断します。

なので、今回のポンド円のこの上昇トレンドは、確かに大きな時間軸のレベルでは重要なチャートポイントに到達しましたが、上図の段階ではトレンドがまだ否定されていませんから、順張り目線でいくことが大切です。

つまり、この段階でも上昇トレンドが否定されていないのであれば、押し目を付けて反転上昇したところを買っていくのが、基本方針なんですね。

ただし・・・

トレードの腕が上達してくると、一旦押し目をつける際の調整波を狙って、その下降する一波を獲りに行ったり出来る様になります。

で、今回はこの下降する一波(青色の矢印)を獲りに行ったわけなんですよ。

この下降がズルズルと更に下までダダ下がりするなんてことは、順張り思考の観点からも、また先ほどお話したトレンド転換時にはレンジを挟みやすいという観点からも、全く考えちゃいないわけです。

そして、下降する調整波は最初の目標値に達したわけです。ここでサクッと利確しました。だって上昇トレンドは否定されてないわけですから、直ぐに上昇し出すリスクがあるんだもん。

ただ、ここで利確したのには、もう1つ理由があります。

それは、「時間」です。

この時は確か夕方の5時前だったと思います。つまり、欧州時間が既に始まっているわけです。欧州時間では、今までの流れを否定してくる様な値動きになるのは珍しくありません。

つまり、この後全戻しされる可能性だってあるわけなんですよ。

なので、サクッと獲って、再び上昇し出すのを待つのが、最もリスクの少ない方法です。

で、上昇トレンドの順張りトレードであれば、押し目を付けた後に再度上昇し出すポイントを狙って買いエントリーするのがセオリーです。

この後は、上に向かう波が発生するのを待ち構えてエントリーすることになります。

が、しかし・・・

実のところ僕は、このエグジットの後はトレードすることから離れて、別のことをやり出してました。

なぜか?

正直言うと、とりあえず今日は獲っちゃったんで「

もういっかな」

なんて感じだったんですよ。立て続けにトレードするのって、結構疲れますからね。例えそれが、ながらトレードだったとしてもね。

(* ̄∇ ̄*)ゞ テヘッ♪

とは言え、「もういっかな」と思ったのには、別の理由があります。

そう、大切な理由が・・・

そして、それは「波動」です。

BOZ流波動論、再び

先ほどの1時間足のチャートを見て、何か気づきませんでしたか?

このブログの常連さんなら、

「この下降する波動、V字で回復する前の調整波じゃないな」

と気付いたかもしれません。

ただ、BOZ流波動論に関してはその一部しか解説してませんから、もうここで少し解説をしておきますね。

BOZ流波動論を知らない方は、「これがBOZ流!BOZ波動論(1)」を参照してください。

推進波である緑色の矢印で示した波が、B波。それに対して調整する下降波(青色の矢印)の波動の強さを見比べてください。下降波は単なる調整波にしては波動が強いです。

ということは、この下降波はO-2波です。つまり、この後に続くZ波はV字回復して発生する推進波にはならない、ということが想定できるわけです。

図で次の展開の想定を表すなら、

仮に上昇トレンドが継続するにしても、V字回復せずに調整レンジに一旦入る可能性が強いわけです。もちろん、調整レンジとは上図で描いた平行レンジとは限りません。上昇フラッグや三角保ち合いを形成するかもしれません。

また、O波の強さから、上昇トレンドが継続しない可能性も出てきました。なぜなら、B波と比較してもこのO波は、かなり強い波動だからです。

また、前々回説明した様に、O波が発生する前の上昇B波はその直前で波動が弱まってきていました。

さらにここは週足レベルの強いチャートポイント。

であれば、トレンドが反転する展開のシナリオも想定できます。

  • ①の様に、直近高値は届かずに、そのまま下降トレンドを形成してしまう場合
  • ②や③の様に、ダブルトップやトリプルトップを形成するなど、一旦レンジを挟んでから下落を始める場合

もちろん、どの様なレンジになるのかまでは、この段階では分かりませんよ。

ただ、いずれのシナリオにせよ、

ここからV字回復して大きく上昇する推進波が発生する可能性は低く、虎視眈々と買いエントリーのタイミングを狙ったとしても、旨味が薄いわけで。

それどころか、買いエントリーしたら、いつ強い売りが出て叩き落とされるか分からない状況です。ずっとチャートを監視し続けてないと、落ち着かないわけですよ。

そんなの疲れるじゃん。せっかくの休日なんだから、時間は有効に使いたいよ~。

(* ̄∇ ̄*)ゞ テヘッ♪

ということで、僕はトレードを止めて、一旦チャートから離れたわけなんですね。

次の波動を獲りに行く

さて、その後の展開を見てみましょうか。午前0時の辺りの1時間チャート図がこれです。

想定した通りに、上昇していますね。下から買っておいたら、たいしたストレスもなく十分獲れた値幅まで上昇していました。

「あー、トレードしとけば良かったかな」

そんなセリフは、後の祭りです。

一応、参考のために「買うとしら」の解説をしておきましょうか。下図は15分足です。

 

それほど面倒な局面ではありませんね。

切下げラインを引いてそこをブレイクしたところは、ちょうど20SMAを上抜き、また下支えられたところでもありますから、たいしてストレスなくインできたかと。

そのタイミングを逃しても、低値切上げのダブルボトムを形成してから、そのネックライン越えでエントリーです。こちらも200SMAをブレイクした後に下支えられている状況でしたね。

この辺りの局面は、テクニカル・トレーダーにとっては、何かと状況を掴みやすい展開だったと思います。

図には示していませんが、オシレーター使いの人でも、4時間足、1時間足、15分足、5分足共に反転示唆は明確な場面でしたので、きちんとした腕があれば確実に獲れていた場面です。

こういった自分が得意とするテクニカルにおいて、「分かりやすい局面」というのは、出来れば積極的に獲りに行った方が良いです。(僕は遊んでましたが)

獲れる時、つまり根拠強めな時はガンガン攻めて、根拠が薄く迷いがある時は極力トレードしないという心構えが、大切なんじゃないかと。

巷では「安定的な収益」とか言って商売している自称凄腕トレーダーが蔓延ってますが、トレードに安定性を求める方が、むしろどうかしています。

勝負の世界は、良い時もあれば悪い時だってあるのが当たり前です。そんな世界で「安定性」とか求める人間は、そもそもこの世界には向いていないか、全くの見当違いでこの世界に足を踏み入れています。

安定性が欲しいなら、公務員か何かを目指すべきじゃないでしょうか?

さて、もう一度先ほどの1時間足に戻りましょう。

今はちょうど一番上の水平線(週足・日足レベルでのチャートポイント)で止められているところです。

BOZ波動論での判断では、このまま水平線を上抜いていくことはないとの判断でした。ここからレンジ、もしくは下降トレンドを形成するための値動きに入っていくであろうと。

つまり、ここからは価格は下に向かう。

しかもこの時間は、米国時間真っ只中です。値幅を十分に獲れる値動きをしてくれる期待大です。

ということで、売りエントリーの準備です。

先ほども言いましたが、この辺りはテクニカル的に分かりやすい局面です(もちろん、人にもよりますが)。なので、次の展開を見て売りエントリーを仕掛けるのは、それほど難しい話ではありません。

 

と言いたいところなんですが、

 

実は僕、たまの休日を謳歌し過ぎて、この時間もチャート見てませんでした。

(* ̄∇ ̄*)ゞ テヘッ♪

思い出して、慌ててチャートを覗いたのは、午前1時頃。その時の1時間足が下図です。

前の足を陰線の実体で被せてきました。もう売り一択です。出来れば、分足を見ながらもっと早いタイミングで入りたかった・・・というの正直な感想です。

しかし、僕はもう寝る時間です。エントリーは諦めて、次の機会を狙うことにします。

今度こそ、獲りに行く

では、次の展開を15分足チャートで見ていきましょう。一気に先に進みますよ。

非常に分かりやすい展開です。恐らく5分足でトリガー引いた方がやりやすい人の方が多いとは思いますが、解説の都合上、15分足でお話しますね。

翌朝からは、この下降する流れに何度も乗るチャンスがありました。赤丸がそのポイントです。上から順に簡単に説明すると、

  • アセンディング・トライアングル(本来は上に抜けやすい)と、それと同じ軌道にある200SMAを下抜けたポイントA
  • 下降フラッグを形成し上昇し、フィボナッチ・リトレースメント(以下FR)50%及びトライアングル低値に到達確認後の反転したポイントB
  • 下降フラッグを下抜けたポイントC
  • FR50%戻しから反転したポイントD

ただし、ポイントDには注意です。

このポイントDは、重要な水平線(前回僕が利確したポイント)で跳ね返されたものです。そして事前に建てたシナリオでは、この水平線を下値にレンジを形成する可能性を想定していましたよね。

ですから、ポイントDで売りを仕掛けるのはNGなんですよ。

仮にA~Cのポイントで売っていたら、この水平線で一旦利確するか、もしくはレンジになるのか下降が継続するのかを様子を見ながら、いつでも逃げる準備をしておくことが必要になります。

で、何だかんだ言ってますが、実際の僕は朝から仕事でチャートすら見れなかったため、AからCまでのポイントでは入ることが出来ませんでした。

実際にチャートを見れたのが、夜の8時過ぎです。僕が実際にエントリーできたのは、ポイントEとFになります。

ポイントEは、とてもエントリーしやすい局面でした。重要な水平線を抜けた後、直前の下降波からFR61.8%まで戻した直後に再び水平線下まで押し戻されています。迷わずインできました。

で、ここからの下降波から、直近低値レジサポとFR50%が重なるポイントに到達して反転が確認できたFで玉の上乗せです。

利確したのはちょうど日付が変わる頃。重要なポイントとなる水平線に到達したと同時に利確です(青丸)。

ついでなんで、移動平均線を表示した15分足も載せておきますね。青色が20SMA、緑色が75SMA、赤色は200SMAです。

先ほどライン引いて解説したチャートと見比べてみて下さい。トリガーとなるポイントがMAにおいても重なっている箇所が多いので、より強い根拠でエントリー出来たのが分かると思います。

では、ここまでの軌跡を1時間足で振り返っておきましょう。

上図ラインAは、週足レベルで前回高値をつけた重要なポイントです。

このラインに向かって強く上昇してきたわけですが、このラインに到達する辺りから、高値の更新が鈍ってきました。

この波動①を見て、反転する可能性を見つつも、上昇トレンドはまだ否定されていないので、あくまで目線は上に固定しておきます。

①の波から反転するのを確認したら、あくまでこの段階では「上昇トレンド中に下降する調整波」を獲りに行くとして、売りを建て、欲張らずに利確します。これが②の波での判断ですね。

次に②の波動を見て、トレンドをV字回復する際の調整1波ではないと判断。この後の展開は、

  • 上昇トレンドを継続するにしても、調整レンジを形成する
  • 一旦高値を目指すが、レンジ形成もせずに反転下落が始まる
  • レンジ形成後に下方ブレイクして大きな反転下降が始まる

になるであろうと想定。

少なくとも一旦は上に上昇すると判断しているので(実際の僕はこの後トレードしませんでしたが)、この上昇する③の波を獲りに行くことが可能でした。

③の波は、上昇トレンドを継続させる推進波にはならないと判断しているので、③が高値をつけた後は、売りのセットアップです。レンジの可能性を考えて利確するポイントは水平線Cに設定します。

その後、水平線Cを下方ブレイクしたのを確認して、売りで⑤の波を獲りに行きます。Cをブレイクしたことでダブル・トップの完成でもあります。水平線Dは次のチャートポイントになるので、ここでサクッと利確するのが賢明な選択です。

さて、反転していく状況の解説はここまでにしておきましょう。次回は・・・

と思ってたんですが、ちょっとおまけで次の展開もお話しておきましょうか。

実はこの後の僕は、仕事尽くめの予定だったんですが、週明けの13日月曜日は体調を崩してしまったので、大事をとって仕事をお休みしてたんですね。

で、頭ボ~ッとしながらチャートを横目でチラ見してたら、こんな感じになってたんですよ。

只今、下降フラッグ絶賛形成中。

なので、5分足に切り替えて、様子を伺うことに。すると・・・

チャネルを上にブレイクした時は一瞬、

「あれ?」

と思ったんですが、まぁ時間的に商い薄でしょうし、

「オーバーシュートかな?」

ということで様子を見ていたら、案の定チャネル内部に価格が戻っていったんですね。

「そろそろかな」

ということで、トリガーを引く準備。

まずは最初の赤丸のポイントで売りエントリー。

チャネルをブレイクするどころかチャネル上部での売りエントリーですが、今のチャネルが下降フラッグだと判断しているため、この後は下にブレイクするというシナリオです。仮にブレイクできなくとも、薄利で逃げることが可能な位置です。

で、無事に下降フラッグを下抜けた後は、水平線もブレイク。その後にもう一度水平線を試しに上昇しますが、ロールリバーサルしましたね。ここで玉乗せです。

利確目標ですが・・・

この調整レンジであるチャネルは、今までの分足での調整波に比べ、かなり大きいのが分かると思います。

こういった場合は、分足ではなく、もっと上の波に対する調整になるため、分足では判断しません。

で、今回は1時間足で判断しました。

上の時間軸やら何やらで水平線を引いてみたり、斜めラインを引いてみたり、フィボナッチ・リトレースメントやらフィボナッチ・エクスパンションやらを駆使してみたんですが・・・

上図青いラインの価格が濃厚かなと判断。長丁場になる可能性も考慮し、青ラインの少し上に指値を。結果的には、そこでエグジットになりました。ドンピシャとはいきませんでしたけどね。

 

さて、今回のお話はここまでにしておきましょう。トレンド転換時にどの様に考え、どの様にテクニカルを用いるかを、実例をもとに解説してみました。

このブログの常連さんならご存知の通り、ここで解説したトレードは、今まで僕がお話しているテクニカルを使ってトレードしているに過ぎません。

秘密の手法など、どこにも登場してませんよ。

大切なのは、基本的な事柄をいかに有機的に結び付けて、実際のトレードに活かせるかどうかです。

今まで僕がお話してきたテクニカルを実際のトレードに用いるとしたら、こんな感じになるんだよ、ってことが皆さんに伝わったなら、これ幸いです。

知っただけの知識が、生きた知恵、使いこなせる技術になるまで昇華できる様、皆さん、日々の検証と練習に励んでください。

それじゃあ、また。

 

トレンド転換時の思考と方法論(1)

さて今回のお話は、トレンド転換についてです。

トレンドが反転する際に、どの様な思考でどの様にトレードしていくべきかをお話しようと思います。

ただ、いつものごとく書き出したら長くなりすぎちゃったんですよねぇ・・・

ということで、この「トレンド転換時の思考と方法論」も数回に分けてお話していくことになります。

まずは、トレンド転換時において初心者が陥りがちな思考(というか嗜好)について、メスを入れていくことから始めていこうと思います。

それでは、始まり始まり~!

天底だとか、頭と尻尾だとか

前回、ポンド円を解説する際にあげた日足チャートが以下の図です。

そして、6月16日朝の段階の日足は、こんな感じになってます。

で、僕は先日、ネット上で上図赤丸の辺りで売ってドヤっている人を見かけました。

まぁこれに限った話じゃありませんが、この界隈では天底を獲ってドヤ顔する自称凄腕トレーダーや、そんな彼らを「凄~い!」とか言って褒め称えてみたりという光景が、珍しくありません。

 

えっと、皆さん初心者か何かなんですかね?

 

天底を獲りたいとか、波一辺の頭から尻尾まで頂きたいとか、そういった発想って、トレードにとっては邪魔な概念でしかないんですよ。

なぜかって?

だって、トレードの本質は、それとは無縁のところにあるからです。

なぜ天底獲り願望がダメなのか?

例えばこんなチャートがあったとします。ゴールドの5分足です。

で、例えば上図の赤丸で売ったことを勝ち誇っているトレーダーがいたとしたら、アナタはどう思うでしょうか?

僕には、そんな人の心の裏側が透けて見えて、思わず笑ってしまいたくなります。

このチャートの上部には、1本のラインが引いてありますよね?

そのラインは、ここがチャートポイントになる可能性があると思っていたので、僕が予め引いておいたものです。

ただ、じゃあ僕はこの赤丸のポイントで売るのでしょうか?

もちろん、ここはチャートポイントですから、少なくとも一旦は売りが入るだろうと想定するのは、正しい判断です。なので、反発(反転ではない)を狙ってスキャルピングで売りを仕掛けるなら、それはトレードとして正しい選択です。

で、スキャで即逃げするつもりで一部を利食い、残りを持ったまま様子を見ていたら、たいしたストレスもなく順調に下げていった・・・ラッキー!

そう、それならば単にそれは、幸運だっただけの話です。分析の結果でも、秘密の手法のおかげでもありません。

しかし、もう一度チャートを見てください。

上図の赤い丸で売って、チャート右下まで下げているという事実をドヤ顔するのであれば、そもそもデイトレかスイング・トレードで入ってるはずです。

では、赤い丸のポイントで、相場が反発ではなく反転するという根拠はどこにあるんでしょう?

 

ないんですよ。
ないんです。

 

価格が赤い丸のポイントに到達した時点で、反発する根拠はあっても、反転するという根拠は、どこにもありません。

もっと言えば、相場が反転するというサインどころか、相場が継続して上昇するというサインすら出てないんですよ。

あるのはただ、チャートポイントに到達したという、その事実だけです。

チャートポイントとは

そもそもチャートポイントとは、多くの市場参加者、特に力のある参加者たちから注目されているであろうポイントのことを言います。

で、注目しているのは、そのポイント(もしくはその周辺)で売ろうと思っている勢力だけではありません。そのポイント(もしくはその周辺)を越えていこうとする買い勢力も、同様に注目しています。

なので、チャートポイントは、売り買いが交錯するポイントでもあるわけです。

で、売り手が圧勝すればすんなり反転しますし、買い手が圧勝すればすんなりとそのポイントを抜けていきます。

ただ多くの場合は、売り買いが拮抗します。その勢力争いが短ければ、少し小さく揉み合ったくらいで勝敗が決まりますし、勢力争いが大きく激しければ激しいほど、価格の揉み合いは長く大きくなるわけです。

で、そんなポイントが「チャートポイント」なんですね。

チャートポイントに価格が到達すれば、単純に反転すると勘違いしている人って、結構いると思います。その点を間違わない様にしてください。

僕らトレーダーはスネ夫でしかない

僕ら個人トレーダーに、相場を動かす力はありません。巨大なファンドや実需筋に立ち向かって勝てる資金など、ありませんからね。

僕らは、決してジャイアンにはなれないんですよ。

そして、のび太の様にドラえもんに頼んでジャイアンを打ち負かす特別な道具を使うこともできませんし、タイムマシーンに乗ってジャイアンがどちらに向かうかを知ることも出来ません。

僕らが出来ることといったら、力づくで方向性を決定するジャイアンに足並みを揃え続けるスネ夫になることだけです。

そう、僕ら個人トレーダーが相場の世界で生き残る道は、スネ夫戦略一択なんです。

チャートポイントに到達し、そこで買い方が勝ったのであれば、買い方についていく。売り方が勝ったのであれば、売り方についていく。

僕らスネ夫軍団は、「どちらが勝ったのか?」という【事実】ただそれだけを頼りに、進む道を決めるのです。

そして、それが僕ら個人トレーダーとしての本質です。

予想は止そう

では、そんなチャートポイントで勢力争いの決着を見ずに、即売ったり買ったりしてしまうのはなぜなんでしょう?

結果すら出ていない上図赤い丸のポイントで売ってしまったのは、なぜなんでしょうか?

それはね、

「そのポイントで反転するだろう」

という「予測」や「予想」をしていたからです。

だから、反転する事実もないのに、売ってしまってるんです。

しかし、なぜそこで反転すると思ったのでしょうか?

そのポイントで、どんなファンドがどのくらいの資金で売りを入れ、どんな実需筋がトータルでどの程度の売りを建てていたのか?

そのポイントで、どんなファンドがどのくらいの資金で買いを入れ、どんな実需筋がトータルでどの程度の買いを建てていたのか?

それらを全て把握したうえで売り方が勝つと予め分かっている人など、世界中を探してもほぼ見つかりません。

にもかかわらず、なぜそこで反転するとして売ったのか?

「俺がチャートを分析して割り出したチャートポイントはここだ。このポイントで反転するぞ、するぞ」

そんな風に、勝手に予測や予想を立てて、それを実行したからなんですよ。

しかし、それは予測や予想という名前の、単なる自分勝手な妄想にしか過ぎません。

だって、根拠がないんだもん。

もちろん、様々なテクニカルやファンダメンタルズを駆使することによって、そこで反転する可能性を導き出すことは可能かもしれません。

しかし、それは単に可能性でしかなく、言ってしまえば確率論です。

もちろん、僕らトレーダーは確率思考の中で進む道を決めているんですから、確率論が悪いと言っているわけじゃありません。ただ、

「確率的に優秀なサインが出たから売った」

のであれば、それは常日頃の出来事でしかないんですから、別にドヤる必要なんてどこにもないじゃないですか。淡々と売れば良いだけです。

むしろ確率の高いシグナルを珍しく外した方が、サプライズですよね。予測を外してしまったという珍しい方をネット上に晒して驚いていることの方が、自然な態度なんじゃないですかね?

 

でも、しないんですよねぇ・・・

なぜでしょ?

 

答えは簡単です。

天井を獲るのが珍しいこと、貴重な事だと、本人が思っているからです。そして、自分だけではなく界隈の人たちも、そう思っていると判断しているからです。

もし仮に僕が、自称凄腕トレーダーとなって皆さんを騙し、高額商材やらサロンなどに誘い込もうとしたら、どうすると思います?

例えば僕なら、

上図赤いポイントで、スキャルピングとして売り、ドキドキしながら様子を見ているうちに順調に下げ出しても、自分の運を喜ぶ姿は隠しておきます。そして、皆さんに対しては、

「僕の手法を知ったら、誰でも同じようなことできますよ」

ってな感じのドヤ顔で、チャート履歴を公開します。

もちろん、そこで売ったのに上昇してしまったのであれば、損切りした事実など公表しませんし、もし先出しで売ることを公表していたのであれば、そんな事実はなかったことにするか、「資金管理」やら「確率論」を持ち出して誤魔化します。

もしくは、上図赤丸で両建てします。で、順調に下げ出したのであれば、買った方を損切りし、売った方のチャートと履歴を自分の実力の証拠として公開します。

 

なんだ、簡単じゃん。欲ボケした人間を騙すのなんて。

( ̄∇+ ̄)vキラーン

 

まぁ、詐欺るつもりは毛頭なくとも、自己承認欲求を満たすために、たまに運よく天底獲ったりしたら、ネット上に公開するしたりすることは、人によってはあるかもしれませんね。

ただ、本当にトレーダーとして一人前になりたいのであれば、そういった行動はむしろ逆効果の様に思えてしまうんですが・・・

 

すみません。ちょっと、話がそれました。

僕らトレーダーがやらなければいけないことは、予測や予想をすることではありません。勝敗の結果を見て、その事実についていくのが、トレーダーの仕事です。

「予想は止そう」

そんなダジャレが、この相場で生きる人々にとっては格言であり、一人前のトレーダーを目指す僕らにとっては欠かすことのできない大切な言葉です。

トレーダーは「想定」する

予想も予測もダメ。

しかし僕らテクニカル・トレーダーは、価格が相場を辿った過去の道標から未来を判断して売買を行ないます。

なのに、予想も予測もダメってどういうこと?僕らがやっていることって、予想でもなく予測でもなかったら、一体何?何なの?

そんな言葉の定義について、以前ちゅぱ太郎@さーふさん(@SSSURFFF)というエロい人と話していた時に、みぎさん(@miggy_star)というこれまたエロい人から教えてもらったのが、

「想定」

という言葉でした。

僕らトレーダーは、過去の値動きを道標として、現在から未来への価格をトレードします。

しかし、その際に僕らがすることって、

「このまま上がるのであれば、こうしよう。もし下がるとしたら、こうしよう。しかしレンジになったら・・・」

ってな感じで、様々なシチュエーションを考慮(シナリオ作り)しながら、事実と向き合うわけけす。

つまり、そういった未来を考える行為って、予想でも予測でもなく、「想定」なんですね。

うん、それって大事。

僕らトレーダーの仕事とは、過去の道程から未来を想定し、そして事実と向き合うことなんですよ。

そしてそれが、トレーダーとしての本懐です。

事実と向き合うとは

では、事実と向き合うというのは、実際どういうことなんでしょうか?

要するに、相場が反転するなら、「反転した」というサインをチャートから受け取ってから、売買を行なうということです。

このサインというのが、僕がこのブログで何度も言っている「反転確認」です。

反転確認とは、売り方と買い方の勢力の優劣が逆転したことを確認する作業です。

もちろん、その反転確認という作業は、その人が身に着けたテクニカルの種類や腕前によって、人それぞれ違ってきます。

例えばライン・トレーダーであれば、先ほどのゴールド5分足チャートなら、こんな風にトレードしたりします。

上図の様な赤い丸のポイントで、淡々と売っていけば良いわけです。

仮にこのブログでライン引きを勉強している人であれば、ここに引いた斜めラインは、相場の規則性と勢いを表す「クシ」と一致していますから、より強い根拠として売って売って売りまくることが可能になるわけです。

しかし、天井獲ってドヤってる人って、「天井で売ってここまで下げましたよ」とは言いますが、上図の様にその途中で売りまくるポイントは沢山あっても、そこには全く触れなかったりします。

天井獲って喜んでるだけで、一体何をやってるんでしょ?初心者感、丸出しです。

で、上図はライントレードの一例でした。

では、今度はそれがMAトレーダーなら、どう振る舞うでしょう?

同じMAトレーダーでも、用いるMAの種類や期間、またトリガーの引き方は人それぞれですが、まぁ例えば僕ならこんな感じになります。

同じく、事実をもとに淡々と売っていくだけです。

で、余談ですが、ライントレードもMAトレードも、見比べて見ると、結果としては似た様なところでエントリーすることになります。面白いですよねぇ、トレードって。

まぁ、なんだかんだ言いましたが、結局のところ僕らトレーダーは、天底を当てて喜ぶのが仕事なわけじゃないんですよ。

自分が学び検証と練習を重ねることで得たテクニカルの技術によって、勢力争いに決着がついたポイントを見つけ、その事実に基づいて売買を行なうことが、トレーダーとしての仕事です。

 

さて、話が長くなってしまいましたので、今日はこの辺でお終いにします。今回は、トレンド転換時に対する基本的な考え方についてお話しました。

次回は、前回に解説したポンド円のトレード例の続きを用いながら、テクニカルの部分のお話をしていきます。前回のお話を読んでない人は、「エントリーの実際(セットアップの重要性)」を読んでおいてください。

それじゃあ、また。

エントリーの実際(セットアップの重要性)

さて、前回は実際に僕がやったゴールドのトレードを例にして、チキン利食いについてお話しました。

エントリーにおける根拠の薄さ、自信のなさがチキン利食いに繋がるというお話でしたね。

で、今回はその逆。エントリーする根拠強めの場合は、同じ人間でもこうも違うのか?というお話をします。しかも、紹介する実例は前回チキン利食いしたトレードと同日に行ったものです。

根拠の強弱によって、いかにエグジットの対応が変わってくるかのかをご覧ください。

それでは、始まり始まり~!

と、その前に

今回は、セットアップの重要性を分かってもらおうという主旨のお話です。

ですが、肝心の「セットアップ」という言葉を知らない人が、きっと多過ぎ。

もちろん、このブログの常連さんなら、

「聞き飽きちゃったぜ ┐(  ̄ー ̄)┌ フッ・・・」

ってことだと思いますが、知らない人がいると話が理解できないんじゃないかと。

ということで、まずはセットアップの言葉の説明を簡単にしておきますね。知ってる方は、読み飛ばしちゃって、次の章「根拠の強いエントリーの実例」から読み進めてください。

セットアップとトリガー

トレードにおいて、エントリーするにはまず

「売るのか?買うのか?」

という方向性の決定が必要になります。

で、この売買の方向性を決定するための条件のことを「セットアップ」と呼びます。

セットアップが完了して、初めて売るのか買うのかが決定するわけです。

で、セットアップが完了し、例えば買う方針が決定したなら、次は実際にエントリーするためのタイミングを計る必要があります。

で、出来るだけ効率の良いポイントでエントリーするタイミングをとる方法のことを「トリガー」と呼びます。

世間一般ではこのトリガーを「手法」だと思っている人が多いですが、それは間違いですし、インチキ商売に騙されるもとになっているので、注意してください。

詳しいことは、「エントリーの背景(1)」をご覧ください。

では、本題へと進んでいきましょう。

根拠の強いエントリーの実例

ポンド円の環境認識から現状認識へ

で、紹介するトレードの実例は、先日のポンド円でのトレードです。

今回は、記事書くのにやや時間があるため、いつものごとく先の値動きは消して解説します。ただ、週足はそのまんま表示してたり、日足は逆に1日分のロウソク足が丸ごと1本なくなるので、多少の時差が生じますが、まぁご了承のほどを。

ということで、まずは週足チャートから環境認識していきましょうか。話の主旨とはズレるので、簡単な解説で済ましますね。

まあ見ての通り、長い間のレンジ(レンジ後半は三角保ち合い)を抜けて、上昇トレンドを形成しています。

ご存知の通り、今は円安基調です。なので、大きな時間軸では今のところ方向性は上へと向かっていくという流れが続いています。

一旦高値をつけた後、大きく押し目を付けましたがその後再度上昇し、前回高値に到達しています。(上図では最新のロウソク足がヒゲを付けていますが、トレードした当日は前回高値にちょうど到達していたところです)

では、次に日足を見ていきましょう。

前回高値をつけた後は、大きく下げていきましたが、以前のレンジ上限まで到達すると跳ね返され、ものすごい勢いで上昇しているのが見て取れますね。

で、今は前回高値に到達したところ。ここを抜ければ買いですし、再び弾き返されるようなのであれば売りという、単純明快なセットアップが立ちます。

では、このまま現状認識を続けていきましょう。詳細を見ていくことで、何か見えてくるかもしれません。

大切なのは、セットアップの明確さ

じゃあ、4時間足。

見ての通り、緑色斜めラインを抜けた後は、綺麗な上昇トレンドを形成。さらに、青色ラインを抜けると、その上昇気流は加速していきます。

なんて分かりやすいチャートなんでしょう。

もうね、今のポンド円はセットアップが明確なんですよ。上昇力の強いここ2週間くらいは、ちゃぶつく様な場面もほぼなく、押したら買って、また押したら買ってを繰り返していくというルーティン作業です。

値動きが複雑なゴールドばかりやって、買ってみたり売ってみたりで負けを積み重ねるなら、こういった理解しやすいポンド円で勝ちを積み重ねた方が、お得感丸出しなはずです。

大切なのは、「いかにセットアップが明確か?」ということなんですよ。

この点を注意しながら、さらに現状認識を続けていくことで、現状を把握していきましょう。次は1時間足です。

前回高値を示す水平線を一時的に抜けましたが、今はちょうど押し込められた場面です。

一応急上昇してからの値動きに2本のトレンドラインを引いてみました。急角度のトレンドラインで見ると今はラインをブレイクしたところ、緩い角度のトレンドラインで見ると今はラインで下落が止められたところになります。

では、どちらのラインを信じたら良いのでしょうか?ライン割れでここから下落?それともラインに止められて再度上昇?

このブログでは何度も言っていますが、斜めラインって、後付け解説なら何とでも言えますが、実際のトレードで使う場合は、結構難しいんですよ。引き方も考え方も人それぞれ。同じ人が引いても、ちょっとズレただけで判断が変わってしまうし。

なので、ラインで極めるべきはまずは水平線とパターンライン。斜め1本だけの線(トレンドラインとか)は、その後から挑戦すれば良いと思います。

まぁ、だからと言ってトレンドラインを引くなってことではなく、相場の状況やトレンドの強弱を把握するために引くならOKです。くれぐれも初心者はトレンドラインでのブレイクや反発それだけを根拠にエントリーしないでください。(もちろん、いくつかある根拠の内の1つとしてはOKです)

で、このチャート図で大切なのは、この図の緑色で囲った局面の値動きです。

この値動きを見て、皆さんは何を思うでしょうか?

では、この部分をもう少し詳しく把握するために、時間軸を下げて15分足を見ていきましょう。

わざとですが、さらにトレンドラインを加えてみました。どう引いても、止められてみたりブレイクしていたりする様に見えますよね。繰り返し言っている通り、難しい斜めラインを使いこなせない人が、エントリーするのにトレンドラインを何本も引いたところで、それは混乱のもとにしかならないわけです。

ただし、注目してもらいたいのは高値を結んだ赤い斜めラインです。

低値を結んだトレンドラインをいくつか引きましたが、これは低値の切上げの勢いを表しています。

それに対して高値に引いたラインは、高値の切上げの勢いを表しているわけです。

で、見比べてみましょう。低値を切り上げるラインの角度に比べ、高値を切り上げるラインの方が緩やかになっています(パターンで言えば、「上昇ウェッジ」という形です)。これは、低値を切り上げる勢いに比べ、高値を切り上げる勢いが弱まっているということです。

これはどういうことかと言うと、下では下がれば買う勢力は続いていても、買い進む力は衰えており、また上では売る勢力の力が強まっているということです。

であれば、ここは前回高値ラインを越えることができず、反転下落する可能性が高まったということなります。

セットアップを考える

勢力が逆転するポイントを見極める

上昇トレンドとは売買の勢力で言えば、

「買い勢力>売り勢力」

という構図です。

しかし今は、買い進む勢力が徐々に衰え、売り勢力がやや強まってきているということですから、買い勢力と売り勢力の力関係が逆転する可能性が強くなっているということになります。

であれば、買い勢力と売り勢力の力関係が逆転するポイントが、売りのセットアップとなるポイントになるわけです。

もちろん、この反転下落が一時的なものなのか、天井となって大きく下落するものなのかは、今の段階では分かりませんが、とりあえず、売りでトレードしても獲れる波が発生しそうです。

ということで、もう1度15分足を見直してみます。

上昇ウェッジを割り込み、前回高値ラインの下に押し込めらた後、緑色で囲った部分の挙動を見て水平線を越えられないのを確認することで、売りのセットアップが完了と考えて良さそうです。

根拠を強化するために別の視点も

しかし、もう少し売りのセットアップをとるための根拠を強くしておきたいところです。そこで、別の角度からチャートを見ていきたいと思います。

移動平均を用いて、相場を覗いてみることにします。青色が20SMA、緑色が75SMAです。

ご覧の通り、上昇トレンドの大きな波を75SMAが表現し、その中にある小さな波を20SMAが表現してくれています。小さな波が20SMAを下抜けても結局は75SMAが下支えをして、再び上昇していくのが分かりますよね。

ところが、水平線まで到達すると、その流れに変化が出てきています。20SMAを価格が下抜いた後は戻ることなく、また今まで下支えをしていた75SMAまでも下抜けてしまっています。

ということは・・・

「流れが変わった!」

そう判断してもおかしくありません。

さて、ライン、パターン、値動き、移動平均線、いずれも「これから下へ向かいます」という根拠が揃いました。

強い根拠のもとに売りのセットアップが完了しています。

といういことで、次は売りエントリーのタイミングを伺うことになります。

タイミングをとらえる

ただ、僕がチャートを覗いた時点では、既に最初の売りタイミングを逃し下落が始まった段階なんですよねぇ。

ここから売りに入るにはちょっとリスクがあるんですよ。今の下落したロウソク足の低値が下値となって再び上昇してレンジを形成する可能性があるからです。

ちょっと説明しますね。

先ほどまでの解説だとゴチャゴチャしてしまうので省略していたラインがあるんですが、上から2番目の水平線は4時間足から引けるラインを微調整したものです。また、先ほどの高値を結んだ赤い斜めラインを低値にも持っていくと、今の下値にビタで止まります。

つまり、上図青色の四角で囲った様な平行レンジになったり、赤いラインのチャネルの中を移動する値動きになる可能性があるんですね。

仮に上図緑色のタイミングで売った場合であれば、レンジに移行しても利益を出して逃げることが可能です。

しかし、今この最新のロウソク足のタイミングで売った場合、レンジ低値で売ってしまうことになり、痛い目にあうわけです。

ということで、レンジとして一旦上に上がるのであれば高値をつけたところで売り、下にブレイクするならそれについていって売ることにします。

では、その後の展開を見守ることにしましょう。すると・・・

もうねぇ・・・「嘘でしょ」と思ってしまうくらいに、エントリーの条件が重なってしまいました。

まず、水平線をブレイクしたと共に想定したチャネルラインもブレイク、おまけに価格は20SMAを上抜けなかったどころか、20SMAは下を向き出してデットクロスです。もう、ここしかないというタイミングで売りエントリーです。

エグジットを考える

では、ここで利確目標の解説に移りましょうか。

4時間足に戻って、水平線を加えた画像がこちらです。

上図とは誤差があって申し訳ありませんが、エントリーしたのはラインBをブレイクしたところです。

で、エグジットの目標値ですが・・・

まず第一目標がラインCです。Cのポイントはフィボナッチ・リトレースメントでは38.2%に近い位置にありますし、一旦押し目を付け様な展開であれば、ここでの利確が妥当かと。

次の目標はラインDです。ここはフィボナッチ・リトレースメント61.8%とほぼ一致する位置でもありますから、ここまで到達する可能性も濃厚です。ただ、いきなりここまで下げるのはちょっとなぁ・・・という印象ですかね。

では、次の展開を見守ることにしましょう。

根拠が強いと・・・

今さっき僕は「次の展開を見守ることにしましょう」と言いましたが、実は僕、この展開を見守っちゃいません。

アラートをセットして、ポンド円のチャートなんて見ずに別のことしてたんですね。この日は仕事休みだったんで、録画したドラマ観てました。

基本僕は、エントリーしたら、スキャでもない限りチャートをガン見することはあんまりありません。アラートを仕掛けて後は放置で別のことやってます。

人生は、有意義に使わないとね。

( ̄∇+ ̄)vキラーン

 

 

すみません。

今僕はちょっと、偉そうに余裕ぶって言ってますが・・・

本当のこと言うと、エントリーの根拠が弱ければ、そんな余裕もへったくれもありません。もうビビリまくりです。

この日の夜にやったゴールドのトレードなんて(前回のお話で紹介したトレードです)、根拠弱い中で入っちゃいましたから、不安になって5分足から1分足に切り替えてチャートをガン見し続けたりして。で、結果はチキン利食いです。

同じ人間が同じ日にトレードしたのに、一方はエントリー後はチャートを見ずにのんびりと。もう一方は、チャートの値動きが気になって気になってしょうがない・・・

前回もお話しましたが、チキン利食いしたとか引っ張るところまで引っ張れたとかは、メンタルの強弱じゃないんですよ。

エントリーの根拠の強弱の違い、それ一択です。

では、ポンド円のトレードの続きを見ていきましょう。

エグジット

さて、なんだかんだやっていると、仕掛けておいたアラートが鳴りました。チャートを見るとこんな感じ。(下図は、正確なタイミングではありませんが)

順調に下げてますね。

で、もう少し様子を見ると、

最初の目標値に到達しました。

で、僕はここであっさりとエグジットしてます。

なぜ、ここで利確したのか?これ以上引っ張らなかったのか?

それについて書き出したら、結構長くなり出したので、今日はこの辺で終わりにしておきます。

次回は、この時のエグジットの判断した理由や考え方、そしてこの後のエントリーについて、お話していこうと思います。

今回のお話の主旨は、エントリーの根拠の強さ、つまりセットアップの明確さについてでしたので、それがいかに重要かというが分かってもらえたらなぁ・・・と思います。

それじゃあ、また。