ラインとゾーンと曖昧なレンジの話(2)

さて、前回は実際のチャートを用いて、ラインとゾーンについてお話しました。

で、今回も同じチャートの局面を用いながら、ラインを引く時の条件やらレンジに関するお話をしていきます。

そして、それらを一通り説明した後に、実際のチャートをどの様に解釈していくのかの一例をお話していこうかな、と思ってます。

それじゃあ、始まり始まり~!

ライン引きの条件

後付け解釈ならトレードは簡単

前回と同じ局面のチャート図はこちらでした。

で、こういったチャートを見ると、多くのトレーダーは、

矢印で示した様なバイ~ンと伸びたところを獲りたがります。

「こういった局面をどうやって獲ったら良いんだろ?」

って考えて、色々インジを張り巡らしたりして思案します。

で、こういった疑問に対して世に蔓延るトレードの先生たちは、下図の様にラインを引いて、

「下降トレンドからレンジに入りましたが、徐々に高値を切り下げ、低値を切り上げてきています。これは、ペナントと呼ばれる形で、徐々に売りと買いの圧力が高まってきてる状況で、ラインを抜けた方向に大きく伸びていくんですね。このチャート図であれば、ペナントのレジスタンス・ラインを抜けたところで、買いです」

なんて解説をしたりするわけです。

まぁ、間違っちゃいないですよ、その解説。理屈から言えば、その通りです。

でもねぇ・・・

正直な話、既に値動きが出来上がったチャートを見て判断しているだけの「後付け解釈」なんてのは、ちょっとテクニカルをかじった程度であれば誰だってできるんですよ。

例えば、野球をある程度知っているならば、あるバッターの打ったヒットに対して、解説するのは誰だって可能です。そして大方その判断は間違ってません。

しかし、実際に飛んできたボールをヒットにできるかどうかは、全く別次元の話ですよね?

トレードもそれと同じです。

既に出来上がった値動きに対して解説をするのは、たいして難しくはありませんが、今まさに値動きが形成されている最中に判断を下してトレードを成功させるのでは、至難の業です。

後付け解釈するのとリアルタイムでトレードするのは、全く別次元の話であり、もっと言えば講釈を垂れるよりもトレードで利益を出す方が難易度は遥かに上です。

ラインを引くには

極めて当たり得のことを言いますが、チャートにラインを引く際は、高値や安値を結んで引きます。

ただ、その際に絶対に意識しておかなければいけないことは、

2点を結んだだけのラインは無限に引ける

ということです。

チャート画像で例を示すのは面倒くさいので、知らなかった人は試しておいてください。2点を結んでラインを引こうと思えば、様々なラインを無数に引くことが可能になります。

でも、それじゃあラインを引く意味はありませんよね。

ラインを引く際には、最低3点を結んだものにする必要があります。

ただし、3点を結べるラインがあったとしても、それがきちんと機能するかどうかは絶対ではありません。3点より4点、4点より5点と、より多くの高値低値を用いて引けるラインになるほど、信ぴょう性が増すということです。

なので、そのラインが機能するのかの信ぴょう性をより高めるためには、リテストが成功している形跡があるかどうかを確認する必要があるんですね。

トレードで用いるラインというのは、抵抗線として機能している必要があります。

そして、抵抗線として機能しているラインというのは、

  • レジスタンスとして機能してたラインが価格を一旦抜けてしまった場合、その後はサポートとして機能する
  • サポートとして機能してたラインが価格を一旦抜けてしまった場合、その後はレジスタンスとして機能する

といった性質を持ちます。

要するに、上からも下からも価格の進行に抵抗する機能を持つものが、機能するラインの特徴なんですね。

なので、単にサポートとして3回止められた形跡があるだけよりも、サポートとレジスタントの両方として止められた形跡があるラインの方が、信用度が高くなるわけです。

しかし現実は・・・

ところが、実際のトレードにおいては、そう甘くはありません。

現実には、リテスト成功の確認どころか、3点で結んだラインが出来上がってからトレードをしようとしても、

「時すでに遅し」

既に価格はそのラインをブレイクしてしまったりすることって、多々あるんですよ。

時間軸が大きい場合の水平線やトレンド・ラインではその確率は低いですが、時間軸が短くなるほど、手遅れとなるケースが増えていきます。特にパターン・ラインは。

飛んできたボールが打つポイントに来てからバットやラケットを振っても、その時には既にボールは通り過ぎています。ボールを打つためには、ボールが打つポイントに来るのに合わせてバットやラケットを振り始める必要がありますよね。

それと同じです。

実際は、トレードも機能するラインであると確定する前に、値動きを想定し、ラインを想定する必要があるんですよ。

実際にライントレードを行う場合、短期売買になればなるほど、機能するラインが確定する

  • 3点以上を結んだラインが引ける
  • リテストが成功した経緯がある

を待ってからでは遅くなってしまうんです。

また、実際に3点を結んだラインが引けたとしても、そのラインが本当に機能するかどうかは分かりませんし、ラインを引いた後の値動きを見て引いたラインに疑心暗鬼を持ってしまったりしもしてしまいます。

ではちょっと、3点目を待ってからトレンド・ラインを引くケースを見てみましょうか。先の値動きは隠しておきますね。

同じ高値を結んでみても、微妙な結び方の違いで、ラインはいくつも引けてしまいます。上図では例として2本引いてみました。

しかし、この2本ですら未来に向かって線が伸びれば伸びるほど、青色矢印の様に価格差はどんどんと広がっていきます。一体、どの角度のラインを信じたら良いのか分からなくなってしまいますよね。

ましてや、赤丸で示したように、その後の高値がこれらラインには届かないことが繰り返されると、

「効いてないじゃん!」

ってなってしまい、疑心暗鬼になってしまいます。

で、結果として別のラインを引くことを試みたりするんですね。以下のような感じで。

ところが、これは見ての通り、ラインをブレイクたと思ったらすぐに下落して、ブレイクポイントを下回ります。損切りですね。

結局のところ、先の見えないチャートでは上手くラインが引けないことが多くなります。

それでは、先ほど2本のトレンドラインを引いたチャートをもう一度見てみましょう。今度は先の値動きを表示してみます。すると・・・

結局そのままラインを残しておいたとしても、トレードしづらいラインでしかないのが分かると思います。

ただ、アナタが検証や練習を重ね、このトレンドラインが比較的信ぴょう性高いものだと判断できているのであれば、赤い丸の値動きの時点で、現実対応としてラインのチューニングを行ってたかもしれません。こんな感じで。

4点を捉えた適切なトレンド・ラインの完成です。このチューニングが出来ていたなら、リアルタイムでラインブレイクを捉えたトレードが可能だったはずです。

ただ、先にも言いましたが、既に値動きが形成された過去のチャートに、後付け解釈でこの赤いトレンド・ラインを引くのは、誰だってできる非常に簡単な作業なんですよ。

そうではなく、値動きが形成される前に、どう想定し、その想定の信用度は高いのか低いのかも判断しながら、現実に合わせて対応する「技術」がライン・トレードにおいては必要になるわけです。

もちろんこの例は、3点目である程度有効なラインが引ける例であって、むしろ比較的簡単な方。

実際は、3点目が引けると判断で来た時には、もう遅かったりするケースはたくさんあるわけです。

教科書でお勉強しただけじゃあ勝てないのは、トレードもスポーツも同じなんですよ。

有能な裁量トレーダーというのは、その想定と判断、そして現実対応の仕方が上手い人のことです。

僕が口酸っぱく何度も

「トレードは知識じゃなく、技術だ」

「練習と検証をしろ」

というは、そういうことなんですよ。

 

ちなみに、実際に僕がトレードする場合ですが・・・

今解説した上図のトレンドラインで、僕はトレードをすることはありません。

あっ、この言い方ちょっと語弊を生みますかね?

僕が言いたいのは、この手のトレンドラインは意味がないというつもりはなく、僕のトレードではあまり重要視していないという意味合いです。

というのも、このトレンドラインがブレイクされるよりもしばらく前から、値動きはトレンドからレンジに入っているわけです。

下降トレンドからレンジに移行していますよね。

なので、僕の場合は既に相場を捉える視点が切り替わっているんですよ。そして、その方がトレードとしてはもっと旨味があると思っています。

だってね、

トレンドラインをブレイクしてからは、確かに価格は上を向いていますが、その後は踵を返して下落しているのが分かると思います。

スキャやスキャ寄りのデイであれば利確で終わらすことが出来ますが、もう少し引っ張ろうとした場合は、損切か建値決済で終わってる可能性が高い局面ですよね。

なので僕個人としては、この局面では上図のトレンドラインは重要視せずに、レンジ目線で値動きを見てるんですよ。(その理由は、前回の解説から何となく分かると思いますが)

ということで、このブログは「BOZ流」・・・つまり僕のトレードの考え方ってことなので、ちょっとレンジの解説にこれから入っていこうと思います。

 

と思ってはいるんですが、今回も予定に反してちょっと解説が長くなり過ぎましたね。

レンジのお話は次回に持ち越しです。

それじゃあ、また。

ラインとゾーンと曖昧なレンジの話(1)

前回の記事更新から1年近くが経ちました。随分とお久しぶりです。

何度かお話している通り、ブログ更新のモチベーションを下げていた最大の原因はずっと使い続けていた画像編集ソフト「Fireworks」が既に廃盤となっていて、今時のPCでは使えなくなってしまっていたからです。

操作性が全く違うソフトを、今更学び直す気は全くねぇ!

( ̄へ  ̄ 凸

ってことで半ば諦めてたんですが、つい先日「Affinity」っていうソフトをダウンロードして試してます。

で、説明書も見てないですがFireworksと使用感が割と似ていて、直感的に操作が出来そうなので、練習がてら久しぶりにブログを更新しようと思ってます。

そう、今回記事を書く理由は、画像処理ソフトの練習のためです。

( ̄ー ̄)ニヤリ

とは言え、今回の内容はちょっと初心者向けではないかもしれません。恐らく今回も巷ではあまり見かけないレベルのお話になっていくと思うので、このブログの常連さん以外は理解し辛い面が多々あるかもしれないのは覚悟しておいてくださいね。

それじゃあ、始まり始まり~!

ラインのお話

下の図は、先日6月25日21時半頃のゴールド(XAU/USD)の15分足です。

4本の水平線が引いてあります。上のチャートは15分足ですが、引いてあるラインはいずれも1時間足以上のチャートから引いたものです。

で、ちょっと画像を保存しておくの忘れたので、文章の説明だけになってしまいますが、

4本のうち、まず最初に引いたのは上から2番目の水平線です。なぜこのラインを最初に引いたのかというと、これは日足チャートから引いたものだからです。ラインを引くには大きな時間軸から引くんでしたよね。

日足にラインを引く作業が終わったら、次に時間軸を4時間足、1時間足と落としていってラインを引いていきます。

すると、1時間足まで落とし込んで、ようやく上から1番目と3番目のラインを引くことが出来ます。(3番目のラインを引くには結構過去まで遡る必要がありますが)

一番下(上から4番目)の水平線は、過去に4時間足から引いたラインではきちんと機能できていないので、現在の1時間足で3回下値を試したところにチューニングし直しています。

この様にして1時間足まで落とし込んで引いたラインを15分足で見たチャート図が、この図になるわけですね。

で、今回注目してもらいたいのは、一番下のラインを除いた上の3つのラインです。

ラインと言えば、その機能は「抵抗」ですよね。レジスタンスやサポートになるラインのことです。

なので、単純にこの図を見た場合、上の3本の水平線はそれぞれ抵抗線として機能すると思われがちです。

しかし、今回のこの3本というのは、その性質がちょっと違っているんですよ。

ゾーンのお話

ゾーンを可視化してみる

それでは、先ほどのチャート図をもう一度見てみましょう。

上の3本のラインの中で最も中核となるラインが真ん中のラインでした。日足レベルから引けるラインでしたよね。

ただ、このラインは日足や4時間足でトレードする場合は「誤差」ですむ範囲を内包してますが、1時間足以下のチャートでトレードする場合は、その誤差が大き過ぎるんですよ。

なので、もうちょっとその誤差の範囲を限定していく必要があるんですね。

で、その誤差の上限と下限が1時間足まで落とし込むと上手く引ける様になり、それが上から1番目と3番目のラインというわけです。

つまり、この3本のラインというのは、

  • 1番目がゾーンの上限付近を示し
  • 2番目がゾーンの中核を示し
  • 3番目がゾーンの下限付近を示している

ということになるわけですね。これを可視化して図に表すと以下の様になります。

この緑色で覆った域帯を「ゾーン」として認識する必要があります。

一口に「ゾーン」と言っても

ただ、ここで1つ注意しなくちゃいけないことがあります。

実は「ゾーン」と僕は一口に言ってますが、そのゾーンにはいくつかの種類があります。

(本来であれば、きちんと概念化・体系化して別の呼び名を用意した方が良いのですが、僕は「お教える人」としては、そこまでまだたどり着いてません)

で、大抵の場合「ゾーン」というと

「ライン1本では誤差が生れるので価格帯という一定範囲の域帯として捉えることで、その域帯自体が抵抗帯として機能するもの」

という感じで使われることが多いと思います。

しかし、今回図で示した

このゾーンというのは、このゾーンの中に入り込む自体が難しいものというよりは、むしろ逆で

「帯の中には入りやすいゾーン」

になるんですよ。

言ってる意味、分かりますかね?

僕が言ってる「ゾーン」ですが、今説明したいゾーンには性格の異なるゾーンが2つあって、例えるならば

  1. 入るのを拒みたがるゾーン=密集地帯
  2. 入りやすいしその域帯を埋めたがるゾーン=空白地帯

があるんですね。

で、1番目の密集地帯(入るのを拒みたがるゾーン)は、基本的にクラスターによって形成されます。(実際は密集地帯じゃなくても入るのを拒みたがるゾーンがありますが、それは割愛)

そして2番目の空白地帯のゾーンはむしろ逆でポジションが密集していない地帯であり、比較的入るのが容易になります。

詳しい説明は省略しますが、この空白地帯のゾーンというのは、SMCなど海外のS&D系のトレードを学んでいる人であれば、FVGと似た様な原理と解釈してもらえればOKです。知らない人かつこのブログでトレード勉強したい人なら「需給関係をベースにしたトレード入門(1)」を参照しておいてください。

ただまぁ、せっかくなんで「マーケットプロファイル」を用いてその原理を説明しときますね。

この15分足チャートに、マーケットプロファイルを表示すると、下図の様になります。

マーケットプロファイルについては既に何度か解説しているのでスルーしたいところですが、一応解説しておきますが、

マーケットプロファイルというのは、どの価格帯でどれくらいの売買が行われたのかを縦の波で表示するテクニカルです。

「どれくらいの売買が行われたのか?」というのは、本来「出来高」を用いることになるんですが、FXの場合にはその出来高を知ることができません。なので、金額は別として売買の数をティック数としてその量を表したのがマーケットプロファイルです。疑似的な出来高として利用されるテクニカルなんですね。

で、波の山が大きければ大きいほど、その価格帯でのティック数が多かったということで、そこが抵抗帯になりやすくなります。

そしてこのティック数が溜まるところが「クラスター」の部分です。ヨコヨコでもみ合いながらクラスターを形成している箇所にティックは溜まっていき、そこが抵抗帯となりやすくなります。

なぜ、抵抗帯になりやすいのかというと、売買が多く行われて揉み合った価格帯というのは、そこで売った売り手がそこを上抜けさせない様に売り注文を出す場所になりやすく、逆にそのクラスターで買った買い手はそこを下抜けさせない様に更に買い注文を出す場所になりやすいからです。

当然、その抵抗帯を上抜けてしまえば売り手は損切(つまり買い注文)するので、価格は上昇を加速させやすくなります。逆にその抵抗帯をした抜けてしまえば買い手は損切(つまり売り注文)するので、価格は下落を加速させやすくなるわけですね。

ということで、クラスターが積み重なれば積み重なるほど、そこは強い抵抗帯になるわけです。

さて、ここまで言えば何となく気が付くと思いますが、逆にクラスターなどほとんど形成されず、一方的に価格が進んでしまった域帯というのは、

注文はスッカスカの空き地状態

といういことで、ちょっと買えばすぐに上がり、ちょっと売ればすぐに下がってしまうというゾーンになってしまうわけです。

なので、そんな空き地状態のゾーンに価格が入り込んでしまったら、そのゾーンの範囲内を価格が埋めてしまいやすいんですよ。

で、見ての通り、3本のラインで可視化したゾーンの箇所のマーケットプロファイルは山ではなく谷の状態。つまりティックが積み重なってない箇所なわけです。

そう、空白地帯。

なので、下からこのゾーンに侵入してしまえば、ゾーン上限まで到達しやすい環境にあるわけなんです。

ただし、この空白地帯の上の価格帯にはティックが溜まった山が積み重なってます。

なので、空白地帯のゾーンは簡単に侵入できても、その上の抵抗勢力を超えて上昇していくには更なる買い圧力が必要になるわけで、この空白地帯のゾーンを埋めてしまった価格は踵を返して再び元来た道を後戻りしやすい傾向にあります。(あくまで「傾向」であって、「絶対」じゃない)

ではちょっと、この抵抗帯と圧力の方向をチャート図に書き込んでみますね。

すると、こんな感じ。

赤色で示した帯が侵入しずらいゾーンで、緑色で示した帯が侵入しやすいゾーンですね。

ただちょっとこの図だけを見ると、疑問を持つ人が出てきそうです。

なぜかっていうと、

このチャートを見る限り、上の赤いゾーンでは丸で囲った小さなクラスターしかなく、抵抗力は小さそうです。しかもその小さなクラスターよりも上の方までを僕は赤いゾーンとして塗り潰しているんですよ。

「何か、おかしくね?」

ってなりますよね。

でも、それはこの15分足しか見てないからです。

これを1時間足で俯瞰してみると、

この赤いゾーンの価格帯では、過去に大きく揉み合ってクラスターを形成しているのが分かると思います。

しかもその後に、上図1と2でリテストが行われており、立派な抵抗線として機能しています。

さらにこの赤いゾーンの下限である部分も、過去のもみ合いで何度も跳ね返されている箇所であり、直近でも上図3でやはり跳ね返されている形跡がありますよね。

なので、「この上にある赤いゾーンは強いぞ」ってなるわけです。

おまけに今は下降トレンド継続中。15分足でもまだ否定されていないだけでなく、より大きな時間足においても下降トレンドは絶賛継続中です。

なので、先ほどの15分足チャートを見る場合は、

こんな感じで見た方が良いんですね。

なので、下の方の赤いゾーンから抜け出した価格は、理屈から言えば、

「緑のゾーンを簡単に通過して、その上にある赤いゾーンの下限までは届いちゃうけど、その赤いゾーンに阻まれてそこでは少なくとも一旦は止められて、その後は再度下落しやすい環境」

って想定できるはずですね。

でもまぁ、これはあくまで「基本」のお話です。実際の相場は、基本通りの値動きしかしないというわけではありません。原理原則を基に様々な値動きを形成していきます。

それでは、実際の値動きがこれからどう起こっていくのかを、これから解説していきましょう。

でもその前に、「レンジ」を理解しておく必要があります。

なので、実際の相場解説の前に、レンジのお話でも・・・

 

と言いたいところなんですが、今回のお話はこの辺にしておきます。あんまり引っ張り過ぎると、またブログ記事を書くテンションが下がって止めてしまう可能性があるので。

(* ̄∇ ̄*)ゞ テヘッ♪

ということで、運が良ければ次回をお楽しみに!

それじゃあ、また。

インバウンド効果に沸く日本に待ち受ける残酷な未来について

Xでは既にお伝えしていますがが、今回はいつもとは趣向を変えて、テクニカルではなくファンダメンタルズ寄りのお話でもしてみようかな、とか思ってます。

一応アンケートもXでとってみましたが、結果として「たまにはそういう話もあり」って人が、61.5%でしたしね。

で、今回のお話ですが、ファンダと言っても経済指標の読み方みたいな話ではなく、経済の動向についてのお話です。

でもまぁ、短期的なトレード、しかもテクニカル・トレーダーにとっては、あまり興味のないお話かもしれませんね。どちらかと言えば、長期的な投資をする人向けのお話かもしれません。

しかし、僕らは現実の経済社会の中で暮らしています。テクニカル派からすれば直接トレードには必要ないと感じたとしても、そんな僕らの日々の暮らしには直結したお話なんですね。

長期的視野に立ったトレードや投資をしたい人だけでなく、自分たちの生活の方向性を考える上でも、「一考」として読んでもらえたらな、と思います。

で、今回のテーマは、

「インバウンドに沸く日本の未来って、実は結構悲惨になるかもね」

ってお話です。

それでは、始まり始まり~!

観光立国ニッポン

ご存じの通り今、世界は空前の日本観光ブームです。実際に日本旅行に行った人達による口コミやSNS等によるネット効果が、それをさらに加速させています。

もちろん、観光立国を目指す日本にとっては、それは願ってもない現状です。

2003年に日本は、観光業を国の重要な経済基盤の1つとして位置づけました。それによるインバウンド消費、つまり観光客が日本にお金を落としていくことによる経済効果を期待した経済政策が、観光立国化なんですね。

相対的に製造業の世界的地位が落ち、IT産業ではIT先進国からは後れを取っている日本の現状を考えれば、重要な日本の資源である観光業の発展を更に推し進めようとするのは、政策としては妥当な判断です。

で、それは功を奏し、インバウンド消費は多大な経済効果を日本にもたらしているというのは、日々のニュースで知るところです。

日本政府は更なる観光客増加を目指しており、2030年には観光客数6000万人、消費額を15兆円にすることを目標にしています。これが達成された場合、2023年から比較すると旅行者数は約2.4倍、消費額は約2.8倍の増加になります。

凄いですねぇ。日本の未来は、きっと明るいことでしょう。

 

しかし、現実の世界はそんなに甘くはありません。

 

「甘くはない」というのは、その目標を達成するのは難しい、という意味ではありません。

その目標に近づけば近づくほど、日本の未来は暗雲立ち込めてくるということを意味しています。

ちょっと、それについてお話していきましょう。

世界的観光地の現実

ホームレス

ちょっと質問します。

「アメリカで、最もホームレスの多い州はどこでしょうか?」

ぱっと思い浮かぶのは、ニューヨークとかカルフォルニアとかですかね。都会で経済格差もあり薬物も蔓延してそうですからね。

でも、それらよりも群を抜いてホームレスの多い州があります。

それは、ハワイです。そう、あの観光地として有名なハワイは、アメリカで最もホームレスの多い州なんですよ。

ちょっと意外ですよね。観光で沸くハワイは、観光客だけでなく現地の人たちにとっても楽園の地の様に思えますから。

しかし、なぜハワイはホームレスを最も多く抱える州となってしまったのでしょうか?

もちろん、理由はいくつかあって、温暖な地であるためホームレスであっても路上生活がしやすいという点も、その1つです。

しかし、最も危惧すべき理由は、観光地であるが故に生じる地価高騰と経済格差の問題にあります。

地価高騰

観光地は地価が高騰する、ってのは何となくイメージできますよね。人気のある土地は需要が増えますが、供給となるその土地には限りがあります。地価が上がっていくのは、当然の理屈です。

しかも、そこそこの値段で高止まりするわけでもありません。

なぜなら、富裕層がその土地を買うからです。別荘として土地を買い、観光ビジネス目的で土地が買われます。

お金のある人たちが、需要のある土地を金に糸目をつけずに土地を買うわけですから、地価は高騰を続けるわけです。

地価が高騰すれば、もちろんその地に住んでいる人たちの住宅コストも上昇します。

持ち家を買おうとしても、一般人には手に届かない額となります。賃貸を望んでも賃料はどんどんと上昇し、自分の収入から毎月の家賃を払う余裕はなくなっていきます。

そうやって、昔からその地に住んでいた住民達は、住む場所を失っていくんですね。見知らぬ土地へと移住するか、ホームレスの道を選ぶ羽目になっていくわけです。

自分の生まれ育った土地、自分のルーツのある土地に、地元住民は住めなくなり、その土地に縁もゆかりもない人たちばかりが、その土地の所有者となっていく・・・

それが、観光地という名の楽園に待ち受けている悲劇なんです。

経済格差

そういえば、大谷翔平選手は以前、ハワイに豪華な別荘を買いましたよね。(もう手放したっぽいですけど)

でも、大谷選手の生活基盤となる土地はハワイではありません。アメリカ本土にあって、ハワイの別荘は、休暇を楽しむための一時的な居住地でしかないわけです。

つまり、大谷選手はハワイに恒常的に生活費としてのお金を落としていくわけではありません。ハワイにとって大谷選手は一時的にお金を落としていくだけの存在でしかないんですよ。

もちろん、そんな存在は大谷選手だけではありません。生活基盤のない土地所有者ばかりがその土地の住民となり、一時的にしかその地域の経済活動に貢献しないわけです。彼らが貢献するのは、土地の高騰化ばかりになります。

地域住民に対する経済効果というのは、メリットよりもデメリットが多くなるわけです。

しかも、観光地の地域住民にとっての主体となる職業というのは、当然のごとくホテルや旅館、飲食店などの観光客を対象としたサービス業です。

そう、地元住民の多くは、相対的に見ると低賃金労働者という位置づけになるんですよ。

ですから、富裕層によって押し上げられた高い住宅コストを払い続ける余裕は、地域住民にはなくなっていきます。

そしてその様な社会構造は、他の産業で暮らす現地住民たちの生活まで圧迫し始めます。だって、工場や土木関連で働く人達だって、住宅コストの上昇に耐えられなくなってしまうわけですからね。

いえ、上がるのは住宅コストだけではありません。地価上昇に伴って、その他の物価も上昇します。生活コスト全体が上昇を続けるんですよ。

観光地とは経済格差を助長する構造

ここまでのお話をまとめましょうか。

ずっと昔の社会において、観光業とはその土地を潤す産業の1つでした。

しかし、世界のグローバル化が進むと同時に富の偏在化が進んでしまうと、以前のセオリーは通用しなくなってしまいます。観光地においては、以下の様な状況を生み出し、また促進する構造を持つ様になります。

  • その土地に縁もゆかりもない人達が、その土地の所有者となるケースが増える
  • しかし、彼らはその地域の住宅コスト押し上げることには貢献するが、その地域の経済活動の活性化にはたいした貢献はしない
  • 昔からそこで暮らす地域住民の就業先は、低賃金労働が主体となる
  • 地域住民は、住宅コスト高騰とそれに伴う物価上昇による生活コスト上昇に耐えられなくなり、自分の生まれ育った土地に住み続けることが難しくなり、その土地を去るかホームレスとなる傾向が高まる

要するに、グローバル化と富の偏在化が顕著になった現代の資本主義経済において、観光地というのは、昔からそこにいた住民たちは暮らすことが難しくなり、その土地を去るか、貧困層としてその土地に残るかという選択肢が大きく圧し掛かる結果を生むんですよ。

そして、観光地は縁もゆかりもない外部の富裕層たちの所有物と化してしまうんです。

これが今の観光地が生み出す社会構造なんです。

そこから抜け出すためには

観光産業がその地域において一定以上の地位を占めてしまった場合、これまでにお話した様な結果を生み出してしまいます。

では、そこから抜け出すためには、どの様な政策が必要なのでしょうか?

最もありきたりな理想論を言えば、地元住民達による観光業以外での産業を活性化させることになります。

が、観光業が基幹産業となる地域というのは、それ以外の産業を活性化させる術が難しいというのが現実です。

観光地の経済は、観光によって潤わさなくちゃいけなくなるんです。

観光産業によってもたらされた経済格差を埋めるためには、観光業をより盛んにしていかなければいけないという自己矛盾を突き付けられているんですよ。

ということで、ハワイの経済活性化において最も現実的で重要なのは、主要産業である観光をより発展させることになります。主要産業を今以上に発展させることで、

  • 賃金上昇が可能となり、昔から住む地域住民も潤うことができる様になる
  • 税収が上がり、地域住民に対する支援が充実する

というわけですね。

もちろん、ハワイ州もこの現実に対処すべく、様々な政策を模索しています。観光客に対する宿泊税を増税したり、クルーズ船に対する課税も新たに始まる様ですね。

さらに富裕層に対する増税も検討されているようですが、やはりこちらはなかなか話が進まないみたいです。

なので、コロナ過で大打撃を受けた観光業をいち早く元に戻し、更に以前以上に発展させる必要が出てきているわけです。

しかし現実は・・・

ということで現在のハワイは、観光産業の活性化に努めているわけですが、実際のところ上手く入っていません。

もちろん、コロナ過から比べれば観光客数は増加していますよ。

でも、コロナ以前の2019年の観光客数は1,038万人でしたが、2023年の観光客数は950万人、2024年もそれと同程度。2025年に関しては、月データからの予測でもやはりコロナ以前には戻らない可能性が高いのが現状です。

なぜか?

なぜ、ハワイの観光業発展が上手くいかないのでしょうか?

その大きな原因は、日本にあります。

そう、観光大国「日本」の躍進が、ハワイの観光客増加を阻んでるんですよ。

ビジネスというのは、競争原理で動いています。そして観光業というのは、国際競争なんです。

しかも、ハワイの観光客のお得意様は、日本人でした。しかし、可処分所得が減り続ける、つまり貧困化が進んでいる日本では海外旅行という需要は減り続けています。海外への渡航費用に余裕のある人でも、海外の物価上昇からそれを躊躇う人は増えています。

なので、ハワイ観光のお得意様である日本人の旅行客は、減少しているわけです。2023年の観光客数は2019年比で50%減というデータもあるくらいの減りようです。

以上のことから、ハワイにとって今の日本の現状というのは、二重苦を生み出す原因でもあるわけです。

そして、ハワイが抱える今の現実は、将来の日本の現実でもあるかもしれません。だって、観光業は国際競争なんだもん。

日本が抱える問題

ここまでお話して、ピンときた方も多いと思います。

そう、これらの危機はもう現実に日本でも始まっています。最近になって、ようやくニュースでも取り沙汰され始めました。

観光地では土地が高騰化し、昔からそこにいる住民は土地を手放さざるを得ない状況になりつつあります。ニセコや白馬村では現実にそれが起こっているのは、ニュースでもご存じでしょう。

これ、賃貸や土地の購入費の高騰化だけじゃないんですよ。日本には相続税というものがありますから、高騰化した土地の相続税を一般市民は払えなくなってしまってるんです。なので、相続した土地を手放して、相続税に充てるしか方法はありません。そして、その土地を買うのは外国資本や富裕層の人たちとなります。

もちろん、この現象は地方の観光地だけではありません。東京も海外の富裕層や資本に高値で買われまくってますよね。昭和バブルの頃ですらそこまでなかった億ションは、今じゃ都内では当たり前田の前田敦子状態になっています。

また、民泊目的で集合住宅が買われ、今までいた住民たちはいきなり爆上げされた家賃を突き付けられたり、嫌がらせを受けたりして、部屋を追い出されることがそこら中で起きていますよね。

日本の一般市民は、日本の土地に住めない、もしくは住みづらい状況になっているわけです。

また、可能性として経営合理性を進めていくならば、外国観光客主体の観光地であれば、もはや日本語しか喋れない日本人の労働者は必要なくなりつつあります。外国資本のホテルや飲食店であれば、英語や中国語を母国語もしくは通用語とする外国人を雇えばOKでしょう。

この様に見ていくと、日本において日本人が住めないし働く場所もないという環境が、いたるところで生まれつつあることが分かると思います。

しかし、「サービス」という分野において世界一と言われる日本において、経営合理化を優先して日本人のノウハウと労働力を排除した場合、その高度なサービスを維持できるのでしょうか?

難しいですよねぇ。サービス低下が観光業において全体化すれば、観光地としての日本の魅力は半減します。

であれば、いつか観光産業として日本の国際的競争力は落ち込んでいくでしょう。

観光立国として成功することで、日本はハワイの様にその地域に根差した人たちの貧困化を助長します。そして、観光立国として国際競争力を失うことで、やはり日本は現在のハワイの様な状況に追い込まれていくくとになります。

ハワイは将来の日本の写し鏡・・・明日は我が身かもしれませんね。

投資家として、トレーダーとして日本の経済を見つめる

さて、このブログは普段トレードのテクニカルについてお話していますが、今回は趣向を変えたお話をしてみました。

僕らはトレーダーです。そしてその中には投資家の方もいるでしょう。

仮に投資家ではなく投機家であったとしても、各国の経済動向を把握するのは大切なことです。

もちろんそれは、短期トレーダーであったとしても、です。

当然のこととして、ポジションの保有期間が短ければ短いほど、ファンダを理解する必要性は薄れていきます。スキャルピングであればファンダの必要性は皆無でしょう。

しかし、例えばデイトレーダーであっても、1日に何度か売買を繰り返したりしますし、仮に1日1回だとしても、トレードは毎日、もしくはそれに近い頻度で継続的に行われるものです。

であれば、デイトレーダーであったとしても、結局は長期間トレードを繰り返し続けるわけですから、ある程度中長期的な政治経済の動向は把握しておいた方が、トレードというのはやりやすくなるはずです。

また、将来的に専業トレーダーを目指す場合でも、今はその時期ではないし、今後の動向次第では専業トレーダーという選択肢は見送った方が良いということも、分かってくるかもしれません。

自分にとって都合の良い世界、自分がそう思いたい世界が、僕らの本当の未来の姿ではないんですよ。

だからこそ僕らトレーダーや投資家は、そんな自己都合な想いや理念からは、ある意味軽薄なくらいに遠ざかった存在でい続ける必要があります。

仮に自分が一生懸命分析した結果、買いポジションを持ったとしましょう。ところが、価格はポジションとは反対に下落し出したとします。

その際、勝てないトレーダーというのは、

  • 自分が選択した根拠が「正しい」と思わせてくれる情報ばかりを集めて安心しようとする
  • 自分の選択が「間違い」と思わす様な情報は軽視するか無視する

というのが常です。いわゆる「エコチェンバー」ってやつです。

そして、その結果として

「自分は間違っていない。市場の方が間違っている」
「証券業者や何か大きな力を持つ連中が、自分のポジションを見ていて、自分が買えば価格を下げ、自分が売れば価格を上げる様に捜査している」

とか思っちゃうんですよね。

そして、そうやって損失を膨らまし続け、自滅していきます。

 

マジ、ウケるわ。

щ( ̄∀ ̄)ш ヶヶヶ

 

とは言っても、これ、僕の実体験でもあるんですけどね。

 

むしろ、こっちの方がマジ、ウケるわ。

щ( ̄∀ ̄)ш ヶヶヶ

 

テクニカルであっても、ファンダメンタルズであっても、分析をすることは大切です。そして、自分のポジションに自信を持つことも大切です。

しかし、それが己の主義主張になってはいけません。

主義主張になってしまえば、現実には目を背け、必ずポジショントークを繰り返します。そして、命の次に大切なお金を失っていくんですよ。

自分がとったポジションに対しても、間違っているのであれば、軽薄なくらいに切って捨てる。

そんな心構えが必要です。