さて、これまでマトモな情報の乏しいRCIについて、その本当の使い方を2回に分けてお話してきました。
で、今回はその第3話目です。
ということで今回は、短期線についての解説とRCIの期間を決めるためのヒント、そしてRCIと移動平均線を利用したトレードのやり方でも紹介しようかな、と。
公表するのは、今のところこの辺までですが、それでも十分に実践的な内容になると思うので、ご覧ください。
それじゃぁ、始まり始まり~!
RCI短期線について
前回までの記事では、RCIの中期線と長期線については触れていますが、短期線に関しては、あまり触れていません。
なぜかというと、中期線や長期線と同列で扱うのは、ちょっとなぁ・・・と思うからです。
では、RCIにおける短期線とは、他の線に対して、どの様な立ち位置なのでしょうか?
ちょっと整理しながら、解説していきますね。
RCI短期線と移動平均線の関係
RCIは移動平均線をオシレートするというのが、RCIの適切な見方であるという話は、前回・前々回に渡ってしてきました。
なので、当然RCIの短期線も移動平均線をオシレートします。
しかし、RCIの期間が短期の場合、中期線や長期線と同様に、同期をとった移動平均線と同時に表示させるわけにはいきません。
RCI(9)に対応する移動平均線は、期間が約3.46となり、小数点以下を端折れば、SMA(3)もしくはSMA(4)ということになります。
ということで、仮にSMA(3)をチャートに表示すると、こんな感じになります。
SMA(3)くらいになると、値動きにかなり忠実にそって描かれます。ただまぁ、ロウソク足に絡みまくってるので、とっても見づらくなりますが。
で、ここで思い出してもらいたいことがあります。それは、
SMA(1)とは、単に各ロウソク足の終値を結んだ線
ということです。
じゃあ、実際にSMA(1)も同時に表示してみましょうか。
絡みまくり過ぎて識別しづらいので、ロウソク足を拡大して表示してます。青色の移動平均線がSMA(1)です。
でもまぁ、これでも見づらいと思います。
なので、ここで更にもう1つ思い出してもらいたいことが。それは、
ラインチャートとは、単にロウソク足の終値を結んだだけのチャート
ということです。つまり、ラインチャートとはSMA(1)のみを表示したチャートなんですね。
ということで、見やすくなるように、今度はロウソク足ではなくラインチャートとSMA(3)を表示してみますね。すると、こんな感じに。
黒い線で表示されているのがラインチャートで、赤い線がSMA(3)です。
これを見ると、SMA(3)はラインチャートをやや滑らかにして表現していることが分かると思います。
つまり、これはどういうことかというと、
「移動平均線SMA(3)は、価格(終値)そのものの推移を、多少のノイズを取り除いて表現したもの」
と捉えることが出来ると思うんですよね。
であれば、RCIは移動平均線をオシレートしているというコンセプトを踏まえるならば、
RCI短期線は、ノイズを取り除いた価格推移そのものをオシレートしている
と解釈できることになります。
ですから、わざわざ見づらくなる様な超短期の移動平均線を表示することなく、「RCI短期線は価格推移そのものをオシレートしている」と端的に解釈して、実際のトレードに用いた方が、シンプルです。
ということで、ここで改めてデフォルト値を用いたRCIとそれに対応した移動平均線を表示してみます。
何をどう見れば良いか、もうお分かりですね。
- 赤色のRCI(52)は、赤色のSMA(20)をオシレートしている
- 青色のRCI(26)は、青色のSMA(10)をオシレートしている
- 黒色のRCI(9)は、価格(終値)推移そのものをオシレートしている
分かりやすくいってしまえば、そう判断すればよいわけです。
ここまでの話、理解できましたか?
それでは、もう1歩踏み込んでRCI短期線を見ていきましょうか。
RCIのもう1つの不思議
RCIというオシレーターは、前々回の冒頭でも触れた通り、値幅ではなく、価格の順番と期間の順番の関係性を探るオシレーターでしたね。
RCIは、オシレーターのくせに、値幅を一切考慮しないという不思議な存在です。
じゃあ逆に、値幅を重要視しているオシレーターって何でしょうか?
「値幅」を非常に意識して計算しているオシレーターの代表格と言えば、
ストキャスティクス
が挙げられると思います。
- RCI = 値幅を一切考慮しないオシレーター
- ストキャスティクス = 値幅を重要視したオシレーター
この2つのオシレーターは、相反する思想のもとに存在していると言えるかもしれません。
じゃあ、そんなRCIとストキャスティクスを対決させてみたら、どんな結果になるでしょうか?
想像すると、面白くないですか?
両者を比べてみて、的確なサインを出す方を採用すれば良いわけです。
では、やってみましょう。
期間はどちらも「9」にしてみますね。RCI(9)とStochastics(9-3-3)で表示してみます。
すると、こんな感じ。サブウィンドウ上段がRCIで下段がストキャスです。
なんか・・・
違うというより、むしろ似過ぎじゃね?
これが、RCI短期線の不思議というか妙技です。
値幅を全く考慮しないRCIは、値幅を重要視するストキャスティクスと非常に似た動きをするんですね。
もちろん、全く同じというわけではありません。この2つをシステム化して自動売買で検証すれば、大きな差が出てきます。
が、表現したがってる部分というか、重要なポイントはかなり同じタイミングで示唆してくれています。
つまり、裁量トレーダーであれば、RCI短期線を用いることとストキャスティクスを用いることは、非常に似た様な効果を発揮してくれるということです。
RCI短期線を用いるということは、ストキャスティクス的なオシレーターの見方もできるということになるわけでですね。
さて、ここまでの解説、理解できたでしょうか。
RCI短期線の特徴をまとめると、以下の2点になります。
- RCI短期線は、ノイズを省いた価格(終値)推移そのものをオシレートしている
- RCI短期線は、ストキャスティクスと同じような解釈でトレードに活用できる
ということになりますね。この2点、頭に叩き込んでおいて下さい。
それでは、次に進んでいきましょう。
RCIの期間の定め方
基本的にデフォルトに沿って期間を「9-26-52」とすると、極めて短期的な視野でのチャート判断になります。これは、前回にお話しましたね。
では、どうやってRCIの期間を決めたら良いのか?
まぁ、言ってしまえばいつものごとく
自由にやったらいいさ
ということになるんですが、あんまりアバウト過ぎても
コラ!( ̄⊿ ̄)o”三(  ̄0 ̄)/”☆ピシ!!
って怒られるかもなんで、ちょっと説明をしておきますね。
長期線の選び方
RCIの長期線ですが、これに関しては
「まずはどの大きな波に乗るのか?」
という視点が重要です。
で、自分が乗りたい大きな波をどう規定するかですが、これはまず最初に移動平均線を用いて決めます。
例えば、僕はこのRCIの記事の中で、75SMAを大きな波の流れとして紹介していますよね。
こんな感じでしたね。
で、この75SMAの流れに乗りたいのであれば、それと同期をとったRCIの期間、つまりRCI(195)を設定すれば良いわけです。
まぁ、これに関しては各自が獲りたい波を選択するしかなくて、僕がどーのこーの言う部分ではないのかなぁ?と。
良く分からないとか、戸惑ってしまう人は、RCI(195)とSMA(75)を用いても全然OKですよ。
ただし、MT4の場合、確実に重くなりますけどね・・・
中期線の選び方
では次に、中期線の選び方なんですが、これもやはり長期線と同様に、はじめに移動平均線ありきで決めます。
で、考え方としては、
- まずは大きな波に乗るための長期線を決める
- その後に、その大きな波の中にある小さな波を移動平均線で決める
という手順になります。
じゃあ、ちょっとここ最近ボラが高めだけど値動きが素直なドル円の1時間足を表示して見ますね。
まず、大きな波はSMA(75)とRCI(195)で捉えるとしましょうか。
上図で示した様な大きな波の一辺に乗りたいわけです。
で、この大きな波の一辺にある、小さな波に乗ることを、次に考えます。
この小さな波を捉えるにも、まずは移動平均線を用います。
例えば、20SMAを表示して見ましょうか。
もし、この20SMAという小波の流れに乗ることを考えるのであれば、20SMAと同期をとったRCI(52)を表示して・・・
実際は、こんな感じのトレードの仕方になると思います。
20SMAが描く波の上昇局面を獲りに行くことになるわけですね。また、20SMAが横ばいとなって価格がまたぎ出したらレンジと判断して、レンジ内取引(逆張り)でトレードします。
こういった小波の決め方は、各自のトレードスタイルや生活スタイルの中で決めていくことになると思います。
ですから、人によってはもう少し細かい波に乗っていきたいと考える人もいると思います。
その場合は、もう少し短い期間の移動平均線で考えてみることになります。とりあえず、10SMAを表示して見ましょうか。
20SMAの時よりも、細かく波の動きに沿って表示してくれてる感じですね。
この10SMAが表現する流れに乗りたいのであれば、同期をとったRCI(26)を表示して、
20SMAが描く波の上昇局面を獲りに行くトレードになるわけですね。
もう一度確認しますが、RCI中期線の期間の決め方は、
- まずは大きな波に乗るための長期線を決める
- その後に、その大きな波の中にある小さな波を移動平均線で決める
- 決めた移動平均線の期間に対応したRCIの期間を設定する
という手順となります。
期間設定の注意点
注意点その1
まず、中期線を決めようとする時にやりがちなんですが・・・
より値動きに沿った移動平均を求めようとすると、どんどんと移動平均線の期間が短くなっていきます。
しかし、それをやってしまうと、最終地点は値動きそのものになってしまいます。
でも、値動きそのものをオシレートするのは、RCI短期線でしたよね。
ですから、RCI中期線に値動きの忠実さを求める必要はありません。
自分が獲りたい小波を抽象的に上手く表現してくれる期間を表示すれば良いだけです。
その際に必要なのは、自分のトレードスタイルや性格などの個人差を自分で把握していることです。
チャートの前に長くいられる人であったり、より細かい売買を好むのであれば、10SMAの様な短い期間を設定すればよいですし、
逆に、あまりチャートを長い間見ていられない環境の人だったり、細かく売買するより、もう少しゆったりとトレードしたいのであれば、20SMAの方が向いているかもしれません。
他にも、色んな期間があります。各自が最も判断しやすく、また取引しやすい期間を選ぶことが大切です。
注意点その2
例えば、同じ10SMAでも、相場つきによって波の捉え方が違ってきます。
ボラティリティが大きくなると、同じ10SMAでも上手く小波を表現してくれないこともあります。
またボラティリティが小さい場合は、10SMAを用いるとむしろゴチャゴチャして判断しづらいことも出てきます。
同じ期間設定でも、その相場つきによって、波の捉え方が変わってくるんですよ。
しかし、期間設定を移動平均線で求める際、参考にするのはあくまで「過去」の値動きでしかありません。
僕らは、予知能力者ではありませんから、過去から現在までの価格の流れを見て、その流れの特徴が今後も続くと仮定して取引を行なうしかないんですよ。
過去の値動きを加工して、過去から現在までの価格推移の傾向を炙り出すのがインジケーターの仕事ですから、当然っちゃ当然の話です。
そのため、トレーダーは各自、
- 違う相場つきになっても、同じ期間設定で対応できる柔軟性を磨く
- 相場つきに合わせて、期間設定を変える柔軟性を磨く
のどちらかを選択して、その技術を高めていく必要があります。
期間設定は、常に固定しておいた方がやりやすい人は、その数値で常に検証・練習した方が良いです。
逆に、相場つきや通貨ペアによって変えた方がやりやすいと思う人は、直近の値動きに合わせて期間を設定してください。そして、その値動きが今後も続くと仮定して取引をします。
もちろん、選択した期間と相場つきが合わなくなったと思ったら、一旦その期間での取引は中止して、今の値動きに合った期間を再度見つけてから取引を再開します。
この辺は、各自がやりやすい、扱いやすい方法を選んでください。自分が最も扱いやすい期間を見つけるのが、自分にとって最も適したトレードになるはずです。
とまぁ、こんな感じで期間の設定のやり方のヒントを話しました。次に、実際のトレードのやり方の一例を解説していきましょう。
RCIを使ったトレードの考え方
ちょっとRCIを使ったトレードのやり方を、検証ソフトを使って解説しようかなと思ったんですが、そういえばRCIって僕の知る限り、検証ソフトでは実装されてないんですよねぇ。
ということで、既に出来上がったチャートを使いながら、軽く解説していこうと思います。
次のチャート図は、先ほどの使ったドル円の1時間足。
設定は、先ほどの解説に準じて
移動平均線は
- 10SMA
- 75SMA
RCIはそれと同期をとった
- RCI(26)
- RCI(195)
そして、直近の値動きそのものをオシレートするとした
- RCI(9)
を使います。
長期線でトレードの基軸を決める
で、まずは基本的な見方として、
トレードの基軸となるのは、大波を表現した移動平均線とRCIの長期線です。今回のケースで言えば、75SMAとそれと同期をとったRCI(195)です。
緑色の線がそれですね。見やすい様に太くしてみました。
この流れがトレードを行なう上での礎となります。つまり、
- 75SMAが上を向いていて、かつRCI(195)が上昇及び高値圏に張り付いている間は、上昇トレンドと判断し、買いで入る順張り
- 75SMAが下を向いていて、かつRCI(195)が下降及び低値圏に張り付いている間は下降トレンドと判断し、売りで入る順張り
- 75SMAが横ばいで価格が75SMAをまたいでいる時は、レンジと判断し、逆張り
ということになります。
これら3つの内、いずれかの条件が揃った場合、「セットアップが整った」「セットアップ完了」ということになるわけですね。
もう少しチャートを使って、具体的に説明しましょうか。
メインチャートの①の矢印の部分を見てください。
75SMAが下を向いています。なので、75SMAが下降トレンドを示している間は、常に売り(ショート)で入ることだけを考えます。
またこの75SMAの下降トレンドの根拠づけをRCIで補強します。RCIの①の矢印の部分を見てみましょう。
このチャート画面から見える範囲で言えば、RCI長期線は低値圏で張り付いています。下降トレンドを同様に示唆していますね。
ということで、移動平均線とRCIの長期線2つを根拠にして、①の流れが続く限りは(セットアップ)、常に売りのタイミングを計る(トリガー)ことになります。
①の下降トレンドが終了したかどうかは、
- 75SMAが横を向き出した
- RCI(195)が上を向き出した
- 価格が75SMAをまたぎ出した
の3つで判断します。つまり、レンジに移行したかどうかを判断するわけですね。
では実際にレンジに移行した局面を見てみましょうか。下図のピンク色の四角で囲った部分を見てください。
まず75SMAの下降する角度が緩やかになっているのが分かると思います。
しかし、これは一時的に下降トレンドが緩やかになっただけのケースも考えられます。
ですから、まずは価格が75SMAをまたぎ出すのかを見ます。
下降トレンドが継続している場合は、価格が75SMAを上抜いても、直ぐに引き戻されて、再度75SMAの下で価格は推移することになります。
しかし、上図のピンク色の四角で囲った部分を見ると、価格は75SMAを上抜いた後、一旦直ぐに引き戻されますが、再び上抜いてきて、75SMAをまたぎ出しました。
あれ?
と思ったら、RCI長期線を見ます。低値圏で張り付いていたRCI長期線が上を向き出しているのが確認できると思います。
ここで、「下降トレンドは少なくとも一旦終了。レンジだな」と判断することになります。
では次に、ピンク色の四角で囲った部分が終わった辺りを見てください。
価格が75SMAの上で推移し出し、75SMAが上を向き出します。RCI長期線も低値圏を上抜けました。
ということで、上昇トレンドが発生した可能性が大という判断をすることになります。結果、②という大きな流れが出ていますね。
そして、
- 75SMAが上を向いている
- 価格は75SMAの上で推移している
- RCI(195)が上昇及び高値圏に張り付いている
という条件(セットアップ)が整っている間は、常に買いのタイミング(トリガー)を計ってトレードすることになるわけです。
さて、ここまで長期線を使ってトレードの基軸を固める例をお話しました。次に、実際の売買のタイミングを計る考え方をお話します。
RCI短期線でタイミングを計ろう
上のタイトルを見て、
「あれ?RCIの短期線?次は中期線を見るんじゃないの?」
と思った方もいると思います。
実はちょっと語弊があるかもしれませんが、端的に言ってしまえば、RCIの中期線はそれほど重要ではないです。
移動平均線とRCIを用いた場合、まず身に着けてもらいたいのは、
- 大きな波に乗るための移動平均線とRCI
- 小さな波に乗るための移動平均線
- 実際のトレードでタイミングを計るためのRCI短期線
です。これだけで、十分トレードできるんですよ。
むしろ、RCIをいきなり3本で用いるというのは、前回お話した通り、情報が煩雑になってしまい、判断しづらくなってしまいます。
つまり、「RCI中期線を用いない方が最初はトレードしやすくなる」というのが、僕の考え方なんです。
まずは、移動平均線とRCIの長期・短期線だけでトレードする感覚を身に着けてから、その補強としてRCIの中期線を用いてもらう手順を踏んだ方が、良いと思うんですよね。
ということで、先ほどのチャートからRCI中期線を消したものを見てみましょう。
ある程度の経験者なら、これまでの解説を踏まえていれば、上図をぱっと見ただけで、
「ホントだ。RCI中期線ない方が、むしろトレードの判断しやすそう」
というのが分かる思います。
ではまず、上図の上昇トレンド部分を例にして、トリガーについて解説していきますね。
順張りトレードを始める前に
まず、下の図を見てください。
緑色の四角で囲った部分は、RCI長期線も加えて判断した上昇トレンド局面です。
RCI長期線を見なくとも、その前から75SMAは上をむき出し価格はその上を推移し出していますから、
「上昇トレンドが始まった」
と判断しても良さそうです。
しかし、それは結果論でしかありません。その後の展開がチャートに表示してあるから分かるだけなんですよ。
リアルタイムでチャートに向き合った場合、75SMAの上で価格が推移し、75SMAも上を向き始めたと思ったら、直ぐに価格は75SMAを下抜けて75SMAも上を向くのを止めてしまうことだってあるわけです。
いわゆる「蛇行」も横ばいの1つです。
しかし、リアルタイムで次の展開を今か今かと待ち続けるトレーダーからすれば、そんなちょっとした上げ下げに釣られてミスを繰り返すことだって考えられます。
ましてや75SMAは、このケースで言えばトレードの基軸です。そんなことに振り回されては、まともなトレードなんて出来ません。
なので、RCIを補強として使い、確たる基軸を築くわけです。
ということで、もう一度。
上昇トレンドを規定する(セットアップが整ったと判断する)ための、
- 75SMAの上を価格が推移している
- 75SMAが上を向いている
- RCI(195)が上を向いている(出来れば低値圏にはいない)
という3つの条件を踏まえた、緑色の四角で囲った部分を「上昇トレンド局面」と判断します。
で、この局面では「買いでエントリーする」ことしか考えません。
このブログでは繰り返し言ってますが、上昇トレンド中に売りを考えるのは、順張りできちんと獲れる様になり、余裕が出てきた上級者になってからチャレンジする様にしてください。
勝つために、余計なことを考える必要は、一切ないです。出来ること、やらなくちゃいけないことを、愚直にただひたすらやることが大切なんです。
トレードで勝つためには、高度で複雑な分析力など、必ずしも必要ではありませんんし、ましてやアナタの勝手な思惑や欲望など、不必要以外の何物でもありません。大切なのは、素直さです。
ということで、次に進みましょう。
RCI短期線で順張りのタイミングを計る
えっと、この解説に入る前に、出来れば僕の
「トレンドの正体」
の記事を読んでください。読んでおいた方が、更に理解が深まるずです。
読みましたか?
ホントに?
ジーッ (@ ̄_ ̄) ・・・・・
じゃあ、解説に入ります。
RCIを使って順張りのタイミングを計るのは、とっても簡単です。
単純に、RCI短期線が反転したところを狙えば良いだけです。
- 上昇トレンドの際は、RCI短期線が下降を止めて反転上昇したポイント
- 下降トレンドの際は、RCI短期線が上昇を止めて反転上昇したポイント
をとらえてエントリーすれば良いんですね。
ちょっと確認してみましょう。
RCI短期線が反転上昇を始めたところを、赤・青・緑・黒・灰色破線で囲ってみました。
「直近低値を下回ったら損切り」というルールを条件にエントリーした場合、トレンド終盤の黒丸以降を除けば、全て利確が可能なエントリーです。
ただ、大雑把すぎるのでもう少し詳しく解説します。
赤い丸の部分は、見れば分かる通り、非常に有効なエントリーです。特に解説する必要はないでしょう。
次に、青色の丸を見てください。なぜ青色で区別したかというと、この部分は10SMAが下を向いており、また価格も10SMAの下を推移しているからです。
こういった場合のエントリーはリスクが高まります。
青丸aは象徴的で、直近低値をどこにするかで損切りしていた可能性のある場面でもあります。
また、仮に損切りしなかったとしても、山の頂上から下り始めた直後での買いエントリーですから、含み損を長く抱えるという非常に非効率なエントリーになります。
こういった場合は、勝率を気にするタイプのトレーダーであれば見送り、少なくとも価格が10SMAを上抜いてからエントリーすることで、リスクを低く抑えることが可能になります。
ただ、青丸b~fを見れば分かる通り、その場合はRCI短期線の反転ポイントよりも高い価格で買うことになりますから、利益は薄くなります。
リスクをとるか収益幅をとるかという、トレードオフな関係にあると言えますね。
(ただ、この問題を回避するために、実はRCI中期線を用いるんですよ。これに関しては後述します)
次に、緑色の丸部分を見てください。3つ並んでますが、何も3回エントリーする必要もあまりなさそうな局面ですよね。一番左側の緑丸でエントリーするだけで良いじゃないか、と思ってもおかしくありません。
ただ、僕らは常にチャート画面の前にいるとは限りません。
最初の緑丸の場面に出くわせなかったら、どうします?この局面を逃してしまった場合は、次の山を越えてから次の谷間(押し目を拾うポイント)が出現するまで待ちますか?
それでも良いですが、見逃してしまった場合は、他の緑丸でエントリーすれば良いことになります。そういった意味で、無理に谷間を狙う必要もないわけです。
次に、黒丸について解説します。
ここでエントリーした人は、ほぼ損切りしてしまう局面です。つまり、トレンド終焉と判断して良い局面なんですね。
で、これを回避する方法はありますが、別のテクニカルを用いることになります。
なので、RCIと移動平均線だけでトレードする場合は、この事実を受け入れる必要があるんですね。
まぁ、損切りは受け入れる気持ちがなければ、トレードなんてできませんけどね。
ただ、「トレンドの正体」の記事でもお話しましたが、上昇トレンド中は買って買って買いまくり、最後1回の損切りが、トレンド終焉を告げることになります。
なので、それ以降のRCI短期線の反転ポイント(灰色点線で囲った丸)では、そもそも買いエントリーをしないことになります。
以上、トレンド時に順張りでエントリーするやり方について、簡単に解説しました。
ちなみに、エグジットの方法ですが、これは
- RCI短期線が高値圏もしくは高値圏付近で反転下落を始めたポイント
- 価格が10SMAを終値ベースで「完全に」下回ったと判断したポイント
となります。他にもやり方は色々あります。各自が自分のスタイル、メンタルと相談しながら決めれば良いと思います。
そう、自由にやったら良いさ。
ということで、次にレンジ局面を見ていきましょう。
RCI短期線で逆張りのタイミングを計る
レンジ局面の際は、レンジ内取引(高値から反転した局面で売って、低値から反転した局面で買う)、つまり逆張りでトレードすることになります。
で、この場合もRCI短期線を用いるわけです。だって、RCI短期線はストキャスティクスと似た様な動きをするんでしたもんね。
やり方は簡単。
トレンド時の順張りと要領は同じで、RCI短期線が反転上昇したポイントで買って、反転下落したポイントで売ります。
上図は、先の章で解説したものですが、ピンク色の四角で囲った部分がレンジと判断する部分でしたよね。
この時のRCI短期線を見てください(黒い線)。
このRCI短期線の反転局面で売買を繰り返します。
ただ正直な話、上図はあまりお手本の様なレンジ局面ではありません。また、レンジの形成の仕方によってはRCI短期線の反転で取引するより、RCI中期線の反転で取引した方が効率的なことも多々あります。
この辺りのことは、今回は解説しません。ただ、それほど難しいことではないので、各自で積極的に検証・研究してもらえたらな、と思います。
RCI中期線を用いた順張りのやり方
さて、ここからは先ほど「別に使わなくてもトレードは十分にできる」とディスったRCI中期線を用いたトレードのやり方をお話します。
トレンド時に順張りトレードを行なう場合、RCI中期線はエントリーのタイミングを計るためには用いません。
エントリーやエグジットを判断する場合に、判断に困る時が出てきます。その際に、RCI中期線を用いて、エントリーやエグジットを実行するか見送るかを判断します。
RCI短期線でタイミングを計る解説をした際、ちょっと効率の悪い時がありましたよね?青丸の部分です。
この時に判断する根拠づけとしてRCI中期線を用います。
ちょっと、RCI中期線を表示して見ます。見やすい様に中期線は太線にしてあります。
まずはRCI短期線が反転した青丸aのポイントを見てください。
価格は10SMAを下回り、10SMAも下を向いている局面です。見送るべきかエントリーすべきか、判断に悩む場面でしたよね。
この場合、RCI中期線を見ます。
この時のRCI中期線は、高値圏から反転下落したばかりです。つまり、10SMAはまだまだ下降する可能性が高い。
ということで、見送りが決定する場面です。
では、次のポイントbはどうでしょう?
RCI中期線は低値圏に到達しかけています。つまり、間もなく10SMAは反転上昇する可能性が高いわけで。
ということで、ここは価格が10SMAを上抜くのを待たなくとも、積極的にエントリーの判断を下して良い場面ということになります。
では、次にポイントcはどうでしょうか?
ここは正直なところ、RCIと移動平均線だけでは判断しづらい場面です。RCI中期線もゼロ・ライン付近にいますから。
高値安値やライン、プライスアクション(つまり値動きそのもの)を併用すれば、cでエントリーできるんですが、RCIと移動平均線だけだと、ちょっと難しいかなぁ?
ここは、保守的に10SMAが価格を越えるのを待ってエントリーした方が良いかもしれませんね。
で、次のポイントd,e,fの3つですが・・・状況は先のcと似た様なものです。
が、ポイントdを過ぎた辺りではさすがにこの局面が「レンジっぽい振る舞い」であると気づいた方が良いです。
ちょっと図で解説すると、
赤い四角で囲った部分を見てください。
RCI中期線は高値圏に到達せず、ゼロ・ラインをまたぎ出しています。(ちなみに、上昇トレンド中のRCI中期線は低値圏に到達しないことは多いです)
これ、価格がレンジ的振る舞いになった時に起こりやすい現象です。
この局面で、価格がレンジ的振る舞いをし出していることは、RCI中期線以外でも数多くの示唆があります。
例えば価格そのものが示唆しています。低値こそ切り上げていますが、高値はほとんど切上げられなくなっていますよね。つまり、上昇力が低下して、レンジ的な振る舞いになってきたと判断できるわけですね。
さらには、先ほど20SMAを表示させた時に解説しましたが、この局面では20SMAは横を向いており、その20SMAを価格はまたいで推移しています。
20SMAの視点から見れば、やはりレンジですね。
RCIの扱いに慣れてきたら、他のテクニカルも併用できる様になると、より優位なトレードが出来るようになりますから、チャレンジしてみて下さい。
ということで、ポイントdで反転上昇してから後の局面からは、
「ここはレンジ内取引した方が良い」
と判断できると思います。
でしたら、単純にRCI短期線の反転で売買すれば良いわけです。
さらに、エグジットの判断も、RCI中期線を用いて補強することが可能です。
ポジションを持っていると、ちょっとした値動きで利確したくなるのは、誰もが経験あると思います。
例えば、こんな場面。
赤い丸で囲った上ヒゲ。
その後の展開が見えてるチャートでは大した局面ではありませんが、リアルタイムで先の見えない中、この上ヒゲを見てしまうと
「ここが山の頂上?」
となって利確したくなります。その次のロウソク足も陰線ですから、チキン利食いを誘うのに一役買っています。
しかし、この時のRCI中期線はまだ反転上昇してまもないころなので、まだまだ上に伸びそうです。
ですから、思わずチキン利食いをしてしまうことを防ぐことが出来るんですね。
また、その後の、薄い緑色で囲った場面。
こういった部分も、冷静に見れば、10SMAはシッカリと上を向いていてロウソク足もその上で推移し続けてるので利確場面とは思えませんが、
実際にポジションを持ってリアルタイムでチャートを眺めていると・・・
「10SMAにへばりついているから、いつ下抜けるかもわからない」
「実際に価格は度々10SMA下抜けを試みて(下ヒゲが10SMAの下にある)いる」
ということで、ヒヤヒヤしながら、チャートを見つめ続けることになる人、絶対に多いはずです。
しかし、これもRCI中期線を見れば、10SMAはまだ反転しないと分かります。
やっぱり、チキン利食いを防ぐ効果があるんですよね。
この様に、RCI中期線は、エントリーやエグジットのタイミングを計る道具というより、その際の判断の裏付けとして活用することが出来るわけです。
必ずしも必要ではないけれど、あると心強いのが、RCI中期線の役割ということになります。
・・・ということで、移動平均線とRCIを用いたトレードのやり方、考え方を解説してみました。
RCIの解説は、以上となります。今の段階で公表できるのは、この位までかな?
もちろん、ここまでのRCIの解説は、僕のRCIにおける考察でしかありません。ひょっとしたら、僕の解説以上に有効なRCIの使い方がこの世に既に存在するかもしれません・・・
し、ないかもしれません。
( ̄ー ̄)ニヤリ
ということで、僕の解説が皆さんのRCIの活用の一助になれたとしたら、それはそれで嬉しい限りです。
それじゃあ、また。