パターンラインと200SMAでトレードしてみる(その2)

シンプルにトレードしてみよう、再び

今回は、パターンラインと200SMA、そして分かりやすいレジサポだけでトレードする具体例を挙げる、その2回目。

前回は・・・

ポンド円日足200SMAにタッチしたところで利確して、終わりました。

日足レベルの200SMAはかなり荒ぶる可能性があるので、この後はノーポジで様子見することにしたんでしたよね。

ということで、今回はここからの続き。

先の日足を1時間足で見るとこんな感じです。

日足200SMAのある辺りを緑色のラインで示してみました。

4時間足チャネルを上抜けて急上昇した後、日足200SMA付近まで到達しています。

では、その後の様子を見てみましょう。下図は同様に1時間足。

日足200SMAで一旦止められましたが、上抜けましたね。

しかし、荒ぶる可能性は大です。解説した通り、この付近でトレードする際には、レンジ戦略を意識しなければいけません。安易なトレンド・フォローは禁物です。

もう少し様子を見ましょうか。

案の定、戻ってきましたね。

で、この場面を15分足で見ると、

一応、こんな感じのラインが引けます。トレードするしないは別として、1つの基準として見ながら、この後を観察していきます。

日足200SMAに上昇を阻まれてますねぇ。試しに引いた上昇チャネル下限ラインもブレイク後にはレジスタンスとなって、ロールリバーサルしている様に見えます。

ただ、価格は荒ぶると考えると、ここで売りを仕掛けた場合、大きく獲れるかもしれませんが、直近低値辺りで小さく切り返してくる可能性も否めません。

なので、こういったトレードは、今回のトレードの主旨から外れるので、ここはスルーしときますか。

では、経過を見ていきましょう。

直近低値を越えて、割と下げましたねぇ。直近低値を下回ってます。

で、価格の下落がどこで止められたかというと・・・

上図は4時間足。赤丸の高値で引いたラインで止められてますね。

このポイント、日足でも確認できる高値ですが、1時間足だとチャート左側からはみ出して見えないくらいの過去のポイントです。

やはり、大きな時間軸で動く連中が主導しているのかな?と。

ということで、警戒しながら1時間足を見てみます。

クシが引けますね。一応これを越えたら、買いで入ってみようかなと。もちろん、レンジとして考えてるんで、目標は直近高値(ライン引いときました)。でも、乱高下の可能性も考えて、いつでも逃げれる準備を。

15分足でタイミングを計ります。

クシに価格が近づいてきましたねぇ。

そろそろかな?

ということで、入るタイミングを待ち構えます。

越えたけど、値動き速過ぎ。

一応このトレードでは、15分足確定でエントリーとエグジットをすることにしてるんですが、これだと既に日足200SMAのところまで到達しており、目標値からもあとわずか。

ということで、ここでのトレードは見送りです。

次のチャンスが来るまで様子見します。

上の目標ラインを達成した後は、反転下落。

一応、クシを引いてみましたが、そこを割った後は日足200SMAの代用として引いた緑色の水平線で高値は止められています。

絶好の売り場面と思えますが・・・ここからどう判断しましょう?

15分足200SMAを見ると上昇してますね。そして、サポートとなっている水平線に近づきつつあります。

であれば、今度はこの15分足200SMAとサポートの水平線を目指して下落を強めるんじゃないかと。

それでは、売りエントリーしてみます。144.581円。

で、結果は・・・

水平線を一旦越えた後、15分足200SMAにタッチするかしないかのところで止められ、再度水平線上部に戻してロウソク足は終わっています。

ここで利確します。144.159円で、+42pips。

で、レンジ戦略なので、このままドテン買いします。

本来なら反転確認をとってからの買いエントリーですが、荒れる可能性の中を入る(つまり高リスクをとる)かわりに、損失幅を抑えるために、出来るだけ低いところで買いたいので、ここでエントリーします。

ちょっと、トレードの主旨から外れそうなエントリーですが、ご勘弁を。

で、荒れる可能性を考えて、レンジ上限まで引っ張らずに、日足200SMA代用の緑ラインに到達したら、いつでも逃げれる準備をしておきます。

では、その後の様子を見ていきましょう。

いつでも逃げれる準備を・・・

と言いつつ、すみません。欲張ってしまい利確し遅れました。

上図赤丸でドテン買いした後、緑丸1では日足200SMA代用の緑ラインには到達せず、直前で切り返してしまいます。

本来なら、「到達した」と割り切って利確すべき場所なんですが、ちょっと欲が出てしまい、損切りしても良いやという覚悟で見守ることに。

すると、15分足200SMAで反転上昇(緑丸2)し、3まで伸びました。

そしたら、更に欲が出ちゃったんですねぇ。レンジ上限まで欲しいな、と。

ところが、その後は結構乱雑な値動き。緑丸4のポイントで15分足200SMAに支えられて反転上昇しますが、もう5の辺りでは、お祈りトレード状態です。ダメじゃん。

5から反転下落した価格は、15分足200SMAを下回ったところで終値を付けます。次の足でも200SMAを越えられなかったので、諦めて6でエグジット。+32pipsほどで終了です。

欲をはらなければ、少なくとも50pips、上手く逃げたら80pips以上は獲れてた場面。

自分で「荒ぶるぞ」と言っておきながら、値動きよりも自分の心理に振り回されてしまいました。

これ、実際にお金かけてトレードしていたら、むしろ高値で逃げてた場面だったかもしれません。

メンタルが揺さぶられると、常に損するわけじゃないんですね。ビビったおかげで、欲張らずに、逆に得して逃げられることもあるんです。

僕は、繰り返し言ってますが、「メンタルが・・・」と自分のメンタルの弱さを持ち出すのは、勝てる様になってからです。勝てる人は、メンタルが揺さぶられてもトータルでは勝ちます。スポーツやゲームと一緒です。

(詳しくは、「ルールを守れないという人へ」をご覧ください)

さて、話がそれました。

その後の展開を見ていきましょう。

価格はレンジ下限の水平線を一旦下に越えるも直ぐに戻しました(オーバーシュート)。その次のロウソク足は、ラインでピタリと止められています。

ということで、やはりレンジ取引で、買いますね。ちょっと遅れましたが、144.332円でエントリー。

で、今度は欲に振り回されない様に注意して、その後の経過を見ます。

今回は15分足200SMAが下向きになってきているところで価格が止められました。この後、上がるかもしれませんし、反転下落をするかもしれません。

しかし、欲張るのは厳禁です。だって相場つきは、乱高下ですから。

なので、先ほどミスったことを繰り返さない様に、ここでエグジットします。144.450円なので、+11pips程。薄利撤退ですね。

では、その次を見ていきましょう。

エグジットして正解だったようです。

今度は今までサポートしてたラインを下にブレイクしました。次の足もこのラインを上抜けずに更に下落です。

よしっ!ここで売りエントリー!

ってなりそうですが、小さい足ばかり見ていると近視眼的になります。

ここで一旦、大きな時間軸である日足チャートを見てみましょうか。

日足200SMAは右肩下がりですし、そこに抑えられてロウソク足はまさに反転下落を始めたかの様に見えます。

しかし、200SMAでの荒ぶり方は、それほど単純ではないはず。200SMAにて市場参加者のほとんどが同じ方向に同意している場合は、もっと素直に反転します。

とうことで、簡単に下落し出したとは、ちょっと思えない。

なので、もうちょっと冷静にこの内部構造を1時間足でズームアップしてみます。

荒ぶる日足200SMAを前にして、レンジ内取引の戦略からレンジブレイク戦略へと切り替えるのはまだ早計だと思うので、一応の目安として、上図の様なチャネルラインを引いてみました。

ここからショートしても、目安のチャネル下限までは割と近いので、このまま経過観察していきます。

気持ちが良いくらいに、ラインにタッチした後は反転上昇し、価格は再び水平線の上側に戻ってきました。

僕はこの値動きを

「水平線を大きくオーバーシュートした」

と見ます。サポートラインを一旦大きく下抜けたが再び勢いよく戻ったと。

大切なことですが、

チャートで示される出来事は、複合的に見るんですよ。

下降チャネルは機能している、しかし同時に平行レンジ(レクタングル・フォーメーション)も機能していると。

で、僕のブログを良く読んでいる方は分かると思いますが、オーバーシュートとは、いわゆる「ダマシ」というやつです。

下抜けた際に売ってしまったまま捕まっている連中も多いわけで、彼らの損切りにより、このダマシは強い上昇圧力となります。つまり、

オーバーシュートが大きければ大きいほど、その反対方向に強い値動きを生み出す

ということで、これからは強く上に向かうと判断して、ここで買います。144.232円でエントリーです。

では、その後の経過を見ていきましょう。

チャネル上限で頭抑えられましたね。この部分を15分足で見てみます。

ここで決済するかしないか悩む場面です。

単純にチャネルとして考えたら、ここは利確すべき場面です。

しかし、平行レンジとして一旦下の水平線をオーバーシュートして戻ってきたと考えるならば、レンジ上限の水平線まで価格は目指すはずです。

さらに言ってしまえば、ここで見ている下降チャネルは、上昇トレンド中に出来ています。つまり・・・

上昇トレンド中の下降チャネルは、トレンドの継続を示唆する上昇フラッグのケースが非常に高いわけで。

つまり、持っていた方が吉かと。

ということで、利確せずに経過観察します。反転下落するなら、そこで決済です。


実を言うと、それ以外にもこの下降チャネルをブレイクするであろう根拠があります。

フォーメーションと移動平均線と価格との関係性を見た場合、このパターンはチャネル上限をブレイクする確率がかなり高いんですよ。

でもその見方は、ちょっと高度というか、また別の話になりますので、今回はそんな知識はないという前提で話を進めています。


では、このチャネル上限ラインを抜けるのか反転下落するのかを、15分足で観察します。

チャネル上限ラインと200SMAに挟まれて価格は揉み合ってますよね。

確か前回お話したと思いますが、

引いたラインとMAの間では疑似レンジ(疑似フォーメーション)を形成することが多い

んですよね。

で、今現在は、価格はこの疑似レンジを価格は抜けた様です。

では、その後はどうなったでしょうか?

平行レンジ(レクタングル・フォーメーション)の上限ラインに到達しました。

さて、ここからが再び悩みどころ。利確すべきか?まだ保有すべきか?

教科書通りなら、一旦利確です。

ただ、今回は平行レンジ下限を一旦下で大きくオーバーシュートしてからレンジ上限に到達したわけです。

なので、この平行レンジ上限を上抜けることも高い確率であるわけで。

しかも、上昇トレンド継続を示唆する上昇フラッグを上抜けたわけです。つまり、トレンドが再開したと。

ということで、僕はここで利確しないことにしました。

この上昇局面で切り上げている下値に斜めラインを引いて、そこを割り込んだらエグジットするということにして、経過観察をします。

では、見ていきましょう。

なんか、意外に簡単に抜けちゃいました。しかも、かなり強めに。

それでは、そのまま経過観察をしていきます。

まぁ、解説しなくとも見りゃ分かるだろってレベルで上昇トレンドを形成しています。

しかし、どの辺りまで価格は上昇するんでしょうか?

今回のトレードではパターンラインと200SMA、そしてパターンライン以外は極力用いない前提ですから、ちょっとどこにラインが引けそうかを見てみます。

すると、1時間足も4時間足も、目安になる様なポイントが見当たりません。日足まで拡大してみないと、ポイントは分からない様です。

ということで、日足を見てみると・・・

日足レベルで下降チャネルを形成しています。今、価格はチャネル上限ラインの2本の線の間(以降、ゾーンと呼びます)に入ったあたりです。

また、水平線ですが、ここでも単なる線ではなく2本の線を引いてゾーンとして捉えます。

見て分かる通り、この水平線より上の価格帯では、過去に何度も揉み合っています。なので、この揉み合いの低値にはブレが大きいので、単に線で捉えるよりゾーンで捉えた方が、安直な判断を避けることが出来ます。

ということで、日足200SMAを抜けた今現在では、新たなる危険ゾーンに突入したと見るべきでしょうかね。

なので、ここから価格がどう振る舞うかを観察して、利確のタイミングを計っていこうかと思います。

では、その後の経過を見ていきましょう。下図は1時間足です。

緩やかに下降しているライン(歪んで見える線)が日足チャネル上限の内側のラインです。

陽線で突き抜けた後、次の足で下値を試しますが反発。しかし、更に次の線ではその反発が否定され、ライン下で終わりました。チャネル上限のゾーンに押し戻された形ですかね。

怖いので、ここで利確します。146.166円で、+193pips程ですかね。

さて、ここからどうなるでしょうか?15分足で見てみましょう。

以前に引いた斜めラインがトレンドラインとして機能しています。ラインにタッチして反発しかかっていますね。

15分足200SMAは緩やかに上がってきており、そこから乖離しつつも価格の流れと200SMAは沿って進んでいる様子。こういった場合のトレンドは、比較的長く続く可能性が高いんでしたよね。

しかし、買っても直ぐ上には先ほど上昇を阻んだ日足チャネルの上限ゾーンが待ち構えています。

なので、トレンドラインで本当に反発したかは、もう少し様子を見て判断したいところですが、出来るだけ低いところで買って損失幅を減らし利益幅は増やしておきたいので、ここでエントリーします。145.771円です。

さて、結果は?

上図は1時間足です。

見てみると、価格は水平線ゾーンに到達する直前に止められた感があります。

これ、大きな時間軸で引いたラインに共通する「アバウト感」だと判断すると、やっぱゾーンで止められたと思ってもOKなんじゃないかと。で、高値を付けた後の足はハラミ足で終わってるので、ちょっと怖い気がします。

ということで、高値低値は更新し続けていますが、心臓に悪いので、ここで一旦逃げるとします。146.641円ですので、+87pipsの利益。

(すみません。ラインと200SMA以外にロウソク足のパターンも用いて判断しちゃってましたね。でも、簡単なロウソク足のパターンでの判断なので、ここは見逃しておいてください、ゴメンなさい。)

ではその後を見てみましょう。15分足です。

ちょっとゴチャゴチャしてきたので、チャートに補足を入れておきました。

日足レジサポ・ゾーンの直前で止められた価格は、徐々に価格を切り下げていきます。もし、ポジション持ってたら、あまり良い気分がしない時間がずっと続く場面です。

しかし、日足チャネル上限ゾーンの内側のラインとトレンドラインが出会ったところで価格は反発を始めます。

パターンライン(クシ)を引いて待ち構え、そこを上抜けたところ買いエントリーしました。146.542円です。

では、荒ぶる可能性を頭の片隅に置きながら、恐る恐る経過観察していきます。

すると・・・

下図は分かりやすい様に日足です。

日足レジサポ・ゾーンに突入し、そのゾーンの上限が日足チャネル上限ゾーンの上限と出会ったところで、価格は見事到達しています。

これを15分足で見ると・・・

抜けた後に、次の足でチャネルとレジサポのゾーン内に戻されました。包み足ですね。ここで一旦利確したい気持ちです。

ただ、先ほども言った通り、日足レベルで引いたラインはアバウトです。これを「ピタリと止められた」と判断して良いものなのかどうか・・・

また、これも先ほど言いましたが、現在価格は上昇トレンドを描いており、それは15分足200SMAと距離を保ちつつ両者は沿う様にして上昇を続けています。この場合のトレンドは、主流となるトレンドであり比較的長く続くんでしたよね。

なので、もう少し粘ってみようかと。

判断材料は、とりあえずラインと200SMAだけなので、既に引いてあるトレンドラインを延長し、このラインと200SMAを割り込むかを見ていこうかと。

ちなみに斜めラインは、ちょっとした角度の違いでラインを伸ばせば伸ばすほど誤差が生じやすいので、微調整し直しながら、経過観察していきます。

日足の2つのゾーン内に再び潜り込み、一瞬トレンドラインも抜けたかなと思ったんですが、200SMAには届かず切り返し。

下図を見れば分かる様に、1時間足では、トレンドラインを抜けきらずに終値で戻しています。

ということで、このまま経過を見ていきます。

で、その後はこんな感じ。下図は1時間足です。

順調ですね。では、もう少し様子を見ていきましょうか。

トレンドラインを割り込んできました。この辺りの状況を15分足で見てみると、

 

一旦トレンドラインを割り込みますが、200SMAには届かずに反転。トレンドラインが今度はレジスタンスとなって上昇を阻みますが、次のトライでトレンドラインを再度上抜けます。

しかし、たいして上昇もせずに再びトレンドラインを割り込んでいます。上昇力が弱くなってる感じ。200SMAも角度を下げ始めてるかなぁ?という印象です。

ということで、ここで利確します。148.022円なので、+148pipsの利益です。

 

さて、前回から2回に渡ってやっているこの模擬トレード、この辺で終わりにしようかと思います。本当は3回に渡ってやろうと思ってたんですが・・・

というのも、僕は重大なミスを犯してしまったからです。

この模擬トレードを始める時は、あまり意識していなかったんですが・・・

価格が上昇を始めた時にどの程度まで伸びるかを見るために、先ほど日足を拡大してラインを引きましたよね?以下の図です。

僕はこの日足チャートを俯瞰して見てしまった時点で、この後の展開が割と分かってしまったんです。

つまり、僕はこのチャート図から後の展開がどうなるかを、ほぼ覚えているんですよ。ちょっと、模擬トレードを開始した時期が、今現在から近すぎたみたいです。

まぁ、これは模擬トレードで、

「こういった局面では、こういった状況判断すれば良いんですよ」

という具体例を挙げているだけなので、僕が次の展開を分かっていても解説上は問題ないとは思うんですが・・・

ちょっと、リアリティーに欠けるんじゃね?それって、つまらなくね?

と、この記事を書いてて思ってしまうわけで。

ということで、残念ながら、模擬トレードはここで終了させてもらいますね。

気付いてほしいこと

検証とリアルとの狭間で

最後の局面に関しては、次の展開を知っていたとはいえ、なんだかんだ言って今回の模擬トレードでは、1度も損切りをしていません。つまり、全勝。

じゃあ、リアルのトレードでも同じような結果になるのか?

いえいえ、そんな風には上手くはいきません。

僕はそれほどの達人ではありません。今回は、トレード回数が少ないために、たまたま連勝が重なっただけです。

しかも、それだけではなく、検証とリアルとの間には、大きな狭間があるんですよ。

そのうちの最も大きな狭間は、「時間」の違い。

検証ツールを使ってトレードをすると、実際の相場とは流れる時間のスピードが違います。

普段の生活では、一日中チャートを眺めながら永遠に集中し続け、的確な判断を繰り返すというのは、無理です。

しかし、検証トレードでは、それが可能です。

現実の日常生活の中では、

  • チャート画面を開いたら、既にエントリーポイントを過ぎていたとか
  • まだエントリーポイントに来るまでしばらくかかりそうだけど、これから用事があってとか
  • まだ利益の乗ったポジション持っていたいけど、もう寝なくちゃいけないだとか

そんな理由で、的確な場面で的確にトレードできるとは限りません。

疲れていれば判断も狂うでしょうし、家事や仕事に気をとられてついウッカリなんてこともあるでしょう。僕なんて、日常茶飯事です。

しかし、検証でのトレードは、時間のスピードを上げて短時間で多くの時間分の値動きを観察でき、疲れたら一旦その時間を止めることが出来るわけです。

つまり、裁量トレーダーにとっての検証トレードとは、最高の環境で最高のパフォーマンスを演じる出来る場所ということ。

ましてや、リアルなトレードは、欲望に振り回されて、冷静に判断できないことも多々あります。

なので、

裁量トレーダーのリアル・トレードにおけるパフォーマンスは、検証トレードのパフォーマンスに比べて、結構劣る。

そう思っておくべきです。

もっと言えば、裁量トレーダーの検証・練習トレードは、その段階でかなりの好成績を収められないと、実際のトレードで良い結果を残すことは難しいんですよ。

そういった意味でも、検証・練習トレードはとても大切な作業ということになります。

検証と練習の大切さ

気が付いた方もいるかと思いますが、今回のこの模擬トレードにおいて、俗に言われている「手法」らしきものは、あまり出てきていないと思います。

ほぼ、ラインと200SMAを用いての「状況判断」を主体にトレードしています。

しかし、この記事をご覧の方は、

「きちんとしたポイントで的確な状況判断をすれば、十分有効なトレードができるんだな」

と気付いてもらえたんじゃないかな、と。

で、この状況判断が大切なんですよ。

確かに、的確なコースに的確なボールを投げる技術は必要です。

しかし、的確な状況判断が出来なければ、

「今、そのコースにボールを投げちゃ、打たれちゃうでしょ!」

みたいに、的確な技術があっても、勝てるわけではありません。

  • きちんとした場面(状況判断)で
  • きちんとしたコースを選択(状況判断)して
  • きちんと投げる(技術)

これが出来て、初めて優秀な選手になれるわけです。

で、そんな優秀な選手になるためには、やっぱり練習。検証と練習を繰り返すことでしか、状況判断力と技術を養えません。

これを機会に、検証と練習に皆さんが励んでくれたら、僕としては何よりです。

模擬トレードを終えて、個人的感想

今回の模擬トレード、僕にとっては結構な縛りでした。パターンラインとレジサポ、そして200SMAだけ(後半では、それ以外のテクニカルも少し使いましたが)でトレードしているわけですから。

普段の僕のトレードは、今回の模擬トレードとは結構程遠いです。テクニカルはもっと使いますし、もっと細かく獲りに行きます。

エントリーの仕方も、もっとエグイです。出来るだけ損切り幅を小さくして入ろうとしますし、損切りもその分ガンガンするつもりで、トレードしています。

それから比べると、今回の模擬トレードは、かなり保守的だったなと。

でも、こういった保守的なトレードの方が、パフォーマンスは結果として良くなるんじゃないのかな?

と感じることが多々ありました。

なので、普段のトレードに対する姿勢とは全く違った試みをやったことで、今後の僕のトレードの改善点も見つかった様です。

アウトプットは、他人のためじゃなく、自分のため。

そんな気分を味わえました。

ということで、今回はこの辺でお開きということで。

それじゃあ、また。

パターンラインと200SMAでトレードしてみる(その1)

シンプルにトレードをしてみよう

きっとトレードを学ぶ多くの人は、

「数多くのテクニカルを自由に操り、高度で複雑な分析を行なうことによってトレードで勝つことが出来る」

と思っているんじゃないかと。僕も勝てない時代は、そう思ってました。

まぁ、そういった小難しいことは必要ないかと言われたら、必要なくはないんですが・・・

要するに、様々なテクニカルで緻密な分析を行なう必要があるのは、

  • トレードの精度を上げるため
  • より多くのトレードチャンスを見つけるため

が大体の目的なわけで。

そこに拘らないのであれば、テクニカルもシンプルに用い、シンプルに状況判断をしていくことで、十分にトータルで勝ちに持っていくトレードは出来ると思うんですよね。

ということで、今回はシンプルなトレードの具体例を挙げてみようかと。

前回前々回と、2回に渡って「200SMAの使い方」をお話してきましたので、今回も200SMAを使います。

やり方としては、検証ツールを使ってトレードを行ないながら、実況中継をする形式で進めていきます。

お楽しみに!


ということで実際にやってみたのですが、検証ツールでトレードしながらのブログ記述は、改めて見直したらかなり雑な結果に。

ということで、以下のトレードにおける解説部分は、理解しやすい様に改めて記事を加筆編集し直していますので、あしからず。


トレード・スタイル

まずは、今回ご紹介するトレードのスタイルを具体的にお話しておくとします。

利用するテクニカル

今回のトレードで使うテクニカルはロウソク足以外では、

  • パターンライン
  • レジサポライン
  • 200SMA

だけにしようかと。

フィボだとかN値だとか、そんなものは一切登場しません。他のインジケーターや別期間のMAも使いません。

ラインですら、ゴチャゴチャと引く様なことはしません。いたってシンプルに。

ただ、ひょっとするとダウ理論とかプライスアクションっぽいのは顔を出すかもしれませんが、それすら極力省いて、トレード判断していこうかなと。

ちなみに、上位足で引いたラインは、下位足に反映されて表示されるように設定してあります。

そして、200SMAはどの時間軸でも用い、目立つように赤い色で表示することにしますのであしからず。

ポジション保有期間

1回のトレードにおけるポジションの保有期間は、今回は特に決めないで行なう予定です。

デイトレードとかの枠に縛られず、チャートポイントからチャートポイントまで保有する方が、トレードの主旨が読者の人には分かりやすくなるんじゃないかと。

なので、数日またいでも決済しないこともあるでしょうし、その日のうちに2度3度トレードを繰り返すこともあるかもしれません。

1回のトレードにおけるリミットとストップ

1回のトレードで目標とする獲得値幅と損失値幅ですが、これも特に決めません。

本来であれば、ストップとリミットの比率を考えてエントリーするのが王道なんですが、今回のトレードの目的は、「シンプルにやっても勝てますよ」ということを示すのが目的なんで。

単純にチャートポイントからチャートポイントまでを獲りに行きます。そして、エントリーの根拠が失われたと思った時点で損切りします。

ただ、20pips、30pipsと細かい値動きを獲るようなトレードは省略します。面倒なので。

利用する時間軸

日足・4時間足・1時間足・15分足の4つの時間軸を同時に見ながら、いわゆるMTF(マルチ・タイム・フレーム)でトレードすることにします。

ただし、このブログ記事で全ての時間軸を同時に載せながら進行していくのは大変なので、ポイントに見合った時間軸のチャート図のみを載せていくことにしますね。

トレード開始期日

とりあえず無作為にいくつか抽出してみて、それがパターンラインと200SMAの解説トレードに最も適してそうな期日からトレードを開始してみることにします。

それでは、始まり始まり~!

200SMAを利用したトレードの具体例

以下のチャート図はポンド円の4時間足。この辺りから始めてみようかと思います。

チャートを見ると、価格は200SMAを大きく越えた後、比較的長い期間揉み合いが続いています。何となく200SMAに近づいた後、今はやや200SMAから離れていく感じに見えますが・・・

とまぁ、そんな風に何となくな感じでチャートを眺めていても、勝ちトレードには結び付きません。インジケーターをいくつ並べてみたところで、負けてばっかりになります。

ということで、この状況を、トレードできる具体性のあるレベルまで落とし込んでみましょう。

とは言っても、たった2本の線を引くだけなんですが。

下降チャネルですね。

価格は上昇トレンドを形成して200SMAを大きく越えた後、チャネルを形成しながら下降しています。このチャネルは、上昇フラッグの可能性が高いかな。

で、今現在は、チャネル上限のラインにタッチした直後で、

「ブレイクするのか?それとも反転下落するのか?」

という感じで揉み合っている状況ですね。

では、この局面を下の時間軸でズームアップして見てみましょうか。

まずは1時間足。

200SMAを下にしてチャネル上限ラインとの間で、なにやら荒ぶってます。

じゃあ、次に15分足を見てみましょうか。

同様にチャネル上限ラインと200SMAの間で荒ぶってますねぇ。

ではこの後、価格は4時間足チャネル上限ラインをブレイクするのか?それとも反転下落し始めるのか?

もちろん、上にブレイクするなら買いですし、反転下落するなら売りです。

どうします?どう判断していきます?

では、それを判断するために、もう1度この局面をズームアップしてみてみましょう。下図は先ほどの1時間足。

レジサポのラインが引けますね。ここで下値が何度もサポートされています。面白いことに、このラインは200SMAと重なっています。強力そう。

とうことは、ここを下にブレイクしたら、

「4時間足チャネル上限にタッチした後に、反転下落を始めた」

と判断して売りを仕掛けて良さそうです。

じゃあ、上にブレイクする場合は?

点線のラインで示したところは143.00円のキリ番で、高値はここを意識されて止められている様にも見えます。

ただ、このラインを越えたら4時間足チャネル上限もブレイクするほど強力なラインなのか?と言われたら、今のところはその根拠はゼロに近い感じ。

なので、4時間足チャネル上限ラインを直接上にブレイクするかどうかで、判断することになるかと。

それでは、この状況を15分足で観察しながら、エントリーのタイミングを伺ってみます。

15分足では、200SMAは上昇していますよね。しかし、上の方でのチャネル上限ラインは右肩下がり。この2つの線の間隔は徐々に狭まっており、価格はその間に挟まれていています。

こういった状況を僕は、疑似的なトライアングル・フォーメーションとして見ることが多いです。

で、今現在、ラインと200SMAはかなり間隔が狭まってきてますよね。売り買いの圧力がかなり高まってることになるので、そろそろ動き出すころかなぁ・・・と。

そして、ロウソク足を見ると陰線が連続して3本。しかも3本目は大きめな陰線。価格は比較的勢いよく下落している最中ですね。

では、200SMAと水平線を抜けるか反転するかを観察してみます。

抜けましたね。

サポートとなっていた200SMAと水平線を一旦下抜けた後に、もう1度上を目指しますが、今度はこの両者がレジスタンスとなって反転下落(「ロールリバーサル」と言います)しました。

このタイミング、1時間足で見るとこんな感じ。

1時間足でも、同じ状況ですね。重なったレジサポラインと200SMAを下にブレイクした後、一旦上を目指しますが、レジサポラインと200SMAに阻まれて、再度下落を始めています(ロールリバーサル)。

ということで、「価格は4時間足チャネル上限から反転下落を始めた」と判断して売りエントリーをします。142.233円です。

ただ、この1時間足を改めて見直してみると、

「もう少し高い位置で売りエントリーしたかったなぁ・・・」

という気持ちにはなるかと思います。

でも、それは後付けでチャートを見た際に沸き起こる、単なる欲望でしかありません。

もし、もっと高い位置でエントリーできる技術が欲しいのであれば、どんどんと複雑で高度な技術を身に着けていけば良いだけです。

しかし、今はシンプルにトレードしてくのが目的なので、むしろ、中途半端な位置で入らず、シッカリと引き付けてエントリーしたんですから、これが正解です。

 


ちょっと寄り道します。

さっきの1時間足を見て、「あれ?どこかで見たことある様な?」と思った人、いませんか?僕のtwitterのフォロワーさんの中で。

そう、つい3日前のこれですね。

検証トレードをやった後日、ちょうど似た様な状況がポンド円であったので、伏線のつもりで、ツイートしておいたんです。結構粋なことやってみました。

手を変え品を変えつつ、でも結局は似た様なパターンは度々起こるんですよねぇ。

同じ波は二度と来ないですが、表層は変えつつも歴史は繰り返します。


 

さて、話をもとに戻しましょう。

反転下落を始めた価格が次に目指すのは、4時間足チャネル下限ラインです。

では、その後の展開を見てみましょう。

4時間足チャネル下限ラインにほぼ到達。200SMAでピタリと止められて、反転しかかってます。

とりあえずここで利確。141.349円なので、スプレッド換算せずに単純計算で、88pipsほど。

200SMAに到達したことで、何やら大きく動き出しそうです。

では、今度はこのチャネル下限から反発するのか下にブレイクするのかを、15分足で観察していきましょう。

面白いことに、ここでもチャネルを形成している様なので、ラインを引いてみました。

さて、ブレイクするでしょうか?

ブレイクしましたね。

でも、一旦下に戻しているんで、もう少し観察しましょうか。この15分足チャネル上限ラインが今度はサポートとなって反転上昇したら(つまりロールリバーサルが確認出来たら)、

「4時間足チャネル下限から反転上昇した」

と判断して買いエントリーすることにします。

あれれ?

ラインが効いていない様です。

どうやら、ラインの引き方が違う様ですね。引き直してみます。

こっちが正解ですかね。ヤバいヤバい。

で、今度はきちんとラインが引けてる様です。

ブレイク後にロールリバーサルが確認できたので、買いエントリーを行ないます。141.684円です。

次に目指すのは、4時間足チャネル上限ライン!!しかも、4時間足200SMAからの反発だから、デカいぞ、こりゃあ!

と言いたいところなんですが・・・

今度の上昇では、15分足と1時間足共に200SMAが上で待ち構えています。

まぁ、4時間足よりも下位足なんで、上昇力の方が強いとは思いますが、侮ってはいけません。出会い頭に、反転下落の急降下で損切りということだって、考えられます。

ということで、ここは恐る恐る経過観察をするとしましょう。

15分足200SMAは無事突破した様です。おまけに200SMAでロールリバーサルしてます。

そして1時間足でも・・・

とりあえず突破してます。

が、ここから荒ぶる可能性は大きいです。油断はできません。

しかし・・・

15分足で観察していますが、荒ぶる様子は伺えません。市場参加者の多くはこの上昇に同意しているご様子。

残る関所は、以前に引いた水平線です。ここを越えたら、4時間足チャネル上限まで一気に駆け抜けるんじゃないかと。

はい。おめでとうございます。4時間足チャネル上限に見事到達しました。

で、この部分を1時間足で見ると

これ、僕がいつも言っている「水平線と斜めラインが出会ったところ」ですね。チャネル上限ラインと143.00円のキリ番ラインがちょうど出会ったところに、価格が到達しています。

「こりゃ、上に抜けるな」

実は、4時間足チャネルをブレイクするという根拠は、いくつかあります。

しかし、ここは出来るだけシンプルな判断でトレードするのが目的なので、ここは教科書通りに一旦利確します。142.938円で+125pipsの利益です。

では次に、この4時間足チャネル上限から反転するのかブレイクするのかを観察していきましょう。

下図は1時間足。

143.00円のキリ番ラインとチャネルラインがレジスタンスとなって、揉み合いが続いています。

しかし、ちょっと待ってください。

上値は水平線で止められてますが、下値は規則正しく切り上げています。どうやら、サポートとなる斜めラインが引けそうです。これは、アセンディング・トライアングルのフォーメーションですかね。

ということでラインを引いて15分足で経過観察していましたが、どうやら斜めラインは無視してそのまま小さく揉み合ったままです。

違ったみたい。

しかし、転んでもタダでは起きません。よく見ると、上値を止めているキリ番ラインのすぐ真下には、レジサポラインが通ってます。キリ番と同じ点線にしてみました。2つの水平線の間で揉み合うレクタングル・フォーメーションの可能性が大です。

様子を見てみます。

やっぱり下値も点線の水平線で止められてますね。

じゃあ、このレクタングル・フォーメーションを

  • 上抜けたら4時間足チャネル上限ブレイク
  • 下抜けたら4時間足チャネル上限から反転下落

と判断してエントリーできそうですね。

で、引き続き観察してると・・・

下にブレイクしました!

4時間足では・・・

おおっ!これは売るしかない!

と一瞬思ったんですが、やっぱ止めました。

僕は15分足ばかりに注目していて、ちょっと近視眼的になってたみたいです。

下図は1時間足です。

気が付きました?

ちょっと、この図に解説を加えると以下の様になります。

赤い四角で囲った部分に注目してください。

15分足でサポートとして引いた点線のラインなんて、1時間足で見たら弱い弱い。本命の強力なラインはその下の実線で引いた水平線の方です。

そもそも僕は常日頃、

「分足でしか確認できない様な水平線は、簡単に無視される」

と偉そうに言っていたはず。言ってた本人がやらかしてるんですから、もう・・・

ということで、レクタングル・フォーメーションとして判断すべきは、点線ラインの方ではなく、上図で赤い四角で囲った部分が正解となります。

僕は、前回の反転下落での売りエントリーの際は、この実線をサポートとして判断してたんですよね。

ウッカリと忘れてました。

15分足点線ラインをブレイクしたからといって売ってしまっても、すぐ下にあるこの実線ラインに阻まれる可能性が大。

ということで、ここではエントリーを見送ります。

 


今回は、見送りましたが、実際はトレード可能な局面です。図を見ればお分かりの通り、この点線と実線のレクタングル・フォーメーションの値幅は50pipsありますから、ここでレンジ取引をすることは十分可能です。

しかし、冒頭でお話した通り、細かく獲っていくトレードは、主旨から外れるために見送ります。これ以降にもいくつか出てくる可能性は大きいですが、スルーするつもり。


 

実線で引いた水平線がサポートとして、ここを抜けるか反転するかを15分足で観察することにします。

反転しましたね。

しかも、200SMAが上向き出しており、そこに到達する前に反転上昇というパターン。

ウッカリと売っていたら、損切りする羽目になってたかもしれませんね。セーフ。

では、レジサポ・ラインで反転上昇した価格は、次に4時間足チャネルラインをブレイクするでしょうか?

展開を見てみましょう。

はーい。上抜けましたよー。

ロールリバーサルの後、赤丸で囲った前回高値も抜きましたー。

ということで、ここで買いエントリーします。143.383円です。

では、次に価格はどの辺りまで目指して上昇するでしょうか?4時間足を見てみましょう。

4時間足チャネルの開始時につけた高値までは行きそうですが・・・

もう少し俯瞰して見たいので、日足を見てみましょうか。

げっ!!

チャネル開始時の高値付近では日足200SMAがゆっくりと下降しながら待ち構えています。

チャートの左側を見る限り、過去に価格は毎回200SMAに上昇を阻まれて、下落を繰り返しています。

ヤベェなこりゃ。何だか荒れそう・・・

ということで、いつでも逃げれる準備をして、経過観察します。

日足200SMAにタッチしました。

荒ぶる前に利確して逃げときます。144.646円でエグジットなので、利益は+126pipsです。

さて、この後は荒波に飲み込まれたくないので、様子見に徹しようかと思います。200SMAの中でも大きな時間軸、日足200SMAですから、荒ぶり加減は半端ないと仮定しておいた方が吉かなと。

 

 

ということで、今回はここまで。これ以上やると、この記事はなかなかアップできそうにないんで。

でもまぁ、今回の記事を読んでもらっただけでも、

「複雑にいくつものテクニカルを駆使しなくたって、1つ2つのテクニカルをきちんと使って状況判断することが出来れば、十分に有用なトレードができるんだなぁ」

と実感してもらえたんじゃないかな、と。

では、このトレードの続きは、次回に持ち越すとしますね。お楽しみに~!

それじゃあ、また。

200SMAの使い方(その2)

前回は、200SMA(200期間移動平均線)について、僕なりの考え方を説明しました。

で、今回は200SMAを利用したトレードの具体例をご紹介する予定でしたが、その記事を書いている途中で、まだ200SMAについて解説していないことが多々あることに気が付くことに・・・

ということで、今回は予定を変更。

荒ぶる値動きを生み出す200SMAですが、それについてもう少し突っ込んだお話をしていこうと思います。

荒ぶる値動きの特徴

200SMA付近で価格は揉み合う傾向が高く、多くの場合、その値動きは激しいということを、前回お話しました。

では、その荒ぶる値動きの特徴をもう少し具体的にお話していきましょう。

高値低値が不規則

下の図はポンド円1時間足に200SMAを引いたものですが・・・

ご覧の通り、200SMA付近で価格は上下に激しく波打っており、その波の高値(山)と低値(谷)は不規則です。いわゆる乱高下。

規則性を見出せなくもないんですが、オーバーシュートが多発するため、買っても売っても損切りを喰らいやすく、実際はトレードしづらいんじゃないかと。

レンジを形成するといっても、高値低値を上手く捉えて売買するのが難しい値動きが、200SMA付近では起こりやすくなります。

状況にもよりますが、200SMA付近では乱高下の可能性を警戒する必要があります。

値動きが加速する

もう一度、先ほどのチャート図を見てください。

価格が200SMAに向かっていく時、まるで急加速したかの様に、一気に200SMAに近づくことが多いです。

同様に、価格が200SMAから離れる時も、急加速して一気に大きく動き出すことが非常に多いです。

見ての通り、価格はほぼ垂直に急上昇・急落下しています。

まるで200SMAという名前のトランポリンを価格が上下に跳ねまわっているかの様に見えてきますよね。

これも200SMA付近で起こる値動きの特徴です。

スピードの速い展開は、振り回されやすくなりがちです。下がったと思ってエントリーしたら下値をつかまされたり、急反転を喰らって損切りになったりとかね。

やはり、200SMA付近での値動きには警戒することが大切です。

値動きが荒ぶらない場合

200SMAで値動きが荒ぶる傾向がある。それは分かりました。

でも、200SMAを値動きが迎えても、荒ぶらずに一定の方向に動き続ける場合も、たまにあります。

こういった場合は、市場参加者の総意が値動きの方向にあると考えます。

つまり、しっかりとしたトレンドを形成すると。

「しっかりとした」というのは、調整波ではなく、主要なトレンドという意味で、比較長い期間トレンドを形成するということになります。順張りで利益をあげやすい局面と言えますあね。

移動平均線としての200SMA

荒ぶる価格の波を生み出す200SMAであっても、移動平均線には変わりありません。移動平均線の性質そのものは持っています。

ただ、移動平均線の性質は持ちつつ、他の期間との立ち位置が少し違っています。それについて、ちょっと解説します。

グランビルの法則について

価格と移動平均線は、近づけば離れ、離れれば近づいていきます。これ、グランビルの法則ですね。

で、そもそもグランビルの法則で引き合いに出されている移動平均線は、200SMAです。

そういった意味合いでも、200SMAは他の期間の移動平均線とは立ち位置が少し違うのかもしれません。グランビルの法則を意識している人は、200SMAを見ている可能性が高いことが推測されます。

トレンドを表現する移動平均線として

他の期間の移動平均線と同様に、200SMAも価格が上昇している時は上に傾き、下降している時は下に傾きます。

ただ、200期間というのは基本的に移動平均線の中ではかなり長い期間です。

短期移動平均線は10とか20辺りの期間がメジャーで、中期では50辺り。100を越えると長期と呼ばれることが多いので、やっぱり200という期間は、移動平均線の中では長い方。

というより、メジャーな考え方で言えば、200という期間は、最も長い期間と言えます。

ですので、価格に対する傾きの反応は、他の移動平均線に比べ、最も遅いわけで。

上のチャート図では、複数の移動平均線を表示しています。

  • 黒い線 = 20SMA
  • 青い線 = 50SMA
  • 緑の線 = 100SMA
  • 赤い線 = 200SMA

としてみました。

で、四角で囲った部分を見てもらうと分かる通り(つか見なくても分かると思いますが)、

価格が反転した際には、期間の短い移動平均線から順にその傾きも反転していきます。

しかし、200SMAはその反応があまりにも遅く、なかなかその向きを反転させません。

こういった特徴から、200SMAの傾きは、トレンドが強くてもその期間が短い場合は相関性は低いと言え、

むしろ、トレンドは緩やかでもその期間が長い場合、価格は200SMAに沿う傾向があります。以下の図はその例です。

こういった傾向を踏まえると、

200SMAが傾斜しながら価格に沿って動いている場合は、そのトレンドは主流となる波で、長く続く可能性が高いので、ガンガン順張りを仕掛けられる局面

との状況判断が出来るかと思います。

200SMAは状況判断(環境認識的な)に使えるテクニカルと言えるかもしれません。

200SMAは最後の砦

価格と200SMAが沿う様にして移動している場合は、トレンドが長く続く可能性が高いとお話しましたが、その場合、

トレンドが継続している途中に、価格が200SMAとタッチすることはほとんどありません。

下図は先ほど同様、違う期間の移動平均線を複数引いたものですが、

見ての通り、移動平均線の期間が短いほど、価格にタッチする機会が多くなります。

なので、エントリーのタイミングを計る際には、移動平均線の期間が短い方がそのチャンスは多くなります。

しかし、200SMAは価格にタッチすることがほとんどないため、トレンドフォローに対してエントリーのタイミングを計るのには、あまり役には立ちません。上図でもトレンド中にタッチして反転したのは1回だけです。

ということは、トレンド中に最も深い押しや戻しを付ける場合は、200SMAからの反転と考えることも出来ます。

つまり、200SMAはトレンド継続の最後の砦

というわけです。

しかし、200SMAがトレンド最後の砦だということが事実であれば、むしろ逆に

200SMAに価格が到達した場合は、トレンドが終了する可能性が高い

とも言えます。

上図の様に、一旦200SMAに価格がタッチしても、勢いよく反転し、再び価格と200SMAが寄り添って移動するなら良いのですが・・・

ほら、200SMAの付近で価格は荒ぶる可能性が高いんでしたよね。

つまり、価格が200SMAに達した後に素直にトレンドに回帰することはそれほど多くなく、むしろ荒ぶる傾向が高いわけですから、トレンドが終了する可能性が高くなるんですよ。

そう、200SMA付近での売買が激化するというのは、

200SMAがトレンド最後の砦であるがゆえに、トレンド継続を維持しようとする一派と、トレンド終了を慮(おもんばか)る一派とのし烈な争いの舞台となっているわけです。

そりゃぁ、荒ぶるわけだ。

例を挙げていきましょうか。まずは、先ほどのチャート図の続きから。

2回目のタッチでは揉み合いになってますね。単純にトレンド継続と判断するのは注意した方が良いことが分かると思います。

では、その続きはどうでしょう?

はい、見ての通り、荒ぶってます。

で、このケースのその後をお話すると、結果的には下降トレンドは継続します。

ただ、素直な下降トレンドではなく、調整局面となり下降チャネルを形成します。

俯瞰して見てみましょうか。

結果的には下降しているんですが、単純に下降トレンドのつもりで順張りしたり、トレンド終了と判断して逆張りしたりする際に中途半端に入ると、

切られる

そんな場面です。

しかも、このパターンはまだ良いケースです。だって、下降トレンド中の下降チャネルですから。結果的には下降しているので、売ってから逆行されても「運頼み、お祈りトレード」して損切りしなくても助かるパターンです。

しかし、こういったケースはそうそうありません。中途半端に入ったトレーダーには手痛いお仕置きが待ち構えていることがほとんどです。

売り手と買い手の攻防が激化する局面が、200SMAであることは上図でも容易に分かります。

「200SMAでは価格が荒ぶる」

それは200SMAがトレンド継続最後の砦だということにも起因します。

200SMAは交差点

既にお話した通り、最長期間レベルである200SMAは、他の移動平均線と比べると、価格の流れに対する傾きの反応は最も遅くなります。

例えば、下降トレンドが始まると、短い期間の移動平均線から順次下を向き始め、最後に200SMAが下を向き出します。

そして、トレンドが継続している最中は、期間の短い方から順序良く移動平均線は並んでいます。これ、基本ですよね。

ただ、上図で見て分かる通り、200SMAにタッチする辺りでは、移動平均線が一時的に交錯しています。

また、タッチした後にやや波動が弱まってきている様で、200SMA近くで価格の波が推移し始めると、順序良く並んでいた移動平均線たちの列はやや乱れ気味になってきている様です。

そしてトレンドの雲行きが怪しくなると・・・

移動平均線たちは、もうグチャグチャ。

上を向いているMAがあると思えば、下や横を向いているMAもあったりと、並び順もバラバラで、糸が絡まるかの様に各MAが交差します。

ということは、

例えば、20SMAを根拠に売る人がいると思ったら、50MAを根拠に買う人もいて、100MAを見ている人の中には価格との乖離を見て買う人もいれば、200SMAを死守しようと売る人もいたり・・・

もちろん、MAを見ていなくても、MAは価格の流れを抽象化したものなので、各MAと同じ方向に似たタイミングでトレードする人も増えていきます。

また、各MAが絡み合っている状態では、値動きが盛んに上下しますから、MAに関係なく、その他のテクニカルを根拠に売り買いする人も交差します。

要するに、

200SMA付近に価格が到達すると、それ以外の期間の移動平均線は乱雑に交差するため、売買は交錯し、価格が荒ぶる

ということになるわけです。

で、移動平均線の基本として、「各MAがゴチャゴチャしている時はレンジ」というのは皆さん、既にお分かりだと思います。

であれば、

200SMAと価格の出会いは、トレンドフォロー戦略からレンジ戦略への転換点

と考えることもできます。

こう考えると、やはり200SMAはトレード戦略を立てる上で必要な状況判断ツールとして、非常に役に立つことが分かると思います。

値動きの乱雑さを知ろう

前回お話した様に、仮にトレンドが継続しているにしても価格は荒ぶりますから、レンジ戦略の観点で十分上下に引き付けたうえでトレードすることで、値動きに振り回されることが少なくなるかと。

で、トレンド系のインジケーターと共にオシレーターを表示してトレードしている人も多いと思います。

なので、ちょっと先のチャート図に、オシレーターを表示させてみましょうか。

まずは、MACD。

ぱっと見は、上手く機能してそうなんですが、実際にやってみると意外に値幅が獲れません。

これ、高値や低値から勢いよく値を戻すので、MACDがシグナルとクロスしたのを確認してトレードしても、値が進んだ後のことが多くなるからです。

200SMAからのレンジは先ほど説明した通り、穏やかなレンジと違って値動きが素早く乱高下ですから、綺麗に獲るのは工夫が必要になるわけです。

もう1つ、ストキャスティクスでもやってみましょう。

ストキャスティクスを2つ表示しています。

上のストキャスティクスのパラメーターはMT4のデフォルトである「5-3-3」。値動きに対する反応は速いのですが、乱雑な値動きには振り回される可能性が。

下のストキャスティクスは「20-3-3」にして、動きを滑らかにしてみましたが、反応はやや遅れ気味になります。

ということで、下のストキャスティクスで高値圏に入ったら、上のストキャスティクスのクロスでトレードするという感じで試してみました。

しかし、MACDの時と同様に値幅を上手く獲れないことが多いです。もう少し工夫する必要があるかなぁ・・・という印象。

以上のことから、価格が200SMAに近づくことによってレンジの転換点とはなるのですが、その値動きは激しいため、レンジ戦略をとる場合は、翻弄されない様に注意と工夫が必要だということが分かると思います。

やはり200SMAと価格の出会いは、波乱万丈、一筋縄ではいかない荒ぶるドラマが待ち構えている様です。

 


 

さて、前回から2回に渡って、200SMAについて解説してみました。

これまで解説から、

200SMAはその性質や立ち位置から、手法に用いるというよりも、環境認識など状況判断に用いることに適したツールである

ということも理解してもらえたかな、と。

ということで、次回は今度こそ、この200SMAを状況判断ツールとして利用したトレードの具体例をご紹介します。

お楽しみに!

それじゃあ、また。