デイトレーダーのための日足分析(2):実践編

(以下は、2018年2月9日付けの記事に加筆編集を加えたものです)

さて、前回のお話から、デイトレーダーにとっての日足分析は、日足チャートがトレンドを形成しているかどうかよりも、その日が陽線で終わるのか陰線で終わるのかが大切だということが分かってもらえたと思います。

ま、もう少し正確に言うと、陽線や陰線で「終わる」のではなく、一時的にでも陽線や陰線を示すかどうか?が大切です。つまり、

ってな感じで、日足一本の中では、陽線なら日中に上昇トレンドが、陰線なら日中に下降トレンドが発生するわけですが、陽線で終わったとしても、

ってな日足であれば、日中では矢印が示す通り、上昇トレンドがありつつも下降トレンドも発生していて両方のトレンドを獲れるわけで、仮にその日が売り方針で売りのみを狙っていても十分に獲れることになります。

つまり、デイトレーダーにおける日足分析とは、日足チャートにおいてトレンドが発生しているかどうかよりも、その日の日中にどちらのトレンドが発生しやすいか?が重要になるわけです。

「じゃあ、どんな感じで日足チャートを分析すれば良いの?」

ってことですが、今回はその説明をしようかと。

まぁ、色んなパターンにわけて説明するのも大変なんで、端的にひっくるめて

  • 日中上昇トレンドが一時的にでも発生する日足=日足陽線
  • 日中下降トレンドが一時的にでも発生する日足=日足陰線

として、以下に説明します。

デイトレーダーのための簡単な日足分析方法とその考え方

もちろん、日足分析をするにあたって、どこにレジサポがあるかとか、波形にどのくらい勢いがあるかとか、ロウソク足はどんな状況を示しているんだとか、そんな分析は必要です。

が、いちいちそれを説明すると膨大な量になってしまいます。なので、ほぼ1つに絞ってお話します。凄く単純でしかも効果的な日足分析のやり方とその考え方です。ただし、大切なのは「やり方」よりも「考え方」の方です。しっかりと目を凝らして行間まで読み取る様にしてください。

さて、そんなデイトレーダーのための日足分析ですが、その方法は至って単純です。ロウソク足をチャートに表示した後は、たった1本の短期移動平均線を使うだけです。

5日単純移動平均線(5SMA)たった1本です。

では、以下にその扱い方について説明していきましょう。まずは、そのチャートね。

そう、たったこれだけです。

移動平均線は、ご存知の通り過去のN期間の終値の平均値を結んでいた線です。N期間の終値が上がり続けていれば移動平均線は右肩上がりに描かれ、終値が下がり続けていれば移動平均線は右肩下がりに描かれます。そしてN期間の終値がまちまちでたいして上下してなければ移動平均線はほぼ水平に描かれるわけです。

で、日足分析をするにあたっては、この移動平均線の性質を利用します。

ただし、長い期間の移動平均線を用いてトレンド判定する必要はありません。今日1日が陽線なのか陰線なのかを考えるだけですから。

なので、過去1週間程度(5~8日)の短期間の傾向を探ることとします。それによって、その日1日が陽線が発生しやすい状況なのか陰線が発生しやすい状況なのかを判断するわけです。

使う期間(パラメーター)は、5日間がお勧めです。5営業日はちょうど1週間だということと、扱いやすさがその理由です。

ただし、パラメーターは5日が絶対というわけではなく、6~8日ほどでもOK。扱う通貨ペアや商品の値癖やトレーダー個人の感覚の違いもありますから、各自でやりやすい期間を選んでもらえれば良いかと。

で、この5SMAを使って日足分析すると、

  • 5SMAが上を向いているときにその日の始値が5SMAより上に位置していたら、陽線が出る確率が高い
  • 5SMAが下を向いているときにその日の始値が5SMAより下に位置していたら、陰線が出る確率が高い

ということが、分かるんですね。おまけに、この程度の短期間の移動平均線は、ロウソク足の値動きに沿う形で描かれるので、

  • 上記2つの条件であっても、5SMAとその日の始値が乖離している場合、少なくとも一旦は5SMAに近づこうとする(例えば、5SMAが上を向き始値もその線の上にあっても、一旦は陰線を形成する)確率が高い

という傾向がハッキリします。

もちろん、移動平均線の期間を5日ではなく8日に広げると、平均線と価格は乖離しやすくなるため、価格が移動平均線に近づこうとする確率は低くなるわけです。期間を短くすれば、ちょっとした乖離でも近づこうとしやすくなりますので、押しや戻りの想定がしやすくなるんです。

逆に移動平均線の期間を5日より短くすると、線がロウソク足と重なりやすくなったり、線の傾斜が小さくなって、判断が難しくなります。

そういった意味で、5SMAが扱いやすいというわけです。

でね、こういったことを書く(言う)と、

「そんなの知ってる」

っていう人がいるんですね、勝てないくせに。

もちろん、特別珍しい知識をご披露しているわけではありません。というか移動平均線を扱う上での基本的知識です。

でも、「知っている」といって、実際のトレードでそれを「意識できている」「使いこなせている」人って、それほど多くはいないわけで。

「知ってる」と「使いこなしている」とでは、天と地の差ほどあるんですよ。

トレードで勝てない人は、何かと稀有な情報・希少な情報を求めがちで、聖杯探しに走りがちです。

でも、実際のトレードで勝ち続けるためには、当たり前のことを当たり前の様にできることが大切なわけです。スポーツだってなんだってそうでしょ?基本が大切で、基本が出来てない人は伸びないし、何か隠された秘密の技を使って勝利を手にしているわけではありません。

「基本的なことを、きちんと実戦で使いこなせるようにしましょう。」

と言っているんです。

ということで、この5SMAと価格の性質を利用すると、以下のトレードルール(トレードの方針)が成立します

  • 5SMAが上を向いている時、その日の始値が5SMAの上にある場合、その日のトレードは買い方針のみ
  • 5SMAが下を向いている時、その日の始値が5SMAの下にある場合、その日のトレードは売り方針のみ
  • 5SMAが上(下)を向いていて、その日の始値が5SMAの上(下)にある場合でも、始値と5SMAが乖離していた場合、少なくとも一旦は価格が5SMAに近づこうとする確率が高くなるので、押し(戻り)を待ってから買い(売り)方針。日中足の分析に自信があるなら売り買い両方とれる方針で。
  • 5SMAの傾斜が乏しいなど、判断が難しい場合は、トレードはしない。ただし日中足分析等に自信があるなら、様子見。

このルールを日足分析の主柱の1つとして適用することで、今まで勝てなかった人は、かなりの勝率が上がるんじゃないかと。

ちなみに僕は、このブログを書きながら、トレードをしてたんですが、実際この日足分析通りの状況となってます。下のユーロドル日足チャートは上記の画像と同じもの。

一番最新の日足は、今現在の足なのでまだ確定してませんが、前日の大陰線から今日の始値は5SMAから乖離気味で始まってます。なので、

「5SMAは下向きで始値も下に位置しているから、基本売り方針」
「でも、始値と5SMAは結構乖離しているから、一旦大きく戻す場面がありそう」
ということは、素直に売りでガンガン攻めるんじゃなくて、戻りを待っての売り方針」
「戻し始める場面に出くわせたら、深追いせずに買いでも攻める。ただし原則は売り方針」

と考えられるわけで、以下の様なシナリオを立てることができます。

  1. 早い時間から5SMAに近づこうとするパターン
  2. 早い時間から下落した場合、途中で5SMAに近づこうとして、大きな戻しが入るパターン
  3. じわじわと戻すならその日は陽線で終わる可能性あるが、そもそも下落傾向が強いので、強め早めに戻すようなら、再度下落が始まる

で、日中ずっとチャートに張り付いているなら、日中足にてトレンド継続や反転を確認しながら売り買いをするわけです。

さて、ここで実例として、僕の今日(時間的には既に昨日)の獲れたてのトレード内容をご紹介。

今日の僕は突然お休みになったので、日中は買い物に行って本屋をぶらついてカフェに行って本を読みながらのんびりして帰宅。帰宅したらブログ書いて、夕飯食べて、録画しておいたドラマを見て・・・の1日で、夜遅くなるまで、あんまりチャートは見てないわけで。ということで、今日の僕のトレードは、夜にパソコンの前に座ってこのブログ記事を書きながらの、ながらトレードでした。

これ、今日のユーロドルの5分足チャートです。チャートを見始めたのは、赤い枠の丸で囲った辺り。この日の値動きは、僕が外出している間に下落して、家に戻ったあたりでレンジ。夕飯食べたりドラマ観てる辺りで、一旦下落した後に急上昇で戻しているわけで。

「一旦下落しても、日足5SMAから乖離するので一旦大きめに戻す。そして、早い時間に戻しが終わった(ニューヨーク時間始まって間もない時間帯)ので、これからは下落してもおかしくない」

とシナリオ通りの展開ですんで、もちろん戻り高値を売り方針。チャート見てると、日中につけた高値付近まで戻した後に反転してきたので、ここをショート。上図の緑色の矢印がトレードした場面で、このブログを書きながら43.7pipsの利確、という感じでした。

もちろん、常にシナリオ通りにはいきませんが、5SMAを使った日足分析によるルールに従ってシナリオ作りをすることで、トレードの判断は容易になるわけですし、その成功確率も高まるわけです。

どうです?単純でしょ?

相場は単純でも簡単でもありませんが、正しい方法でシンプルに考えシンプルに判断することで、グッと上手くいくようになります。

しかし・・・

「なぜ、5日間移動平均線だけで、その日の傾向が分かるのか?」

という疑問がわいてきませんか?日足分析を行うにしては、あまりにシンプル過ぎていて、何だか狐につままれた気分です。

ということで、次回は5SMAだけでその日の傾向を知ることが出来る理由について、もっと深く突っ込んで説明しようかと。

5日間移動平均線の中にある思想

これについて、より理解を深めることで、実際のトレードに活かせる様にしていきましょう。

それじゃあ、また。

次回→デイトレーダーのための日足分析(3):理解編

6 Replies to “デイトレーダーのための日足分析(2):実践編”

  1. はじめまして。
    大変有意義な解説をされていてありがたいです。
    特にこの日足分析シリーズは今の自分にとって有料レベルに参考になり、
    ここ数日このシリーズを毎日繰り返し読んでいます。
    (それこそ、目を凝らして行間まで読み取っております^^)
    この考えをもとにさせてもらい、自分なりのルールを検証・模索中です。

    お礼が言いたくて思わずコメントしてしまいました。

    今後も記事を楽しみにしております!

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