主婦とホストと波の三角関係

気が付けばここ数回は、インジケーターを用いたトレードのお話が続いていました。

でもね、やっぱ値動きそのものは大切です。

だって値動きとは、価格推移そのものですから。僕らは、価格を取引しているんであって、インジケーターのシグナルを取引しているわけじゃありません。

ですから、結果的にインジケーターと併用するにせよ、しないにせよ、きちんと値動きを見ながらチャートと向き合うことが、トレードの精度を上げていくためには大切なんじゃないかなぁ~?と思うわけです。

ということで今回は、基本的な波の見方を先日までのポンド円チャートを使って、お話していこうかと思います。

ただねぇ・・・

実はこの記事、何とか今週の市場が始まる前にアップしたくて、日曜日の仕事終わった後に必死に書いてたんですが、

全然間に合わねぇ。

おまけに、寝落ちしちゃったし。

ということで、既に今週のポンド円の値動きは分かっちゃったって話は抜きにして、

それでは、始まり始まり~!!

波の形成過程を考えよう

僕のTwitterをご覧の方は、先日のこのツイートご存知かと思います。

ということで、先週金曜日の時にリアルでポンド円チャートを見ていた人は、その時の自分の見方、考え方、そして心理状況を踏まえながら、今回の解説を読んでください。

僕の考えが絶対というわけじゃないですが、トレードが上手くいかないという人にとっては、僕のチャートの見方と自分のチャートの見方を比較することで、何か具体的に掴めるものがあるんじゃないかと。

では、まずは先週金曜日までのポンド円15足チャート。

先週の金曜日がざっくりと赤丸で囲ったところですね。

で、この既に出来上がったチャート全体を、後付け解説でザックリと言ってしまえば、

緑色の矢印が示す様に、下降してきた価格は1月30日日本時間の夕方で反転上昇。その後は上昇トレンドを形成しますが、金曜日にはレンジ(三角保ち合い)を形成。

となるわけですが、今回はそういったお話をしたいんじゃないんですね。

この波を描いて価格が形成されている過程の中で、その時々でどの様に思考していくか?をお話したいんですよ。

また、実際のトレードでは、まずは大きな時間軸を見て、その傾向を踏まえて考えていくのが筋なんですが、そういった大局観も脇に置いてお話します。

今回は、あくまで波が1つ1つ形成されていく中で、それを見ながら、その都度どう判断していくのかをお話するのが目的ですから。

ということで、下落から反転上昇を始めた辺りまで時を戻します。そこから先は例のごとく、隠しながら進めていきますね。

赤丸から上昇を始めるまでの間では、高値(緑丸)を切り下げながら緩やかに下降していますが、低値(青丸)はきちんと切り下げているというより、やや不規則な印象ですよね。値動きが不安定かな~?と。

こんな状況の中であれば、赤い丸で反転上昇したとしても、再びダラダラと下げたり上がったりする可能性は大です。だって、それまでの低値(青丸)からの反転上昇が、みんなそんな感じですから。

ただし、少しだけ明るい兆しがあります。

それは、オレンジ色の四角の部分。ここを揉み合った後に強めに下抜けていったわけですが、この下落を否定するかのように一気に反転上昇し、先ほど揉み合っていたオレンジ色の四角の部分の高値も抜きました。

上昇が強い。ひょっとして・・・

しかし、まだ分かりません。その後の経過を見ます。

勢いよく上昇したものの、Aを頭にして再度下がってきました。

どの程度下げるんでしょうか?その下げ方によって、再び上昇を始めるのか再び下落傾向に転じるのかの分かれ目になります。

まず注目するのは、先ほどオレンジ色の四角部分で囲った揉み合いの低値です。

ここを抜けたら、やっぱ下落傾向かな、と。

しかし・・・

オレンジ色の揉み合い部分の低値でピタリと止められて再度跳ね上がりました。

「ここを上抜けたら、買っても良いかな」

という判断になります。

なぜかというと、

ダウ理論で見ます。

赤い矢印を辿ってみれば分かる通り、低値は切り上げているので、次はAの高値を価格が上回れば、

高値切上げ&低値切上げ=上昇トレンド

という解釈になります。

ただ、これは比較的小さな波での判断なので、手放しで安心はしていられません。なので、Aを抜けたところで買いエントリーしても、小ロットで臨むか、いつでも逃げれる準備はしておきたいところです。

では、その後の状況を見てみましょう。

大きく抜けましたね。チャート上にあるめぼしい高値(緑丸)も全て上抜けてます。強い上昇示唆です。

また、先ほどお話した様に、早々とAを上抜けたところで「上昇トレンド確定!」と考えて、即飛び乗っていれば、上手く上昇気流に乗れたという展開です。

ただ、僕としてはもう少し慎重になっても良い場面かな?とも思っています。

なぜかというと、緑丸Yの高値、気になりませんか?目立った直近高値はここになるので、ここを抜けてからの方が、手堅い様にも思えます。

実は、この高値Yというのは、結構重要なポイントなんです。

このYの先っぽを通る黒色の水平線を引いておきましたが、良く見ると、この周辺で過去に何度も価格が反発するなどの反応しているのが分かると思います。

というのも、この水平線で記した価格は142.00のキリ番だからです。だから、意識されているんですよねぇ。

ですから、このYを上抜いたのを確認してから、買いエントリーするというのが、手堅いところかなぁ、と思うわけなんですね。

ただし、

上図にある最後のロウソク足付近のような高値で買うのは、禁物です。

タイミング的に先ほどのAやYを上抜いたタイミングで買えなかった人は、グングンと上昇する価格を見て、

「これを逃したら、勿体ない!!」

と高値掴みをしてしまいがちです。

しかし、これはやってはいけないことです。勝てない人は、何度も何度も経験したはずですよね。高値を追いかけて買うのは、自殺行為に等しいってことを。

これ、「ジグザグと描く波の渡り方」を読んだ人なら、もうお分かりですよね。完全に欲望に振り回されているだけの行為なんです。

「押し目待ちに押し目なし」

という言い方もされますが、「勿体ない」と思ったところで、買わなければ儲かりもしませんが損もしないんです。全然もったいなくない。

本当に勿体ないのは、欲望に振り回されて、高値を追いかけ高値掴みをして損失を出してしまうことなんですよ。

もう1度先の画像を見てください。

上昇トレンドの場合、

「価格を直近低値が下回らない限りは、上昇トレンドとして買い方針」

というのが、トレードの基本です。

この図で言えば、Bを下回ったら損切りということになります。

しかし、AやYを上抜いた時点で買うのであれば損失は限定的ですが、流石にこの図の最後のロウソク足付近の価格帯で買うのは、

ちょっと、損失額が大き過ぎやしませんかね?

ということなんです。

許容できるのであれば買えば良いですが、その損失幅、90pipsくらいありますよ?ホントに許容できるんですか?

デイトレなら、絶対に許容してはいけない損失幅です。見送りが賢明という判断になります。

主婦目線、最強説

主婦はプロの相場師

さて、ここで肝に銘じてほしいのが、チャートと向き合う時、トレードに臨むときのその感覚です。

決して欲望に振り回されるんじゃなくて、本来のマトモな自分の感覚を前面に押し出して欲しいんです。

そういえば、時を同じくして先週の金曜日に、僕はTwitterでこんなことをつぶやいています。

(注:「寝上がって」は誤字で「値上がって」が正解です)

普通の人の売買行動って、欲しいものを買いたい時は、出来るだけ安く買おうとするのが当たり前の行動なはずです。

ましてや主婦だったら、最近の野菜の妥当な相場価格を知っていますし、どの位安く買えたらお得感満載なのかも分かります。

もちろん、この位の高値だったら買うのを諦めようという「引き際」も心得ています。

「野菜ならあそこのスーパー、でも魚ならこっちのスーパーが安い」

というのも知っていますし、鶏肉の特売日も、ポイント倍増デーも予め把握済みです。

つまり、主婦というのは実は相場においての、プロなんですよ。しかも、凄腕の。

そうやって、家計を支えているんですから。

で、そんなプロが、高値に飛びついてしまうというのは、よほど緊急性があるとかじゃない限り、しないはずですよね。

なのに、なぜ飛びついてしまうのか?

それは、欲望に目が眩んでしまっているからです。

ホストに入れ込んだ主婦の悲劇

欲望に目が眩んでしまったその光景は、まるでホストに入れ込んでしまった主婦の様です。

お気に入りのホストに気に入られたい、嫌われたらどうしよう、彼をナンバーワンにしたい!などと、実はどうでも良いことばっかりに目が行きます。

ですから、ホストのほんの少しの動向が気になって気になって仕方がない。

小さな素振りを見逃したら、お気に入りのホストは私じゃなくて他の女に視線を注ぐかもしれない・・・

なんて行為は、15分足で見ても十分対応できる相場を、5分足1分足と細かく見ることで、少しの振る舞いも見逃さない様にするのと同じです。

これ、ポンド円の5分足です。緑色の丸で囲った部分が、ちょうど先ほどまで見ていた15分足の最新高値の部分です。

価格のちょっとの振る舞いでも気になって仕方がなくなってしまった心理状態なので、5分足でより細かい振る舞いを見ようとしています。

これ、ホストの一挙一動が気になって気になって仕方がない色狂いした主婦の行動ですね。

で、色狂いした主婦は青い四角で囲ったオシレーター(ストキャスティクス)のじれったい態度にもう、気が気じゃありません。

「冷たくされたくない、私に優しくして!」

そんな思いからストキャスが赤丸aを示した時に

「ここを逃したら、彼は私から離れていく!」

と判断して、今月の生活費に手を付けます。

しかし、彼の気持ちは更に下がっている様に思えるので、今度は赤丸bのタイミングで家を購入するための頭金として積み立てていた定期を崩して貢ぎます。

さらに赤丸cでは、家族の積み立て保険も解約して貢ぎます。

それでも彼の気持ちは下がり続けているので、ついに借金にまで手を出して彼に貢ぎだすんです。そして、そんな借金を繰り返し繰り返して、彼に貢ぎ続けます。

しかし、家族にどんな理由を付けようが、主婦が夜な夜な外出するなんて、バレバレです。しかし、そんな不自然すぎるという状況判断(環境認識・現状認識)すら、彼女は出来なくなっているんですよ。

だって、お目当てのホストの一挙一動しか目に移らないんですから。

そして、この欲ボケした主婦は、赤丸eで全てを失います。

ギャ~~~~~ッ!!!

笑えない光景です。これは悲劇というより、ホラーかもしれません。

しかし、そんな風になりたいですか?

なりたくないですよね?嫌ですよね?

本来なら、マトモな主婦として相場を見極める目を持っているはずなのに、そんな末路は迎えたくないはずです。

だったら、改めましょう。改めたら良いじゃないですか。

ではここで、主婦目線に切り替えて、もう一度先ほどのチャート図を見てみましょうか。

AやYを越えた辺りの安い価格で買えなかったからと言って、ご近所さんの主婦がこのチャート図の最後のロウソク足の終値で、目の色を変えて白菜を買ったとしたら、どう思います?

「え?嘘でしょ?信じられない・・・」

って、冷静に思いますよね。

はい、ではそんな冷静な目線になったところで、本題へと戻りましょう。

値動きに対する待ち構え方

正しいお祈りトレードの仕方

ではもう一度、先ほどのチャートを見てみましょう。

さて、この局面からチャートに向き合った僕らは、

「こんな高いところでは買えない。もっと安く買える局面を探そう!」

ということになります。

ということで、僕らがこの時できることと言えば、決して買いエントリーのボタンをポチッと押すことではなく、

「下がれ!下がれ!」

とお祈りするくらいのものです。

そう、正しいお祈りトレードとは、買ってから「上がれ!」とお祈りするのではなく、買う前に安く買うために「下がれ!」とお祈りすることなんです。

なんなら、替え歌でも作って歌ってもいいですし、YouTbeでも観ながら音楽に合わせてノリノリで踊ってみてもOKです。

だって、暇でしょ。上がり続けてる価格をずっと見てても。

お勧めは、この辺でしょうか。

ただし、この時間帯は日本時間では深夜なので、騒音によるご近所迷惑はお気を付けください。

・・・とまぁ、そんなこんなで時間を潰していると、調整局面に差し掛かって下がり出します。

良い感じですね。安く買えそうなので、お得感丸出しです。

では、次の展開を考えていきましょう。

お祈りの後は

お祈りしながら、歌を歌って動画見ながらノリノリで踊っていたら、神に願いが通じ、実際に下がってきました。

しかし、ぬか喜びしているだけじゃ埒が明かないので、

  • どの辺まで下がりそうか?
  • 反転上昇した際のエントリーの方法(トリガー)は?

ということくらいは、予め検討をつけておかなくちゃいけません。

例えばこんな感じかな。

上昇を始める前までの高値を斜めラインで結び、ここをブレイクしたとするならば、ロールリバーサル(レジサポ転換を確認して反発上昇)でエントリーするとか。

キリ番から上で揉み合ってるゾーンに注目して、このゾーンの上値で跳ね返されたらエントリーするとか。

このゾーン内に入ったら、再びそこから上に抜け出したタイミングでエントリーするとか。

で、その後の経過を見てみますね。

Dで反発。ロールリバーサルですね。しかし、先ほどのCの高値で止められています。

仮に、青色のゾーンを上抜けた時に買ったとしましょうか。

その場合、Eで決済してもOKです。40pipsは獲れてる感じですかね。

また、他に判断材料があるなら、まだ上昇すると判断して持っていても全然OKです。余裕で建値もしくは微益決済できますから、損はありません。

ほらね、賢い主婦の様に安値を探して買うと、結構余裕でしょ?でも、色ボケした主婦の様にして高値掴みしてたら、顔面蒼白だったはずです。

で、その後の展開をちょと見てみます。

CとEの高値をブレイクしたところで買いですかね。またFの反転局面を捉えられるなら、そこで買ってみるのも手ですね。

まぁ、常日頃言ってますが、こういった時にタイミングをとるのは、何でも良いんですよねぇ。値動きで判断しても、インジケーターを使っても。

ポイントさえ踏まえていたら何で判断しても良い、というのが僕の考え方ですから。

ちょっと、見てみますか。

先ほどのDの反転は、多少のタイミングが違っていますが、移動平均線のゴールデンクロスで買っても、ストキャスティクスの低値圏でのクロス、もしくは低値圏を上抜けで買っても、RSIのラインブレイクで買っても、めでたく成功しています。

で、先ほどのFのポイントの反転も移動平均線とRSIは、上手くタイミングを捉えています。


ただし、ストキャスティクスの青丸ですが、僕はストキャス使いじゃないんで、ここが正しい買いシグナルとなるかは分かりません。

ストキャス使い込んでる人なら、ひょっとしてここで買い判断できてるかも・・・ということで、他とは違って青色で囲ってみました。


まぁ、何が言いたいかと言えば、繰り返しになりますが、

きちんとしたチャートポイントで、きちんと使い込んでいる道具を使えば、ダマシも少なく、きちんとしたエントリーができるんだぜぃ!!

ということです。

先ほどの色ボケした主婦は、同じストキャスティクス使っていても、ダマされ続けてましたよねぇ。

でも、きちんと状況を踏まえて、正しいポイントで正しく道具を使えば、正しいトレードが出来るんですよ。

ということで、先に進みましょうか。

危険な三角関係

再三言ってますが、Gの辺りの様にある程度価格が進んでしまったのを追っかけるのは、御法度です。

下がるのを見守りながら、次の状況を窺います。

で、気が付くとこんな感じ。

ぱっと見、三角保ち合い(トライアングル)に見えます。ということは、

「パターンを形成しているから、そこをブレイクした方向にエントリー!」

と考えがちなんですが、安易な判断は危険です。ちょっと、解説します。

これ、僕の主観の域を脱してないかもしれませんが、近年、

高値を切り下げ低値を切り上げながら三角に保ち合うパターンは、分足チャートでは実質的には形成されないことが多い

というのが、僕の印象です。

このGの場面の前のE-Fの部分を見てください。ここでも高値を切り下げ安値を切り上げた三角保ち合いが形成されている様に見えます。

しかし、実はそう見えるだけ。

値動きが既に形成された後、つまり出来上がったチャートで判断するのと、形成途中で判断していくのとでは、ちょっと勝手が違ってきます。

実際、この局面で価格が形成されている途中で、保ち合いのラインを引こうとすると、以下の図の様になるはずです。

価格の形成途中でラインを引こうとすると、低値を結ぶラインが、気の早い人で緑色のライン、そうでない人でも赤色のラインになりがちです。

で、何も考えずに「ラインを割り込んだ」と思って売ると、上の図を見れば分かる通り、痛い目に合うわけです。

この様に、高値切下げ安値を切り上げながら保ち合いが始まった様に思える場面は、結構な確率で裏切られますから、注意が必要です。

で、そんな注意するポイントですが、具体的には以下の2点に気を付ければよいかと。

  1. ラインはあくまで仮定として考え、別の可能性を考慮しておく
  2. ボラが縮小する時間帯を考慮する

順を追って説明していきます。

1.ラインはあくまでも仮定

斜めに引くラインの厄介なところって、既に出来上がったチャートでは綺麗に引けても、価格の形成途中だと、上手く引けないことが多いんですね。

経験値が大切で、初心者には結構難しいんですよ、斜めラインって。

当初は三角保ち合いに見えても、その後の価格推移で結果的に、平行レンジとなったり、下降フラッグになったりします。

いや、むしろそっちの方が多いかと。

なので、「これ、三角保ち合いじゃね?」と思っても、あくまで仮ラインとして見ておく必要があります。

そしてそのためには、気持ちとチャートに余白を用意しておくことが大切です。

結果の出せないトレーダーのほとんどは、

「少しでも初動を捉えてチャンスを掴みたい!」

と思って、何でもかんでも斜めラインを引いてみたりします。

でも、それって先ほどのホストに入れ込んだ哀れな主婦と同じ行為でしたよね?ちょっとの挙動に敏感に反応して、痛い目にあい続けるという・・・ね。

ですから、気持ちに余裕(余白)を持って臨まないと。

で、そのためには、チャートにも余白を持って臨みます。

例えばこんな感じ。

「赤ラインの様に安値を切り上げている様に見えるけど、その後の展開では青ラインaやbくらいは下げても不自然じゃないな。」

と考えるんです。

そのうえで、直近低値Dを表す青ラインdを下回らない限りは、買い目線固定で買い時を待ち構えます。

そうやっておいてから、先に説明した様なインジケーターを利用して反転を捉えてみるのも、1つの手なんですよ。

でもまぁ、実際に無理してこのE-Fの波で反転上昇を捉える必要はありません。

気持ちとチャートに余白を持っていたら、直近高値CとEを結んだオレンジ色の水平線をブレイクしたら、「上昇トレンド再始動」として買えば良いだけなんですから。

ホストに狂った主婦の様に、ちょっとしたノイズに振り回されないためには、気持ちとチャートには余白を持って臨むことが大切です。

2.ボラが縮小する時間帯を考慮する

トレンドを描いてきた価格が保ち合いを形成する場合には、実は2つのパターンがあります。それは、

  • 買い方と売り方の攻防が拮抗している時
  • 単なる商い薄状態

ロンドン市場前半やニューヨーク市場前半など、市場参加者が多い時間帯での保ち合いは、売買が拮抗しているケースが多く、一旦形成されたパターンはそのまま継続しやすい傾向にあります。

ところが、商い薄の時間帯(ボラティリティが縮小する時間帯)は、単に取引が少ないという理由で保ち合い状態になっていることがほとんどです。

その場合は、最初は三角保ち合いに見えても、そのままズルズルと横ばい状態が続くので、結果として当初思っていた形とは違う形の保ち合いが形成されてしまいます。

このE-Fの局面、実はアメリカの市場もほぼ終わっていて、しかも東京市場が開始する前の閑散した時間帯です。

E-Fの高値を結んだラインをブレイクして強く上に上昇し始めたのは、ちょうど東京市場が始まる午前9時です。

ボラが縮小する時間帯に、細かい値動きを気にして追ってしまうと、ノイズに振り回されてしまいます。

保合いの高いところで買ったり、低いところで売った状態のまま、ズルズルと保ち合いで決済もできず生殺しにあった挙句、損切りでトドメを刺されるという悲劇は、できるだけ避けたいものです。

低ボラ、再び

さて、三角保ち合いの注意点は以上です。ここから再び、Gの高値からの三角保ち合いを見ていきましょうか。

東京時間午前9時から始まったポンド円の上昇は、その1時間後の午前10時でGの高値を付けます。

で、そこで保ち合いがはじまるわけですが、もう既にご存知の通り、東京時間では午前9時55分の仲値公示の後は、市場が閑散とすることが多くなります。

ですから、この三角に見える保ち合いも、この後は違う形に変形してしまいやすいわけです。

その後の展開を見てみましょうか。

三角保ち合いは、やはり機能してませんね。

これ、5分足で拡大して見ると、如実にその嫌~な感じが分かります。

ボラの低い時間帯に、5分足の様な小さな時間軸のチャートをガン見して、

「チャンスを逃したくない!初動を捉えて出来るだけ値幅を儲けたい!」

なんて風に色ボケしていると、ちょとした挙動に振り回されます。

「あ!ラインをブレイクした!今がチャ~ンス!」

と思って買ったりすると、その後にジリ下がり。でも下がりきらずに上がってきますが、上がりきらずに・・・

という感じで、ホストに焦らされ続けるんですよ。

こういったボラの低い時間帯は、あまりチャートを見ないのが賢明で、仮に見ていたとしても、

せめてこんな感じにラインを引いて、気持ちとチャートに余裕を持たせていた方が、賢明です。

 

さて、いつものことですが、随分とお話が長くなってしまいました。

当初の予定では、先週末までのの解説をしようと思ったんですが、まだこの時点でまだ金曜のお昼過ぎです。

なので、この後のお話は次回へと持ち越すことにします。

また、もう週も明けてしまい、市場も再び動き出してしまっていますから、どうせならってことで、昨日(月曜日)のポンド円の値動きも使ってお話を展開させていこうかな、と。

おまけに、僕は昨日のポンド円下落の最中に、逆張りを仕掛けて失敗しています。昨日の僕のTwitterをご覧の方は知ってると思いますが。

で、これも良い話のネタになるので、それも交えてお話していけたらなと思ってます。お楽しみに。

それじゃあ、また。

 

パターンラインと200SMAでトレードしてみる(その1)

シンプルにトレードをしてみよう

きっとトレードを学ぶ多くの人は、

「数多くのテクニカルを自由に操り、高度で複雑な分析を行なうことによってトレードで勝つことが出来る」

と思っているんじゃないかと。僕も勝てない時代は、そう思ってました。

まぁ、そういった小難しいことは必要ないかと言われたら、必要なくはないんですが・・・

要するに、様々なテクニカルで緻密な分析を行なう必要があるのは、

  • トレードの精度を上げるため
  • より多くのトレードチャンスを見つけるため

が大体の目的なわけで。

そこに拘らないのであれば、テクニカルもシンプルに用い、シンプルに状況判断をしていくことで、十分にトータルで勝ちに持っていくトレードは出来ると思うんですよね。

ということで、今回はシンプルなトレードの具体例を挙げてみようかと。

前回前々回と、2回に渡って「200SMAの使い方」をお話してきましたので、今回も200SMAを使います。

やり方としては、検証ツールを使ってトレードを行ないながら、実況中継をする形式で進めていきます。

お楽しみに!


ということで実際にやってみたのですが、検証ツールでトレードしながらのブログ記述は、改めて見直したらかなり雑な結果に。

ということで、以下のトレードにおける解説部分は、理解しやすい様に改めて記事を加筆編集し直していますので、あしからず。


トレード・スタイル

まずは、今回ご紹介するトレードのスタイルを具体的にお話しておくとします。

利用するテクニカル

今回のトレードで使うテクニカルはロウソク足以外では、

  • パターンライン
  • レジサポライン
  • 200SMA

だけにしようかと。

フィボだとかN値だとか、そんなものは一切登場しません。他のインジケーターや別期間のMAも使いません。

ラインですら、ゴチャゴチャと引く様なことはしません。いたってシンプルに。

ただ、ひょっとするとダウ理論とかプライスアクションっぽいのは顔を出すかもしれませんが、それすら極力省いて、トレード判断していこうかなと。

ちなみに、上位足で引いたラインは、下位足に反映されて表示されるように設定してあります。

そして、200SMAはどの時間軸でも用い、目立つように赤い色で表示することにしますのであしからず。

ポジション保有期間

1回のトレードにおけるポジションの保有期間は、今回は特に決めないで行なう予定です。

デイトレードとかの枠に縛られず、チャートポイントからチャートポイントまで保有する方が、トレードの主旨が読者の人には分かりやすくなるんじゃないかと。

なので、数日またいでも決済しないこともあるでしょうし、その日のうちに2度3度トレードを繰り返すこともあるかもしれません。

1回のトレードにおけるリミットとストップ

1回のトレードで目標とする獲得値幅と損失値幅ですが、これも特に決めません。

本来であれば、ストップとリミットの比率を考えてエントリーするのが王道なんですが、今回のトレードの目的は、「シンプルにやっても勝てますよ」ということを示すのが目的なんで。

単純にチャートポイントからチャートポイントまでを獲りに行きます。そして、エントリーの根拠が失われたと思った時点で損切りします。

ただ、20pips、30pipsと細かい値動きを獲るようなトレードは省略します。面倒なので。

利用する時間軸

日足・4時間足・1時間足・15分足の4つの時間軸を同時に見ながら、いわゆるMTF(マルチ・タイム・フレーム)でトレードすることにします。

ただし、このブログ記事で全ての時間軸を同時に載せながら進行していくのは大変なので、ポイントに見合った時間軸のチャート図のみを載せていくことにしますね。

トレード開始期日

とりあえず無作為にいくつか抽出してみて、それがパターンラインと200SMAの解説トレードに最も適してそうな期日からトレードを開始してみることにします。

それでは、始まり始まり~!

200SMAを利用したトレードの具体例

以下のチャート図はポンド円の4時間足。この辺りから始めてみようかと思います。

チャートを見ると、価格は200SMAを大きく越えた後、比較的長い期間揉み合いが続いています。何となく200SMAに近づいた後、今はやや200SMAから離れていく感じに見えますが・・・

とまぁ、そんな風に何となくな感じでチャートを眺めていても、勝ちトレードには結び付きません。インジケーターをいくつ並べてみたところで、負けてばっかりになります。

ということで、この状況を、トレードできる具体性のあるレベルまで落とし込んでみましょう。

とは言っても、たった2本の線を引くだけなんですが。

下降チャネルですね。

価格は上昇トレンドを形成して200SMAを大きく越えた後、チャネルを形成しながら下降しています。このチャネルは、上昇フラッグの可能性が高いかな。

で、今現在は、チャネル上限のラインにタッチした直後で、

「ブレイクするのか?それとも反転下落するのか?」

という感じで揉み合っている状況ですね。

では、この局面を下の時間軸でズームアップして見てみましょうか。

まずは1時間足。

200SMAを下にしてチャネル上限ラインとの間で、なにやら荒ぶってます。

じゃあ、次に15分足を見てみましょうか。

同様にチャネル上限ラインと200SMAの間で荒ぶってますねぇ。

ではこの後、価格は4時間足チャネル上限ラインをブレイクするのか?それとも反転下落し始めるのか?

もちろん、上にブレイクするなら買いですし、反転下落するなら売りです。

どうします?どう判断していきます?

では、それを判断するために、もう1度この局面をズームアップしてみてみましょう。下図は先ほどの1時間足。

レジサポのラインが引けますね。ここで下値が何度もサポートされています。面白いことに、このラインは200SMAと重なっています。強力そう。

とうことは、ここを下にブレイクしたら、

「4時間足チャネル上限にタッチした後に、反転下落を始めた」

と判断して売りを仕掛けて良さそうです。

じゃあ、上にブレイクする場合は?

点線のラインで示したところは143.00円のキリ番で、高値はここを意識されて止められている様にも見えます。

ただ、このラインを越えたら4時間足チャネル上限もブレイクするほど強力なラインなのか?と言われたら、今のところはその根拠はゼロに近い感じ。

なので、4時間足チャネル上限ラインを直接上にブレイクするかどうかで、判断することになるかと。

それでは、この状況を15分足で観察しながら、エントリーのタイミングを伺ってみます。

15分足では、200SMAは上昇していますよね。しかし、上の方でのチャネル上限ラインは右肩下がり。この2つの線の間隔は徐々に狭まっており、価格はその間に挟まれていています。

こういった状況を僕は、疑似的なトライアングル・フォーメーションとして見ることが多いです。

で、今現在、ラインと200SMAはかなり間隔が狭まってきてますよね。売り買いの圧力がかなり高まってることになるので、そろそろ動き出すころかなぁ・・・と。

そして、ロウソク足を見ると陰線が連続して3本。しかも3本目は大きめな陰線。価格は比較的勢いよく下落している最中ですね。

では、200SMAと水平線を抜けるか反転するかを観察してみます。

抜けましたね。

サポートとなっていた200SMAと水平線を一旦下抜けた後に、もう1度上を目指しますが、今度はこの両者がレジスタンスとなって反転下落(「ロールリバーサル」と言います)しました。

このタイミング、1時間足で見るとこんな感じ。

1時間足でも、同じ状況ですね。重なったレジサポラインと200SMAを下にブレイクした後、一旦上を目指しますが、レジサポラインと200SMAに阻まれて、再度下落を始めています(ロールリバーサル)。

ということで、「価格は4時間足チャネル上限から反転下落を始めた」と判断して売りエントリーをします。142.233円です。

ただ、この1時間足を改めて見直してみると、

「もう少し高い位置で売りエントリーしたかったなぁ・・・」

という気持ちにはなるかと思います。

でも、それは後付けでチャートを見た際に沸き起こる、単なる欲望でしかありません。

もし、もっと高い位置でエントリーできる技術が欲しいのであれば、どんどんと複雑で高度な技術を身に着けていけば良いだけです。

しかし、今はシンプルにトレードしてくのが目的なので、むしろ、中途半端な位置で入らず、シッカリと引き付けてエントリーしたんですから、これが正解です。

 


ちょっと寄り道します。

さっきの1時間足を見て、「あれ?どこかで見たことある様な?」と思った人、いませんか?僕のtwitterのフォロワーさんの中で。

そう、つい3日前のこれですね。

検証トレードをやった後日、ちょうど似た様な状況がポンド円であったので、伏線のつもりで、ツイートしておいたんです。結構粋なことやってみました。

手を変え品を変えつつ、でも結局は似た様なパターンは度々起こるんですよねぇ。

同じ波は二度と来ないですが、表層は変えつつも歴史は繰り返します。


 

さて、話をもとに戻しましょう。

反転下落を始めた価格が次に目指すのは、4時間足チャネル下限ラインです。

では、その後の展開を見てみましょう。

4時間足チャネル下限ラインにほぼ到達。200SMAでピタリと止められて、反転しかかってます。

とりあえずここで利確。141.349円なので、スプレッド換算せずに単純計算で、88pipsほど。

200SMAに到達したことで、何やら大きく動き出しそうです。

では、今度はこのチャネル下限から反発するのか下にブレイクするのかを、15分足で観察していきましょう。

面白いことに、ここでもチャネルを形成している様なので、ラインを引いてみました。

さて、ブレイクするでしょうか?

ブレイクしましたね。

でも、一旦下に戻しているんで、もう少し観察しましょうか。この15分足チャネル上限ラインが今度はサポートとなって反転上昇したら(つまりロールリバーサルが確認出来たら)、

「4時間足チャネル下限から反転上昇した」

と判断して買いエントリーすることにします。

あれれ?

ラインが効いていない様です。

どうやら、ラインの引き方が違う様ですね。引き直してみます。

こっちが正解ですかね。ヤバいヤバい。

で、今度はきちんとラインが引けてる様です。

ブレイク後にロールリバーサルが確認できたので、買いエントリーを行ないます。141.684円です。

次に目指すのは、4時間足チャネル上限ライン!!しかも、4時間足200SMAからの反発だから、デカいぞ、こりゃあ!

と言いたいところなんですが・・・

今度の上昇では、15分足と1時間足共に200SMAが上で待ち構えています。

まぁ、4時間足よりも下位足なんで、上昇力の方が強いとは思いますが、侮ってはいけません。出会い頭に、反転下落の急降下で損切りということだって、考えられます。

ということで、ここは恐る恐る経過観察をするとしましょう。

15分足200SMAは無事突破した様です。おまけに200SMAでロールリバーサルしてます。

そして1時間足でも・・・

とりあえず突破してます。

が、ここから荒ぶる可能性は大きいです。油断はできません。

しかし・・・

15分足で観察していますが、荒ぶる様子は伺えません。市場参加者の多くはこの上昇に同意しているご様子。

残る関所は、以前に引いた水平線です。ここを越えたら、4時間足チャネル上限まで一気に駆け抜けるんじゃないかと。

はい。おめでとうございます。4時間足チャネル上限に見事到達しました。

で、この部分を1時間足で見ると

これ、僕がいつも言っている「水平線と斜めラインが出会ったところ」ですね。チャネル上限ラインと143.00円のキリ番ラインがちょうど出会ったところに、価格が到達しています。

「こりゃ、上に抜けるな」

実は、4時間足チャネルをブレイクするという根拠は、いくつかあります。

しかし、ここは出来るだけシンプルな判断でトレードするのが目的なので、ここは教科書通りに一旦利確します。142.938円で+125pipsの利益です。

では次に、この4時間足チャネル上限から反転するのかブレイクするのかを観察していきましょう。

下図は1時間足。

143.00円のキリ番ラインとチャネルラインがレジスタンスとなって、揉み合いが続いています。

しかし、ちょっと待ってください。

上値は水平線で止められてますが、下値は規則正しく切り上げています。どうやら、サポートとなる斜めラインが引けそうです。これは、アセンディング・トライアングルのフォーメーションですかね。

ということでラインを引いて15分足で経過観察していましたが、どうやら斜めラインは無視してそのまま小さく揉み合ったままです。

違ったみたい。

しかし、転んでもタダでは起きません。よく見ると、上値を止めているキリ番ラインのすぐ真下には、レジサポラインが通ってます。キリ番と同じ点線にしてみました。2つの水平線の間で揉み合うレクタングル・フォーメーションの可能性が大です。

様子を見てみます。

やっぱり下値も点線の水平線で止められてますね。

じゃあ、このレクタングル・フォーメーションを

  • 上抜けたら4時間足チャネル上限ブレイク
  • 下抜けたら4時間足チャネル上限から反転下落

と判断してエントリーできそうですね。

で、引き続き観察してると・・・

下にブレイクしました!

4時間足では・・・

おおっ!これは売るしかない!

と一瞬思ったんですが、やっぱ止めました。

僕は15分足ばかりに注目していて、ちょっと近視眼的になってたみたいです。

下図は1時間足です。

気が付きました?

ちょっと、この図に解説を加えると以下の様になります。

赤い四角で囲った部分に注目してください。

15分足でサポートとして引いた点線のラインなんて、1時間足で見たら弱い弱い。本命の強力なラインはその下の実線で引いた水平線の方です。

そもそも僕は常日頃、

「分足でしか確認できない様な水平線は、簡単に無視される」

と偉そうに言っていたはず。言ってた本人がやらかしてるんですから、もう・・・

ということで、レクタングル・フォーメーションとして判断すべきは、点線ラインの方ではなく、上図で赤い四角で囲った部分が正解となります。

僕は、前回の反転下落での売りエントリーの際は、この実線をサポートとして判断してたんですよね。

ウッカリと忘れてました。

15分足点線ラインをブレイクしたからといって売ってしまっても、すぐ下にあるこの実線ラインに阻まれる可能性が大。

ということで、ここではエントリーを見送ります。

 


今回は、見送りましたが、実際はトレード可能な局面です。図を見ればお分かりの通り、この点線と実線のレクタングル・フォーメーションの値幅は50pipsありますから、ここでレンジ取引をすることは十分可能です。

しかし、冒頭でお話した通り、細かく獲っていくトレードは、主旨から外れるために見送ります。これ以降にもいくつか出てくる可能性は大きいですが、スルーするつもり。


 

実線で引いた水平線がサポートとして、ここを抜けるか反転するかを15分足で観察することにします。

反転しましたね。

しかも、200SMAが上向き出しており、そこに到達する前に反転上昇というパターン。

ウッカリと売っていたら、損切りする羽目になってたかもしれませんね。セーフ。

では、レジサポ・ラインで反転上昇した価格は、次に4時間足チャネルラインをブレイクするでしょうか?

展開を見てみましょう。

はーい。上抜けましたよー。

ロールリバーサルの後、赤丸で囲った前回高値も抜きましたー。

ということで、ここで買いエントリーします。143.383円です。

では、次に価格はどの辺りまで目指して上昇するでしょうか?4時間足を見てみましょう。

4時間足チャネルの開始時につけた高値までは行きそうですが・・・

もう少し俯瞰して見たいので、日足を見てみましょうか。

げっ!!

チャネル開始時の高値付近では日足200SMAがゆっくりと下降しながら待ち構えています。

チャートの左側を見る限り、過去に価格は毎回200SMAに上昇を阻まれて、下落を繰り返しています。

ヤベェなこりゃ。何だか荒れそう・・・

ということで、いつでも逃げれる準備をして、経過観察します。

日足200SMAにタッチしました。

荒ぶる前に利確して逃げときます。144.646円でエグジットなので、利益は+126pipsです。

さて、この後は荒波に飲み込まれたくないので、様子見に徹しようかと思います。200SMAの中でも大きな時間軸、日足200SMAですから、荒ぶり加減は半端ないと仮定しておいた方が吉かなと。

 

 

ということで、今回はここまで。これ以上やると、この記事はなかなかアップできそうにないんで。

でもまぁ、今回の記事を読んでもらっただけでも、

「複雑にいくつものテクニカルを駆使しなくたって、1つ2つのテクニカルをきちんと使って状況判断することが出来れば、十分に有用なトレードができるんだなぁ」

と実感してもらえたんじゃないかな、と。

では、このトレードの続きは、次回に持ち越すとしますね。お楽しみに~!

それじゃあ、また。

ダブルボトムについて

前略、恥の上から

先週末9月8日(日)、僕は台風の関東上陸を避けるため、深夜までの仕事の予定を切り上げて、夕方には家に戻ってきてました。

で、時間が空いたのでツイッターに週明け9日の相場観(?)でも呟こうかと、こんな画像を用意してました。

ポンド円の4時間足9月8日時点のチャートです。

でも、ここまで作成したところで止めちゃいました。(* ̄∇ ̄*)ゞ テヘッ♪

僕がツイッター利用する本来の目的は、相場分析を披露したりポジション先出することではなく、

むしろ逆で、自分の損切りやミス・トレードを晒すことで、自己修正の一端になればな、という想いからです。

まぁ、やっちゃいけないという決まりはしてないんですが、その数日前にポジショントークを繰り返していたので、心のどこかにドヤ顔が覗かせてしまっているんじゃないかという危惧が、頭の片隅に浮かんできたんですね。

といういことで、画像作成途中で取り止めたわけなんです。

が、やはりこの危惧は的中していた様で、僕は次の日、自分のちょっとしたスケベ心から、ミス・トレードを犯してしまいます。

なので、今回はこの反省を込めて、自分のミス・トレードを題材に、この時の相場分析を振り返っていこうかなと。

主題は、「ダブルボトム」についてです。ダブルトップについても、要領は同じになるので、上手く読み取ってくださいね。

では、行ってみましょう。

ダブルボトムを考える

ダブルボトム前説

まず、上の画像、完成させちゃいますね。それが、コレ。

ぱっと見で分かる通り、有名なパターン「ダブル・ボトム」ですね。

こういった場合は難しく考えず、セオリー通りに

  1. ネックラインを越えたら買う
  2. もしくは、ネックラインを越えた後に押し目を作り、再びネックラインでサポートされて反発したところを買う

という風にトレードすれば良いことになります。

ただ、1.の通りにネックラインを越えてすぐ買った場合、次の押し目が大きい場合は耐えられずに損切りしてしまい、その後から急上昇!なんて初心者あるあるになりやすいわけで。

このパターンがダマシだったらそれこそ損失は大きいわけですし。

ということで、推奨されるのは2.ということになります。

ですが・・・

じゃあ、ネックラインってどこよ?

って話にもなるんですよ。

ネックラインについて

ダブルボトムに関するネックラインの考え方で、最も一般的なのは、コレ。

ネック・ポイントに水平線を引いたものをネックラインとするものです。

ところが例1とは別に、こんなのも、あります。

この例2のパターンも、見たことある人は割といるんじゃないかなぁ。ネックとネック直前のスイング・ハイ(波の山となる部分)を結んだラインをネックラインとするものです。

上図ではネック直前のスイング・ハイがネックよりも下にあるので、ネックラインは右肩上がりとなっていますが、

このネック直前のスイング・ハイがネックよりも上にある場合は、その両者を結ぶネックラインは右肩下がりになります。

しかし、ネックラインの引き方は、この2つだけじゃないんですねぇ。下図の様な引き方もあるんですよ。

この例3の引き方は、知らない人の方が多いと思います。

(でも、この図を見た途端に、「あれ、チャネル?」なんて気づく方もいるかと思います。これ、凄いヒントですが、今回は話がそれるんで各自自分の頭で考えてくださいね)

ですが、

まぁ、ネックラインの引き方の種類があるってことを知ってる知らないは、極端に言ってしまえば、どうでも良い話です。トレードをする身にとっては実際のところ、

「じゃあ、この3つはどれが正しいの?」
「3つとも有効性があるとしても、どう使い分ければ良いの?」

ということになると思うんですよ。3つのうち、どれを選択すべきか迷っちゃうんじゃないでしょうか?

ダウ理論で見る

でも、僕から言わせると、「ネックラインはどうしたら良い?」という問題は、それほど深刻に考える必要がないと思うんですよねぇ。

そもそも、WボトムやWトップ、それにヘッド・アンド・ショルダー(三尊)なんてのは、単にダウ理論上でトレンドが崩れた後に逆方向へトレンド転換し出した時の典型的な形をパターン化したものでしかないんですよ。

このことについては、機会を見ていずれまとめてお話します。

ただ、今回はダブルボトムについてですので、これについて少しお話していきましょう。

まずは、典型的なダブルボトムを見てみましょうか。

この場合の教科書的なエントリーポイントは、先ほどもお話した通り、

  1. ネックラインを越えたところの星マーク1で買う
  2. ダマシを回避するため、ネックラインを越えた後に一旦押し目を付け、ネックラインで止められ反転した(青丸g)のを確認して星マーク2で買う

ということになります。

しかし、これをダウ理論で見ると、もっと色んな事が見えてきます。

上図の様な典型的なWボトムをダウ理論で見た場合、

b → d は高値を切り上げておらず、
c → e も低値を切り上げてません。

なので、eで上昇をはじめてもdを越えるまでは「下降トレンドは継続、今は調整中」ということになります。

そして、d → f と高値を切り上げた段階でようやく「下降トレンドは少なくとも一旦終了」と判断できることになります。

しかし、単に高値を切り上げただけで、低値は切り上がってませんから、上昇トレンドとは判断できないため、星マーク1は買いポイントとはなりません。むしろ、見送らないと危険な場面です。

仮に星マーク1で買ってしまい、その後に大きく下落した場合、

単にWボトムのセオリーだけで見たら「ダマシにあってしまった」という理解で終わる場面ですが、

ダウ理論で見たら、「買ってはいけない場面で買ってしまったミストレード」ということになるんですよ。

なので、ダウ理論で見た場合は、ネックラインで反転上昇した青丸gの場面にきて初めて

高値を切り上げ、低値を切り上げた

ということになり、ここにきてようやく上昇トレンドが発生する可能性が大きく高まったという判断となるわけです。星マーク2は、その可能性に賭けると共に、ネックラインのレジサポ機能が効いているということを根拠に買いを仕掛ける場面ということになります。

なお、上昇トレンド発生をさらに根拠づけるのは赤丸fを切り上げた場面になります。

高値を切り上げ続けた

という継続性が根拠に1つ加わるため、星マーク3でエントリーする方が、より低リスクということになるわけです。

なお、ネックラインが機能せず、さらに価格を切り下げたとしても、eを下回らずに反転上昇した場合でも、赤丸fの高値を抜けば、

高値更新→低値更新→さらに高値更新

という図式となり、「上昇トレンド開始」と判断可能となるため、星マーク3で買いエントリーがOKとなる局面です。

この様に、Wボトムをダウ理論で見ていくと、通り一遍な解釈には留まらず、深く値動きを解釈していけることが分かると思います。

では、上図のWボトムが少し崩れた場合も見てみましょうか。

例えば先のダブルボトムのネックラインの例2の図を例にとってみると

これなんてのは、ダウ理論で見た場合、

上図の様になるわけで、

a → c と低値を切り下げてますが、b → d と高値を切り上げた時点で下降トレンドは少なくとも一旦終了と判断します。

で、その後は、レンジか上昇トレンドへと転換すると判断するわけですが、

c → e と低値を切り上げたことで、上昇トレンドが発生したかな?と判断できます。

dを上抜き、d → f となった時点で、高値切上げが継続されたことが確認でき、上昇トレンドは濃厚ということですね。

gの場面でネックラインで反転上昇することで完全に上昇トレンドが発生していることが確認できたことになります。

となると、Wボトムの買いポイントのセオリーである星マーク3は、このケースの場合でいえば、むしろ保守的過ぎるぐらいの買いポイントです。星マーク2で仕掛けても問題のない局面ですし、むしろ攻める意味では星マーク1で仕掛けても構わないわけです。

また、ネックラインをgが割り込んだとしても、eを下回らずに反転上昇すれば、これまた絶好のエントリーポイントになります。

以上の様に、Wボトムもダウ理論で見ることで、ネックラインに拘らずにトレードが可能になりますし、また一律に「Wボトム」としてエントリーポイントも固定して見る必要はないわけなんですね。

 

ダブルボトム再び

Wボトムをダウ理論で見れば、無理にネックラインを規定する必要はないことはわかりました。

ただ、問題が1点。

Wボトムのネックを上抜けた後に一旦押してから反転上昇するポイント(先の図で言えば青丸g)を見つけるのは、リアルタイムでチャートを見続けていられるのであれば十分対応は可能でしょう。

しかし、リアルタイムでチャートを見ていられない場合は?

特に指値を置く予約注文を出してトレードしたい場合は、

「ここ辺りで反転するんじゃないか?」

という見立てをもとに、指値注文を出しておく必要があります。反転するポイントを予め想定しておく必要があるわけです。

じゃあ、どうしたら良い?

となるわけで、やはりダウ理論だけじゃ反転ポイントを推測することは難しくなります。

そこで再びですが・・・やっぱりWボトムのネックラインの概念を用いて反転ポイントを探る必要が出てきます。

あー、なんかイタチの追いかけっこだ。

では、そうなる前に、もう1度最初の方に提示した図を見てみましょうか。

これは、押し目を付ける可能性の高い範囲を示したものです。

では、先ほどのネックライン3種類の解説に合わせて3本のラインを引くとどうなるでしょうか?以下がその図です。

ちょっと見づらいですが・・・

緑色のライン1は、ネックラインの例2で示した、ネック(上図のエロいポイント)とその直前のスイング・ハイを結んだラインです。

青色ライン2は、ネックラインの例3で示した、ボトム2点を結んだラインと平行なラインをネックに合わせて引いたものです。

黒色ライン3は、ネックラインの例1で示した典型的なネックラインで、ネックを基点に水平線を引いたものです。

赤色ライン4ですが、発想は黒色ライン3と同じですが、ネックのヒゲ先に引くとオーバーシュートする可能性を考慮したものです。

よって、1~4の範囲で押し目を付ける可能性が高いと判断します。

 

しかし、

 

実際にこの範囲内のどこか1つに指値注文を出すとなると、正直このゾーンは広過ぎです。ざっと見ても1~4までは75pipsの値幅があり、デイトレの場合で言えば

これじゃあ、話にならねぇ!

というレベルなんですよね。

では、どうしましょう?

建玉操作による指値注文

別に今回のWボトムに限った話ではなく、押しや戻しをピンポイントで予測するというのは、実際のところ至難の業です。

なので、こういった場合は建玉操作を行なうことで、損失拡大のリスクを分散させます。

これ、以前お話しましたが、覚えてますかね?

指値を建てるゾーンが決まっているということは、既に損切りする位置も決まっているので、最大の損失幅も予め想定できます。

なので、これを基点にして建玉するポイントを複数に分けることで、リスクを分散させる方法をとります。

これ、いわゆるナンピンに当たるのですが、俗に危険だと言われるナンピンとは全く別物の建玉操作で、むしろピンポイント1発でエントリーするよりもリスクを軽減する目的で行なうやり方です。

(詳しくは、「建玉操作としてのナンピンについて」をご覧ください)

では、具体的なやり方を順を追って説明します。

まずは、見やすい様に4時間足を1時間足にしてみてみましょう。

週明け9日月曜日の午前8時の終値までを表示して、その後の値動きは隠してみました。

ラインの色と番号は、先ほどの4時間足と対応しています。

緑色のライン1は、ネックラインの例2で示した、ネックとその直前のスイング・ハイを結んだラインです。

青色ライン2は、ネックラインの例3で示した、ボトム2点を結んだラインと平行なラインをネックに合わせて引いたものです。

黒色ライン3は、ネックラインの例1で示した典型的なネックラインで、ネックを基点に水平線を引いたものです。

赤色ライン4ですが、発想は黒色ライン3と同じですが、ネックのヒゲ先に引くとオーバーシュートする可能性を考慮したものです。

以上を考慮して、1~3に指値を分散させておきます。また、損切りのポイントは4の少し下に置くことになります。

それでは、順を追ってみていきましょう。

週明けは下窓を開けて相場が始まりました。

上図チャートは午前8時が終わった時のものですが、この時点ではセオリー通りにほぼ窓埋めは完了しています。

で、窓を埋めた後の展開を見ます。先週末の終値を越えていくようであれば、そのまま買いますが、この後に再び落ちてくるようであれば買うことは出来ないので、この場面では見送りです。

トレードするかどうか様子見をします。隙間時間を使って見ればOKかと。

で、次に正午終値のチャート。

完全に1~4のゾーンに入り込んだので、2もしくは3まで押しは続くと想定します。

2のラインのすぐ上に通常のロットの半分、残りの半分は3のラインのすぐ上に指値注文を出します。もちろん、いずれも4の直下は損切り注文を置くのが大前提です。

ただし、もう少し突っ込んだ話をすると、

AのスイングローとBのスイングハイのスイングに対して、23.6%(フィボナッチ指数)戻す付近にちょうど2のラインが位置してるんですね。

ということで、本来の僕であれば、2のラインのすぐ上に通常のロットの2/3を置き、3のラインのすぐ上に残り1/3を置くという判断をします。

じゃあ、結果を見てみますか。

ご覧の通り、2のラインで反転上昇をはじめています。

ということで、3のラインには届きませんでしたが、通常ロットの2/3で反転上昇局面を指値で捉えることが出来たわけです。

この後、ライン1を越えたのを見たら、残りの1/3を追撃買いすることも可能ですね。

というわけで僕は爆益を・・・と言いたいところなのですが、冒頭でお話した通り、僕はここまで分かっていながら、ちょっとしたスケベ心を出してしまったために、指値に1つもかからずにこのエントリーチャンスを台無しにしてしまったのです。

計画は信念をもって

僕がミスを犯した経緯は、以下の通りです。

僕は日曜日の時点で、上述の通りの計画を持っていたのですが、

実際は「面倒くせーや」という安易な理由で、建玉を分割せずに先のライン2のところ1点に指値注文を出していたんですよ。

しかし、僕は仕事に入る直前の9日当日の午後4時を回った時点でチャートを確認したら、ロウソク足が強めに陰線を描いてたんですね。

で、ちょっと怖くなった。

もちろん、押し目を付けて上昇するだろうという自信はあったので、買い方針を撤回はしなかったんですが、問題は斜め線のウィークポイントでした。

ライン2は水平線ではなく右肩上がりの斜めラインです。

なので、価格の下落が早ければこのラインに到達するのは低い価格ですが、下落が遅ければラインに到達するのはより高い価格となります。

下の図を見たら、分かりやすいかも。

下落の勢いが強い場合はAのポイントで斜めラインに到達しますが、下落の勢いが弱ければBのポイントで到達するため、同じラインに到達するにしても価格に高低差が生まれます。

なので、予め指値を置く場合は、Aのみを想定すると価格はラインに到達せずに反転してしまう可能性があります。必ずBの様に到達が遅いことを考慮しなければいけません。

要するに僕が置いたライン2の上の指値の位置は、上図で言えばBを想定したものであったわけです。

しかし、目先の値動きを見てしまった僕は、

「もっと早めにラインに到達するかも!?」

と思ってしまったんですね。

おまけに、

「下落の勢いが強ければ多少オーバーシュートするかも!?」

とも思ってしまったわけで。

こうなってしまうと、僕の心の片隅から、勿体ないお化けが顔を出してしまいます。

「もう少し下に指値を置けばもっと儲けられるのに・・・勿体ないな」
「ストップまでの位置が遠いから、万が一損切りになったら勿体ないな」

そんな勿体ないお化けにスケベ心を揺さぶられてしまい、この直後に指値注文を下にずらすという、全く計画性も根拠もない行為をやってしまったんですよ。

そんなわけで、実際の価格は僕の指値注文の5pips上で反転上昇してしまったという結末に至りました。

う~ん・・・ダメっすねぇ。

分割して建玉するというのは、実際の損失額を軽減させる目的があるので、その相乗効果として心理的負担も軽減できるんですよ。

にもかかわらず、面倒くさがって建玉を分割しなかったせいで、目先の値動きで欲望と恐怖を揺さぶられちゃったわけです。

技術によってメンタル部分は十分に軽減できるのに、ちょっとした心の油断で技術すら疎かにしちゃったら、意味ないですよねぇ。

ということで、この失態を晒すことで、今後の僕のトレードに活かせたらな、と今回の記事を書かせてもらいました。

そして、この失態も併せて、この記事を読んでくれた人も自分のトレードに活かせてもらえたらな、と。

そんなこんなで、今日のお話はこれでお終いにします。それじゃあ、また。