トレンドの正体

※この記事は、2019年1月31日に特定の人向けに公開したものを再編集して公開しています。

まずは、お題を

突然ですが、ちょっと下のチャート図を見て下さい。

これ、ポンド円の1時間足チャートに20期間移動平均線を表示したものです。以前、「エントリーのタイミングをどう考えるか?トレンドフォロー編」の記事の中で解説に用いた画像なんですが・・・覚えてますかね?

赤丸Bで上昇トレンドが確定したとすると、それ以降に20SMAを表示して

  • 価格が20SMAを上抜いたところで買う
  • 価格が20SMAで反発したところで買う
  • 価格が20SMAを完全に下抜いたら決済

という極めてシンプルなルールでトレードを試みました。

すると、裁量なので個人差が生まれますが、大体6、7回トレードして5回ほどの勝利になります。この程度の回数じゃ正確な勝率は導き出せませんが、この場面だけで言うと勝率70%以上ということになりますね。

トレードは、特に凝ったことをやらなくとも、シンプルに対応することで、十分通用するということを説明したんですが・・・

ただ、この移動平均線を使ったトレード、実は王道の20SMAを使っているから機能しているというわけではありません。

実は、期間をいくつに設定しても勝てるんですよ。

なぜでしょう?

 

シンキング・タ~イム!!

 

・・・

 

・・・

 

・・・

 

さて、分かりましたか?

まぁ、正解するかしないかよりも、考えることの方が重要です。

考えましたか?

では、今回の記事はこのチャート図を題材にして、トレードに対する本質的な部分に少し迫ってみようかと思います。

皆さん、自分なりの考えを持ちながら、読み進めていってください。

まずは相場環境を確認

どの様な期間の移動平均線を用いても機能するかどうかを確認する前に、まずはこのチャート図の相場環境を確認しておきましょう。

先ほどのポンド円1時間足の素のチャートが、下図になります。

ぱっと見て、上昇トレンドです。

では、まずはこのチャートに「トレンドは上ですよ」ということを意識するために、トレンドラインを引いてみましょうか。

すると、こんな感じになります。(チャート画像を保存した日が異なるので、下図は上図よりもやや時間が経過しています)

Aを起点にトレンドラインが引けます。既に出来上がったチャートのなので上手く引けてますが、リアルタイムでこのラインが引ける様になるのは、早い人でC、確実なところで言えばDの部分だと思います。

緑色で囲った部分がトレンドラインから突き抜けていますが、ご存知の通りBOZ流のライン引きでは、これをオーバーシュートとして片づけ、これを横切ってもOKということになっています。

これにより、遅くともDのポイントで、トレンドラインが引けることになり、上昇トレンドの根拠が1つ完成です。

さらにこの上昇トレンドを根拠づけるのが、先ほどの緑色で囲ったオーバーシュートの部分です。

オーバーシュートとは「行き過ぎ」のことです。相場というものは常に過熱を帯びると行き過ぎるもので、行き過ぎた後は、一気に戻ってしまいます。

このオーバーシュート、1時間足では数本のロウソク足で形成されてますが、4時間足では2本の包み足であり、陰線を付けた後に長い下ひげを伴った大陽線で形成されています。これ、上昇示唆の形ですね。

さらに、この2本を1本にまとめるとプライスアクションで言うところのピンバーになります。しかも長ヒゲだけでなく陽線も大きめです。完全な上昇示唆ですよね。

しかし、なぜこの大きなオーバーシュートが上に向かう根拠となるかというと・・・

下に大きく下げた時に売りを建てた人たちが多数いるはずですが、その中には、一気にせり上がった時に捕まったまま逃げきれずに、まだ売りポジションを持ったままの人たちが数多くいるからです。

つまり、含み損を持った損切り予備軍がたくさんいるってこと。売り方の損切りは、買い決済です。しかも投げ売りならぬ投げ買いですから、上昇力が強い。(今回は下につけたオーバーシュートですが、もちろん上につけたオーバーシュートの場合はこの反対となります)

ですから、オーバーシュートは大きければ大きいほど上昇示唆(反対の場合は下降示唆)になるわけですね。

さて、次に最も大切なダウ理論。ダウ理論を活用するために、高値安値に注目する必要があるんですが、下の図をご覧ください。

一見すると、高値安値が規則正しく切り上げているわけではなく、ゴチャゴチャしていて、何が何だかわかりません。

こういった場合、スイングラインを引く一定のスキルがないと難しく、おまけにそのスイングラインの引き方すら、いくつかの見解があり、人によって引き方が違ってきます。

じゃあ、どうしたらいいの?

ということですが、よくわからない場合は、俯瞰して見ます。ロウソク足の表示を小さくして全体をより広く見る様にするか、1つ上の時間軸を見ると良いです。

俯瞰することで、余計な波は見えなくなり、大切なポイントとなる波と高値安値が浮き彫りになりやすくなるんですよ。下は、時間軸を上げた4時間足チャートです。

赤丸が低値で青丸が高値ですが、随分とスッキリとしましたね。オーバーシュート部分を無視すれば、高値安値も順調に切り上げているのが分かると思います。

ちなみに、この4時間足のチャートからの判断は、1時間足よりもっとシンプルですね。

下降トレンドを上抜けた後、再度下落を2回ほど試しますが(2回目はオーバーシュートの部分)、いずれも下降トレンドラインがサポートとなって跳ね返されています。つまり、オーバーシュートが終わったことで、やはり上昇する根拠が強くなっています。

では、1時間足に戻ってみましょう。

4時間足で確認した高値安値を1時間足で強調し、それ以外の高値安値は薄くしてみました。こうしてみるとトレンドラインが確定したDのポイントよりも、早く上昇トレンドが発生していることが掴めると思います。

が、

最も大切なのは、誰の目から見てもわかるトレンドです。高いスキルを持った一部の人にしか分からないものは、相場参加者の多くが分からないわけですから。

なので、スイングラインのスキルがあまりない人でも、

「これ、上昇トレンドじゃね?」

と分かるようなポイントを考えることも大切です。

となると、やはりトレンドラインが遅くとも引けた赤丸Dのポイントまで待って上昇トレンド確定と思った方が、確実ですね。

 

ということで、Dの時点までくると上昇トレンドを裏付ける

  • ダウ理論
  • トレンドライン
  • オーバーシュート

という3つの強力な根拠が揃ったことになります。

移動平均線の期間を変更してみよう

では次に、移動平均線の期間をどの様に設定しても、本当に勝てるのかを考えましょう。

いくつかの期間に変更して、見ていきます。エントリーのルールは、先ほどの20SMAの時と同じで、移動平均線を上抜くか反発で買うこととします。エグジット(利確・損切り)も先ほどと同じで、移動平均線の下抜け確定としましょうか。

では、まずは10MAから行きますか。

やはり裁量で判断するので、エントリーの回数やポイントは人によってやや異なるとは思いますが、基本的に青色とオレンジ色の丸の部分でエントリーすることになると思います。

青色はほとんどの人が利確できるエントリーポイントで、オレンジ色がほとんどの人が損切りか良くてチャラで終わったエントリーポイントです。

ちなみに、チャート画像に印をつける際、最後の方でエントリーできるポイント2箇所つけ忘れてました。1つは青丸になり、もう1つはオレンジ色になります。見れば分かりますよね。

で、緑色の丸なんですが・・・

緑丸Aは、通常ここを反発したと捉えますが、その前に3回ほど上昇を止められています。正直手を出しづらいところなので、このラインを越えられないなら見送る場面です。

また、緑丸Bのところは、人によって判断が違うでしょうが、僕なら反発したと捉えない箇所です。

以上の様に見ていくと、10MAを用いてエントリーした場合、計13トレード、10勝3敗です。おまけにその3敗もほぼ建値かその付近で損切りできますから、利大損小という理想的な展開です。

では次に、40MAを見ていきましょう。

同様に、青色の丸は利確できるエントリーポイントで、オレンジ色の丸は損切りで終わるエントリーポイントです。 

計8トレード、6勝2敗です。

当然ですが、期間を増やすほどトレードチャンスは少なくなります。

また、「移動平均線の角度は無視で」というルールにしてましたが、移動平均線の期間をこの程度の期間まで大きくしていくと、角度も重要になってきているのが分かると思います。

MAが下向きの時は反発・上抜けをスルーというルールにすると、オレンジ色の丸は2つともスルー。また、最初のオレンジ色の丸の次の青丸もスルーになります。

そうすると、結果は5戦5勝0敗になりますね。

次に75MA。

エントリーポイントはザックリと青丸で囲っただけにしてます。もう、解説しなくともお分かりですね。

この様に見ていくと分かる通り、移動平均線の期間を変更してみても、結果的に勝ててしまうわけです。

他の期間のMAに関しては、ご自分で試してみてください。結果的にどの期間に設定しても勝てることになりますから。言わずもがな、期間が大きすぎるとトレードがほとんど出来ない状態になりますが・・・

また、単純移動平均線(SMA)だけでなく、指数(平滑)移動平均線(EMA)や加重移動平均線(WMA)などを用いて調べてみるのも面白いかもしれません。いずれにしても、結果勝てることになりますから。

なお、上記は解説のため、ほんの数回の結果で勝率を出していますが、実際に検証する際は、ほんの数回・数十回程度のトレード回数では統計上意味をなさないです。予め、考慮しておいてください。

なぜ、期間を変更しても機能するのか?

さて、上図の様な上昇トレンドで移動平均線を用いた場合、どの様な期間に設定したとしても、結果的に勝つことが出来るということが分かったと思います。

では、期間をどの様に設定しても結果的に勝てるのはなぜでしょう?

 

以前、この質問をTwitterで僕が出した際、この質問に対する皆さんの考えはほとんど、

移動平均線の性質に意識が行き過ぎ

ていました。

このブログ記事を読んで考えた人も、恐らくほとんどの人が、移動平均線が機能する理由を、移動平均線の性質に理由を求めたんじゃないでしょうか?

皆さん、移動平均線の方に意識が行き過ぎなんですね。

もっと言いましょうか。

 

皆さんは、トリガーばかりに意識が行き過ぎです。

 

そして、トレードの本質はそこにはありません。

 

僕は「これがBOZ流!ライントレードの基礎(6)」の中で、

手法には、セットアップとトリガーが存在する

とお話しています。(読んでない人は、読んで!必ず)

トリガーとは、実際にエントリーする時の具体的な合図のことでしたよね。エントリーのタイミングを計る時のものです。ほとんどの人は、このトリガーが手法そのものであると誤解しています。

しかしこのトリガーは、前提条件があって初めて有効です。そして、その前提条件が「セットアップ」というわけです。

実はトリガーというのは別の言い方をすると、「買いなら買い」「売りなら売り」と予め決まっている前提条件の中で、損失や利益、精度を最も効率的に行えるポイントを知らせる合図のことです。

つまり、

買う(売る)という方針が既に前提条件によって整っている中で、効率的な売買が行えるポイントを見つけるために用いるのがトリガー。

ということです。

じゃあ、その前提条件が整うって?

はい、それが「セットアップ」でしたね。

セットアップとは、トリガーを発動させるための前提条件のことです。このセットアップが完了することなく、トリガーを発動させることはありません。というより、セットアップを無視してトリガーを発動させることは、無意味以上に危険です。

じゃあ、今回の解説、トリガーは何でしたっけ?

移動平均線ですね。

じゃあ、セットアップは?

 

・・・

 

・・・(考えてください)

 

・・・

 

・・・

 

・・・(考えましたか?)

 

・・・

 

・・・

 

ヒント:トリガーは価格が移動平均線を上回るか反発するかでしたね。では移動平均線を表示させる前に何を解説してましたっけ?

 

・・・

 

・・・(もうお分かりですよね?)

 

・・・

そうです。

セットアップが完了したのは、「上昇トレンドが確定した」というところです。もう一度、その時のチャート画面を見てください。

上昇トレンドが確定したのは、Dの場面でしたね。

その根拠は、

  • ダウ理論上、上昇トレンドは継続している
  • 遅くともDの場面でトレンドラインが引ける
  • 大きなオーバーシュートがある

かなり強い根拠です。もう上がるしかない。

もっと言ってしまえば、下降トレンドやレンジが発生する根拠が見当たらない。

つまり、「上昇トレンド確定」というセットアップが完了した以上、「買う」という行為は確定。あとは、「いかに効率的に買うか?」という視点で、トリガーを待つだけなんですよ。

僕は、

「セットアップが重要。極端に言えばトリガーなんてどうでも良い」

という話をしているはずです。

もし「買う」ためのセットアップが完了していたら、その前提条件がなくなるまでは、基本的に何をやっても(トレンドの最高値未満で買えば)ほぼ勝てるんですよ。

どの様に移動平均線を用いたとしても。また、それ以外のインジケーターを用いたとしてもです。

結果的に、何をやっても勝てるんですよ。

証明してみせましょうか?

トレンドの正体

まずは、今まで解説に用いてたチャートの状況をもっと明確にするために、上図の期間よりも先に進んだチャート画像を新たに取得しました。それが、下の図です。

トレードはダウ理論を核にして行います。ダウ理論における上昇トレンドは、

  • 高値を切り上げ続けている
  • 低値を切り上げ続けている

ことで成立するんでしたよね。

ですから、高値が切り下がり低値が切り下がった時点で、上昇トレンドは終了と判定することになります。

で、ここで上昇トレンドが確定した時点から、トレンドが終了した時点までを確定させて、上昇トレンドの範囲を明確化します。それが、以下の図です。

赤い丸が先ほどまで解説してきて上昇トレンドが確定してセットアップが完了した場面。

その後、高値が切り下がり(緑丸)低値も切り下がってトレンドラインを割り込みました(青丸)。ここで、トレンドの終了が確認できるわけです。

では、ここに20MAを表示してみましょうか。

見やすい様に色を変えてみました。緑色の枠で囲った部分が上昇トレンドが確定している範囲で、青丸で囲った部分が20SMAを下回った部分です。

では、ルールを決めましょうか。

損切りは、ダウ理論を利用して、直近低値を下回ったところ。利確はとりあえずエントリー値よりも価格が上昇していることが分れば良いので、直近高値を更新したらどのタイミングでも良しとしますか。

では、先の解説とは逆に、20MAを下回ったところで、買ってみてください。

 

「え!?下回ったところで買うの?」

 

はいそうです。

 

「でも、ちょっとそれは・・・」

 

つべこべ言わずにやってみてください。

 

で、負けましたか?

負けるどころか、勝ちましたよね?

20MAを下回ったところで買っても、価格は直近下値を下回る前にエントリーポイントを越えて上昇しています。

これを見れば分かる通り、移動平均線を上抜けようが下抜けようが、結局はどこで買っても基本的には勝つんですよ。

いや、移動平均線だけでなく、どの様なインジケーターを用いたとしても、ほぼ勝つことが出来ます。

例えばこれ、MACD。

俗にエントリーポイントと言われているところを、ザックリと印つけてみました。

先ほどと同じルールでやってみると、最後の青丸部分は逃げきれない人多そうですが、それ以外はほぼ利確できます。

じゃあ、次はストキャスティクス。パラメータは弄るの面倒なので、見やすい様にラインの色を変える以外はデフォルトのままでやってみます。

ストキャスティクスは、パラメーターを「5-3-3」でやってしまうとダマシを連発するので有名ですが、それでも圧勝です。

最後の4回は損切りする可能性が高いですが、それでも微益決済か建値決済で逃げる余地はありますよね。

まぁ、他のインジケーターでも試しにやってみて下さい。

何をやっても勝てますから。

 

もちろん、目をつぶっていても、です。

 

目をつぶって、チャートを見ずに自分勝手なタイミングで適当に買って見ても、勝てちゃいますよ。

流石にそれは言い過ぎだと思います?

じゃあ、やってみますか。

緑色の四角で囲った部分が、上昇トレンドの部分でした。

では、この四角い部分を、目をつぶって適当に指差ししてみて、そこをエントリーポイントとしてみて下さい。

そして、直近低値を下回る(損切りする)前に、そのポイントよりも価格は上昇しているかどうかを確認してみましょう。

何度も何度も試してみてください。

 

で、負けましたか?

恐ろしいほどの高確率で勝ちましたよね?

 

勝てる可能性が低くなるのは、下図の通りトレンド終了の直前のM字の波動(青と赤で示したライン)だけのはずです。

しかも、このM波動で買ったとしても、損切りせずに建値決済や微益決済で済むことが多いです。

高確率で損切りとなるのは赤丸で囲った最高値圏か、最後の調整波(赤色のライン)だけです。

それ以外は、どこでエントリーしようとも、直近低値を下回る前に確実にエントリーポイントよりも上昇して利益になるんですよ。

 

で、これがトレンドの正体です。これがトレンドの本質なんです。

 

上昇トレンドというのは、高値低値を切り上げていく構造であるため、トレンド終焉の場面、つまり最高値圏かトレンド最後の調整波で買わない限りは、エントリーポイントよりも確実に価格は上昇するんです。

端的に言ってしまえば、

上昇トレンド中は、インジケーターに関係なく、買って買って利確しまくって、最後の1回だけ利確できずに直近低値を下回って損切りになる。損切りになったらトレンド終了だと思って買いを控えれば良い。

ただ、それだけなんですよ。

「セットアップが重要、トリガーは極端に言えばどうでもいい。」

という意味が、分かったでしょうか?

「上昇トレンド確定」というセットアップが完了していたら、後はどこで買っても高確率で勝てる。目をつぶって買っても勝てるんです。

トレンドとは構造上、そういった本質を持っているんですよ。

ところが、

多くのトレーダーの視点はトリガー、つまりインジケーターの動きばかりに集中し、見当外れのトレードをしてしまっているんですね。本質から全く離れたところで、トレードしているんです。

 

セットアップが重要。トリガーはセットアップが大前提でしか意味をなさず、単に売買を効率化するためのもの

 

このことを、繰り返し繰り返し、頭の中に叩きこんでください。

ということで、僕が出した質問の答えは、

「移動平均線の期間どころか、それを上抜けしようが下抜けしようが、上昇トレンドというセットアップが完了していれば、どこで買っても、高確率で勝てるから」

ということになります。

億トレーダーが生まれる日

億を稼いだトレーダーというと、何やら有能な技法や能力を持っている様に思いがちですが、実はそうでもなかったりします。

先に示したポンド円のチャート図はわずか数十日間のトレンドですが、株式市場なんかはトレンドが数年に渡ることは当たり前の様にあります。

「永遠のレンジ相場」と呼ばれるFX市場でさえ、数か月に及ぶトレンドもありますし、トレンドが長続きしない代わりにレバレッジを株式よりも大きくかけることができます。

そんな金融市場で、上昇トレンドが発生している最中にトレードを始め、直近低値を下回らない限り損切りせずに買って買って買いまくり、利確しまくっていたら、倍々ゲームで資産がみるみる増えてしまうんですよ。

下手に勉強して知識を蓄えてしまい、トレードして上手くいかない恐怖を知ってしまう前の「無知」な状態が、むしろ億トレーダーを生む重要な要素になっていたりします。

だから、億を稼いだトレーダーは次から次へと消えていくんですよ。

自分は巧みな手法と巧みな判断力を用いてトレードして稼いでいるつもりでいても、実は単に「上昇相場」という環境の中で泳がされていただけ。まるで、お釈迦様の掌で暴れてただけの孫悟空かのように。

そして、そんな上昇相場が終わってしまえば、今までのその手法とやらは通用せずに、億を稼いだ期間よりも遥かに早い勢いで資産を溶かしていくわけです。

トリガーの意味

じゃあ、トレンド中はどこで買っても勝てるなら、適当に買ったらいいじゃん!

ということに、最終的にはなりますよね。

ただ、それではあまりにも効率が悪すぎる。含み損を長く持ちすぎたり、リスク・リワード比が悪すぎたり。

また、トレンドが発生したと思っていても、直ぐに終わってしまうかもしれません。もっと大きな時間枠で見たら、そのトレンドは単なる調整波でしかないことも当たり前のようにありますから。

だから、僕らトレーダーはトレンドが発生しているからといっても、単にどこでも買って良いという言葉で済ますわけにはいかないんですよ。

  • 含み損が発生しても、出来るだけ小さく短いポイントで
  • リスク・リワード比が良いポイントで
  • 実際の損切りも、打撃が大きくなり過ぎないポイントで

そんな風に効率化を図るために、出来るだけ効率的なトリガーを設定する必要があるんですよ。

逆に行ってしまえば、トリガーとは、トレードの効率化を図る単にそれだけのことなんです。

自分の性格や資金状況、ライフスタイルなどにあったトリガーを探す。

そんな意味合いで、インジケーターを用い出すと、今まで見えていたチャートの景色は、少し違って見えてくるようになるのかもしれませんね。

 

さて、今回はこれにてお終い。皆さんの目から鱗が落ちてくれたら、幸いです。

それじゃあ、また。

 

これがBOZ流!ライントレードの基礎7β

終わりのはじまり

ライントレードの基礎について、僕なりの考え方を、これまで6回に渡ってお話してきました。

ただ、僕はまだまだ甘ちゃんなので、書けば書くほど自分の中の曖昧さや抜けている部分に気づかされてしまいます。

そんなこんなで、色々と思うところがあり、ライントレードの基礎シリーズは今回の第7話で一旦終了(つか、お休み)しようかな、と。

もっと自分の中にあるもの、そしてまだないものが上手く解決し、誰かに伝えられるくらい概念化できる様になるまでね。

まぁ、夏休みの自由研究といった感じですかね。

ということで今回は、今までの総括的なところから、もう少しだけ突っ込んだお話をしていこうかと思っています。

ベータ版的な側面は否めませんが、実際のトレードに活用できる様な実践的な内容で締めくくられたら良いかな、と。

それでは、始まり始まり~!

なんてったって水平線

さて、久しぶりのライントレードの基礎シリーズなので、まずはサラッとおさらいを兼ねたところから入っていきましょうか。

水平線とは

端的に言ってしまえば、水平線とは価格そのものです。チャートは時間の流れが横軸となって左から右へと流れていきますから、価格という点がその流れに伴って線となっているだけの話です。

ただ、もう少し正確に言うならば、

水平線とは、注目される価格周辺を端的に表したもの

ということになりますかね。

特に何の捻りも加わらない、単なる水平に引けるラインなわけですが、しかしこの水平線が、BOZ流ライントレードの中核となります。

秩序を表す水平線

BOZ流ライントレードにおいて、環境認識とは、相場の秩序を見出すことでした。

そして、その代表格が水平線です。

端的に言ってしまえば、相場の中で推移する価格は、ほぼ等間隔で引ける水平線、つまり同じ値幅の価格帯の中を単に上下に移動しているだけでした。

ちょっと、チャートを見ながら簡単に復習してみますか。以下は、ポンド円の日足チャートです。

通常は、波が形成する山と谷に注目してラインを引いていきます。

しかし今回は、まず上から2番目と3番目のラインを引いた後に、山と谷は気にせずに、そのライン間の値幅と等間隔になる様なラインを上下に引いてみました。

ところが、どうでしょう。なんと、波の山と谷にほぼ合致しています。

ここからも分かる様に、価格は等間隔で結ばれる水平線(つまり同じ値幅領域)を単に移動しているだけということが分かると思います。

これが、相場における基本的な秩序です。

水平線と水平線の間の値幅領域1つを1ブロックと呼ぶとすれば、

  • 上昇トレンドとは、各ブロックをまるで階段の様に駆け上がる様子
  • 下降トレンドとは、各ブロックをまるで階段の様に駆け降りる様子
  • レンジとは1ブロック内を、または複数のブロックをまたぎながら、行ったり来た入りする様子

と見ることが出来ると思います。

NもEも必然の世界

持っているポジションをどこで決済するかを考える際に良く使われるのが、

N値・E値・V値・NT値

です。波の一辺同士が同じ値幅になるという考え方から、エグジットのタイミングを計る際に使われます。

しかしこれ、上図を見てもらえれば分かる通り、相場が等間隔で引かれる水平線の間を移動している世界であることを考えれば、N値もE値もV値もNT値も、全て必然となりますよね。

相場の秩序を把握していれば、特に迷うことはありません。

ブロックの中の中身

さて、これまでのライントレードの基礎の解説では、

週足から日足、4時間足、1時間足・・・といった具合に、時間軸を下げながら、各時間軸の波の山と谷に注目して水平線を引いていく

という手順を踏んでいました。

しかし・・・

実は、そんなことをわざわざしなくても、適切なラインは引けるんですよ。

ちょっと、もう一度この言葉の意味を考えてみてください。

「価格は、規則性をもって、等間隔に引けるラインの間を移動している」

さて、気づきましたか?

規則性を持って等間隔の値幅を移動しているんですから・・・

そう、実はわざわざ時間軸を下げながら波の山と谷を確認しなくとも、何も考えずに先の水平線と水平線の間に、再度等間隔なラインを引いていけば、適切なラインが引けるんですよ。

実際に、先ほどの日足チャートのラインとラインのちょうど真ん中に点線のラインを引いてみます。すると、こんな感じになります。

では、時間軸を落とした4時間足チャートで確認してみましょう。

機能してますね。

このことからも分かる様に、1ブロックをさらに2等分しても、機能する水平線がきちんと引けるんですね。

そして、その2分割したブロックをさらに分割していっても、適切なラインを引くことが可能です。

もちろん、分割すればするほど、ラインとしての機能は弱くなりますが。

で、もう1点付け加えるならば・・・

時に、ブロックを2分割しても機能しないラインが引けてしまうことがあります(1時間足レベルのラインが多い)。しかしその際は、ラインとラインを2等分ではなく、3等分にしてみてください。これがまた、不思議と機能するラインになるんですねぇ。

ということで、このやり方を踏襲すると、過去に戻らなくとも、未来に機能するであろうラインを引くことが可能になります。

「へー、そうなんだ!」

じゃなくて、実際に自分でチャートを開いて、きちんと確認してくださいね。そうじゃないと、自分のモノにはいつまで経ってもなりませんから。

斜めラインの難儀と妙技

斜めラインの難儀な側面

斜めラインは僕にとって、難儀に感じる側面と貴重に感じる側面とが混在しています。

今回は、その斜めラインの絶妙さを1つご紹介するつもりですが、褒めまくる前に、まずは先にディスっといてバランスをとっておきましょうかね。

BOZ流のスタイルでは扱いづらい

仕事や家事子育てなどに忙しく、チャート画面にずっと張り付いていられる環境が難しいトレーダーは沢山います。

また、取引する時間軸が大きい人の場合も、ずっとチャート画面に張り付いているのは合理的ではありません。

その様なトレードスタイルの場合、斜めラインには扱いづらい側面があります。

例えば、指値・逆指値を利用するトレーダーからすると、斜めラインは実際に注文を出す値の判断が難しくなります。

下図をご覧ください。

価格の推移の緩急の違いで、同じラインに到達するにしても、その価格は違ってきます。急落するとAの価格で到達しますが、緩やかに落ちてくるのであればBの辺りで到達することになり、Aよりも高い価格に位置することになるわけです。

このことからも分かる通り、斜めラインを基準にした場合、指値や逆指値は実際どこに置いたら良いのか迷ってしまうことになります。

指値や逆指値を利用するトレーダーにとって、斜めラインには扱いづらい側面があるんですね。

また、極めて単純な作業上の問題として、

  • マウス操作が下手なのか、思った通りの斜めラインが上手く引けない
  • チャートの時間軸を変えると、斜めラインはズレやすい
  • ラインの引き方の定義が、水平線より難しい

などもあるでしょうね。

ただ、個人的にもっと厄介なのが・・・・

概念化の難しさ

僕がこのライントレードの基礎シリーズのブログ記事を書いていて、最も難しく感じているのが、

斜めラインは、既成の概念では説明しきれない

ということです。

僕の頭の中では、従来の説明では収まりきれない性質が、斜めラインには存在するんですよ。同じ斜めに引くラインでも、それが意味するものや扱い方などには色んな特徴があって、一様ではありません。

じゃあ、それを僕自身が自分の言葉で語っていけたら・・・とは思ってはいるんですが、正直なところ、

僕自身が、斜めラインをきちんと概念化できていない

というのが現実です。

斜めラインには、その性質やら特徴を区別していくと、大体5つくらいに分けられるんじゃないかなー、と個人的には思っているんですが、その区別する境界線は曖昧で、説明もしづらいし、なんかモヤモヤとしちゃうんですね。

このライントレードの基礎シリーズにおいて、今のところ斜めラインは

  • トレンドライン
  • チャネルライン
  • パターンライン

の3つについて説明していますが、正確に言えば、トレンドラインを除く他の2つの斜めラインですら、実は定義づけが曖昧です。

なので、斜めラインを説明しようと思っても、今僕の中で確定している部分部分でしか、解説できないんですよ。

そういった理由もあって、僕自身がこのライントレードの基礎シリーズを一旦お休みしようと思っているわけです。

ということで、ここからはまだ僕がこのブログで紹介していない斜めラインの使い方を1つ、今伝えられる範囲内でお話しようと思います。

志半ばとは言え、結構ためになる解説だと思うので、しばしご清聴の程、よろしくお願いしますね。

価格と時間の推移を包括する妙技

復習のお時間です

僕は、このブログやTwitterなんかで事あるごとに、

「価格が同じ値幅を移動するという規則性に対して、その移動時間も一定であるという規則性が存在するならば、同じ角度の斜めラインを複数引くことが出来る」

ということをお話しています。

以前、こんな図を使って説明したと思います。

三角形で例えるとするならば、価格が推移した値幅(高さ)と価格が推移した時間(底辺)の比率が同じであれば、三角形の大きさがどうであろうが、斜辺の角度は等しくなります。

つまり、

価格そのものである水平線に時間推移の概念を加えたものが斜めラインの大きな特徴

であると。

なので、移動値幅と移動時間に規則性が相場にある場合、

  • 同じ角度の斜めラインが重なり、1つのラインとして機能する
  • 同じ角度の斜めラインが平行に複数引くことができる

ということが考えられます。

で、この代表格が、チャネルラインになるわけですが、今回は僕の中ではチャネルラインではない、平行する斜めラインについて、今語れる範囲内でお話していきます。

これ、実はライン分析というより、僕の波形分析に隣接する部分なので、実際のトレードにかなり活用できるんじゃないかなー、と思います。

では、お話していきましょう。

平行する斜めラインも十人十色

斜めラインの厄介なところは、引こうと思えばいくらでも引ける、ということでしょうか。例えば先の解説を踏まえて、

「平行した斜めラインが複数引けますよ」

と言われると、恐らく多くの人がこんな感じでラインを引くんじゃないでしょうか。下図は、先ほどのポンド円4時間足チャートです。

平行な斜めラインが等間隔に引けてますねぇ。他にも色んな方向で斜めラインが引けそうです。

とりあえず、上図チャートの時間軸を落として1時間足チャートを覗いてみましょうか。

ラインが効いています。特に水平線と斜めラインが出会う場面は、絶好のチャートポイントとなりそうですね。具体的な方法論を用いれば、効果的なトレードが出来そうです。

ただ、僕が今回説明するのは、こういったラインではありません。

「何だよー!回りくどいことしてないで、早く教えろよ」

そんな声が聞こえてきそうなので、次に進むとします。

吾輩は斜めラインである。名前はまだ無い。

価格が形成する波の強弱やら状況を分析することを、僕は波形分析と言っていますが、その中で斜めラインを利用することがあります。

そのラインは性質上、トレンドラインともチャネルラインとも、またパターンラインとも違っていて、名前はまだ無いという状態です。

ただここでは便宜上、書籍「実践FXトレーディング」(イゴール・トシュチャコフ著)において、良く似た斜めラインが紹介されている(触れる程度でしか解説されてないので、詳しくは良く分からないのですが)ので、それに倣って、

「クシ」

と呼ぶことにします。ひょっとしたら、この世界のどこかで誰かが既にこの斜めラインをきちんと概念化して名前を付けているかもしれませんが、僕はそれを知る由もないので。

とりあえず、その「クシ」を、ちょっとチャートで説明します。

下の図は、先ほどのポンド円4時間足チャートに、注目ポイントを書き加えたものです。

価格はネックラインにサポートされながら揉み合っていましたが、そこをブレイクすると下降トレンドを形成します。

で、ここで注目しているのは、赤い斜めラインの部分。

下落に対して戻す値動きをサポートするラインですが、今回はこれを「クシ」と呼ぶことにします。

で、この戻しの値動きですが、ここに規則性があるのであれば、他の戻しの値動きにも同じ角度のラインが引けることになります。

では、やってみましょうか。

ご覧の通り、下降トレンドに入ってからの調整波(上昇波)を支えるラインの角度は、そのほとんどが均一です。

そしてこのラインを割ることで、価格の下落が加速しています。

この様に、この下降トレンドの流れの中における上昇波には規則性があるということになりますから、このラインはチャートポイントとして、実際のトレードにおいて十分に機能するということが考えられます。

しかも、この現象は水平線の時と同じく、小さな時間軸に移して小さな波を見ていっても、同様の角度での斜めラインが引けることが多いです。各自、確認しておいてください。

(青丸で囲った部分だけ波形が崩れています。こういったことがどうして起こるのかは、話がそれるのでお話しませんし、僕も上手く答えられないので、あしからず)

では、実際にこのクシを利用したトレードを具体的に紹介しましょうかね。

下図は、僕が今このブログを書いている時点でのポンド円4時間足チャートにおいて、2日ほど前までを隠してみたものです。

チャート上に青色で斜めの下降ラインが見えると思いますが、これは日足チャネルのラインです。

価格はチャネル上限から下落してチャネル下限に到達。そこで反発上昇するわけですが、緑色ラインが示す通り、下降フラッグを形成した後、そこを割り込んで再度下落しました。

赤丸の部分を見てほしいのですが、再度価格はチャネル下限にぶつかり、少し反発して点線の水平線まで到達しました。

さて、ここから実際にこのクシを使ってどうトレードしていくのか、ということですが・・・

1時間足に切り替えてみましょう。

チャネル下限から反発した価格は、点線の水平線に頭を抑えられて越えられそうにない感じを醸し出しています。抜けきれずに、15分足や5分足などで反転確認がとれたら、売りを仕掛けたい場面ですね。

ただ、ここでちょっと待った!

仮にこの点線ラインで反転したとしても、上図赤色の矢印の様に、素直に反転下落して下値を試すとは限りません。落ちきれずにせり上がっていくケースも十分考えられます。

なぜなら、下値を支えているのは、日足レベルのチャネルラインだからです。

このラインは、結構強いんだぞ!

このチャネルライン下限で反発上昇した価格は、そのままチャネル上限に向けて大きく上昇し続ける

という選択肢を、絶対に持っておかなくちゃいけないんです。

ということで、転ばぬ先の杖。念のためにラインを引いておきましょうか。

まずは、下降フラッグを下抜けた値動きを捉えるトレンドラインをまず引いておきます。簡単ですね。

続いて、下降フラッグと同じ角度のクシを引いておきましょう。

赤線が新たに追加したクシですね。予めどの様な値動きになるかは想定できないので、念のために上下に2本引いてあります。

この範囲内で収まる値動きをしているのであれば、「今現在の(下降トレンドという)秩序は保たれている」と判断します。つまり、下落は継続すると判断するんですね。

もし、この2本のクシで想定する値動きの流れよりも強い値動きで上昇するのであれば、「従来の秩序は崩れ、本格的に反転上昇する可能性が高まったかもしれない」と判断します。

仮に点線の水平線で頭を抑えられているところから反転を上手く捉え、売りを仕掛けたとしても、下方のクシは気を付けるポイントになります。ここを越えられずに反転してせり上がる可能性があるからです。

では、この後の展開を見ていきましょう。

はい、予定調和ですね。

aを基点にして売りを仕掛けた人は、bのポイントで決済を検討する場面です。

ちなみに僕はこの日、仕事を終えてスマホを覗いたら、aから反転する局面にちょうど出くわしたんですね。なので、売りを仕掛けました。

で、その後は「もちろんbで利確!」と言いたいところなんですが・・・

僕のTwitterをご覧の方はご存知かと思いますが、僕はこの日、家に帰った後はお酒を飲みながら音楽聴いてノリノリだったので、すっかりこの局面を見逃してしまいました。ホント、いい歳したおっさんのくせに大馬鹿者です。

さて、話を戻しますが、bで下方のクシに到達して反転上昇した後は、見ての通り再び上方のクシに到達します。しかもこのcの場面は、下降フラッグ下抜けからの下降トレンドラインと交差するところです。

かなり強力。

ということで、利確のタイミングを逃したお馬鹿な僕は、ここで渾身のショートをかまします。

で、結果は・・・

今度は見事クシを下抜けて下降トレンドが再開し、次に目指すべき実線の水平線まで到達します。

その後は急反発。再度チャネル下限の上抜けを試すことになりました。

ちなみに僕は、この実線の水平線の手前135.50に指値を置いて待ち構えていたんですが、エントリーした次の日、ちょうど仕事の休憩でチャートを覗いたら、指値手前で揉み合ってたんで、成行で決済して仕事に戻りました。めでたしめでたし。

・・・とまぁ、以上が実際のチャート解説でしたが、いかがでしたでしょうか?

クシという存在は、実際のトレードに対して、目を見張るくらいに活用できるものだと思っていただけたら何よりです。

もちろん、今回は下降トレンドに対する上昇波に注目していますが、下降する波に注目しても、色々な気づきがあると思いますよ。

 

ということで、これにてこのクシの解説は終了~!!

と思ったんですが、どうせここまで解説したんで、ついでにもう1点だけ。

では、解説する前に、まずはここで質問です。

もう1度、このチャート図を見てください。

なぜ僕は、ネックラインからの戻しを支えるこの赤いラインに注目し、それを基点にし、それ以降に同じ角度のラインを引こうとしたのか、分かる人いますか?

シンキング・タ~イム!

・・・

・・・

・・・

え?ネックラインを割り込む前の調整波だから重要なんじゃないかって?

う~ん・・・まぁ、それも一考ですけど、それは後付けでチャートを見た場合だから言えるんですよね。つまり、ラインを割り込んだ後だからそう判断できるわけじゃないですか。根本はそこにはありません。

下落を開始するその前に、チャートの異変を読み取ることが大切です。

それでは再び、シンキング・タ~イム!

・・・

・・・

・・・

答え、気が付きましたか?

分からない?

じゃあ、簡単に答えを言うと・・・

レンジ相場の時の上昇波を見てください。ここに引いた青色のラインは、角度がほぼ一定で、それぞれが平行に並んでいます。

ところが、この上昇波の角度が、緑丸の部分で転換して弱まり、緩やかになっています。

他にもいくつかの理由がありますが、ザックリと言えばこのクシの角度の転換が

「あ、波形が崩れた」

ということなんですね。このケースは波形が崩れる際の1つの重要パターンなんですよ。

どうです?ちょっとは皆さんのトレードの役に立つ内容になりましたかね?

BOZ流ライントレードの終着点

なぜ、「BOZ流」なのか?

僕はこのブログにおいて、僕なりのライントレードの考え方を

「BOZ流」

としています。まぁ、BOZスタイルでもBOZ式でも、言い方は何でも良いんですけどね。

で、なぜそういった風に名付けるのかと言えば、別に僕は自己顕示欲とかそういった類で用いてるわけではないんですよ。

トレードには、色んな視点・考え方でもって、様々なスタイルがあります。

それはライントレード1つとっても、です。

ライン1本引くのにも、各ライン・トレーダーが、それぞれの考え方や理論構築の上に基づいて引いていると思うんですよ。

そして、それはきっと各トレーダーの努力の賜物。

なので、ライン・トレードを勉強しようと思って、色んなトレーダーさんの色んな方法を上っ面だけ撫でる様に良いとこ取りしようと思っても、結局は上手くはいかないと思ってるんですよ、僕は。

むしろ、そういった上っ面だけを撫でようとする行為は、それを考え抜いて構築したトレーダーに対する冒涜とも言えるんじゃないかと。

しかし、真面目にライン・トレードに取り組もうと思う人にとっては、同じライン・トレードでも色々なスタイルや理論がありますから、

良いとこ取りするつもりはないのに結果としてそうなってしまたり、
誰のどこを信じて良いか分からなくなったりと、

「結構混乱するんじゃねーの?」

と思うわけで。

そういった意味で、僕は僕なりのライントレードの考え方を「BOZ流」として枠組みすることで、これからライントレードを学んでいこうとする人にとっての混乱を少しでも避けられたらな、と思う次第なんです。

僕なりのBOZ流でライン引きを学習するにしろ、他の優秀なトレーダーさんのライントレードを学習するにしろ、どれを選択し、どう没頭してモノにしていくかは、結局のところ、皆さんの手に委ねられています。

僕なりのトレードスタイルで

各トレーダーのトレードスタイルというのは、各自の性格やら生活スタイルに左右される、というかそれに合わせるべきだと僕は思ってるんですね。

僕の場合、

  • 仕事忙しいし、
  • 忙しいからチャート見る時間も限られるし、
  • フリーな時間はわずかだから、家族との時間も大切にしたいし、
  • でも、趣味もあるから、そっちの時間も確保したいし、

ということで、ずっとチャート画面の前にへばりつくことはしたくないんですね。僕が四六時中チャートとにらめっこしていても全然平気な人であるということとは別問題として。

でもそうなると、チャートをずっと見続けなくても良いトレードスタイルを確立しておかなければいけないわけで。

すると、必然的にチャートポイントの数は極力省く必要が出てきます。

だって、小さな時間軸ばかりを見ていたり、ラインを沢山引いたり等、たくさんのチャートポイントがチャートに表示されていたら、

逐一そのチャートポイントでの値動きや経過を気にかけることになるじゃないですか。

そうなると、結果としてチャートをずっと眺め続けることになります。

なので、僕なりのスタイルを突き詰めるならば、できるだけチャートポイントは少ない方が良いわけです。

であれば、

BOZ流ライントレードの進むべき方向性は、ラインは出来るだけ省いていき、シンプルに重要なラインだけを残していく

ということが大切になりますし、そうであればこそ

BOZ流ライントレードの究極の目的は、ラインを削ぎ落していくこと

に他なりません。

到達すべきは、ラインを引かないというライン・トレード。

とも言えるでしょう。

あー、なんか僕、今ものすごくカッコいいこと言っちゃった気がする。

でもまぁ、いくら格好つけたところで、その目標に僕自身がまだ到達していないというのが玉に瑕なんですが・・・

 

さて、これにてライントレードの基礎シリーズは、一旦終了となります。

僕の頭の中にあるもの、全てを語っているわけではありませんが、実際にトレードするための考え方や方法は、このブログの記事にヒントとして、たくさん散りばめられていると僕は思っています。

ライントレードを学習することで、皆さんのトレードの上達に、少しでも貢献出来たら良いな。

そんな感じで、このシリーズの幕は下ろすとしましょう。

それじゃあ、また。

時間軸に関係なく流れの目線を固定しよう

目線はバラバラになりやすい

トレードをする際に注意することの1つに、

「今、自分はどの波、どの流れに注目してトレードしようとしているのだろうか?」

ということを明確にしておくことがあります。

ただ、これって分かっている様で、実はなかなか出来なかったりするんですよねぇ。

相場分析する際に、同じ通貨ペアの違う時間軸を見る人って多いと思いますが、色んな時間軸を見ている間に、本来注目してた流れが曖昧になったりするんですよ。

例えば、下図はドル円の4時間足チャートなんですが、

赤い矢印の様に下に流れていく感じでこの価格の流れを見てたとするじゃないですか。

でも、1時間足を見ると、

ヨコヨコにしか見えなかったりして、「今、平行レンジの下限から反発した辺りかな?」なんて。

で、5分足なんか見ちゃった日には、

もう上昇トレンドにしか見えないわけで。

4時間足で見たら下の流れを目で追い、1時間足で見るとヨコヨコに見え、5分足では上に向かう流れに目が奪われ・・・

冷静に見て「どっちなんだいっ!?」とツッコミを入れられるならまだ良い方で、実際はこんな状況にリアルに直面すると、(欲望からなのか)目先の値動きに意識が向かいやすく、

1時間足平行レンジ下限からの反発!

からの~

5分足では上昇中!

ということで、僕らの目線は上に向かう流れにもう夢中になってしまうわけなんですよ。

ただ、頭の片隅では少しだけ冷静で、

「おいおい、ちょっと待て。ロングするにも慌てるなよ」

と自分に言い聞かせ、

「待て待て。待つのがトレード!」

と待ちに待ち、

この辺りでローング!!

で、その後の様子を見てみると、

思惑通りに上に伸びてますが、ちょっと下げてきてるので不安になったりします。

で、1時間足チャートを再度見直して、

「レンジ上限まで、まだまだある。チキン利食いしたいメンタルに負けるな!」

とか自分に言い聞かせたりするんですよねぇ。

実は、自分のポジションに有利な情報だけを見て安心したいだけなんですけどね。

で、このチャートは最近のものなので既に結果はご存知かと思いますが、値動きが大きいんでロウソク足を縮小して俯瞰して見ると、

見事な高値掴みです。

別に、最初から5分足の上昇波の残りを少しだけ獲りに行くつもりなら構いません。

しかし、ほとんどの場合が、

どの流れのどの波を獲りに行こうとしているのかを、トレードしている本人ですら明確になってない、

というのが本当のところなんじゃないかと。

教科書かなんかを読んだりして頭では分かっているつもりでも、実際のトレードに直面したら、こんなもんです。

分析した気になってるだけで、実は単に目先の思惑だけでトレードしていることに気が付いていないわけで。

偉そうに言ってる僕ですら、たまにやらかしたりしますからねぇ。意識しているつもりで、いつの間にか意識から外れてしまうことって、どうしてもあるんですよ。

だって、人間だもの。

でも、「うっかり」で済ましてはいけないんですよ。大切なお金がかかってるんですから。

だったら、

どの流れを軸に価格の波を見ているのか?

という目線を固定するための方法を、何かしら取り入れておいた方が、安心じゃないかと。

流れの固定について

目線の固定

よくTwitterなんかで、環境認識を終えたトレーダーさんが、

「今日は、上目線」とか
「下目線固定で」とか

そんなことを言ってたりします。

  • 上昇トレンドなら、上目線
  • 下降トレンドなら、下目線

という言い方をし、目線を固定するという場合は、

「上目線と判断したなら、相場は上昇トレンド中であるという見方をブラさずに固定してトレードしましょう」

といった意味合いで使われていることがほとんどだと思うんですよね。(違ってたらゴメンなさい)

でも、僕が使う目線の固定とは、価格の方向性(トレンド)よりももう少し広い範囲で使っていて、

価格が推移する軌道、価格の流れ全体

を含めたものになります。

つまり、

価格のどの流れを軸として固定するのかが重要

ということなんですが、これだけだとちょっと分かりづらいですよね。別に難しい話ではないんですが、前提条件となる言葉や考えを共有していないと、とてつもなくややこしい話に聞こえてきます。

ということで、もう少し僕の使う言葉の定義を明確にしていこうかと。

流れについて

僕がここで使う「流れ」というのは、トレンドが上とか下とか、トレンドレスでレンジだとか、そういった部分的なことではなく、価格が推移する軌道全体のことを示します。

上図は1時間足のチャートですが、ここに価格全体の流れをザックリと青色の線でなぞってみました。

そして、このザックリとした価格の推移を、僕はここで「流れ」として表現しています。

流れを固定する理由

では、なぜこの流れに注目しようとするのか?

それは、今自分がどの流れの中で何に注目し、何をしようとしているのかが、チャート分析していると、見失ってしまいがちになるからです。

人は、目先のことに目を奪われてしまうと、本来の進むべき道から外れてしまいがちになります。まるで、目の前を飛び跳ねるウサギを追いかけていったら森の中を迷ってしまう様な。

例えば、先ほどの1時間足チャート。

この流れの中で、トレードを考えてるとします。

でも、このチャートを5分足で見ると、1時間足で見た流れとは全く別物になりますよねぇ。例えば、上図の赤い矢印の部分を5分足で見ると・・・

これですからねぇ。木を見て森を見ずというか、この5分足チャートからは先の1時間足の流れは全く見えてこないわけで。

「そのために、MTF(マルチ・タイム・フレーム)で複数の時間足チャートを同時に表示するんじゃないの?」

という意見もありそうですが、人の意識とはそう便利には出来ておらず、同時に複数の時間軸チャートを並べてみても、5分足のチャートに意識が集中すれば、他の流れは意識から遠のきやすくなります。

自分の負けトレードを検証していると、

「俺、何でこんなところでこんなエントリーしたんだろ?」

っていうのありませんか?僕は昔、結構ありました。

後から冷静になってみれば、「それ、違うでしょ」ってことでも、トレード直前には気づいてないことって、多いんですよ。

なので、1時間足の流れを見ているつもりになっているのに、気が付けば5分足の流れだけに気を取られてエントリーしてしまう、ってことは十分に気を付けなくちゃいけないわけで。

どこかできちんと軸となる流れを自分の中で固定していかないと、冒頭で見た様な支離滅裂な判断とトレードを繰り返してしまうんです。

ただ、ここで1つ問題が。

「じゃあ、1つの流れを違う時間軸でも固定して見るにはどうしたら良いの?」

という疑問が出てくると思います。

そこで登場するのが、「移動平均線」です。

この便利な道具を使って、軸となる流れを固定していくことにしましょう。

移動平均線で流れを固定する

移動平均線の性質を利用しよう

まぁ、お分かりの人も多いでしょうが、移動平均線は価格の流れを端的に簡略化して、僕らに提示してくれます。

先ほどのドル円1時間足チャートに20期間単純移動平均線(20SMA)を表示すると、

こんな感じで、価格の流れを端的に示してくれます。

期間を短期間にすればするほど、実際の価格の流れに近づいていきますよね。移動平均線を10SMAに変えると、

ご覧の通り、20SMAの時よりも実際の値動きに近い動きになっていきます。

で、この移動平均線の性質を利用して、軸とする流れを全ての時間軸に表示してしまおうとするのが、今回のこの記事の中核になります。

ただ、「普通にいくつかの移動平均線を表示させておけば良いだけじゃん」と勘違いされる人もいそうなので、もうちょっと具体的に突っ込んだお話を続けていこうかと。

目線を日足5SMAに固定する

テクニカルは、各自が自由に好みのものを使えば良いし、パラメーターも自分が良いと思ったものにすれば良い。

と僕は思ってるんですが、ただ自分自身のトレードに関しては、自分なりの拘りは必要です。

そこで登場するのが、以前「デイトレーダーのための日足分析」シリーズでお話した、日足5SMAです。

 


※この日足5SMAに込められた思想を理解してないと、これからの説明は全く意味をなさないので、ご覧になってない方は一読してから、以下をご覧下さい。


 

日足5SMAを用いることで、その日はどんな流れが出現しやすいかを分析し、トレードのシナリオ作りに活かすわけですが、

今回は、この日足5SMAの流れに注目し、ここに目線を固定します。

軸となる流れを5SMAに固定することで、各時間軸における分析方法やら考え方を全て統一してしまうんです。

日足では〇〇を参考にし、
4時間足では△△を参考に、
1時間足では●●を重視して、
15分足では××で分析する・・・・

みたいに、やってること自体をバラバラにするのではなく、

どの時間軸を覗いても、日足5SMAの流れを固定しておいて、固定された目線と技術で相場を見る様にします。

日足5SMA分析の記事を読んで、一生懸命に検証や練習を繰り返した人が、そこで身に着けた体感レベルの技術を、どの時間軸を見ても活用できる様にしていきます。

では、実際に日足5SMAを各時間軸に落とし込んでいきましょう。

日足5SMAを落とし込もう

上記シリーズ内では、実際日足でタイミングをとるのは難しいので、4時間足に落とし込むという話をしました。

日足5SMAの近似値は、4時間足では20SMAでしたね。

で、この考え方を1時間足と15分足にも落とし込んできます。

結論から言うと、日足5SMAの近似値は

  • 1時間足では、75SMA
  • 15分足では、300SMA

となります。日足5SMAと4時間足20SMAは既に見比べてますんで、それ以外をちょっと見比べてみましょうか。(比較しやすい様にそれぞれのロウソク足の表示本数は変えてあります)

まずは、4時間足と1時間足

値動きと移動平均線の関係が、劇的に似てますねぇ。

じゃあ、次は1時間足と15分足。

こっちもやはり、激似です。

この様に、日足だけでなく4時間足、1時間足、15分足にも日足5SMAと同じ機能をする移動平均線を表示させておくことで、

僕らがトレーニングして培った日足5SMA分析の見方を、どの時間軸を見てもブレずに活用することが出来るわけです。

落とし込んだら活用しよう

日足5SMAや4時間足20SMAだけでトレードするよりも、さらに下位足を併用すると、実際のトレードではエントリーやエグジットのタイミングをとりやすくなります。

ちょっと、見てみますか。

まずは、日足5SMAを4時間足20SMAで見てみます。

青丸の部分は、20SMAが横向いてきてるので要注意な局面ですよね。日中足分析などその他の分析に自信があればトレードしても良いですが、日足5SMA分析だけの場合、基本こういった局面は見送るんでしたよね。

赤丸で囲った部分は、20SMAが下を向いたまま接近してますから、一旦抜けたとしても、そこを反転して下降を始めたら、売りエントリーをする場面です。

で、タイミングをとるのに下位足を見ます。

例えば、上図Aのポイントですが、この辺りに来たら15分足を見ます。

この15分足チャートの赤丸部分は、先の4時間足チャートの赤丸Aの部分です。緑丸で分かる通り2度ほど300SMA(日足5SMA)に接近しています。

300SMAの角度はシッカリとしているので、損切りポイントだけきちんと設定できるのであれば、何も考えずに価格が接近してきたところを「オリャ~!」と気合だけでショートしても、何も問題ない場面です。

ちょっと不安なので、もう少し根拠を持ってエントリーしたいなら、ご自分の好きなテクニカルを用いて、反転下落するタイミングを捉えてエントリーして見るのも手です。

プライスアクションだけで判断してもOKですし、例えばラインを引くなら、

斜め線を一旦下抜けするも水平線に阻まれ反発上昇。しかし斜め線に今度は阻まれて戻しきれずに反転下落した青丸を確認してエントリーしても良いし、もう少し保守的にその後に水平線をブレイクした緑丸のポイントでエントリーしても良いわけですし、

他のテクニカルを使いたいなら、例えば1時間足に切り替えて(テクニカルは基本的に大きな足の方が扱いやすいので初心者向き)、

ボリンジャーバンド使いの人なら、スクイーズからのエクスパンションで飛び乗ってみたり、MACD使いなら緑丸の辺りで判断してショートしてみたり。

日足5SMA分析に合わせ、小さな時間軸で反転するタイミングをとるだけです。簡単ですよね。

次に、4時間足チャート赤丸Bのところも説明しますが、これも先ほどとやることは同じです。

上図は1時間足チャートに切り替えたところですが、損切りポイントだけシッカリとしているなら、何も考えずに「アチョ~ッ!」と75SMA(日足5SMA)に接近したらショートしても良いですし、もう少し慎重に、価格が一旦75SMAを上抜けした後に再度下に抜けたのを確認してエントリーしても良いわけです。

さらにもう1つテクニカル的な根拠が欲しいのであれば、75SMAを越えられずに斜め線を割り込んだところで判断してもOKですし、

ボリンジャーバンドのミドルバンドを価格が下抜け、さらにミドルバンドが下を向いたのを確認してショートをかましても良いですし、

MACDならシグナルとMACDがデットクロスしたところやゼロラインを下回ったところでエントリーしても良いわけです。

別にボリンジャーやMACDに限らず、各自が使いこなせるテクニカルなら何を使ってもOKです。

まぁ、いつも言ってることですが、手法やテクニカルなんて自分が扱いなれたものならなんだって良いんですよ。(正確に言えば、「セットアップが完了しているなら、トリガーはなんだって良い」ですね)

角度のシッカリした日足5SMAに接近してきたら、小さな時間軸に移行して反転確認をしてエントリすれば良いだけの話です。

その名もグランビル

僕が書いた日足5SMA分析の記事を読んで一生懸命練習された方の中でも、気づいた人は少ないと思いますが、

あの練習、根本的には何だったと思いますか?

実はあれ、グランビルの法則を体感で身に着けるためのトレーニングの一環だったんですよ。

(グランビルの法則の説明までするのは面倒臭いので、知らない人はネットで検索するなり本を読むなりしてください)

日足5SMAだけだと気づきづらいんですが、もっと小さな時間軸で表示して見れば分かりやすいかもしれません。

  • 赤丸は、下降する移動平均線に接近してから反転下落する場面
  • 青丸は、下降する移動平均円を一旦上抜けるも反転下落する場面
  • 緑丸と黒丸は、移動平均線から乖離したので、移動平均線に近づこうと反転した場面
  • オレンジ丸は、移動平均線に角度がないのでグランビルの法則だけでは判断できない場面
  • ちなみに、黒丸は移動平均線に接近しきれずに再度反転下落したポイント

となるわけです。

まさに日足5SMAを利用して練習していたものは、グランビルの法則を体で覚えるためのものだったんです。

グランビルの法則を説明した教科書は、凄く単純化された値動きで8パターンを紹介しています。しかし、実際の値動きは教科書の図の様に単純な軌道を描くことは滅多にありません。

なので、「知ってても、使えねーじゃん」と言って、敬遠したりする人も多いでしょう。

しかし、実際の複雑な値動きの中で、余計なことは考えず基本通りに日足5SMA分析の練習をしていた人は、実際の値動きに合わせてグランビルの法則を用いる技術を体感で覚えていったはずです。

そして今回は、さらに実践的にこの日足5SMAを各時間軸にまで落とし込んでいったわけです。

何も特別なことではありませんよね。基本のバッティング練習を積み重ねることで、変化自在に飛んでくるボールが打てるようにする行為と全く同じです。

やはり、トレードは技術

至るところで繰り返し言ってますが、

トレードは、技術です。

トレードを上手くなろうとして、本を読んだりネットで調べたりと、知識だけは広げていきますが、

「じゃあ、その学んだ知識、実際に使いこなせてんのかよ?」

と問われてみれば、返す言葉がない人の方が多いんじゃないでしょうか。

これまた繰り返し言いますが、多くの勝てないトレーダーが、基本的な知識を目の当たりにすると、

「そんなの知ってる」

といって、それでお終いです。勝てないくせに。

 

勝てないくせに。

 

勝てないくせに。

 

そう、勝てないくせに、とっても知ったかぶりです。

スポーツにしろ、仕事にしろ、何をやるにせよ、知っているだけでその知っている知識を実際に使いこなせないのであれば、

それは誰が見たって、単に出来ないヤツでしかありません。

ところが、トレードに関しては知ってるだけで随分と偉そうな人ばかりです。

アマゾンの書籍レビューを見ても、

「ネットで検索すれば出てくるレベル」

とか言って、基本的な知識は相手にしていないご様子です。

じゃあ、お前は一体何の知識を求めてるんだい?多くの人が知らない何か特別な知識を求めてるんですか?宝物でも探してるんですか?

そんなもん、他者に求めて探してみたところで、一生勝てる様にはなりません。

勝てる様になる知識は、ネット検索レベルで十分です。

しかし、問題はその先です。

その基本的な知識をいかに自分のトレードに活用できる様にするか?

それが最も大切なことですし、

知識は、基本的な知識を自分で使いこなせるようになることでしか、奥深く掘り下げることは出来ません。どこかの活字を探したところで出てはこないんですよ。

僕は今回も、誰も知らない様な特別な知識をご披露したわけじゃありません。

しかし、その辺にバラバラに散らばっている基本的な知識の破片を拾い集め、それぞれのピースを重ね合わせ、実際に絵になるように知識を統一化することで、

僕らは大切な何かを手に入れようとしています。

聖杯は、どこかの誰かがひっそりと隠し持っているわけではなく、自分の中にしか存在しません。

自分の中に転がっている石ころを磨きあげ、ダイヤモンドに育て上げていくことなら、僕にだってアナタにだって、絶対できるはずだと思うんですよ。

決して驕ることなく、ただ淡々とひたすらにひたすらに・・・ね。

ps.

今回もまた最後に、ちょっと毒舌を吐いてみました。

ただ、バカにしたり嫌味で言っているわけではなく、少しでもこの記事を読んだ人の自分でも気づかない怠慢な心の部分に突き刺さってもらえたらな、という思いからです。

気分を悪くした・・・

それだけで終わらないことを、僕は祈っています。