チャート・デザインのすすめ(4)

これまでの3回に渡って、チャート・デザインの骨子であるガイドラインの作成とその利用例をお話しました。

で、今回こそはディテールのお話へと進めていきますね。

それでは、始まり始まり~!

ディテールとは

ガイドラインとディテール

一般的にディテールと言えば、「詳細」とか「細部」ということになります。

で、トレードにおけるチャート・デザインのディテールも、ガイドラインに対して「詳細」という意味合いを持ちます。デッサンの後に、細かい部分を作り込んでいく様なイメージですね。

でも、ちょっと分かりづらいかなぁ?

じゃあ、順を追って説明しますね。

まず、「トレードには、セットアップとトリガーがある」というのは、このブログの読者なら既にご存知ですよね。

で、その手順としては

  1. 環境認識等によって、トレードの前提条件となる状況を判断する(セットアップ)
  2. セットアップによって売買の方針が決まったら、エントリーのタイミングを計る(トリガー)

という順番を踏むことになります。

であれば、その目的と手順に沿ってテクニカルも適用していく必要があるわけですよね。

ということで僕は、

その目的と手順をハッキリとさせて、自分に必要なテクニカルを適用する様を「チャート・デザイン」とし、

  1. ガイドラインの設定・・・セットアップのためのテクニカルの適用
  2. ディテールの設定・・・トリガーのためのテクニカルの適用

という手順を踏みながら、チャートをデザインしていくことで、的確なトレードに臨むことが出来るんじゃないか?

という僕なりの方法論を、ここ数回に渡ってお話しているわけです。

なので、これからお話する「ディテール」というのは、トリガーを判断するためのテクニカルの適用の仕方だと思って、読み進めていってください。

例えば、ガイドラインによって今の相場状況を

「上昇トレンドであり、押し目買い方針」

と判断したならば、次にディテールによって、その押し目買いのタイミングを見つけようとする。

そんな風に考えてもらえたらな、と。

では、具体的にお話をしていきましょう。

ディテールの目的

もう一度基本に戻ってもらいたいんですが、ガイドラインによって4大局面を判別したら、とるべき方針は、以下の5つでした。

  1. 上昇トレンド中は押し目買い方針
  2. 下降トレンド中は戻り売り方針
  3. レンジ中はレンジ内取引(レンジ上限で売って、レンジ下限で買う)
  4. レンジを抜けたらブレイクアウト狙いで、抜けた方向でエントリー
  5. 分からない局面ではトレードはしない

で、1の上昇トレンド中の押し目買いとは、価格が一旦下落してから反転上昇したポイントを買うということですし、2の戻り売りはその逆ですね。

いずれも、反転したところをエントリーポイントとします。

じゃあ、3のレンジ内取引は?

レンジ上限まで到達した価格が反転下落したところを売り、レンジ下限に価格が到達したら反転上昇したところを買うわけですね。

つまり、1や2と同様に反転したところをエントリーポイントとします。

じゃあ、4のブレイクアウト狙いは?

これは、レンジを抜けたところでエントリーしますので、反転狙いじゃないですね。

しかし、レンジ・ブレイクはダマシが多いため、多くの場合はブレイクしたら直ぐにそれに乗っかるのではなく、ロール・リバーサールを待ってエントリーする方法が多くとられます。

で、ご覧の通り、ロール・リバーサルを用いるなら、やっぱりそれも反転狙いです。

要するに、エントリーポイントって、ほぼほぼ「反転するポイント」のことなんですよ。

ですから、トリガーを判断するためのディテール設定も、まさにそのまんま。

ディテール設定とは、反転ポイントを探るためのテクニカルを用いる

ということになるんです。

なんか、ほとんどの人がトレードを難しく考えてますけど、それって値動きの全てを捉えようと勝手に複雑に考えすぎてるだけなんですよ。

相場の4大局面を把握したら、後は

  • 買い方針なら買うための反転ポイント探し
  • 売り方針なら売るための反転ポイント探し
  • 分からないならトレードしない

という、実は反転ポイント探ししかすることはないんです。

 

はい!たった今、目が覚めた人、手を挙げて!

 

\(o ̄∇ ̄o)/ハーイ

 

至ってシンプルです。

 

4大局面を把握したら、後は反転ポイント探しするだけ。たった、これだけです。

これなら、トレードを勉強するポイントも明確だし、焦点を絞って検証も練習もできるし。

 

おっと、これがBOZ流!

( ̄∇+ ̄)vキラーン

 

何度も言ってますが、上昇トレンド中の押しの1波を獲ってみたりなど、縦横無尽に相場を渡り歩くことに憧れるのは構いませんが、そういったことは勝てる様になってから考えたら良いんですよ。

まずは、勝てる様になればいいんです。

全ての値動きを捉えることや天底を当てること。それに対して、トレードで勝つこと。これはイコールじゃないですから。

さて、僕のドヤ顔もこれくらいにして、次に進みましょうかね。

ディテール適用時の考え方

目的をハッキリとさせよう

ディテールに用いるテクニカルですが、これもガイドラインの時と同じで、

「何を使うかは自分次第」

ということになります。

ただ、「あの人が使ってるから」とか、闇雲に何でも使えば良いってわけじゃないです。

きちんと目的意識を持って取り組まないと。

じゃあ、その「目的」って何?って話ですが、ティテールの目的は先ほどお話していますよね。

反転ポイントを探る目的で、テクニカルを用いる

でしたね。

じゃあ、反転ポイントを探るって、具体的には?

  1. どのくらいまで押し戻しは進行するのか?
  2. 反転したと判断するには?

の2つになります。

下降トレンドの際、戻しはじめた価格は、一体どこまで上昇するんだろうか?どこで上げ止まるんだろうか?

という視点と、

下降トレンドで戻していた価格が、再度反転下落したと判断するにはどうしたら良いんだろうか?

という2つの視点ですね。

で、この2つの視点それぞれを意識してテクニカルを用います。

1の様に、到達点を探る目的に用いるテクニカルで例を挙げるとすると

  • ライン
  • フィボナッチ各種
  • 移動平均線(グランビルの法則)

2の様に、反転確認を探る目的に用いるテクニカルで例を挙げるとすると

  • ロウソク足(プライス・アクション等)
  • オシレーター
  • 移動平均線(ゴールデン・クロス等)

になります。

移動平均線は1と2の両方を考えるうえでも使えるテクニカルの代表格ですね。

まぁ、どのテクニカルを用いるにしろ、きちんと目的意識を持って的確なツールを選択する必要があるわけです。

ちなみにですが・・・

1の視点だけでエントリーする人もいます。

見当をつけていたポイントまで押し戻しの価格が到達したら、そこで即エントリーするという方法です。

そして、エントリー・ポイントから少しでも逆行したら、即損切りします。(スキャの場合は、少しでも利が乗ったら建値にSTOPを置いて、損失ゼロで逃げる準備をしたりもします)

この場合、上手くいったら利幅は大きくなりますし、損切り幅は最小限に抑えられます。ただし、想像できる通り、勝率は低くなります(スキャは別ですが)。

また、2の視点だけでエントリーする人もいます。

どこまで押し戻しが進行するのかの見当は付けずに、単に何らかのテクニカル(なんちゃってテクニカルも含む)を根拠に「反転した」と判断してエントリーする方法です。

1に比べ損切り幅は大きくなりますが、「反転した」という安心感から、エントリーは比較的しやすい傾向にあると思います。

しかし、僕の見解からすると、きちんとしたチャートポイント以外のところでテクニカルが反転を示唆したとしても、機能しないことが結構多いです。いわゆる、「ダマシ」を食らいやすいんですね。

なので、勝率を上げていくためには、

押しや戻しがどこまで進むのかを見当をつけ、そのポイントできちんと反転したかどうか?を判断してから、エントリーするという、1と2の視点を併用した方法が望まれます。

まぁ、1や2のみの視点でエントリーするか、1と2の両方の視点でエントリーするかは、トレーダーの性格や方針次第ですけどね。

ちなみに僕の場合で言うと、方向感がシッカリしている時に強いチャートポイントまで到達した場合は、そのまま1のみの視点でエントリーすることが結構ありますが、基本は1と2の視点を併用することを心がけています。

テクニカルの特徴を理解しよう

先ほど、目的別にテクニカルをいくつか挙げてみましたが・・・

そもそもテクニカルを用いる際には、それぞれの目的に沿って、それに適したテクニカルを選択しなくちゃいけません。

「それって効くの?もっと効くやつない?」

といった乏しい発想は、薬物中毒者の発言と全く変わりがありません。

ですから、目的に沿ったテクニカルを選択するには、そのテクニカルの特徴や本質を踏まえておかなければいけません。

しかし、残念なことに、テクニカルの教科書を開いてみても、通り一辺倒なことしか書いてないか、裏技や必殺技じみたことしか書いてないものしかないというのが実情です。

だから、自分でチャートにテクニカルを表示し、問題意識を持ちながら手と頭を動かし続けてでしか、1つのテクニカルの本質を掴むことは出来ません。

まぁ、仮に書いてあったとしても、細かいニュアンスとか感覚的な部分って多いですから、やっぱりそれを読んで知ったところで、実際に使い込まなければ、実践で用いるには程遠いと思った方が良いです。

繰り返し言ってますが、

スポーツや工芸、ゲームや仕事・・・この世のあらゆるモノゴトは、知ったからと言って出来るわけじゃありません。経験の中でしか掴めないことの方が多いんですよ。

そしてそれは、トレードにおいても例外ではありません。

完全な答えを求めない

ガイドラインの設定時でもそうなんですが、特にディテールを設定する際に気を付けなくちゃいけないことがあります。それは

正解探し(聖杯探し)

です。

トレードというのは、確率で考えます。簡単に言ってしまえば、「絶対はない」ということです。

まぁ、頭じゃ分かってるんでしょうけどねぇ・・・

実際にディテールを設定しようとすると、どうしても「たった1つの答え」を探そうとしてしまいがちになるんですよ。

子供の頃からずっと、学校で出された問題には、必ず「答え」がありました。そして、そこにある正解はいつも「1つ」であり、「それ以外は間違い」という学習を繰り返すことで、僕らは成長しています。

無意識に「完全なる正解」を探しがちになるのは、僕らの性質とも言って良いのかもしれません。

ですから、そういった自分の持っている性質には注意しながら、ディテールの設定を行なう必要があります。

心がけとしては、

「効いてる?効いてるな。こっちは?おお!こっちも効いてる!」

といった感じで、闇雲に効いてるポイントばかり探すのではなく、

「このポイントは効いてるけど、こっちは効いてない。この違いは何だろう?」

と、効いてるポイントと効いてないポイントを比較して、その背景にどんな違いがあるのだろうか?という問題意識を持ちながら考えることです。

そうすることによって、「たった1つの正解探し」から解放されてモノゴトを考えられる可能性は高まると思いますよ。

完璧を求める姿勢は大切ですが、それよりはまず、自分が勝てる様になることが先です。聖杯探しは、それが出来るようになってから、少しずつ求めていけば良いんじゃないでしょうかね。

( ̄ー ̄)ニヤリ

切り捨てる勇気

完璧な答えなどなく、トレードは確率で考えるのであれば、最も大切なことは

分からないところでは、トレードはしない

ということになります。

トレードが確率であれば、自分が「分かる」という局面でも勝率は100%にはなりません。

じゃあ、「分からない」局面は?

もちろん、「分からないん」ですから、この局面での確率はガッツリと低くなります。つまり、やればやるほど負けが込むんですよ。

だったら、分からないところは、思い切って切り捨てる。

そして、「分かる」局面に絞って、徹底的に検証・練習を重ねることで、勝つ確率を高めていくしかないわけです。

経営戦略で言うところの「選択と集中」ってやつですね。

僕らの時間は有限です。限られた時間の中で、何に集中すべきか?

「目先の値動きに釣られて飛び乗ったら、やられちゃったー!」

なんて感じで、欲望に振り回されてる時間など、僕らにはないんですよ。

ガイドラインの時点で切り捨てる

前回使ったガイドラインを用いたチャートを、ちょっとここで表示してみます。

これを初心者向けのガイドラインを適用すると、以下の様な感じになるんでしたよね。

で、移動平均線のみをガイドラインで用いる場合は、レンジはレンジでも、それが取引可能なレンジなのかどうかは、わかりません。

なので、ここは全て「分からない」局面として、思い切って切り捨てます。

「いつか使うかもしれないから・・・」

とか言って、いつまでもとっておいちゃダメです。汚部屋から脱出するかの様に、思い切って切り捨てちゃってください。

その「いつか」は、待ってるだけじゃ永遠に来ません。腕を磨いて、新たに実際にガイドラインに適用できるレベルになるまでは、ディテールの検証からは切り捨てます。

現時点で分かるところだけで、ディテールを考えます。

ディテールからも切り捨てる

ディテールを考えていくと、ドツボに嵌ることがあります。例えば、移動平均線をトリガーとした場合の例を挙げてみましょうか。

これ、ユーロドルの1時間足にガイドラインとして75SMAを表示したものです。

もちろん、このガイドライン自体をトリガーとして利用することも可能です。

上図、緑色の丸で記したポイントが、それですね。

でも、トレードできるタイミングは、かなり少ないですよね。指をくわえながら上昇していく価格を見てるだけの方が多くなってしまいます。

しかしよく見ると、それ以外のところでいくつか押し目を付けてますから、そこも狙いたいところです。

ということで、移動平均線をもう1本追加して見ます。

 

追加してみたのは、40SMAです。見ての通り、エントリーポイントが増えました。やったね!

しかし、良く見てください。まだ押し目を付けてるところは、ありますよねぇ。

この部分も、上手く捉えられたらなぁ・・・って思いますよね?

じゃあ、更に移動平均線を追加してみましょうか。

追加したのは、15SMAです。これを見ると、かなりのポイントでエントリーすることが可能だということが分かります。

どうでしょう?凄くないですか?
これでアナタの欲望は、見事に達成されたわけです。

 

Σ( ̄口 ̄*)はっ!

 

こういった感覚でテクニカルを用いていくと、ドツボに嵌っていくわけなんですよ。

ドツボその1

まず、こういった感覚でテクニカルを追加していくと、その数は際限なくなってしまいます。

もう1度先ほどのチャートを見てみましょうか。

追加した移動平均線2本(40SMAと15SMA)は、上手く価格の押し目を捉えてますよね。

どうしてだと思います?

答えは簡単です。

既に出来上がったチャートに、後付けで移動平均線のパラメータを当ててみて、上手く効いてる期間のMAを採用してみたからですよ。

しかし、相場というのはその時々で色々な顔を見せます。同じ上昇トレンドでも、強弱はありますし、押し目を付ける深さも千差万別です。

違う場面の上昇トレンドを抽出したら、上記の期間のMAはあまり機能せず、違う期間を用いた方が機能することも普通にあるわけで。

ですから、そうやって様々な状況に対応しようとして移動平均線を加えていったら・・・

際限なく移動平均線の数は増えていく
(((;゚Д゚)))ガクガクブルブル

わけなんですよね。

で、増やしていった結果、一体どの期間の移動平均線を見て、どう判断すればよいのかが、全く分からなくなってくるわけです。

汚部屋に逆戻り!

本末転倒とは、まさにこのことなんですね。

ドツボその2

もう一度、先ほどのチャート図を見てみましょうか。

これ見た時に、何か気づきませんでしたか?

ちょっと、良く見てください。

分かりました?

じゃあ、ちょっと下の図を見てください。

トレンド中というのは、その終盤以外で順張りをしてしまえば、下手なエントリーであっても大体救われるんですが・・・

先の見えない不安の中でのトレードというのは

  • 戻ってくることを期待して、損切りできない
  • 損失を小さく抑えたい気持ちが強すぎて、損切り貧乏

といった損切り2大症候群を発症しやすいのが特徴です。

で、上図1や2のポイントでエントリーした場合、比較的直ぐその後にエントリーポイントを下回って含み損が発生します。損切り貧乏の症状が発生しやすいポイントですね。

また3、4、5のポイントでエントリーしてしまった場合、直ぐに逃げてしまえば十分に利益を残せますが、利を伸ばそうと粘ってしまうと、結果的に含み損を発生させてしまいがちな場面です。

こういった場合って、なぜか判断を誤りやすいんですよねぇ。

3の場合は損切りできずに損失を膨大に膨らませてしまいがちですし、4や5の場面では損切り貧乏になりやすい場面です。

意外と難しい局面なんですよ。

で、何が言いたいかというと、要するに

エントリーポイントを増やせば増やすほど、リスクも同時に増えてしまう

ということなんです。

「たくさんエントリーしたい!」

という欲望を満たそうとすればするほど、リスクの数も増やしてしまうわけです。

でね、僕も不思議なんですが・・・

エントリーポイントを増やしたと同時にリスクが増えたとしても、この上図を見る限り、確率的には勝率も高い(チャートで見える範囲だけなら勝率7割以上)ですし、リスクリワードだって良いはずです。

しかし、実際にトレードしたとするとなぜか、その様なパフォーマンスにはならないんですよ。

これ、裁量トレードの面白いところです。

仕事やら用事やらでチャート見れない時に限って、なぜか絶好のエントリーポイントだったりします。

で、ようやく時間が出来てエントリーして見ると、先ほどの1の様な場面で損切り。

で、怖くなって次のポイントを見送ると「あー、エントリーしておけば良かった!」となって、次にエントリーすると、それは先ほどの2のポイント。やっぱり損切りしちゃうんですねぇ。

その後は、恐る恐るエントリーしたり出来なかったりを繰り返し、利益が出てもチキン利食い。

で、グングン伸びた上昇トレンドの結果をチャートで見ながら、じれったい気持ちを抱えるんですねぇ。

そして、チキン利食いや見逃しエントリーを反省して、揺れ動く自分の心を叱咤激励し、気持ちを固めます。

「よしっ、ここだ!」

そう覚悟してエントリーした渾身の一撃は、見事トレンドの頂上付近。高値掴みをした挙句、覚悟の度合いに比例して損切りが出来ない・・・

欲しがれば欲しがるほど、怖がれば怖がるほど、相場は僕らの弱いところを突いてくる

これが、「トレードあるある」の本質です。

だからね、エントリーポイントを増やすことで利益を伸ばそうという発想より先に、

リスクは、思い切って切り捨てる

ってことが大切だと、僕は思うんですよ。

もちろん、全てのリスクを排除することなんて出来ません。

しかし、大きな不確定要素は、徹底的に潰す。

そういった心がけが大切です。

そのためには、検証と練習を繰り返していくしか他になく、その過程で小さくできない大きなリスクは、切り捨てることが必要なんですよ。

「これは効いてる。こっちも効いてる」

という視点の前に、

「このリスクは排除できる?もしくは対応できる?」

という視点です。

このチャート図で示した例で言えば、

  • 深い押し目を拾う(期間の長いMAでポイントを探る)場合は、エントリーの数は少ないがリスクの数も少ない
  • エントリー数を増やそうと、浅い押し目を拾おうとすればするほど、その後に深い押し目を付けることも多くなり、リスク(不確定要素)も増えてくる

ということなんですよ。

もし、浅い押し目を拾おうとすることが原因でリスクが増え、そのリスクに自分が対処できないのであれば、思い切って15SMAは切り捨て、深めの押し目だけを狙う。

という発想も大切なんです。

自分が望んだエントリー数と増大するリスクに対して、どうバランスをとるのか?このリスクに対して、自分は対応できるのか?

それが出来ないのであれば、思い切って切り捨てることが大切です。

相場の強弱を考慮しよう

ちょっとこれは、先ほどのお話と重複してしまうんですが、大切な事なので改めて解説します。

相場の波を捉えるためには、その波の強弱を考慮することが必要です。具体的に言えば、

  • トレンドの強弱
  • 押し戻しの強弱

の2つがあります。

例えば、同じトレンドといっても、角度の鈍い(弱い)トレンドもあれば、角度の鋭い(強い)トレンドもあります。

ザックリと赤い矢印でトレンドの角度を示してみましたが、それぞれに強弱の違いがあるのが分かると思います。

また、同じトレンドの中でも、複数の強弱の違いがあるのも分かりますよね。

こういった場合、例えば同じ期間の移動平均線を用いても、その流れの強さを上手く捉えきれなかったりします。

上図を確認してもらえれば分かる通り、緩やかなトレンドの時はトレンドの波に沿う様に移動平均線も表示されますが、トレンドが強くなればなるほど移動平均線と価格には乖離が生まれます。

こういった点も踏まえながら、テクニカルを適用していく必要があります。

また、トレンドごとに、押しや戻しの大きさの度合いに違いがあります。

上図を見ての通り、ほとんど押し戻しを付けずに進行していくトレンドもありますし、深く押し戻しを付けながら進んでいくトレンドもありますよね。

では、この図に2本の移動平均線を加えてみますね。青色が10SMAで赤色が40SMAです。

移動平均線で押し戻しを判断する場合、価格が移動平均線に届いていないと、押し戻しを判断しにくくなります。

で、この図を見れば分かる通り、深い押し戻しは40SMAまで届いていますが、浅い押し戻しは40SMAに届いていませんよね。

深い押し戻しには40SMAは向いていますが、浅い押し戻しを推し量るのに40SMAは向いていないことが分かります。

しかし、10SMAは40SMAよりも期間が短く、価格推移に寄り添いやすい傾向があるため、10SMAは浅い押し戻しを上手く捉えることができています。

この様に、同じMAであっても、その期間によってトレンドの強弱や押し戻しの深さを上手く表現きるかどうかが違ってきます。

移動平均線に限らず、波の強弱を考慮しながら、テクニカルをどう適用したら良いかを考えることも大切です。

一寸先の闇に慣れよう

どのテクニカルを適用すべきか?パラメーターはどうすべきか?

実際にディテールの設定を模索する際は、まずは出来上がったチャートを使って、そこにテクニカルを表示します。そして自分なりに、

「あーでもねぇ、こーでもねぇ」

と、頭と手を動かしながら、模索していくことになります。そうやって、試行錯誤の中でディテールは作られていくわけです。

ただ、出来上がったチャートで作り上げたディテールは、そのまま実践でも使えるとは思わないでください。

インジケーターって、出来上がった後から見ると

「効いてる!」

って見えるんですが、価格形成途中だと上手くそのポイントを捉えられないことが多いんですよ。

後付けで見たら機能してる様に見えても、

  • 実は、上手くいってる箇所ばかりに目が行ってしまってることが多くて、上手くいかないケース(ダマシ等)を見逃していたり
  • 止まってるチャートでは簡単そうに見えても、実際に動いているチャートだとエントリーが難しくて慣れが必要だったり

検証や練習を繰り返している人は、既にご存知ですよね。

ですから、後付けのチャートでディテールの叩き台が出来上がったら、次は実際に先の見えないチャートで検証をします。

これ、重要ですからね。

先の見えない状態で検証と練習を重ねないと、腕も上がらないですし、自分とそのインジの相性も分からないはずです。

慣れてくると、先が見えるチャートでも、「この動きだと、俺は結構騙されやすいんだよなぁ」とか判断できる様になりますよ。何事も慣れです。

より深く考える

多くのトレーダーは、自分で勝手に相場を複雑にしている。

僕はそう思うんですよ。

確かに、相場というものは複雑怪奇であって、決して単純なものではありません。

しかし、だからといって、トレーダー自身が相場を複雑に捉え、複雑に考えて複雑に行動しようとしても、かえって身動きがとれなるだけです。結局は、その複雑さの中に溺れてしまうだけ。

ですから、むしろシンプルに考えシンプルに行動する。

そっちの方が、複雑な相場の世界を身軽に渡り歩くことに繋がっていきます。

しかし、シンプルというのは「簡易さ」「お手軽さ」のことではありません。

シンプルであっても、それは底の浅いものではなく、深いものなんだと思うんですよ。

だから、少数精鋭。

無数に散らばるモノではなく、1つもしくは限られた少数のモノたちを深く深く追求する姿勢が大切です。

多分・・・いや、きっと僕らは、

モノゴトを足し算で考えがちなんです。モノも情報も、加えて加えてため込んでいくことで、何かを得ようとしているのかもしれません。それが豊かさだと思っているのかもしれません。

しかし、本当に大切なのは、引き算をして突き詰めていくこと。その方が、むしろ本質へとたどり着く近道なのかもしれません。

┐(  ̄ー ̄)┌ フッ・・・

 

ということで、ディテールのお話は、まだ前置きでしかないのに、随分と長くなってしまいました。

話は尽きないので、今回はこの辺でお開きにしようと思います。

トリガーについて、もっと深く考えたい方は、

をぜひ読んでおいてください。

今回のお話や上記リンク先の内容は、トリガーを考えるうえで、非常に大切な内容です。

できれば、今回の話は次に進む前に、繰り返し読んで頭の中に叩き込んでほしいなー、と。

で、次回の内容ですが・・・

実際にディテールを設定していく作業を、具体的な例を挙げながらお話していこうと思ってます。

ガイドラインに移動平均線を利用したんで、ディテールにも移動平均線を用いようかな、と思ってます。今のところ。

それまでの間、とりあえずはガイドラインの検証と練習、頑張ってください。できればガイドラインも、先の見えないチャートで練習した方が良いかな。

検証ソフトも今は、無料のものもあります。ThinkTraderというアプリは、無料でいいの?レベルで機能も充実しています。英語が苦手でも、日本語で解説しているサイトもいくつかありますので、十分活用できると思いますよ。

こういったものを活用して、ぜひ検証と練習に励んでみて下さい。

それじゃあ、また。

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