移動平均線、そして君と彼の優劣

前回の予告で言えば、今回は僕なりの波動論をお話するつもりだったんですが、一旦保留にしておきます。

これをお話するのには色々と思うところがあるんですよねぇ。

というのも、僕自身がこの波動については他人にお話しできるほど体系化できていないですし、基本ロジックを知れば

「言われてみれば、それは当然」

という内容ですし、知れば出来ると勘違いしている負け犬トレーダーからすれば

「そんなの当たり前~!」

とか知ったかぶりできる内容なんですが、

これを実際の相場で活用するのは、かなり難しい

というのが本当のところなんです。

なので、トレンド中の押しや戻しで活用する程度なら、説明は出来ても、実際にお話して「知ったかトレーダー」を増やしても意味ないなー、とか思うんですよ。

ということで、今回はちょっと違うお話をします。

さっき、何気にTwtterでつぶやいたMAについて軽くお話しようかと。

多くの人が「効く、効かない」で判断しがちなインジですが、

「そんな風にインジを捉えてるからいつまで経っても勝てねーんだよ」

ってお話をします。

それじゃあ、始まり始まり~!!

インジケーターに対する誤解

恐らくほとんどの人が、テクニカルを勉強し出すと、ロウソク足の見方を習った次くらいに「移動平均線」を勉強することになると思います。

価格とMAの向きの関係がどうたらこーたらとか、ゴールデンクロスとかパーフェクトオーダーとか。

そして、その後にMA以外のインジの解説が連なるわけで・・・

で、そういった解説をする入門書のほとんどは、端的に言ってしまえば

「Aというインジでは、こうなったら買いで、こうなったら売り。Bの場合は・・・」

みたいに、インジをシグナルを鳴らす道具として解説しているわけで。

ですから、ほとんどのトレード初心者は、

「どのインジのどのパラメーターが効くの?効かないの?」

という発想でしかテクニカルを考えず、そうやって自分がトレード学習の入り口で躓いてしまってるのに気が付かないまま、トレードやっていってるんだと思うんですよ。

で、そんな哀れなテクニカルの代表格が移動平均線なわけです。

しかし、移動平均線を始め多くのテクニカルは、裁量トレードにおいては、シグナルを鳴らす道具というよりも、

今現在の相場の状況と価格の位置づけを教えてくれるもの

なんですよね。

まぁ、そうは言っても、分かったようで分からないのかな?と思うので、今回は移動平均線を使って具体的なお話をしていこうと思います。

移動平均線の実際

今までの解説で言うと

今まで僕が解説してきた記事で言えば、例えば下降トレンド時に20SMAを用いて

上図を見ての通り、

「20SMAに頭を抑えられて弾かれた」
「一旦20SMAをオーバーシュートしても引き戻されて抑え込まれた」

みたいな表現をして、売りのタイミングを解説してきたと思います。

まぁ、解説としてはこれはこれで間違っちゃいないですし、他所の大方の解説も大体こんな感じだと思います。

でもね、僕は繰り返し繰り返し、

どのインジを使おうが、どのパラーメーターを使おうが、それは各自が検証と練習を重ねて使いこなせるものを自由に使ったらよい

と言っています。

なぜか?

それはね・・・

例えばそれが君ではなく彼であったとしたら

解説するのに環境認識まで持ち出すと遠回りするので割愛しますが、例えば下図の様に短期移動平均線を表示したチャートを見たとします。

強く下落を始めた価格は、一旦戻しながら何度か上昇を試してますが、その度にMAに頭を抑えられて、下へと押し戻されています。

絶好の売りポイントですね。

ということで、ウキウキ気分で売った後の展開を見ると、

おめでとうございます。爆益どころか爆損です。

で、これは意地悪な引っかけ問題で、僕はこのチャートを見せた時に一言もこの移動平均線が「20SMA」とは言ってないんですよね。

確かに20SMAに似た様な短期移動平均線ではあるんですが、ここに表示したのは実はここ数年人気の「25EMA」です。

でもまぁ、MAを主軸にするトレーダーなら、このチャートに表示されたMAを見たら

「あれ?これSMAっぽくないな?EMA?」

くらいは気が付かないと「トレードにはMA使ってます」とは胸張って言えないかなぁ?とも思いますけどね。

щ( ̄∀ ̄)ш ヶヶヶ

で、冗談はさておき、仮に上図のチャートに表示されていたのが20SMAなら、確かに売りを検討してもおかしくないところなんでしょうけど、25EMAを使うなら、基本的には即売り判断をしちゃいけない局面なんですよ。

僕が今まで20SMAを使いながら解説してきた内容は、この様な局面に25EMAを単純に用いても、全く通用しないんです。

例えば、前回解説して割と好評だったボブ・ボルマン流に解説(ボブ・ボルマンは25EMAを使う)するならば、もちろんクラスターが発生してなければならないので、

「売り方の圧力を示す25EMAに価格は頭を抑えられつつも、買い方によって下値も切り下げることができず、オレンジ色で塗り潰した部分でクラスターを作り、結果として斜めに切り下がったパターンラインと25EMAのブレイクでエントリー」

ということになるでしょうか。

それが彼でなく君であったら

しかし、僕の様に20SMAを使う人の判断は、ちょっと違ってきます。

じゃあ、実際に今度は20SMAを表示してみましょうか。

全然違いますよね。

先の25EMAでは、戻り高値の頭をMAが頭を抑えていて下へと反発していた様に見えていたはずですよね。下図が先ほどの25EMAを表示したチャートになります。

しかし、20SMAを表示させていた場合は、

頭を抑えているどころか、むしろ戻り高値をつけて反発して下げた価格を20SMAが下支えしている様にしか見えません。

その後の展開を見ても、

20SMAは下落しようとする価格を支え続けて、結果的には反転上昇をしていったことになります。

どうですか?それほど期間の差に大きく違いのない短期移動平均線であっても、MAの種類とパラメーターのわずかな差によって、「同じMAの見方をしていたら」売りと買いの判断が、全く真逆になってしまうんですよ。

これ、たまたまそんなことがあるレベルではありません。

相場背景を元にしてこういった局面が訪れた場合、結構な確率で反転上昇局面では、20SMAは価格を下支えしますが、25EMAはその頭を抑えてきます。

つまり、20SMAで培った見方で25EMAを用いてしまえば、高確率で負けトレードをしてしまうんです。

もちろん、その逆も同じで、25EMAで培った見方を20SMAで用いたら、勝てるものも勝てなくなってしまいます。

君は君、彼は彼

同じ人間だから、同じ男性だからといって、

彼の良いところを基準にして君を判断してしまったら、君はダメ男かもしれません。

逆に、彼の悪いところを基準にして君を判断してしまったら、君は超イケてる男になるかもしれません。

これからのパートナーを元カレ、元カノを基準にして優劣を判断したところで、アナタにとっての真のパートナーは見つかりません。

自分と相手の相性、そして二人で過ごし積み重ねた歴史が、アナタとアナタのパートナーの良き関係の礎となっていくわけです。

そしてそれは、テクニカルも同じです。

同じ移動平均線だからといっても、違う種類、違うパラメータ同士で

「どれが効く?どっちが効く効かない?」

なんて見方をしていたら、一生かけても大切なパートナーは見つかりません。

いや、見つけるのではなく、本来それは培っていくものでしょう。

「この人は、どんなことに興味があって、どんなことをされると嫌か?こんな時のあの人は、こう振る舞うけど、こういう場合はこんな感じになる」

大切なパートナーと一緒に過ごすうえで、相手の特徴と付き合い方を身に着けていくわけで。

そして移動平均線(だけでなく全てのテクニカル)も同じ様に、

「このMAは、価格がこんな値動きを繰り返すときは下支えをしてくれるけど、こんな時は逆に頭を抑えつけてくる。こんな時のMAはこう振る舞うけど、こういう場合はこんな風になる」

そんな風に、用いるMAの特徴を、他の誰よりも知り尽くしてなければ、MAとの良い関係は築けないんですよ。

自分の相性も踏まえつつ、1つの種類、同じパラメーターで構成された移動平均線と長くて濃い歴史、つまり検証と練習を繰り返すことで築き上げた大切な技術が、素晴らしいタッグとなり、アナタを支えてくれるわけです。

上っ面だけを撫でる様にして相手を決めたところで、それが上手くいくのは単なる偶然でしかありませんし、それも一時的なことで終わってしまうかもしれません。

理想の人

このお話は、移動平均線に限らず、全てのテクニカルについて同じです。使いこなしたものを使っていかなければ、トレードという厳しい世界の中では生き残れません。

ただ、今回あえて移動平均線を用いて説明したのには理由があります。

それは、僕が知る限り、移動平均線というインジは、パートナーとするには群を抜いて優秀だからです。

ご存知の通り、僕自身は実際のトレードにおいて、値動きとライン、そして波動を軸にしているトレーダーであって、その他のインジは補助的な扱いになっています。

ただ、これまたこのブログ読者はご存知の通り、僕はインジ・マニアでもあります。

例えば、「RCIを使ってトレードしています」という人以上に、僕はRCIのことを知っていることが多いと思います。(詳しくは、「これがBOZ流!RCIの本当の使い方」をご覧くだされば分かるとかと)

で、そんなインジ好きの僕が、やはり最も優秀だと思うインジが、移動平均線なんですね。

世間一般ではあまり語られていませんが、MAを追求していくと・・・

例えば上図の様に、チャネルで表現した波動と移動平均線が一致しているのが分かりますよね。

これ、ラインが先かMAが先か?

のレベルで、このチャネルで表現した波動が発生するタイミングをMAが捉え、その後の展開をラインを引かずともMAが表現してくれているのが分かると思います。

MAがあまりにポピュラーであるが故に、値動きを加工しただけのはずのインジが、見方によっては値動きに劣らずに判断材料に使えることが多々出てくるんですよ。

ただまぁ、これも後付けで判断したら何とでも言えますが、突き詰めて付き合っていけば、まさに夢に見た理想の人になる可能性を秘めています。

まぁ、そこまで突き詰めるのには時間と労力がかかりますし、下手にテクニカルの情報を増やすとむしろトレードには邪魔になるんで、「MAを使うべし」とまでは言いません。

が、既に使っている人で、これを極めたいのであれば、MAというのは、

「最初は平凡な人かと思ったけど、自分の付き合い方によっては理想の人になるんだ」

くらいの気持ちを持って接してみてはどうでしょうか?

新年明けましておめでとうございます

相場は人生の縮図なのか?
それとも、人生が相場の縮図なのか?

それは、僕には分かりません。

でも、自分の生き方そのものが自分のトレードそのものであり、逆に自分のトレードが好転していく様な積み上げ方をしていけば、自分の人生も好転していく。

そんな風に、相場歴が長くなればなるほど、僕はそう思うんですよ。

さて、今回はやけに手短ですが、こんな話が新年のお年玉になればな、と思いながら書いて見ました。

それじゃあ、また。

“移動平均線、そして君と彼の優劣” への2件の返信

  1. BOZ様 

    いつも更新ありがとうございます。
    ブログで勉強させていただいております、YTと申します。
    ご多忙のところ、一点質問させて頂きたく思います。
    FXの正しい知識について、常勝の方々はどこで勉強されてきたのでしょうか?
    専門書などで独学、海外サイト、親方に師事などでしょうか?
    ご多忙の中、申し訳ございません。

    1. > YTさん

      う~ん、どうなんでしょう?

      トレードの界隈では偽物や詐欺が跋扈している世界ですから、誰かに師事したとしても、その選択が過ちの可能性は大きいです。

      しかし、仮にホンモノに師事できたとしても、結局は本人の努力次第です。

      スポーツの世界に例えれば分かると思いますが、一流の選手に教えてもらえたら一流になれるわけじゃありませんし、イマイチな指導者のもとでも一流になる人は沢山います。

      独学でたどり着いた人もいるでしょう。

      何が正しくて何が正しくないかは、人それぞれのトレードスタイル等にもよりますから、一概には言えません。

      結局は、本人の検証と練習によるとこが大きいと思います。

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