僕とインジの奇妙な関係(2)インジ・マニアな僕がインジを避けるその理由

さて、前回は最近弄っていたインジ達の紹介をすることで、インジに対する考え方をお話したわけですが、最終的に僕は、

弄りまくったインジ達を実際のトレードで使うことは滅多にない

ということに言及して、お話が終わりました。

なぜか?

今回は、そんなお話の続きをしていこうと思います。

それでは、始まり始まり~~!!

インジケーターを扱う、ということの本質

僕の黒歴史

このブログの読者さんは既にご存じの通り、相場歴25年以上の僕のその前半はほぼ負け続けの歴史でした。

その当時の僕といったら、沢山のインジをチャート上に張り巡らし、

「このインジのこの設定は効く?効かない?」

みたいな感じで、大した検証もしてないくせに検証した気になりながら、聖杯を探し続ける日々でした。

で、もうトレードで勝つなんて自分にはもう無理なんじゃないかと何度も思いながらも、ある日ふと、

「自分はチャートを見ているようで、実は何も見ていないんじゃないか?」

という疑問が湧いてきたんですね。

で、チャートからインジを外し、ロウソク足だけの素のチャートだけにして、

「そこから何が見えるのか?」

という作業をやり始めたわけです。

その辺りのことは、「チャート・デザインの勧め(1)」に書いてあるんで割愛しますが、そういった作業を繰り返す中で、1つ気が付いたことがあるんですよ。それは、

「僕は、インジケーターを用いることが苦手なんじゃないだろうか?」

ということに。

今ではインジ・マニアな僕が言うのも不自然に思われる方もいるかもしれませんが、事実僕はそう思いましたし、今でもそう思っているんです。

同じインジでも、認知の仕方は人それぞれ

本題に入る前に、ちょっと注釈入れときます。

インジケーターというのは、端的に言ってしまうと

「相場状況を視覚的に理解できるように表現したもの」

のことです。

なので、ロウソク足もラインも、言ってしまえばインジそのものです。

ただ、それを言うとちょっとややこしくなり、この後の文章に常に断りを入れ続けると面倒なので、とりあえずここでは、

「相場で値の付いた数値を使って計算式を用いないものや、お絵かきレベルなもの」

つまりロウソク足とライン以外をインジケーターと限定してお話していきます。

それでは、本題に入っていきましょう。

例えば、こんな素のチャートを見てみましょうか。ポンド円の4時間足です。

このチャートを見て、何をどう解釈するのか?

それを理解するために、インジケーターは存在します。

例えば、最もメジャーな移動平均線だったり、

一目均衡表だったり、

ボリンジャーバンドだったり

もちろん、それ以外にもインジは沢山ありますよね。色んな組み合わせ方もあります。

例えば以前、海外で話題になったシステム「MASTER ENTRY Indicator」だとこんな感じになります。

まぁ、どんなインジを用いようが、どんな組み合わせをしようが、結局のところインジケーターというのは、相場の状況を視覚化することが目的です。

では、どのインジを用いるべきか?

それはこのブログで何度も言ってきている通り、

「裁量トレードにおいて、インジケーターとそのパラメーターは、自分が認識しやすく理解しやすいものを選べば良い」

というのが、僕の見解です。

上の4つのチャートは、それぞれ違うインジをメインチャートに貼っていますし、いずれも相場の状況を視覚的に表現しようとしています。

が、これら4つのチャートは、いずれも見え方が違ってますよね。人によっても、見え方や感じ方は違ってきてると思います。

ゴチャゴチャして見えにくいものがあったり、逆にシンプル過ぎて良く分からなかったり。数種類のインジがあった方が、理解しやす人もいるでしょうし、1つ2つに限定した方が頭が混乱しない人もいると思います。

例えば前回でも少し触れましたが、移動平均線の10SMAと一目均衡表の転換線の大まかな動きは非常によく似ています。

下図では青色の移動平均線が10SMAです。

下図の一目均衡表では、赤い線が転換線です。

見比べてみると、全体的な大まかな流れは、両者非常によく似ているのが分かると思います。

もちろん、この2つをEA化してバックデータを採れば、その成績に違いは出てくるでしょう。

しかし、僕らは機械ではありません。正確無比に指示通りに常に同じイン・アウトを繰り返し続けるわけじゃありません。

裁量トレーダーの場合、インジの線にタッチした瞬間に常にエントリーするとは限りません。仮に線にタッチしたとしても、線の角度やその他の状況を見ながら、エントリーのタイミングをややずらしてみたり、見送ってみたりします。

飛んできたボールの軌道やスピード、回転のかかり方や、相手の位置関係によって、そのボールの打ち返し方を微妙に変えていくのと同じです。

裁量トレードは、スポーツの要領に近いんですね。

であれば、スポーツで使う道具を自分の好みで選択するように、トレードにおいてもその道具(インジ)も自分の好み、つまり自分にとって認識しやすく扱いやすいと思うものを、各自が用いるべきなんです。

で、先の10SMAと転換線。両者は大まかな動きが似通っていても、細かいところでは動きが違ってきています。MAでは価格に近づくように上からせり上がってきている場面でも、転換線は角度が平らになっていたりします。

エントリーする際に、どちらがその判断をしやすいか?というのは、人それぞれの認知の違いになります。10SMAを使った方がやり易い人もいれば、転換線の方が判断しやすいという人もいて当然です。

なので、インジというものは、誰かが使っているからという理由で用いるべきではなく(とっかかりとしてはそれでOKですが)、あくまで自分にあったものを選択していくべきなんです。

どんなインジを使っても、実は簡単

で、ここではもう1つ覚えておいてほしいことがあります。それは、

どんなインジをどう組み合わせて使ったとしても、「トレンドの局面」というのはいずれも理解しやすい

ということなんですよ。

このブログでは、再三言ってきていますが、

「勝てないうちは、まずはトレンドフォローだけをやって、腕が上がったらレンジの検証と練習にチャレンジすべき」

というのは、トレンドがトレードしやす局面であると同時に、多くのインジがトレンド時には機能しやすいという特徴があるからです。

これは、メイン・チャートに表示されるインジというのは、その多くが「トレンド指標」であるためです。

ちょっと、見てみましょうか。

先ほどのポンド円4時間足チャートの場合、ハッキリとトレンドとして認識できるのは、

大体、赤い四角で囲った辺りの局面です。

じゃあ次に、先ほどインジを貼った4つのチャートを、上図の赤で囲った部分に注目して見ていきましょうか。描画はしないので、各自で確認してみてください。

確認しました?で、気が付きましたかね?

トレンドがハッキリと出ている局面は、どんなインジを貼ったチャートであっても、

「分かりやすい局面」

なんですよ。

そう、実はどんなインジを使おうとも、比較的トレードで利益を出しやすい局面なんです。

でも、実際はなぜ難しいのか?

とはいえ、実際のトレードをトータルで勝てる人は、あまりいません。

なぜでしょうか?

答えはそれほど難しくはありません。

赤く囲った部分の様に、ハッキリとトレンドが出ている局面というのは、実際の相場ではあまり多くないからなんです。

実際は、緑色で囲ったような部分、つまりレンジもしくは初心者レベルではトレンドが出てるのか出てないのか判別が難しい局面がほとんどなんですよ。

相場では、この様なレンジの局面が7~8割を占めることになります。市場のほとんどの時間が、レンジで占められてるんです。

しかし、メインチャートに表示されるインジのほとんどは、「トレンド指標」です。

つまり、多くのインジが誰もが扱えるレベルで機能する局面というのは、実際2割から3割程度なんですよ。

それ以外の大半の期間は、機能しづらい時間が続きます。

ちょっと、見てみましょうか。

上図、緑で囲った部分を、次のインジを貼った4つのチャートを使って、見ていってください。

分かりましたかね?

この緑で囲った局面では、いずれのインジも蛇行が始まり、各インジが絡み合ったり重なりあったりして、

「ワケわかんねー!」

状態になってしまうんですね。

だから、結果的にインジは簡単というわけにはいかなくなるわけです。

こういったレンジ、またはトレンドが出ているのかはっきりしない相場付きというのは、既に出来上がったチャートを後付けで見れば「分かった気」になれるんですが、実際に値動きが形成されていく過程では、振り回されやすい局面にあたります。

なので、リアルなトレードではインジを頼りにエントリーやエグジットを繰り返すことで、損失を膨らまし続けることになります。

で、インジに対する不信感が生まれたところでトレンドが発生し、絶好のチャンスを逃します。

しかも、人というのは悲しい性を持ち合わせています。そんなチャンスを逃したトレンド状態を見て、悔しがり、しかし値動きの大きさに不安を抱え、にもかかわらず「爆益」という欲望を膨らませることで、トレンド中の天底狙いの逆張りを繰り返すんですよ。せっかく貼ったインジが示す状況を無視しながら、ね。

で、焼かれ続け資金を減らし続けた後に、トレンドは収束を迎えます。

そうなると値動きは小さくなりますよね。だから、深層心理の部分での不安は消えます。

不安が解消されたことと、トレンドに逆らったトレードで負け続けたことを反省し、そこから始めるトレードは、インジが機能しない部分でのインジ頼りの順張りトレードです。

そうやって、レンジ局面で負け続けると、再びインジに対する信頼は・・・

ってなことを繰り返し続けるんですよ、負け続ける人というのは。

使ってはいけない局面でインジを使い、使うべきわずかな局面でインジを使わない。

これが、人が人であるが故の悲しい現実です。

インジを扱える様になるということ

ここまでの話をまとめると、

メインチャートに表示されるインジというのは、そのほとんどがトレンド指標。だから、トレンド時は比較的トレードが容易。しかし、相場のほとんどはレンジ期間。トレンドが出るのは2~3割程度。

ですから、インジを攻略するって、むしろレンジの方が大変なんです。

だから僕はこのブログで、

「勝てるようになるまではトレンド・フォローだけでトレードするべき。レンジは勝てるようになってからチャレンジ」

と繰り返し言っていますよね。

インジを扱える様になるというのは、トレンド時だけではなく、レンジをどう見極めのか?そして、レンジの際には、どう扱えば良いのか?を知ることなんです。

  • まずは、自分が選択したインジで、トレンド局面とレンジ局面を見極められるようにし、レンジは避けトレンドのみをトレードすると決める
  • 見極め(ガイドライン)が出来たら、トレンド局面でそのインジが扱える様に、検証と練習を繰り返す
  • トレードはトレンド局面でしかやらず、トレンド局面が訪れない期間は、レンジに対する考察を深める
  • 選択したインジでレンジ内取引が出来るのかどうかを検証し、出来るなら扱える様に練習、出来ないのならば逆張り指標のインジを用いてレンジ内取引が出来る様に検証と練習を繰り返す

この様な過程を経て、初めて

「インジが扱える」

ということになるんです。

インジというものが、単にエントリーのタイミングをサインで教えてくれる道具だという認識でいる限り、勝ちトレーダーには一生たどり着けません。

インジ・マニアな僕の場合

実はインジが不得手な僕

では、相場に対する僕の認知の仕方って、どんな感じなんでしょう?

冒頭でお話しましたが、

「僕はインジが得意じゃない」

って自分では思ってるんです。

要するに、チャートにあまりインジを貼ってしまうと、むしろゴチャゴチャとして相場を把握しづらくなるタイプなんです。

例えば先ほどの様に、移動平均線を貼った場合、

一応僕はインジ・マニアなんて、扱えることは扱えるんですが、実はチャートから相場の状況を認識しづらくなってしまいます。

メイン・チャートに曲線などが入り込むと、どうしてもその向こう側が見づらくなってしまうんですよ。インジをメインチャートに貼れば貼るほど、むしろそちらに目が行き過ぎて、相場の理解の仕方が二重三重になって、分かりづらくなってしまうんです。

もちろんそれは、移動平均線に限った話でなく

これらの曲線達がチャートに入ってしまうと、そちらに目を奪われがちになります。

しかし、素のチャートに戻して見ることで、

僕にとっては見えてくるものが、非常に見えやすくなってくるわけで。

言ってしまうと、素のチャートが良いとか悪いとかではなく、僕は僕なりの苦肉の策が、チャートからインジを極力外すということだったんですね。

勝てる様になるきっかけが、全てのインジを外し、素のチャートとにらめっこを続けたところから始まった、というのも実は僕の認知の得手不得手が関係していたのかもしれません。

で、インジを外した素のチャートから見える景色。それを他者にも分かるように可視化したものが、僕にとっての「ライン」になります。

僕の中では「ライン」と言っても、それは価格帯を仕切る1つの目安のことで、実際はそのラインとラインの間の値動きの移動が気になるんですね。

これを、もうちょっと他者にも分かる様に可視化して説明すると、次の様な図になります。

左端から説明していきますが、

紫色での価格帯にあった価格が、その後ブレイクして上昇トレンドを形成するわけですが、これは赤色で囲ったクラスターがエレベーターに乗るかの様に上昇していくようなイメージ。(あくまで視覚的イメージで話しています)

次に緑色で囲ったAのエリアを価格は上下しながら移動していますが、徐々に高値を切り下げていく様を見ながら、

「あぁ、売り圧力が上から徐々にかかってきてるみたい。ってことは、次は下の価格帯に移動していくかな?」

そんな感じで感じで僕はチャートを見ます。

すると、やはり緑枠Aのエリアにあった価格は徐々に下へと落ちていきます。次の下の赤い枠に移動し、次は紫枠のエリアへ・・・って感じで下落していく様に見ているんですね。

底値を付けた後は再び上のエリアに戻り、赤い枠の中を上下します。

で、Bの緑エリアで分かる通り、赤枠を一旦ブレイクして高値を更新した後、赤い枠に一旦戻りますが、下値を切り上げる形で再び赤枠を上にブレイク。上昇トレンドの始まりです。

まぁ、こんな風に僕は価格がそれぞれ上下にエリアを移動するというイメージで相場を把握しようとするので、

こんな風にチャート表示してしまうと、その点が見えなくなってしまうんですよ。

もちろん、メインチャートにインジを貼っても、きちんと見える人もいるんでしょうけど、僕は見えづらい。

それが僕のチャートに対する認知の得手不得手なんです。

また、僕の様に値動きのエリアが上下するという相場の見方をしなくとも、相場状況を把握できる人もいるでしょうから、そんな人にとっては逆に僕の相場の見方は邪魔になってしまうかもしれません。

そんな人は、むしろインジを友好的に活用した方が、成績が良くなるはずです。

まぁ、いずれにせよ、これが僕のチャートの認識の仕方としては、最も腑に落ちるやり方なんです。

ですから僕は、インジが好きでインジを弄りまくるくせに、結局はトレードに滅多には用いないという、不思議なことを繰り返し続ける羽目になっています。

僕なりの工夫

とは言え、僕はやっぱりインジが好きな人です。

インジの良さを知っているつもりですし、素のチャートだけで全てが理解できると思うほどの自信家でもありません。

なので、インジを使う際には、僕のチャートの認知の仕方の基本を邪魔しないように、色々と工夫をしています。

例えば、ボリンジャーバンドなんかは、

こんな風に、描画の色を極力薄くして、チャートを見る際の妨げにならないようにしたりしてます。

また、ボタンやキーをタッチすることで表示のオンオフを切り替えられるインジを使ったりします。

ボリンジャーバンドなら、そういったものがいくつも出ています。僕の場合は「Mi_BollingerBand」というものを使ってます。

移動平均線は、ある方(紹介すると勝手に依頼したりする人が出てくるのを避けるため名前は伏せます)に作ってもらったインジを使っていて、

右上端の小さなボタンで4本の移動平均線を表示したり非表示にしたり出来る様にしています。

アナタにとってのインジのあり方

繰り返し言いますが、同じチャートを見つめていても、人によってその認知の仕方には得手不得手があります。

ですから、自分なりのインジを自分なりの表示の仕方で用いることが、アナタにとっての理想的なインジのあり方なんだと思います。

インジが爆益を生み出すサインを出してくれるものだと思っている限り、決してたどり着くことの出来ない聖杯探しの旅は続きます。というより、迷宮に迷い込んだままでそのトレード人生を終えるでしょう。

しかし、アナタが自分自身にとって最も認識しやすいチャート表示を探す旅に出たとしたならば、その道の先には「利益」という目的地が待っていることでしょう。

ひょっとして僕ら裁量トレーダーにとっての「聖杯」とは、自分なりのチャート表示の最適解を見つけ、その最適解をきちんと扱えるようになるのことなのかもしれませんね。

 

ということで、今回のお話はここまです。

それじゃあ、また。

僕とインジの奇妙な関係(1)ちょっとしたインジケーター解説編

自称インジ・マニアな僕のインジ弄り

最近また、インジ厨が疼いてます

僕って、これでも結構なインジケーター・マニアな側面を持っています。

とは言っても、インジケーターのロジックを開発して新たなインジを作るとか、そういった類のマニアではありません。

確か、リーマンショックが起こる前の一時期には、そんなことをやっていた時期もありましたが、今ではコードの書き方もバックテストのやり方も忘れてしまっている始末です。

ということで、僕の言うところのインジ・マニアというのは、

裁量トレーダーとしてインジの扱いや組み合わせ方による判断の仕方とか、そういったことに没頭してしまう

という範疇でのマニアのことです。

でもまぁ、このブログの常連さんなら、僕がその手のインジ・マニアだってこと、ご存じですかね。その片鱗は、「これがBOZ流!RCIの本当の使い方(1)」などの各記事を見ていただければ分かると思います。

で、X(旧Twitter)の方もご覧の方は、僕がまた最近、インジに凝り出してしまっているのもご存じかと。

ネットで入手したインジ群を組み合わせて見たり、外してまた他のものを加えてみたりと、これがまた結構飽きないんですよ。

つか、夢中になりがち。

で、今回弄ってるインジ達は、Xでポストした時系列で言うと、まずはこんな感じから始まって、

その後はこんな感じになり、

昨日の時点ではこんな感じになり、

今この記事を書いてる時点では、こんな感じになってます。

別に意識したわけじゃありませんが、この段階では結果として有料のインジがほぼ省かれ、ほとんどが無料のインジで構成されてます。

で、どうせなんで、このインジ達の紹介と主な使い方を次にお話しようかと思います。

ちょっと、その前に

注意事項

ちょっとこのチャートの使い方を説明する前に、予め言っておきたいことがあります。それは、

「これから説明するのは、サインツールではない」

ということです。

初心者トレーダーや多くの勝てないトレーダーは、インジケーターを「エントリーするタイミングをサインで出してくれるツール」だと勘違いしています。

もちろん、エントリーのタイミングをサインで知らせるために作られたインジやインジ群もあります。

しかし、基本的にインジケーターというものは、

「相場の価格推移の状況を、視覚的に表現しようとするもの」

であって、サインツールではないんです。

なので、

「優秀なインジを上手く組み合わせ、必勝のパラメーターを設定すれば、あとはインジが出してくれるサインに従ってトレードすることで爆益!」

みたいなのは、妄想でしかありません。

(もちろん、サインツールとして開発されたものはあります。しかし、自動化された様なツール(例えばEA)は、長期的に利益を積み上げるような優秀であればあるほど、むしろ短期間で爆益を生み出すような代物にはならないんですが、その話をすると話がズレるので割愛します)

なので、一応ここではこのチャートの使い方を説明はしますが、知っただけで儲けられることにはなりません。

このチャート表示方法で勝てるようになるためには、それぞれのインジをどれだけ使いこなせるかの技術が必要ですし、また複数のインジをどう連携させて扱えるかという腕も問われます。

ではなぜ、説明するのか?

「だったら、このチャートの使い方なんて説明する必要なんてないじゃん!」

って思う人もいるかもしれません。

もちろん、そう思ってっしまう様なレベルの低いマインドの人達のために解説するわけじゃありません。

僕の考え方は、

「人の視覚情報における認知の仕方は、人それぞれ。だから、自分に合ったインジを見つけてそれを使いこなせる腕を磨こう」

というものです。

なので、この記事をご覧の方が、自分が用いるインジをどう考え、どう扱ったら良いのかという「考え方のヒント」になればなぁ、というのが、今回のインジ解説になっています。

ということで、他力本願ではなく自助の精神に長けた方々に向けて、これから解説していこうと思います。

このインジ群の使い方、考え方

それでは、各インジの説明に入っていきましょうか。

上図の番号順に解説していこうと思います。

①発注ツール

この「Trade tool v1」は、正確に言うとインジではなく、「エキスパートアドバイザ」と呼ばれるもので、トレードの発注ツールです。

予め発注するロット数やストップやリミットを設定しておくことができるので、OCO注文(成り行きエントリーしたと同時に損切用と利確用の決済予約注文を出す注文方法)が出来ます。

僕は不測の事態に備えてエントリーと同時に必ずストップも設定するので、この手のツールは必須です。(不測の事態で地獄を見たことが、過去に2回ほどあるもので)

僕の場合、例えばポンド円なんかだとストップは20pips、リミットは50pipsに設定しておいてエントリーの際に同時に発注します。そしてエントリー直後に、チャート上で適切な位置に巣トプとリミットを設定し直す様にするのがルーティーンです。

もちろん、この手の発注ツールは他にもあります。国内業者でMT4を使えるところは、自社の発注ツールを予め用意してあったりしますし、有料のものもいくつか存在します。

ただ無料で一般的に出回っているものはあまりなく、僕が知る限りだと無料の場合はこれ一択になるのかなぁ?って感じで紹介してみました。(以前、無料で優秀なツールがあったんですが、今は有料化してるもので)

ところで、インジ単体もしくは組み合わせたインジをトレードで用いる場合、実践に入る前には検証と練習が必要になります。

通常は、FT5などトレード検証ソフトを使うんですが、そのソフトに用意されていないインジは使えないケースが多いです。(使えるツールもありますが、適用と使用方法を取得するのが面倒くさい)

なので、一般的ではないインジを用いる場合、僕は海外業者を用いて最低の0.01ロットで検証と練習を行っています。これだと、1回負けても多くて数百円、千円の損失するまでには何連敗も重ねないといけないので、海外業者は個人的には重宝する存在です。

②ボリンジャーバンド(ミドル20SMA・2σ)

使っているのは、「AllBollingerBands v2.5 600+」というインジです。バンドごとに色を変えるだけでなく、例えば1σと2σの間のエリアを色付けしたり、MTFに対応していたりと、非常に高機能なインジです。

MT4デフォルトのボリンジャーバンドでは細かい表示方法が設定できないので、色々なインジを組み合わせる際には、こちらのインジを使うと非常に便利です。

このボリンジャーは価格推移の状況を把握するために使ってます。使い方は、一般的なボリンジャーバンドの使い方と同じです。ミドルバンドは20SMAですが、邪魔なので表示を消しています。

ボリンジャーバンドの使い方が分からねーって人、もしくは知った気になってるだけの人は、このブログで解説してますので、「ボリンジャーバンドの使い方」シリーズをご覧ください。

③ボリンジャーバンド(ミドルバンド40SMA・1σ)

最初このチャート図を見たときに、「この薄紫の雲っぽいのは何?」って思った人もいるかもしれません。

でも単純にボリンジャーバンドです。使ってるのは先ほどと同様「AllBollingerBands v2.5 600+」です。

このボリンジャーは一般的な設定ではなく、ミドルバンドが40SMA(同じく邪魔なので表示はしてない)で、1σのバンドを用いています。

なぜこれを使っているかというと、主たる目的は「レンジか否か」の判断材料にするためです。

ボリンジャーバンドはレンジに入るとバンドがスクイーズしながら横を向きますが、そのレンジをいち早くきちんとした視覚情報として表現してくれるのは、個人的にミドルバンドを40前後に設定した時だと思っています。

ミドルバンドが20のボリンジャーだと、レンジに入ってもクネクネと蛇行をしたりしますから、バンドが形成途中のリアルタイムでトレードすると、判断ミスを犯しやすいんですね。そのためレンジ判断はミドルバンドを期間40前後のSMAにしておいた方が、何かと便利なんですよ。

またレンジかどうかを知るためなので、1σのみを利用します。2σよりも視覚的にレンジ判断しやすくなります。

上図を見てもわかる通り、横を向いた2つのボリンジャーバンドが重なった場合は、ほぼ鉄板の安心感でレンジ内取引、つまり逆張りでの売買ができます。

インとアウトに、この40SMAのボリンジャーを使うことはありません。レンジでのエントリーもエグジットも基本は20SMAボリンジャーの2σを使います。(もちろん、オシレーター等その他のインジも組み合わせての判断ですが)

トレンドが終了してレンジに移行しているのに、それに気が付かずについトレンドの順張りを続けて痛い目に合いがちな人には、この視覚情報を利用するのは有効じゃないかな?って思います。

ちなみにこの2つのボリンジャーの組み合わせは、トレンド判断にも威力を発揮します。下図を見てみましょう。

トレンド中の価格は、この40SMAボリンジャー1σと20SMAボリンジャー2σの間を推移することが多いので、トレンド判定にも使えます。僕はこの現象を「新バンドウォーク」と勝手に名付けてニヤニヤしています。

④転換線

この赤く太めの線は、一目均衡表を転換線です。MT4のデフォルトにある一目均衡表で十分で、それ以外の雲やら遅行スパンやら基準線は邪魔なので消してあります。

このインジは、主としてトリガーとして使います。

先ほどの画像も併せて見てもらえると分かりやすいですが、

特にトレンド中のエントリーのタイミングを掴むのに、結構役に立ちます。

レンジ中の反転判断に使うことも可能ですが、その場合は転換線単体で使うのは結構危険です。

さらに言うと、レンジの反転確認で利用する場合、入るタイミングが遅くなりますから、値幅の狭いレンジでの使用は、スプレッド分も加わり、損大利小となりやすいため、避けるべきです。

なお、転換線と10SMAの挙動は似ていますので、転換線の代わりに10SMAを利用してもOKです。もちろん、自動化してバックテストをしたら、おそらく両者の結果は違ってくるでしょうが、裁量トレードの場合は、それほど大差はなく・・・というよりも、自分が扱いやすい、判断しやすい方を選択した方が、成績は上がると思います。

⑤ZigZag

このインジもご存じの方、多いと思います。MT4にデフォルトで入っているZigZagを使っています。パラメーターもデフォルトのままです。

ただこのインジケーター、知名度はあるものの、実際のトレードで利用している人って少ないんじゃないかと思います。

だってね、リペイントしちゃうから。

通常のインジって、ロウソク足が確定するまではその値動きに合わせてインジも動きますが、ロウソク足が確定すると、インジの描画も確定します。

しかし、インジの中にはリペイントするものもいくつかあって、つまり一旦描かれたはずのインジの軌道の描画が、値動きが進むとそれに合わせて書き直されちゃうんですよ。

下を向いて終わっていたはずのインジが、値動きが進むにつれて気が付くと横向きの軌道になっていたり、上を向いていたりと書き直されてしまうのがリペイントです。まるで間違いを隠ぺい工作するかのように・・・

なので、リペイントするインジというのは、既に出来上がったチャートを見ると「完璧に効いてるインジ」に見えるんですが、それを知らずに「効くインジ」だと思ってリアルにトレードすると、騙し打ちにあい続け、なぶり殺しにされてしまうんですね。

ということで、この手のインジはちょっと弄ったことある人にとっては

「実践では使えねーな」

ってインジになるわけです。

ただ、この意見に関して僕は、「半分当たってるけど、半分外れてる」と思っています。リペイントするからと言って、リアル・トレードで全く使えないのかといえば、

「そんなことはない」

というのが僕の見解です。

が、正直使いこなすのは難しいです。下手に使おうとするなら使わない方が安全なレベルです。

なので、僕もこのZigZagを実践で用いることは敢えてお勧めはしません。興味のある方だけが検証や練習で試し、使いこなせるなら使えば良いと思います。

⑥爆弾マーク

このインジのロジック自体知らないのですが、ベースがZigZagにある感じです。ZigZagで描かれた山と谷のうち、何らかの条件が当てはまった際に、この爆弾マークが表示されます。

もちろんこれもリペイントするインジなので、後付けでチャートを見ると「赤い爆弾マークで買って青い爆弾マークで売れば爆益!」に見えますが、当然そんなことはありません。

で、このインジ、正直なところ今現時点では、

「いらねーかな」

と思ってます。恐らく今後このチャート画面から外される第一候補です。

有料のインジ・セットの中の1つのインジですし、今のところお勧めする気もないので、インジの名前は紹介しません。

チャート画像に載っているのは、ただ単に「まだ検証が終わってない」という理由です。

⑦⑧タイマー系インジ

ロウソク足が確定するまでエントリーは待った方が良いのかどうか?というのは、結構多くの人が持つ疑問です。

で、これに対する僕の答えは、

「初心者レベルや勝てない人は、ロウソク足確定まで待つべし!」

です。

ある程度経験のある人なら感じていると思いますが、実際の相場ではロウソク足が確定する直前で値を動かしに来ることが結構あります。

なので、ビヨ~ン!と陽線が伸びたのを見て、

「勿体ない!」

と慌てて飛び乗ったのに、ロウソク足が確定する直前で大きな売りが出てしまい、結局は長い上ヒゲや陰線で終わってたりすることがあったりします。

ですから、上手く勝てない人は、ロウソク足が確定するまではエントリーは控えた方が賢明ですし、またロウソク足が確定する直前の挙動は気にした方が良いんですね。

ということで、そんな時に重宝するのが、ロウソク足確定までの残り時間を表示してくれるインジケーターです。

⑦も⑧も、そんなタイマー系のインジになります。

残り時間を表示しくれるタイマー系インジには色々なものがあります。

チャート画面の右上端や左上端に表示してくれるものや、⑧の様に最新のロウソク足の傍に表示されるものもあります。

個人的には、最新のロウソク足の傍で表示される方が、視点の移動が少なくて重宝します。

ただし、タイマー系のインジには、正確に時を刻むものと刻まないものがあることに注意してください。

中にはティックに連動する様な形で時を刻むインジがあり、相場が閑散としていると時計表示が数秒間止まったままになったりするんですね。

相場が閑散としている時のトレードを避けたい人は、ティックチャートを見ずとも、その様なタイマーの挙動を見て避けるという応用的使い方ができます。しかし、残り時間を正確に知りたい人は、正確に時を刻む系統のタイマーを選ぶ必要があります。

で、ちょっと面白いタイマーを見つけたので今使ってみてるのが、⑦の「ShowTimeLeft」です。

時が経つにつれて、緑色のバーが画面の左側から右に向かって長くなっていき、残り10秒になるとバーの色が赤くなって知らせてくれます。バー表示なので、チャート画面のどの部分を見ていても自然と目に入ってくるので、結構便利です。バー表示はチャート上部に設定することも可能です。

またこのインジは、アラートを鳴らす機能もあるので、僕のように「ながらトレード」をする人にも、結構重宝すると思います。

⑨RSI

オシレーターの古典かつ雄とも言えるのが、このRSIです。

主に相場状況の判断に使います。

レンジの時は主として40~60の範囲で推移しやすく、ボリンジャーバンドと合わせてレンジの確認を行います。またエントリーやエグジットの判断にも使います。

強い波動が出ると70や30(高値低値圏)まで達するので、逆張りから順張りへの切り替えの判断や、利確の判断にも使えます。

もちろんレンジであっても、高値低値圏に達した場合はボリンジャー20SMAの2σと合わせてエントリーやエグジットの判断にも使えます。

正直RSIは奥が深く、ラインを引いてライントレードのような扱いも出来るので、僕としては最も重宝しているオシレーターなんですが、逆に言うと習得が難しいオシレーターとも言えます。

⑩ストキャスティクス

これもオシレーターとしては代表格ですね。主に過熱感の判断と反転確認に使います。

2本の線のクロスによって判断するので、1本線のオシレーターよりも扱いやすいと言えます。

が、他のインジ同様、「知ったから使える」という代物ではありません。使いこなすには検証と練習が必要です。あくまで、検証と練習を重ねた前提で「扱いやすい」というだけの話です。

ストキャスにはスローとファストの2種類があり、スローは騙しが少ないが反応が遅く、ファストは反応が速い代わりに騙しが多いのが特徴です。

個人的な意見を言わせてもらうと、例えば反転確認する際にしても、別にストキャス単体だけで判断するわけではないので、ストキャス自体に騙しが多くとも、基本的に騙されることは少ないです。

なので、僕は反応の早い方のファストを好んで使います。

まぁ、この辺はやっぱり「そのインジ及びインジの組み合わせをどの程度使いこなせるか」にかかっているわけで、オシレーターそのものよりも、トレーダー個人の力量の差が如実に出るのかと思います。

なので、スローを使うというのはむしろ、「他のインジと連動して判断できる裁量の腕がない」と思った方が良いかと。

ちなみにこのストキャスは、MT4のデフォルトで入っているインジで、ファストとスローを直接切り替える仕組みにはなっていません。なので僕は、パラメーターを9-3-3で使ってます。

オシレーターに関しては、RSIもストキャスも「オシレーター概要」で触れているので、参考にしてください。

以上、僕が今弄っているインジ達についての解説でした。

しかし、本当に奇妙なのはここから先

トレード界隈の劣悪さ

まぁ、先にも言いましたが、僕が今回このインジの組み合わせを紹介したのは別に、

「この手法を知れば、サルでも勝てます!」

ということが言いたいのではなく、むしろその逆だからです。

「手法とかいうのを知ったところで、勝てねーんだよ」

ってことを改めて伝えたかったわけです。

でもね、

むしろそれ以上に、インジに取り組む際の姿勢や考え方の大切さを改めて感じ取ってほしかったというのが本音です。

「これを知れば勝てます」とか「ここに入会すれば上達します」みたいな美味しい言葉を並べて、実は詐欺まがいだったなんてのは、このトレード界隈では日常茶飯事ですが、

実はもっと闇は深いわけで。

有名な出版社から書籍になっているものや、公認されている証券会社Webサイトのテクニカル紹介記事などにも普通に紹介されている類の「トレード界の常識」ですら、

実は現実とは全く違っている

ってことが、ザラにあるんですよ。紹介している本人たちが、実はそれが嘘や間違いだとすら気づいていないということが、ザラにね。

例えばその一端は、僕が「これがBOZ流!RCIの本当の使い方」シリーズで、世間一般的に知られているRCIの使い方はほぼ間違いだということをお話ししていることで、お分かりだと思います。

これ見よがしにテクニカルを解説している人が、実はそのテクニカル自体を大して分かっちゃいない、ってことが驚くほど多いんですよ。

何を信じて何を信じちゃいけないのかすら区別が難しい・・・

それがこのトレード界隈の現実です。

そのためにも今一度、トレードに対する気を引き締めてもらえたらなと思います。

しかし、もっと奇妙なのは・・・

ただここで、本来この記事を書き始めたのは、もっと別の目的があったからだということを、お伝えしなくちゃいけません。

ここまでこの記事を読んでいただければお分かりの様に、僕は結構なインジ・マニアです。インジを弄り倒すのが好きで、定期的に色々なインジを組み合わせてみたりして、遊んでいます。

 

そう、遊んでるんです。

 

新たに思うことがあると、いくつかのインジを組み合わせ、

「あーでもねぇ、こーでもねぇ」

とインジを外して新たなインジを加え、手持ちに満足するインジがなければ、新しくインジを探してみたりします。

そして、一通り止まっている過去チャートで検証した後は、リアルに動くチャートで検証や練習を繰り返します。

それ相当の労力と時間を費やしているわけなんですよ。

しかし、ある程度満足のできる代物へと仕立て上げた後は・・・

 

実際のトレードでは、使わない。

 

ハァ?使えるようになったのに使わないの?」

 

はい、そうです。

 

「バカなの?ねぇ、ほんとバカなの?」

 

そうかもしれません。でも、実際のトレードでは使わないんです。

 

「どうして?頭おかしいから?」

 

そうかもしれません。

でも、きっとただ遊んでるだけなんですよ、僕にとっては。インジ弄りが楽しいから。ただそれだけなんです。

僕とインジの奇妙な関係

ご存じの通り、僕は相場歴が25年を超えていますが、そのうちの前半10年以上は負け続けの日々でした。

でね、僕は今でもあの時のことを思い出すんですよ。

チャートを見ていても、実は何も見えてなかったあの当時の自分を。

 

今でこそ、インジを扱う腕も上達し、色んなインジを使ってみても、そこそこ勝てるほどに成長はしました。

勝てないトレーダーが使っているそのインジの組み合わせを使っても、恐らく僕は勝てるんじゃないかと思います。

それくらい僕は、インジ熱が発症するたびに、インジ達を弄り倒すことに熱中してしまいます。

でも、ある程度それが日の目を見る形に成長した辺りで、僕はいつも、まるで憑き物が落ちたかのように、ふと我に返るんですよ。

チャートに張り巡らされたインジ達を目の前にして、気が付くんです。

 

僕はそのチャートから、再び何も見えなくなっていることに。

 

インジを貼りめぐらせて勝てる様になっても、それは僕にとってインジを貼りめぐらせて勝てなかった頃と何も変わっちゃいないことに、ふと気が付くんです。

そして、愕然とする自分がいます。

(続く)

 

クラスターを利用したトレード

さて、今回は前回「とある日のトレード解説(1)」の続きです。

が、

タイトルが、全然違ってますね。

う~んと、実質的には前回の話の続きなんですが、ちょっとテーマを変えてお話するつもりなんです。

というのも、実は前回、記事を書いている途中で大きく割愛した解説がいくつかあったんですが、その中でも

「これに関しては、1つのテーマにして記事にしておきたいな」

ということろがあったんですね。

それが、「クラスター」です。

なので今回の記事は、結果的には前回の記事の続きにつながっていくんですが、タイトルは続編ではなく、テーマに沿ったものに変更することにしました。

それじゃあ、早速ですが、始まり始まり~!

クラスターについて

クラスターとは

このブログにおいて「クラスター」についてお話したのは、ほんの2、3回程度じゃないかな?しかも、別のテーマの中で軽く触れた程度のことだったと思います。

この「クラスター」という言葉の意味そのものは、皮肉にもコロナ過で多くを耳にしたと思うので、分かっている人も多いと思いますが、単純に

「塊」「房」

と表すことが出来る様に、密集した状態のことを言います。

で、トレードにおける「クラスター」とは、一定の価格帯で売買が繰り返されることによって起こるもののことで、端的に言ってしまえば、

「ロウソク足が一定の価格帯で密集して塊の様になったもの」

であると理解してもらってOKです。

で、チャート上では至るところで、このクラスターが発生しています。

クラスターの解釈は、見方によって色々とできます。

例えば、上図の青丸の部分を見てください。青丸の中に、3つの赤丸で囲ったクラスターがあると思いますが、この3つを個別のクラスターと捉えることもできますし、この小さな赤丸のクラスターがさらにクラスター(塊に)なったものが青丸のクラスターと考えることもできるますね。

とりあえずここでは、ロウソク足が密集して塊のようになったものを「クラスター」と呼ぶと覚えておいてください。

ボブ・ボルマンによるビルドアップ

このクラスターを利用したトレードで有名なのが、ボブ・ボルマン氏です。

彼は、クラスターが積みあがってく様子を「ビルドアップ」とし、それを用いてトレードする方法を、彼の著書「5分足スキャルピング」にて、具体的に解説しています。

とても実践的な方法なんですが、これについてお話していくと、膨大な量になってしまいます。

これに関しては以前、「エントリーポイントの狙い方(3)」の最後の章「4.ビルドアップ」にて軽くお話していますので、詳しくはこちらを参照してください。

また、さらに興味があるようであれば、彼の書籍に目を通してもらえたらと思います。

マーケットプロファイルについて

実は、このクラスターとは全く別のアプローチから入ったにもかかわらず、結局その意味はクラスターと同じ、というテクニカルがあります。

それが「マーケットプロファイル」です。

マーケットプロファイルとは、1981年にピーター・スタイドルマイヤー氏が考案したマーケット分析手法の一つです。30分ごとに市場価格を記録していくことで、どの価格帯ではどの程度価格が滞在しているかを分析するものなんですが・・・

まぁ一般的に言えば、マーケットプロファイルとは、

売買が行われるごとにその価格にポイント加算していき、それぞれの価格帯での売買した量の多さを視覚的に分かるようグラフ化したもの

と思ってもらって大丈夫かと。(割と語弊は生じるかもですが)

で、実際にマーケットプロファイルを表示したチャート例が、以下のものです。

上図チャートは30分足で、1日ごとのマーケットプロファイルを表示したものです。

オレンジ色のグラフが縦になったものが、マーケットプロファイルで、売買量が多ければ多いほど、このグラフの山が高くなっていきます。

マーケットプロファイルは、様々な時間軸で様々な期間を用いて表示し分析することが可能です。

先の図は、30分足を使って1日ごとのマーケットプロファイルを表示しましたが、例えば1時間足を使って1週間のマーケットプロファイルを見ると、以下の様になります。

4時間足を使って1ヶ月のマーケットプロファイルを表示したものが、以下の図です。

色々な時間軸、色々な期間の売買ボリュームを分析してみるというのも、分析力を鍛えるためには一考かもしれませんね。

(ちなみに、ここで使っているマーケットプロファイルのインジケーターは、「Sessions EX」というものです)

ところで、マーケットプロファイルには注意点が1つあります。

それは、マーケットプロファイルで表示される売買ボリュームは、売買の回数であって、決して売買された金額量ではないということです。

100万円であろうが1兆円であろうが、1度の売買で1ポイントです。例えば、同価格帯で100万円の売買が5回繰り返されるのと1億円の売買が1度だけの場合だと、マーケットプロファイル上では、100万円5回繰り返された方がグラフのボリュームは大きくなるということです。

株式市場における「出来高」とは、意味合いが違っているので、この点に注意してくださいね。

マーケットプロファイル不要論

さて、このマーケットプロファイル、腰を落ち着かせて週末なんかに色々と分析しながら考えを巡らすのも、結構楽しいものです。

しかし、極めて僕個人の見解を言わせてもらうと、

「慣れてしまったら、マーケットプロファイルはいらねーな」

って思うんですよ。

ちょっと、これ見てください。

マーケットプロファイルで、ボリュームの大きいところ、つまりグラフで山となっている部分って、クラスターのある部分と重なってるのが分かりませんか?

このチャート図で、クラスターの部分を青丸で囲ってみると、以下の様な感じになります。

クラスターの長さや数の多い価格帯で、マーケットプロファイルのグラフの山が大きくなっているのが、分かると思います。

要するに、アプローチの仕方は違っていても、両者とも意味するところは同じ。

なので、クラスターを見つけることに慣れてしまえば、わざわざマーケットプロファイルを表示しなくとも、売買ボリューム(回数)の多い価格帯は一目瞭然ということになるわけです。

このことからも分かる通り、

  • クラスターの発生した価格帯=売買ボリューム(回数)の多い価格帯
  • クラスターの長さや数が増えれば増えるほど、売買ボリュームも増える

ということを、頭の中にシッカリと叩き込んでおいてください。

レンジについて

さて、実はクラスターについては、まだまだ理解してほしいことがあります。

まずは、下の4時間足チャートをご覧ください。

赤い丸で囲ったのが小さな(短い)クラスターで、青い四角で囲ったのが、大きな(長い)クラスターです。

で、このクラスターを、別の言葉で言い換えてしまえば、

「揉み合い」「保ち合い」

ってことになりますよね。長いクラスターは長い期間の揉み合いで、小さな(短い)クラスターは短い期間の揉み合いなんですね。

であれば、このクラスターを更に下の時間軸で見ると、どうなるでしょう?

そう、「レンジ」です。レンジになるんですよ。(もちろん、このレンジには「フォーメーション」も含まれます)

では、先の4時間足の一番右側の四角で囲ったクラスターを、15分足で覗いてみましょうか。すると、こんな感じ。

ほら、見ての通り「レンジ」でしかありませんよね。

この様に、クラスターというのは、下の時間軸で見たらレンジでしかないんですよ。

で、このレンジの中にもクラスターが存在します。

「相場はフラクタル構造」というのは、ただ推進派などの波の話に留まっているわけじゃありません。

レンジやクラスターも、フラクタル構造なんですよ。

クラスターの性質とは

さて、以上のことから、

  • クラスターはより小さな時間軸で見るとレンジ
  • レンジはより大きな時間軸で見るとクラスター

ということが、理解できたと思います。

「クラスター=レンジ」ね。

であれば、クラスターというものは、レンジと同じ性質を持つことになるわけです。

では、レンジの性質とは一体でどのようなものだったでしょうか?

レンジの上限下限は、レジサポになるのがその特徴です。ということは、

  • レンジの中にある価格は、レンジの中をウロウロする
  • レンジを抜けると、抜けた方に価格は走る
  • レンジの期間が長くなればなるほど、レンジ上限下限のレジサポ機能は強くなる

ということですよね。

で、これはクラスターの性質としても、同様です。だって、「クラスター=レンジ」なんですから。

ということで、クラスターの上限下限にもレジサポが機能するわけですから、

  • クラスターの中にある価格は、クラスターの中をウロウロする
  • クラスターを抜けると、抜けた方に価格は走る
  • クラスターの期間が長くなればなるほど、クラスター上限下限のレジサポ機能は強くなる

となるわけです。

これらのことについても、しっかりと頭の中に叩き込んでおいてください。

クラスターでトレードするということ

さて、ここまでお話したことをまとめると、以下のようになります。

  • クラスターとは、レンジをより大きな時間軸でみたもの(レンジ=クラスター)
  • クラスターは、フラクタル構造
  • クラスターの長さや数は、その価格帯の売買ボリューム(回数)の大きさに比例する
  • クラスターの期間が長くなればなるほど、クラスターのレジサポ機能も大きくなる
  • クラスターの中に入った価格は、クラスターの中をウロウロしやすい
  • クラスターを抜けた価格は、抜けた方向に走りやすい

で、この性質を知っていると知らないとでは大違い。

このクラスターの性質を、トレードに応用することが可能になります。

ちょっと、例を挙げてみますか。

これは、先ほどの15分足とチャートですが、レンジ内のクラスターをパッと見でザックリと赤い四角で囲ってみたものです。

クラスター内部をウロウロした価格は、そこを抜けると次のステージへと向かいます。

レンジ内での値動きなので、クラスターを抜けると直ぐに別のクラスターを形成することが多くなります。

値動きが強い場合は、クラスターを抜けると価格が走ります。トレンドが発生している場合は、そんな感じになりやくなります。また、レンジの中にあっても、長いクラスターを抜けたり、ボラの高まる時間帯では、クラスター抜けの後は価格が走るのが、上図を見れば分かると思います。

また、過去に発生したクラスターは、その後にも影響力を行使し(以前のクラスターのレジサポが機能し出し)、同じ価格帯に新たなクラスターを発生させていったりします。

つまり価格は、過去のクラスターに影響を受けるんですね。

であれば、クラスターを下抜けたとしても、過去にそのすぐ下の価格帯でクラスターを形成していたのであれば、それに影響を受けて、一旦止められたり、再びクラスターを形成したりすることになります。

こういったゾーンの性質を知っていれば、十分トレードに応用していくことは可能になります。

このクラスターを抜けると次のクラスターに移動したりする値動きの仕組みに関しては、随分と前に他の記事で解説していますので、以下の記事でも参考にしてみてください。(当時は、クラスターと呼ばずに、全て「ゾーン」として呼んだりしていました。懐かしい~!)

前回の解説の続きをしていこうか

前回の嘘

さて、クラスターに関する概要は以上になります。

しかし、僕はこの記事の冒頭で、今回の記事の内容は前回の続きだと言っていました。前回解説しようとしたけど割愛した、って。

では、それは一体どの部分だったんでしょうか?

実は前回の記事の中で、僕は1つだけ噓をついていたところがあります。

それは、前回のトレード解説において、最初にトレードした際のチキン利食いの件(くだり)です。以下の部分が、それです。

青色の下線部は、本当にエグジットしたポイントです。

が、嘘をついているのは、それについて強がって見せている赤色の下線部分のところです。

実は僕、200SMAに到達したという根拠だけでチキン利食いしたわけじゃないんです。

きちんとした根拠が、他にもあったんですよ。

それが、クラスター。

( ̄∇+ ̄)vキラーン

で、それについての解説を前回書き出したんですが、それだけで結構な長文になり過ぎたので、泣く泣く割愛したんです。

しかし、青色の下線部分の説明だけだと収まりが悪いので、チキン利食いしたのを強がって見せてる文章を加えることで、この話を終わらせたわけなんですよ。

ということで、ここからはこの時のトレードにどうクラスターを活用していたのかを解説していこうと思います。

クラスターを見ていこう

では、前回お話していた際の5分足チャートをもう1度見てみましょうか。

僕は緑丸aのところで買ったんでしたね。

で、理想的かつ現実的な利確ポイントは、緑丸bのポイントだと解説しつつ、実際の僕が利確したのはそれより手前、200SMAを2回試したポイントだったというお話でした。

では、このチャートのクラスターに注目して見ていこうと思います。クラスターに着目した際の画像が、以下になります。

クラスターをザックリと囲ってみたのが、オレンジ色のA、B、Cです。これらのクラスターが、その後の相場の動きに影響を与えていること、見て分かるでしょうか?

では、解説していきましょう。

まず、オレンジ色Cのクラスターに着目してください。青色の四角い小さなクラスタが密集して、さらに大きなクラスターCを形成しているのが分かると思います。

で、緑色aのポイントで僕がエントリーした直後、クラスターCの価格帯に価格は突入するわけです。

となると、クラスターの性質上、まずはクラスターCの価格帯の中で揉み合う可能性があるわけです。

で、実際にこのクラスターCの高値まで、価格は一気に進みますが、このクラスターの高値付近まで到達すると、一旦ここで止められてしまいます。

そして、ここがちょうど200SMAのところになったわけで。

つまりこのポイントは、クラスターのレジスタンス(上値抵抗線)付近に到達したという根拠と、200SMAに到達したという、2つの根拠が揃ったことになります。

そして案の定、価格はまずこのポイントで一度止められます。そして次の足で再度上値を試しますが、やっぱり止められてしまって陰線をつけて終わるわけです。

「上値抜けられないかも・・・」

この時点では、その可能性がでてきますよね。

ただ、この陰線の下値は、クラスターCの中にある上部2つの小さなクラスター内で収まってます。

つまり、次の足からは、このエリアを上抜けるか下抜けるかの揉み合い(小さなクラスター)ができる可能性があるわけで。

では、ここで様子を見るべきか?

これについては、各トレーダーの判断によるところが大きいと思いますので、どれが正しいかとはないんじゃないかと思います。

ただ、僕の場合、

  • 週足はレンジなので値動きは不安定
  • 日足は下降トレンドと言い切るにはやや「?」がつく感じ
  • 4時間足と1時間足は下降トレンドだが、ここ2日間は買い勢力が強まっていてレンジ状態
  • 5分足はレンジ

という感じで、方向性がそれぞれの時間軸によってバラバラな印象です。

であれば、売り買いが交錯しやすいのが今の環境ですから、

「あんまり長く持っていたくはない。できるだけ早く逃げよう」

というのが、今回のトレード方針の根底にあります。

なので、揉み合うならサクッと利食って逃げるのが、常套手段。利幅を減らすリスク回避になり、精神衛生上にも最適な選択です。RR比だって1:3あるわけですしね。

ということで、僕は下図の赤丸で示したポイントで、早々に利確したわけなんです。

で、僕がエグジットした後ですが、結果的には対して揉み合うことなく、さらに値を伸ばしていきます。

ただし、ここで

「あ~、やっぱり持っておけば良かった~!ちくしょ~!!」

と嘆き悲しむのは、お門違いもいいとこです。

だって、もし仮にここで利確せずに持っていて、その後一気にダダ下がりしたとしたら、どうするんですか?

「あ~、やっぱりエグジットしておけば良かった~!ちくしょ~!!」

とか嘆き悲しむんでしょ?

どちらの方向に向かうにしろ、結果的に自分の思惑通りにいけばドヤ顔して、思惑が外れたら運の悪さを嘆き悲しむって・・・

 

それって一体どんなテクニカルを使うと、そういう発想になるんですか?

テクカルを表示しておいて、テクニカルとは関係ないところで、あーだこーだ言ってますよね?

 

ひょっして、バカなんですか?

ねぇ、バカなの?

 

あ・・・またしても、心の声が漏れてしまいました。

ですが、本当のことです。先のことは誰にも分からないわけですし、根拠あるエグジットが出来たなら、むしろ自分で自分を褒めてあげた方が良いんですよ。

僕みたいに10年もの長い間、そんなどうでも良いところで嘆き悲しむ必要なんて、全くありません。

さて、その次の解説へと移りましょう。

僕が利確した後も、さらに値を伸ばしていくわけですが、結果的に赤丸2、3、4と3回ほど上昇を止められています。

これ、チャートの左側(過去)を見てもらえば分かる通り、オレンジ色のクラスターAとBの価格帯上値で止められてます。

クラスターAが発生した影響で、同じ価格帯にクラスターBは発生し、今度は赤丸2~4を高値とするクラスターを再度発生させています。

で、このクラスターの価格帯を下抜けると、一気に価格は下へと走り出すわけです。

僕は前回お話した通り、2回目のトレードはよりスキャルピング狙いで、緑丸cのポイントよりも早いタイミングで売りエントリーしています。

で、利確したのは、緑丸cから3本目の陰線の終値のところです。

僕が早々に利食ったのは、もちろんオレンジ色クラスターCの価格帯に突入したからです。

このクラスターCの中には、小さなクラスターが散在していますから、どの辺りから揉み合うのかは、ちょっと見当がつかない。

前回お話した通り、RR比が悪くなる可能性の高いトレードですから、僕はよりスキャル寄りの方針でのエントリーです。

だから、利を必要以上に伸ばす必要もないし、悩む必要もありません。

揉み合う前に逃げるべし!

相場格言にもあるじゃないですか。「頭と尻尾はくれてやれ」ってね。

で、利確後もやや下落を続けますが、直ぐにレンジを形成します。

レンジの範囲を緑色の四角で囲ってありますが、その範囲はやっぱりクラスターCの価格帯です。オーバーシュートした高値(赤丸5)と低値(赤丸6)は、クラスターCの高値と低値に見事一致しています。

だからね、

チャートはチャートの右側つまり最新のロウソク足をガン見するんじゃなく、チャートの左側に注目するんですよ。

僕らが大切にしなくちゃいけないのは、目先の値動きじゃなくて、過去にどの様に価格が動いてきたのかを知ることです。僕らトレーダーの道標は、価格が今までに歩んできたその道程です。

では、次のトレード解説へといきましょう。

前回、赤丸7のブレイクポイントは見送って正解、というお話をしました。テクニカル上、レンジを完全にブレイクしたという証がとれないのであれば、見送るのがテクニカル・トレーダーとしての正解です。

もちろん、根拠が確認できるのであれば、エントリーしてOKですが、それが出来ないのに飛び乗ってしまうのは、間違いです。仮に飛び乗って利益が出たとしても、それは間違った勝ち方なんですよ。

むしろ、飛び乗って利益を出してしまう方が、悪い成功体験になってしまい、常に欲望でトレードしてしまう癖がついてしまいます。正しい勝ち方ではないんですよ。

じゃあ、どのポイントでエントリーすれば良かったのでしょうか?

僕が再度チャートを覗いたのは赤丸7よりも10分ほど前でしたので、これは僕の実例ではなく、僕だったらどうしたか?の話になってしまうんですが・・・

僕なら恐らく、緑丸dのポイントで買いエントリーしてます。で、それ以外のところでは手を出してなかったと思います。

なぜか、分かりますかね?

緑色の四角で囲った通り、この局面はレンジです。小さなレンジ。

だから、ここではレンジ内取引での方針になります。

で、赤丸6でオーバーシュートした後、再びレンジ内に戻ってきたポイント(緑丸d)は、絶好の買いポイントになるわけです。

後は早々に逃げるのか?それともレンジ上限に到達するのを待って、ブレイクするか反転するかを見極めて逃げるべきか保有すべきか?を判断するかのどちらかです。

で、この日の僕は、「即逃げ」が基本方針でしたが、ひょっとすると緑丸dでエントリーしていたら、ちょっとレンジ上値まで持っていたかもしれません。

理由としては、

  • オーバーシュートした後は、値が大きく動きやすい
  • まもなく日本時間で20時を迎える時間で、20時台は値が大きく動くことが多い
  • 既に2回買っており、この回は薄利で終わってもOKということで、値を伸ばすチャンスを狙いに行きやすい心理的環境

って感じですかね。実際はトレードしてないので、あくまで僕の妄想の範囲は越えていませんが。

で、もしそのままレンジ上限際まで持っていたなら、ブレイクするかどうかを見定め、青ラインに到達した緑丸eの辺りで利確ですかね。繰り返し言いますが、もちろんこれも僕の妄想です。

正しい負け方

さて、ではその後の展開です。赤丸8に注目してください。大きくオーバーシュートしてますね。

ここ、振り回された人、多いんじゃないかなぁ?

このポイント良く見ると、価格が青ラインを抜けた後、一旦価格が青ラインまで戻ってきてます。で、そこで止められて再度上に跳ね返されてますよね。

ここ、多分リアルタイムでチャート見ていたとしたら・・・・

最初のブレイクで乗らずに慎重に見てた人の中には、

「おっ!ロールリバーサルじゃん!エントリー!!」

なんて具合に買いエントリーしてやられた人もいるんじゃないかと。

で、もし仮にこの局面をロールリバーサルと判断して買いエントリーし、しかし結果オーバーシュートとなって、レンジ内に戻ってきたところで、きちんと損切できたとしたなら、それはそれで、

トレードとしては正しい負け

だと思いますよ。(もちろん、ロールリバーサルをどう判断するか?っていうスキルによって変わってきますが)

テクニカルとして、(今現在の実力のもとで)正しく判断して、正しく損切りできたのであれば、それは正しい負けなんです。

次の利益につながる、大切な大切な負け方です。

利益ベースでは負けであっても、これもやっぱり自分で自分を褒めてあげて良いケースのはずです。

リスク管理は、きちんと出来ているのか?

さて、赤丸8でオーバーシュートした後は、再びレンジ内に戻ってきています。

各自がどんなテクニカルを用いているかにもよりますが、ここで売りエントリーするのであれば、遅くとも緑丸fの辺りではエントリーしておかなくちゃいけません。

なぜなら、この局面では注意が必要だからです。

欧州と米国の市場が重なってくる時間帯なので、値動きが活発になっているのは、見ての通りですが・・・

先ほどの赤丸8でのオーバーシュートの値幅が、結構デカい。

仮に緑fで売りエントリーしたとしても、STOPの位置は赤丸8の高値よりも少し上に置くことになります。

であれば、損失する可能性幅(リスク幅)も、結構デカくなるわけで。

200SMAを越えたところまで引っ張っても、RR比はせいぜい1:1。損失可能幅に対する利益獲得可能幅は、決して良いとは言えないんですね。

端的に言ってしまえば、このままではリスクが高い、ってわけ。

じゃあ、こういった場合はどうするか?

答えは2つです。

  • エントリーを見送るか
  • 建玉を減らしてエントリーするか

のどちらかです。そして、上のどちらかを選択するなら、どちらをとっても正解です。

少ない証拠金をハイレバでやってる人なら、見送った方が良いかもしれませんね。

しかし、ある程度証拠金に余裕がある人なら、普段の枚数よりも建玉を減らすことで、損失した際のリスクを減らすことが可能です。

もちろん得る利益も減りますよ。

でも、それを嫌がるのは、爆益ばかりを夢見る勝てないトレーダーの典型的反応です。

 

うゎ、ダッさ!

マジ、ダサすぎ!

щ( ̄∀ ̄)ш ヶヶヶ

 

僕らトレーダーは、リスク・テイカーでなければいけません。

リスク・テイカーというのは、積極的にリスクを獲りに行く人のことを言いますが、しかしそれはリスクを顧みない人のことを言うわけじゃありません。

きちんとリスク管理をし、自分がとれるリスク範囲をきちんと把握したうえで、果敢に攻めるトレーダーのことを、リスク・テイカーと言います。

リスク・テイカーである登山家は、きとんとリスクを管理して登山をします。しかし、大した準備も訓練もなく、Tシャツ短パンにサンダルで高い山に登ろうとするのは、リスク・テイカーでもなければ冒険家でもありません。

単なる素人。いや、己が無知で無能であることも心得ず、楽して夢を手に入れようとする哀れな笑われ者でしかありません。

 

それで、良いんですか?

本当に、それで良いんですかね、アナタの人生。

 

何度も言っていますが、トレードというのは決して大袈裟ではなく、僕たちトレーダー1人ひとりの生き様なんですよ。

アナタのエントリーの仕方、エグジットの仕方、そしてトレードに対する取り組み方は、アナタの生き方そのものなんです。

欲にまみれたトレードしかできないのは、欲に目のくらんだ人生を送っているからです。

自分の人生の不甲斐なさを取り返すためにトレードを始めたとしても、そのトレードの内容は、その不甲斐ない人生の生き写しでしかありません。

本気でトレードで勝ちたいのであれば、本気でトレーダーとして一人前になりたいのであれば、ここらで一度立ち止まって、自分自身の生き方を振り返ってみるのも良いのかもしれません。

四半世紀・・・25年という長い歳月を、この相場という世界で生きてきて、しかしその前半の10年は負け続けた僕から言えるのは、結局のことろ、そんなことくらいなのかもしれません。

 

話が長くなりました。

それじゃあ、また。