チャート・デザインのすすめ(1)

拝啓、汚部屋の中から

チグハグな部屋の中で

どんなテクニカルを使ってトレードするか、そしてそのテクニカルの種類や数は、人それぞれです。

チャートに何種類ものインジを張り巡らす人もいれば、ローソク足だけの素のチャートだけでトレードする人もいます。

もちろん、トレードに正解はありませんから、各自がやりたいようにやれば、それはそれで良いんだと思います。

ただ、何でもかんでもテクニカルを用いれば良いというわけではありません。各自が各自の課題や目的を持って、必要なテクニカル、使いこなせるテクニカルを用いてトレードに臨むことが大切です。

が、

実際のところ、それが自分にとって本当に必要なのかも気づかない状態で、テクニカルを表示してる人って、結構多いんじゃないでしょうか?

「このテクニカルが効きそうだ」
「あの手法はこのテクニカルを使ってる」

という感じで、インジケーターを表示している人って、多いと思うんですよね。

それって部屋のインテリアに例えてみると、カタログを広げて、

「これが欲しいし、あれも欲しい」

というのと変わらないんじゃないかと。

でも、そんな感じでバラバラに個別判断したインテリアを揃えても、部屋の中はチグハグになるだけです。

狭い和室に北欧調の家具を置いて、壁にはバスキアの絵。部屋中にバラの花を無数に飾って、畳の上に正座をしながらエスプレッソと芋ようかん。

何がしたいのか分からないどころか、全く落ち着きません。

でも、そんなトレードしてる人って、結構多いんじゃないかなぁ?

先日もTwitterで、トレンド系のインジをいくつか張り巡らしておいて、結局は上昇トレンド中に逆張りで売りをかましている人を見ました。

お茶っ葉と急須を用意して、オレンジジュースを作ろうとしたところで、出来るはずがないんですけどねぇ。

トレードの場合は、なぜかそんな人ばっかりになってしまいます。

しかし、どんなに頑張ってインジを重ね合わせてみたところで、本来の目的や必要性からズレたところやっていたら、結局はチグハグなトレードしか出来ないんですよ。

張り巡らしたインジのシグナルたちばかりに目を囚われ、実はチャートそのものは見ていないし、見ても最新のロウソク足の目先の動きばっかり。

で、そんな目先のロウソク足がバイ~ンって大きく動くと、欲望のまま飛び乗ってしまったり逆張りを狙ってみるわけですよ。

でもそれって、

結局インジも必要ねーじゃんw

という、ツッコミどころ満載のネタでしかないわけで。

だから、気づかなくちゃいけない。

本当に大切なのは、

自分はチャートから何を見ようとしているのか?
自分はチャートから何を知ろうとしているのか?

という視点です。この根本的な問いかけが、多くのトレーダーには必要なんだと思うんですよねぇ。

昔の汚部屋にお邪魔します

ここからは、ちょっと僕の昔のお話を織り交ぜながらお話しようと思います。

今の僕からは考えられないことですが、実は負けてばかりの当時の僕のチャートって、こんな感じでした。

いやぁ・・・下手するともう少しインジ多かったかも。

しかし、自分のこととはいえ、改めて当時を振り返っててみると、一体チャートから何を見ようとしていたのか、全く分からない状態です。

きっとこの頃って、

「このポイントでエントリーすれば良いんじゃね?」

って教えてくれるシグナル、つまりトリガーを自動的に教えてくれる便利な道具がないかばかりを探してたんですよ。

そして、自分自身にとって本当は何が大切なのかも分からないまま、何となく良さげなものを見つけては、あれもこれもと情報を足していくわけです。

言ってしまえば、闇雲に欲しいだけのモノを買い揃え、何が必要かもわからなぬまま、捨てられないモノばかりに囲まれて暮らしている汚部屋状態。

で、検証した気になっただけで、「これは効かない、あれも効かない」とインジを外しては、また違うインジを足していくわけで。

この頃の僕は、チャートにいくつインジを表示したところで、実はチャートなんて何も見ていなかったんですよね。

汚部屋から抜け出そう

まずは素のチャートを見つめてみる

そんな時代の僕ですから、当然のことながら、

何をやっても勝てない。
買えば下がるし、売れば上がる。
損切りして入り直せば往復ビンタ。
損切りしなければ含み損は膨れるばかり。

ゴチャゴチャになったチャートを前にしながら、ゴチャゴチャになった頭を抱える日々を続けてたんですが・・・

ある日、ふと

「自分は一体、何を見ようとしているんだろう?実は何も見ちゃいないんじゃないか?本当に大切なものって何だろう?」

って思ったんですね。

ひょっとしたら僕は、その時の自分自身にもう、ウンザリしたんだと思います。そして、

汚部屋から抜け出すために、ゴミかゴミじゃないかも分からないけど、とにかく捨てられる物は捨て、まずは生活するために必要最低限の物だけを残そう。

そんなつもりで、チャートからインジを外していきました。

そうすると、やっぱりこんな感じにあるわけで。

ロウソク足だけの素のチャートです。

で、まずはここから

一体何が分かるんだろう?
何が見えてくるんだろう?
自分は何を知りたいんだろう?

という視点で、ずっとチャートを眺め続けてみたんです。

すると、どうでしょう。まるで暗闇から一筋の光が見えるかの様に・・・

 

いや、なんも分かんねぇ!

ノ( ̄0 ̄;)\オー!!ノー!!!!

 

そう都合良くはいかないんですね。どっからどう見ても、何も分からないわけで。

ということで、ここで僕は初めて

問題意識

を自分で持つことになるんです。

問題意識を持ってインジを見直す

いざ素のロウソク足チャートを目の前にしても、一体何のどこをどう見てどう判断してよいか分からないわけです。

「ここはどこ?私は誰?」

という状態になってしまいました。

そこで、改めて僕自身が

「一体僕がこのチャートから知りたいのは何?」

という、根本的な問題意識を持って己とチャートを見つめ直すわけです。そして、

このチャートから相場の状況を理解するためには、一体何が必要なんだろう?

という疑問を解決するために、「知っていると思っているだけ」だったテクニカルの教科書を、もう1度開いて見ることにしたんです。

で、そこで何を選択するのかは、人それぞれになると思います。

ただ、当時の僕の場合は、それが「ライン」でした。

見えないものを見るために

なぜラインを選んだのかは、今となってはハッキリと思い出せないんですが・・・

そう言えば、当時の僕は、それまでほとんどラインを引いてみたことがなかったんですよ。

僕がトレードを始めた当初というのは、テクニカルに対する情報はあまりなかったんですね。そのせいか、計算式によって表示されるインジケーターは高度に見えて魅力的だったんですが、単にチャートに線を引くというのは極めて原始的でレベルが低い様に思い込んでたんです。

しかし、この素のチャートを理解するために、まずは初歩の初歩から入ってみよう、という思いもあって、ラインを引いて見ることにしたんだと思います。

まずは、トレンドライン。

でも、いざ引いて見ると、教科書が言ってる様には上手く引けないわけで。色んな風にトレンドラインは引けるし、どのラインが正しいのかも分からない。

じゃあ、水平線は?

見よう見まねに引いて見ても、教科書の様にピッタリと引ける線が引けません。

また、値動きを上手く捉えようとすればするほど、ラインが無数に増えていって、チャートが線で真っ黒になっていくわけで・・・

ここで僕は、初めて「現実」に直面するわけです。

教科書に載っているのは、「お手本」。そしてそれは良くできた「例題」でしかないんです。

そのお手本と例題をもとにして、僕は今目の前にある「問題」を解いてかなくちゃいけないわけで。

スポーツは、基本を教わったら、それをもとに実際にそれが使える様に、問題意識を持ちながら何度も何度も繰り返し、それが出来る様に練習を繰り返します。

そしてそれは、トレードも同じ。

習ったらすぐに自由自在に使えるモノゴトなど、この世に一つも存在していない、という、極めて当たり前の事実に気づいたんですよ。

ということで、僕はチャートに線を引いて引いて引きまくり、それがどう機能するのか、どう判断したら良いのかを考えまくります。

そう、練習と検証です。

そんな感じで、僕は自分なりにラインの扱い方が分かってくるようになりました。

しかし、だからと言って、ライン1つで相場が全て分かるわけではなかったんですねぇ。

実際に練習と検証、そしてトレードを繰り返していくと、今の自分に見えないものが1つずつ、具体的に分かってきます。

そして、その「見えないもの」を見える様にするために、

「ロウソク足の見方が足りないんじゃないか?」

と言って、改めてロウソク足を学び直し、

「そもそも、僕には高値と低値を見る感覚が定かじゃないんじゃないのか?」

ということで、ダウ理論を学び直し、

「この疑問を解決するために、移動平均線を用いてみてはどうだろう?」

と考えて、移動平均線を学び直すわけです。

そう、自分が見たいものを明確にするために、テクニカルを1つずつ加えていくんですよ。

決して、自分に利益をもたらしてくれる魔法のシグナルを鳴らすために、テクニカル(インジケーター)を表示するわけじゃないんです。

で、それに気づくと、学び方が変わります。

「知ってるつもり」だった自分の愚かさと、テクニカルの奥深さに気づかされますから、心のどこかが謙虚になります。

謙虚になれば、使い込んだ1つのテクニカルでも、まだまだ探求する気持ちは続きます。

僕だって、未だにラインを引いて検証を重ねてますし、その他のテクニカルも日々研究中です。

また、1つのテクニカルで見える範囲が多くなれば、補うために用いていた別のテクニカルは必要なくなっていきます。

磨けば磨くほど、大切なものだけ残し、必要なくなったものは省いていくことが出来るようになるんですね。

汚部屋から抜け出すためのまとめ

ちょっと僕の昔話を交えての話なので、情緒的なところもありますから、ポイントをまとめてみると

  • インジを単に「シグナルを鳴らしてくれる道具」として見ない
  • 問題意識を持ってチャートを見るために、一旦全てのインジを外す
  • まずは素のロウソク足チャートから、自分は本当の意味で何が知りたいのか?何が分からないのか?を自覚する
  • 自分にとって必要なこと、何が見たいのかが分ったら、改めてその視点でテクニカルと向き合う

ということになりますかね。

まぁ、実際にやって見ても答えは簡単には出ないですよ。

「ここはどこ?私は誰?」

な状態がしばらく続くことになると思います。

しかし、そこから芽生える問題意識がないと、恐らくこれからどんなテクニカルに出会っても、優秀なトレーダーに何を教わってみても、結果として何一つ得るものはないと思うんですよね。

まぁ、進む過程は人それぞれなので、上記の様な過程を踏まえなくとも、きちんとたどり着ける人はいるでしょう。

しかし、そうでなく同じ場所をいつまでもグルグルと回り続けているのであれば、上記の様な過程を辿ってみるのは、1つの手かもしれません。

さて、今回は以上です。

次回は、実際に素のロウソク足チャートから、問題意識を持ちながら1つずつテクニカルを加えていく作業を解説します。

その例として、僕がお話している「日足5SMA分析」を利用しようかと思っていますので、これを勉強している人もそうでない人も、お楽しみに!

それじゃあ、また。

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