吾輩は斜めラインである。名前はまだ無い。

ここ最近、インジの話が続いてます。RCIのお話もまだ途中だし。

ということで、ちょっと今、時間があるんで緊急企画!

インジじゃないお話をします。インジばっかりに頼ってても、パフォーマンスをあげるの難しいと思ってるんで。

で、何をお話するかというと・・・

以前、「これがBOZ流!ライントレードの基礎7β」において

「吾輩は斜めラインである。名前はまだ無い」

の章で、とりあえず便宜的に「クシ」って名前を付けたやつ、ありますよね?

(読んでない人は、読んでね)

このクシの概念を補足的にちょっとお話します。

思い付きで書き出すので、今回は短いかな?分からんけど。

それじゃあ、始まり始まり~!

クシの概念補足

ちょっと直近のチャート使って説明しようかなと思いますが、ここ最近はボラが高めなので、珍しく1分足チャート使いますよ。

これ、今さっき取得したポンド円の1分足チャート。

チャート左端から見ていくと・・・

下降トレンドから反転上昇して、束の間の上昇トレンドが出来上がりましたが、今それが崩れた感じですよね。

で、この束の間の上昇トレンドにクシを引いてみますね。クシってトレンドの調整局面に引ける斜めラインのことでしたね。

まあ、こんな感じになるんですが、

この調整波をレジスタンスしている斜めラインは、全て同じ角度で引けていることが分かります。

ここから、

「あ~、今この相場には規則性が見え隠れしてるなぁ」

ってことが分かると思います。

で、上昇トレンド中は、このクシをブレイクしたところで買っていけば良いわけです。下図の赤い丸がそのポイントです。

クシをブレイクした後に押しが深めのポイントがありますが・・・

青い丸のポイントを見てもらえば分かるとおり、このクシが結果的に下値を支える形となって、再度上昇を始めています。

で、そんな感じで上昇を繰り返しているわけですが、その後に

「あ、波形が崩れた!」

って場面が訪れるわけです。

覚えてますか?覚えてますよね?

この場面です。

上昇トレンド中に規則性を見出してきたクシの角度が変わります。

この場面が

「あ、波形が崩れた!」

と大きな声に出して言うところでしたよね。

では、もう一度大きな声を出して言いましょう。はい。

「あ、波形が崩れた!」

調整波でしかなかった下降波の勢いが強くなったので、このクシの角度が通用しなったわけです。

つまり、今までの規則性が崩れたわけなんで、少なくとも上目線は一旦は取り止めなくちゃいけない場面になるわけです。

この図を解説すると、

まず、赤い丸のクシでブレイクして上昇した後に下落します。一旦クシに下値を支えられて反発はしますが、下降の勢いが強くて上昇できません。

ここで緑色のラインが引ける感じとなり、先ほどのクシをブレイクします。

ここが売りのポイントになります。

この緑色のライン、もはや「調整波」とは言えない角度ですよね。もはや、推進波に昇格させても良い感じ。

で、もうちょっと根拠づけをするならば、

「斜めラインと水平線が出会った場所」

これも、重要なポイントでしたよね。

水平線のレジサポもロールリバーサル失敗してますから、2重の根拠が揃ったので、絶好の売りポイントになるわけです。

インジばっかり見てないで、こういった値動きもきちんと見るようにすると、トレードのパフォーマンスはきちんと上がっていくと思います。

だって、僕らは、値動きそのものを取引しています。僕らはインジの動きをトレードしてるわけじゃないんですから。

ということで、結果は見てのお楽しみ・・・

と言いたかったんですが、この記事書いてるうちに結構値動き進んでますね。

ダダ下がりです。

で、下降トレンドが形成されているんで、今度は右肩上がりのクシが引けてますね。

ここブレイクしたところで売り浴びせです。

が、最後に赤いラインで引いたクシに注目。

角度が変わってます。

ただ、今までのクシよりも角度が緩やかなので、ここは

「調整波の勢いが弱まってる。つまり下降する勢いが強い」

と判断して売ってもOKな場面です。

ただし、この下降トレンドにおける今までの「秩序は崩れた」と判断するので、その後の展開は要注意かな、と。

ということで、取り急ぎ書いてみました。

以上です。

それでは、尾崎豊と共に、今回はこれにてお別れしましょう。

それじゃあ、また。

バ~イッ!

これがBOZ流!RCIの本当の使い方(2)

さて、前回の「これがBOZ流!RCIの本当の使い方(1)」では、

「RCIはMAをオシレートする」

という基本コンセプトをもとに、RCIとMAの同期をとる算出方法とその利点をお話しました。

ただまぁ、基本コンセプトが分かったところで、実際のトレードとの距離はまだまだあるかなぁ、と思いますので、今回はもう少しRCIを掘り下げてみたいと思います。

それでは、はじまりはじまり~!

RCIの特徴を掴もう!

デフォルトから見える景色

まずはデフォルトを規定する

前回は移動平均線の期間を「10-20-75」、それと同期をとったRCI「26-52-195」を用いて、RCIの解説をしました。

まぁ、RCIに限らずどんなインジもそうですが、使う道具の本質的なものをきちんと把握しているのであれば、設定値は各自が最もしっくりくるものを使えば良いと思ってます。

ただ、インジの本質的なものを掴むために考察していくには、汎用性の高い設定値で検証していった方が効率的なんじゃないのかなぁ、と僕は思ってるんですね。

ということで、僕は普段インジの考察には、デフォルト値を用いて行います。インジの開発者や使い方を確立した人が用意した標準の設定値を用いれば、そのインジのもつ本質的な部分を効率的に把握できるんじゃないかと。

しかし、前回もお話しましたが、RCIの標準となるパラメーターの数値は、良く分からないのが現状です。

ただ、以前から

  • RCI1本のみの表示では、期間6(または7)
  • RCI3本を表示する場合は、期間9-26-52

という設定値が割と主流であるため、ここにヒントがあるんじゃないかと。多くの人が使うには、それなりの理由があるんだと思うんですよね。

そもそも、僕がRCIに興味を持ったきっかけというのも、実は「9-26-52」という設定値が理由でした。

随分と昔の話になりますが、僕がまだトレードで負け続けていた頃、ネット上で付き合いのあったトレーダーの中で唯一勝っていた人が、一目均衡表とRCIを使っていたんですね。

前回、RCIは時間との関係性を重要視しているオシレーターといえるとお話しましたが、ご存知の通り、一目均衡表も時間を重要視したテクニカルです。

しかも、一目均衡表で重要視されている数値も「9-26-52」。RCIで良く使われる数値と同じなんですね。

このことが、僕がRCIに興味を持つ直接的なきっかけだったんですが、その後、色々とパラメーターを弄ってみて、

やっぱりRCIのパラメーターは、「9-26-52」という最も代表的な数値設定が、最も汎用性が高いんじゃないかと思うに至っています。

この数値設定は、特に優れているというわけではありませんが、

RCI(26)は10SMA、RCI(52)は20SMAという比較的用いられやすい移動平均線の数値に対応していること等、RCIの全体像を炙り出していくのに、最も適してるんじゃないのかな?と。

ということで、これ以降の僕のRCIの解説においては、特段の説明の無い限りは、

  • 短期線=9(黒)
  • 中期線=26(青)
  • 長期線=52(赤)

をデフォルトとしてお話することにしますね。前回の設定値とは違ってるんで、間違わない様にして下さい。

ちなみに、RCI短期線と同期する移動平均線の期間は小数点が出てしまい、表示する場合は3か4ということになると思いますが、この場合、同期する移動平均線は表示しません。

その理由は後ほど解説します。でもまぁ、表示してもロウソク足に絡んでゴッチャになり過ぎるだけなんですけどね。

RCIを使うトレーダーの傾向

過大評価されたRCI

複雑に絡み合う3本のRCIを見ていると、相場に対して深い洞察ができる様な気がしてきます。

情報量が多く、また複雑であればあるほど、人は高度な分析をしている様な気になってしまいがちですから。

そういった理由からなのか分かりませんが、最近の傾向として、RCIの3本の線は相場のフラクタルな波を表現しているかの様に思っている人が増えている様な気がしています。

しかし、それは全くの誤りです。

フラクタルな波は、実際の値動きが描く波でしか表現されていません。そして、その波を抽象化しているのは、RCIではなく、移動平均線です。

RCIは、その移動平均線の過熱感を表しているに過ぎないんですよ。

ちょっと説明しますね。

移動平均線は、一定の期間の終値の平均値です。

で、もちろん、その計算には「価格そのもの」を用いています。

ドル円が昨日は「100円」、今日は「102円」だとすると、その価格自体の値を用いて、

SMA(2) = (100 + 102) ÷ 2 = 101

という計算をします。「価格そのもの」を使って計算しているわけですね。

ですから、移動平均線は価格推移の平均値として、実際の波の形を抽象化して僕らに提示してくれます。

見ての通り、期間の短いMAはより小さな波を、期間の長いMAはより大きな波を抽象化しています。そして、実際の値動きに準じて、沿う様な形で表現されます。

ですから、相場が描く波がフラクタルな構造であるというのを、抽象化して表現してくれているのは、移動平均線です。これ、前回にお話しましたよね。

しかし、RCIはオシレーターです。オシレーターは、価格そのものを用いて計算していないんですよ。

100円と102円の差額である<2円>という「値幅」だったり、価格の高い方から数えた「順番」を用いるなどして、計算するのがオシレーターです。

RCIも同様に、価格そのもの(100円とか102円とか)は全く用いずに、計算を行っているんですね。

ですから、RCIは価格の推移に沿う様にして動くわけではないんですよ。価格の推移を表現しているわけじゃなく、価格推移の過熱感を振り子状にして表現しているんです。

RCIは、価格の波の構造を表現しているわけじゃないんですね。

このことを、語弊を覚悟で、もっと分かりやすく例えるならば・・・

オシレーターは、実際の気温の変化(価格推移)ではなく、体感での温度差をグラフにしたようなものです。グラフの真ん中が「快適」、上に向かうほど「暑い」、下に向かえば「寒い」という体感グラフです。

前日の気温が18℃だったのに、いきなり今日が24℃になれば、

「今日は暑いな」

と感じます。気温の変化(価格推移)グラフも体感の変化(オシレーター)グラフも、急上昇します。

しかし、同じ24℃が続けばどうでしょう?

実際の気温変化(価格推移)のグラフであれば、横ばいですよね。

しかし、24℃の日が続けば体感ではそれに慣れてしまい、快適に過ごせるようになります。「暑い」とは感じなくなりますから、体感の変化(オシレーター)のグラフは「快適」に向かって下降していくわけです。

また、24℃が1週間続いた後に21℃に気温が下がった場合は、

気温の変化(価格推移)グラフは、単純に3℃分だけ下降します。ただし、18℃の時よりは上に位置します。(当たり前~)

ところが、体感の変化(オシレーター)グラフは、「肌寒い」と感じるので、「寒い」に向かって下降します。しかも、気温が18℃の時よりも位置は低くなったりします。

グラフにすると、こんな感じでしょうか。

つまり、体感グラフ(オシレーター)は、気温の推移(価格の推移)と同じ様に動くわけではないということです。

実際の価格が上昇していても、オシレーターは下降する時もありますし、またその逆もあります。それがオシレーターというものです。

ですから、RCIは決して相場の波の構造をそのまま表現してくれているわけじゃないんですよ。

では、ここで根本的な話。

僕らがトレーダーとして取引しているのは、価格差(実際の気温差)であって、決して過熱感の差(体感差)ではないんですよ。

ということは、過熱感(オシレーター)は一旦実際の価格推移(メインチャート)に情報を変換して判断する必要が出てきます。

複雑ですよね。決してシンプルとは言い切れません。

じゃあ、そんな複雑な情報を1本じゃなくて3本も同時に表示したとしたら?

「情報はより多く、より複雑になる」

当然です。

そして、複雑で大量の情報というのは、判断を鈍らせる大きな原因の1つになります。答えを出すのに時間がかかりますし、誤った解釈の可能性も多くなります。

しかし、RCIを3本使ってトレードしようとすると、その複雑な様子が何やら相場の奥深い事実を教えてくれるような感じがしてきます。

なので多くの人は、RCIがオシレーターの1つに過ぎないという事実を忘れてしまい、相場のより多くを、RCIのみで把握しようとし過ぎてしまうんです。

で、僕はその点が、RCIの最大の弱点だと思っているんですよ。

実像とはかけ離れ、過大評価された中でRCIを利用するのは、せっかくのRCIの良さまで潰してしまいます。

ということで、等身大のRCIを見つめるという意味で、RCIを使った場合の傾向を、もう少し具体的に炙り出してみたいと思います。

短期的指向

まずはここで、RCI3本とそれに対応する移動平均線を表示しておきます。

これ見て、何か気づいた人いますかね?

RCIだけを見ていると気づきづらいですが、それに対応した移動平均線を表示すると、RCIの傾向が見えてきます。

そう、実はRCIは極めて短期的視点でしかチャートを見ていない。

一般的に20SMAは、

  • 長めのスパンでMAを複数用いる(例えば、20-50-100)人からすれば、短期移動平均線
  • 短めのスパンでMAを複数用いる(例えば、10-20-40)人からすれば、中期移動平均線

になります。

つまり、20SMAは、チャートから見える相場全体を見ようとした場合は、比較的短期の動向を探るものなんですね。

しかし、20SMAに対応するRCIは52期間ですから、RCIにとってみれば長期線です。RCI単体で判断するということは、移動平均線で言えば、20SMA以下の流れだけで相場を判断していることになりますから、その視点は極めて短期的です。

恐らく、デフォルト値よりも、もっと長い(例えば僕が前回見せた期間195の様な)期間設定をしてRCI使ってる人って、それほど多くはいないんじゃないかなぁ?むしろ、デフォルト値よりも更に短く期間をとってる人の方が多い気がします。

ですから、RCIを主体として用いる人は、基本的に短期的視野でチャートを見ている傾向にあります。

もちろん、それが悪いって話はしていません。そもそもRCIはオシレーターなので、短期的動向を探るためにあって、長期的動向を探るために開発されたものではないですし。

ですから、そのつもりで見てトレードしているのであれば、それは正しい使い方です。

でも、多くの人は、それに気づかずに使ってるんじゃないでしょうかね?

逆張り指向

オシレーターの最たる特徴というのは、

「逆張り指標」

であるということです。

ですから、RCIを単体、もしくは主体として用いる人は、意識しているしていないにかかわらず、自ずと逆張り指向になりがちです。

RCIを使って上手くいかない人は、どんな相場つきの時であっても、チャートに向き合う度に、自然と逆張指向になっているんですよ。

下のチャートの右下部分を見てください。

RCIを見ていると、この緑色の四角で囲った①の辺りで、売りを意識し始めます。

で、その後の経過を見ると・・・

RCIは短期的視点で見ているので、もちろん少しは下げてみせます。

しかし、そんなニヤケ顔も束の間で、

結局は上げてしまいます。

しかし、今度は緑色四角②でのRCIの振る舞いを見て、また売りを意識し始めることになります。

で、やはり短期的には下がるわけですが・・・

やっぱり上がってしまいます。

そして、再度③の辺りで、売り時を意識し始めるわけです。

で、結果は・・・

やっぱり、一旦下げた後に大きく上昇してしまいます。

まぁ、スキャルっぽく小さく獲りたいだけなら、それはそれでOKなんでしょう。

しかし、この上昇は見ての通り、100pips以上になります。

100pips以上も上昇し続けている間、ずっと売り時を考えているのって、完全に視点が間違っています。むしろこの局面というのは、積極的に買い時を探す場面のはずですよね。

RCIがオシレーターであるという、本質的な部分を理解していないと、こういったことは陥りやすい点ですから、注意が必要です。

ただまぁ、RCIを使っていると、相場の天底を捉えたりすることもありますから、上手くいった人は、そのイメージが強烈になるんでしょうね。より逆張り指向が強くなってしまいます。

でも、反転を捉えるのは、何もRCIに限った話じゃありません。ほとんどのオシレーターが反転を捉えるために開発されており、RCIはその中の1つに過ぎません。

RCIを等身大に捉え、謙虚な気持ちで用いることが大切です。

RCIから見える景色を広げるために

先ほど、RCIを用いる際の傾向として「短期的視点でしかチャートを見ていない」ということをお話しました。

で、もともと短期的視野の範囲内でトレードする気でRCIを用いているのであれば問題はないんですが、そうでなければ、これはRCIの弱点ともなるわけですね。

ということで、この弱点を補うために考えられるのは

  • MTF(マルチ・タイム・フレーム)を駆使する
  • RCIにもっと長期の期間設定をする

ということが、考えられます。

MTFを駆使する場合

RCIを主軸に使う人は、他のテクニカルを使う人以上に、「フラクタル構造」や「MTF」に気を使っている感じがしていたのは、僕だけじゃないと思いますが、そこには上述の様な理由が根本にあると思います。

要するに、1つの時間軸で見る視点が短期的なので、相場全体の動向を把握するには、さらに上の時間軸を見て判断する度合いが大きくなるということです。

ただ、RCIを主体としてMTFを駆使するって、結構大変なんですよ。

だってね、普通に考えれば分かると思いますが、例えば

  • 「4時間足の長期視点」+「1時間足の長期視点」+「5分足の長期視点」
  • 「4時間足の短期視点」+「1時間足の短期視点」+「5分足の短期視点」

のどちらの方が連携とってトレードするのが難しいと思いますか?

いわずもがな、後者の方が難しくなるんですよ。

4時間足は1時間足の4倍なので、短期視点同士でもまだ連携とりやすいとは思いますけど、

1時間足は5分足からすると12倍(60分÷5分=12)という大きな比率です。間に15分足を挟まないと、落差が大き過ぎますよね。

ですから、RCIを主体でMTFって、実は他のテクニカルを用いる時よりも、簡単ではない、というか忙(せわ)しなくなるんですよ。

で、こういった風に時間軸との間の落差が大きい場合、

  1. 何となくその落差を感覚で埋められる人
  2. 落差を感覚で埋められない人

が、出てきます。

これが、同じ設定値、同じ手法でやっても勝てる人と勝てない人が出てくる理由の1つです。

なので、1の人は放っておいても成果が出しやすいですが、2の人は頑張っても成果が出ないし、その理由が分からない。

だから、その暗黙知(言語化できない感覚的なもの)を形式知(言語化・数値化・図式化することが出来るもの)として、明確に意識してトレードに臨む必要が出てきます。

単純に「慣れ」として片づけられない側面って、あるんですよ。

また、人によってはMTFを駆使する環境が整っていない人もいますし、チャートアプリの操作が苦手で色んな時間軸を渡り歩くのが下手な人もいると思うんですよね。

それ以外にも、他の通貨・証券・金利等の相関を見ながらトレードする人は、MTFを必要以上に駆使するというのは、負担が大きくなりやすいわけで。

となれば、MTFでトレードするにしても、出来ればもう少しゆったりとやりたい人って、結構多いと思うんですよね。

であれば、考えられるのは・・・

RCIに長期視点の期間設定を用いる

MTFの忙しなさを回避するには、RCIの期間を長くしたものを用いることが1つの案となります。例えば、前回僕がやった様に75SMAに同期させたRCI(195)を用いるとかね。

上図は、僕が前回やった設定と同じで、RCI(26-52-195)とそれと同期するSMA(10-20-75)です。

長期線をより長い期間にすることで、相場全体の大きな流れが把握しやすくなると思います。RCIの長期線(緑:195)も、見事に大きな波の過熱感を表現してくれているのが分かると思います。

トレンドの出ている時の使い方は、至って簡単です。

75SMAの方向を確認して、上に向かっていたら、次にそれと同期をとったRCI(195)を確認。RCI(195)が上昇もしくは上限に張り付いている間は、「上昇トレンド」として判断。

後は、同期をとったMAの反応を見ながら、短期線や中期線が下降した後に反転したポイント(つまり、押し目を付けたポイント)を拾っていけば良いだけです。

下降トレンドの時は逆ですね。

まぁ、このやり方は、前回もお話したと思いますけど。

ちなみにですが、1時間足75SMAは4時間足20SMAの近似値となります。なので、1時間足RCI(195)を表示するということは、4時間足RCI(52)を1時間足チャートで見ていることと同じになるわけです。

(詳しくは、「時間軸に関係なく流れの目線を固定しよう」をご覧ください)

ただねぇ・・・

僕がそうやって説明しているくせに言うのもなんですが、RCI長期線にこのレベルの長い期間を設定すると、

チャートソフトが重くなる!

んですよ。各時間軸を切り替えながら見る人からすれば、ちょっとイラッと来る時もあるかもしれません。

また、デフォルトである「9-26-52」を、単純に長い方向に「26-52-195」などの様にずらしてしまうと、今度は実際のエントリーでタイミングを計る時に、反応が遅くなってしまうんですね。

タイミングをとるには、やはりもっと短い期間も併せていかないと。

なので、チャートの切り替えが重くなるのが気にならなければ、RCIの本数を増やすということも考えられます。設定期間を「9-26-52-195」にするとかね。

ただ、RCIを4本、5本と増やすと、判断に迷いやすいですよ。

先ほどお話した様に、オシレーターは価格の推移に沿っては動きません。なので、複雑に動く線を増やせば増やすほど、迷いが生じやすくなります。

ということで、RCIにこれから取り組みたいという人に向けて、僕から提案するとすれば・・・

RCIの役割を明確にする

RCIで全てを把握しようなんて思わずに、RCIには主としてオシレーターらしい役割を与えた方が良いと思うんですよね。

何だかんだ言っても、RCIは所詮オシレーターなんですから。

オシレーターというのは、既に説明した通り、

  • 短期的動向を探るためのツール
  • 逆張り指標

です。

言ってしまえば、エントリーやエグジットのタイミングを計るためにあるものなんですよ。

ですから、相場全体の観測はメインチャートに任せてしまうことが大切です。そこに表示させたロウソク足やライン、MA等のトレンド系インジケーターで判断する。

で、RCIは実際のエントリーやエグジットのタイミングを計るために、つまりトリガーとして用いる。

そういった役割分担を担わせた方が、特にまだRCIの扱いに慣れていない人には効果的かな、と。

例えば、

この様に、RCIにはデフォルト値を用いて、そこに同期したSMAを表示。さらに、より長期のMA(上図では75SMAと200SMA)を表示しておいて、

  • 相場の状況を把握するのはMAを含めたメインチャートを主軸に(セットアップ)
  • 売買のタイミングを考える場合はRCIをメインに(トリガー)

といった使い方で、まずは慣れていくのが一番の近道かもしれません。

つか、オシレーターを用いる際、本来はこの使い方が基本中の基本のはずだと思います。基本を踏まえないトレードに、成長はありません。

で、徐々に慣れてくると、もう少しRCIの利点を生かした使い方が出来てくるので、

  • 相場状況の把握をメインチャートで確認して
  • その根拠づけの強化にRCIを参考にする(ここまでがセットアップ)
  • RCI及びそれと同期をとったMAでタイミングを計る(トリガー)

といった感じで活用できると思います。

RCIに相場の多くを把握させようなんてのは、ちょっとRCIを過剰評価し過ぎかと。

「たかがRCI」

なんですよ。

でも、それが分かって初めて

「されどRCI」

という、効果的な使い方が見えてくるはずです。

RCI各線同士の関係性について

RCIの落とし穴

RCIの使い方で良く見かけるのが、

「RCIの2つの線のクロスをシグナルとする」

というものです。短期線と中期線のゴールデン・クロスで買い、デット・クロスで売るというやつですね。

で、僕も最初はこういった解説を鵜呑みにしていました。

だって、RCIはMAと同期させることができるわけですし、そのMAで代表的なシグナルが「ゴールデン・クロス」と「デット・クロス」です。(まぁ、賛否はありますが)

ですから、RCIも当然クロスがシグナルになるんだと、思ってしまいます。

ただ、僕はそう鵜呑みにしつつも、ずっとこれに対して疑問だったんですね。

RCIのクロスが上手く機能していない局面の方がむしろ多いし、そもそもクロスを解説してるやつ読んでも、それがレンジの時の話なのかトレンド時の話なのかも曖昧で、

比較的親切な解説でもせいぜい

「単純なクロスはダマシが多いので、高値圏付近でのデッドクロスが売りシグナルで、低値圏付近でのゴールデンクロスが買いシグナル」

程度しか書いてないわけで。

というわけで、先入観に縛られたまま、

「どの様なパターンでクロスすると優位性が高いのか?」
「他の線にぶつかって折れる様に線が反転した場合は?」

などと、僕は3本で表示されるRCIの関係性をしばらく探ってたんですが・・・

結局は無駄骨でした。

そもそも、RCIのクロスが機能するという前提条件が間違ってたんですよ。

3本の線で表現するRCIは、その3本の関係性を表すものではなく、実は1本1本が独立したものだったんです。

根本を振り返れば

そもそも、計算式を振り返ってみれば、早々と気が付くはずのことでした。

2本線のクロスでシグナルを発するオシレーター、例えばMACDやストキャスティクスというのは、クロスによって売買ポイントを見分けるための工夫が計算式に組み込まれています。

しかし、RCIは本来1本で表示されるオシレーターです。1本で相場の過熱感を表現するために計算されています。3本の線の関係性によって相場を推し量るために開発されたオシレーターではないんですよ。

つまり、3本RCIというのは、1本1本が独立して計算されてた線を、単に3本同時にグラフ上に並べただけということです。

なので、各線がクロスするとか、他の線にぶつかって折れ曲がったとか、あんまり意味はないんですよ。クロスが有効になる時というのは、偶然に近い代物です。

ですから、本来的には以下の様な感じで表示してしまった方が、見やすくなるかもしれません。

上図は、RCIの短期線・中期線・長期線を別々に表示したものです。

クロスなどを気にすることなく、こうやって独立してRCIを観察した方が、本質的な使い方になるんですよ。

むしろこっちの方が、同期をとったRCIとMA同士を整理して観察することが出来ますよね。1つ1つの波の動きを適切に把握でるわけで。

慣れないうちは、RCIを別々に表示しておくのも1つの手かもしれません。

ただ、これだとメインチャート部分が狭くなってしまう欠点もあります。RCIの各線を個別に見れるのであれば、1つのサブウィンドウで3本同時に表示した方が良いですね。

実際のチャートで確認

では、実際のチャート図で確認してみましょうか。とりあえず、トレンドの時とレンジの時に分けて見ていきましょう。

トレンドの場合

まずはトレンドの時から。

これ、前回も使ったチャートですが、ここに短期線と中期線が高値圏と低値圏付近でクロスしたところを赤い丸で囲ってます。

上昇トレンド中なので、ゴールデンクロスで買いエントリーし、デットクロスで売り決済すると考えると、最初の赤丸はダマシになりますが、それ以外ではまぁ機能している様に感じます。

しかし、実際にはこの売買ポイントをクロスで判断する必要は全くないんですよ。

次のチャートは、上のチャートからRCI中期線の表示を消しただけものです。先の赤い丸のポイントは、そのままにしてあります。

これ見ると分かりますが、別にクロスとして判断しなくとも、単に短期線1本で判断できる箇所ですよね。

であれば、オシレーター定番の

  • 高値圏・低値圏から反転したところ
  • 高値圏・低値圏を抜けたところ

というシグナルを使って、短期線1本でやれば十分じゃないですか。

それどころか、もっとよく見ると、クロスを待たずに短期線1本で判断した方が、やや早く有利な位置で売買できていたはずだというのが、分かると思います。

では次に、短期線が反転上昇したポイントだけを全て拾ってみることにします。高値圏・低値圏になくとも、RCI短期線が反転したら、そこをエントリーポイントとします。

すると、こんな感じですかね。(中期線とクロスした先のポイントは省いてます)

上昇トレンドなんで、基本どこで買っても利益は出せます(詳しくは「トレンドの正体」をご覧ください)から、エントリーポイントとしての効率面で考えてみると・・・

  • 赤で示したポイントは、効率的なエントリー
  • 緑で示したポイントは、やや効率の悪いエントリー
  • 青で示したポイントは、効率の悪いエントリー

になります。

エントリー回数は13回。その内、効率的なポイントでエントリーできたのが9回、やや効率の悪いポイントだったのが2回、効率の悪いポイントが2回です。

トータルで考えると、単純に短期線が反転上昇したポイントで拾った方が、クロスでエントリーするよりも、効果的なエントリーチャンスを増やしている結果になります。

だったら、クロスを売買ポイントにするって、意味ないじゃん!

ってことですよね。

しかも、上図よりトレンドが強い場合は、クロスが売買ポイントにならないことが、もっと露骨に分かります。

これ、ここ最近のポンド円の下落局面を1時間足チャートで示したものですが、

下降トレンドが始まってから、高値圏で短期線と中期線がクロスして売りポイントを示した時は、

一度もない!

ということがわかりますよね。

高値圏じゃなくともクロスした部分は、トレンド開始してからの比較的緩やかな場面だけで、中盤からトレンドが加速すると中期線は下部に張り付いてしまって、マトモに短期線とはクロスしてくれません。

でも、MTFを使って、より小さな時間軸ならトレードできそうですが・・・

じゃあ、次に5分足ね。

このチャート図で見える範囲で言っても、高値圏でクロスしたのは最初の1回だけ。つまり、トレンドが一時的に弱まっている時だけです。

しかも、高値圏でないクロスのポイントと単純に短期線が反転下落したポイントを比較してみると分かりますが、

やっぱり、エントリーチャンスの質も数も、単純に短期線の反転下落を拾っただけの方が圧倒的に有利になります。

要するに、トレンド時において売買ポイントをクロスに求めるのは、間違いだったということですね。

レンジの場合

それじゃあ次に、トレンドレス、つまりレンジの場合を見てみますか。

短期線と中期線のクロスに丸印をつけました。青丸は高値圏付近と低値圏付近でのクロス。そうでないところでのクロスが赤丸です。

まぁ、ぱっと見だけでも、非常に煩雑ですよね。

で、この図をよく見てもらうと分かると思いますが、

高値圏付近のクロスで売り、低値圏付近のクロスで買うという売買戦略は、効率的とは言えません。

  • 売った後に相当な含み損とその期間に耐えた後にようやく利確できたり
  • 低値圏付近で買っても次の上昇では高値圏付近でクロスできず、次も低値圏でのクロスだったり
  • 低値圏付近でゴールデンクロスした後に低値圏付近でデットクロスしたり

実際のトレードでは振り回される局面が頻発します。

ということで、高値圏・低値圏関係なくクロスで対応しようと考えますが、これまた見ての通り煩雑なだけで、きちんとしたトレードは難しくなります。

要するに、レンジにおいても、短期線と中期線のクロスは有効であるとは言えないんですよ。

以上、短期線と中期線のクロスによる売買には、優位性がないことが理解できたと思います。

クロスに有効性が生まれるケース

RCIの各線のクロス等には関係性は乏しいので、クロスなんて見ずに、それぞれが独立したものとして扱うべきなのですが、

クロスによる売買が有効となるケースが、今のところ2つだけ分かっています。

  • 各線の波長が偶然に合った時
  • RCI2つの期間の間隔が狭い時

ちょっとお話しますね。

各線の波長が偶然に合った時

価格推移というのは、相場つきによって様々です。同じ上昇トレンドでもその強さや波の描き方は違ってきます。レンジの場合も同じです。

で、そんな価格推移とRCIの各線の波長が、偶然にも上手く合う時があるんですね。

そういった場合は、短期線と中期線、または中期線と長期線のクロスが比較的有効になります。

で、その際の見分け方等もあるっちゃあるんですが、正直これに関しては、僕自身がまだ検証段階の域を脱しておらず、人様にお話できるレベルではないです。なので、ひょっとしたら僕の勘違いで終わってしまうかもしれません。

ただ、偶然の一致をどう見つけるか?ということに、それほど意味はないと思います。

そんな偶然の一致を見つけなくとも、つまり、線のクロスなどに頼らなくとも、十分にRCIは活用できるんで。

まぁ、各自がRCIを使いこなせる様になってから、気が向いたらちょっと検証してみる程度で良いんじゃないかと。

RCI2つの期間の間隔が狭い時

RCI2つの線において、設定した期間の間隔がある程度離れている場合、その2つの線のクロスには優位性はほとんどないんですが・・・

2つの線の期間の間隔を近づけていくと、優位性が生まれてきます。

例えば、2つのRCIの線の期間が「9-26」の様に17期間ほどの間隔があると、その優位性は乏しいんですが、この期間の間隔を「9-13」の様に感覚を狭めると、シグナルとしては有効となるケースが増えます。

インジケーターの特徴として、

  • 短期であればあるほど、タイミングを捉えるのが早くなるが、ダマシが増える
  • 長期であればあるほど、タイミングを捉えるのが遅くなるが、ダマシが減る

ということがあります。

で、その特徴を活かして、短い線よりも少し期間を長くした線を用いることで、ダマシ回避のフィルターをかけようとするのが、この考え方です。

ただし、これはRCIを2本使う人が以前からやっていた方法で、別に珍しくもなんともないやり方です。

先述の通り、RCIは本来1本の短期線(主に、期間6や7)で表現するものです。

ただ、この期間6などの短い設定値は、システマティックに取引をすれば有効なんですが、シグナルが多くて煩雑になるだけでなく、ダマシが非常に多くなるんですよ。

そうなると、躊躇して行動が遅れたり実行できなかったりしてしまいます。また、操作の煩雑さで正確に対応できなかったりもするわけで。

裁量トレーダーの場合、EAなどで自動売買する様な機械的な取引は難しいんですね。結果が安定しない以上に、上手く結果が出せない。

(こういった経緯を考えると、RCI開発者はシステム系のトレーダー、もしくは日足などの大きな時間軸をメインで取引するトレーダーだったのかなぁ?と推察してしまいます)

なので、こういった煩雑さとダマシの多さを回避させるために、やや長めの期間のRCIをもう1本用意してフィルターとして活用するわけです。

逆に言えば、やや長めの期間は、タイミングを捉えるのがやや遅くなりますから、その遅さを短い期間の線とのクロスによって回避するということになります。

じゃあ、具体的にどの程度の間隔幅なら有効になるのか?

と言われると、それを規定するのは難しいです。各トレーダーの性格や能力等による部分が大きいので。

間隔を短くすればするほど、クロスは煩雑になりますし、ダマシも多くなります。逆に間隔を長くすれば、その弱点は回避できますが、クロスするタイミングは遅くなりその回数も減っていき、次第に優位性は失われていきます。

トレードの典型的なジレンマは、RCIにおいても同じなんですよ。裁量トレーダーの各自が、最も自分に合った数値設定を見つけなくちゃいけません。

ただし・・・

僕から言わせると、期間を短くとったRCIのクロスも必要はないかな、というのが正直な感想です。

ちょっと見てみましょうか。

上図は、RCI(9)とRCI(13)を用いています。

この手の相場つきだと、見ての通り、結構ゴチャゴチャとクロスしてしまい、煩雑です。

もちろん、これに関しては人それぞれなので、一概には否定しません。これでOKという人は、積極的に用いてもらって構わないと思います。

ただ、僕からすれば、このレベルの煩雑さやダマシの多さは、まだまだ煩わしいんですよ。

先にお話した通り、メインチャートできちんと相場状況を判断したうえで、タイミングを計るなら、RCI(9)が1本あれば十分かな、と。

ちなみにですが、短期とそれに準じる短期のクロスによってタイミングを計るやり方は、小さな時間軸の場合はノイズを多く含むため、日足などの大きな時間軸で用いた方が、取引はしやすくなります。

 

さて、今回も案の定、お話が長くなり過ぎてしまった様です。

ということで、次回もRCIについてのお話をします。内容は、短期線についての考察と、RCIの実質的な取り組み方について、お話しできればなぁ、と。

それじゃあ、また。

これがBOZ流!RCIの本当の使い方(1)

さて今回は、前回の続き・・・

と思ってたんですが、書いてる途中で、、ちょっと煮詰まってしまいました。

(* ̄∇ ̄*)ゞ テヘッ♪

ま、それもあって、今回は内容を急遽変更。

RCIについてお話します。

RCIは、昨年あたりからトレーダーの間で、急激に関心が集まっているオシレーターなんですが、

需要がある分、今後はRCIをネタに、糞レベルな内容で高額の商材を売りつける様なものが出回るんじゃないかなぁ?

という懸念が、僕にはあるんですね。

RCIに関する正しい基本的知識って一般的にはそれほど知られていないと思ってるんで。

ということで、もうちょっときちんと考察されたRCIの使い方なんかをお話することで、RCIに関する基礎知識を底上げすることに貢献出来たらな、と思ったんですね。

RCIを使う人のレベルが底上げされてれば、くだらない情報に振り回されたり、下手に騙される人も少なくなるんじゃないかなぁ・・・と。

ということで、ちょっとRCIについてお話を進めていきます。

今回お話する内容は、僕が今所属している「RCIサクセション」というトレード研究グループの中でお話している内容の一部です。

本来、ここでの情報は非公開なんですが、上述の様な事情を考えたところ、

「基本的ロジックの一部であれば、公開しても良いんじゃね?」

というメンバーの同意もありまして、お話することが可能になりました。

恐らく、今現時点では世間一般には知られていない内容を公開することになりますので、今まで以上に目を見開いてご覧くださいね。

それでは、始まり始まり~!

RCI概要

まずは、さらっと概要から。

RCIとは、「Rank Correlation Index(順位相関指数)」の略語で、数あるオシレーターの内の1つなんですが、その中でも実は一風変わった存在です。

通常、オシレーターは売買の過熱感を表すインジケーターですから、

「一定の期間でどれだけ値を上げたのか?どれだけ値を下げたのか?」

という、いわゆる「値幅」が気になるところです。

ところがRCIの計算式には、推移した値幅が100pipsであろうが1pipsであろうが、それに関しては一切考慮されていません。

計算式でいうと、

  1. 価格の終値が高い順に順位を付け
  2. ロウソク足の新しい順に順位を付け

この2つの関係性だけを考えているのが、RCIというオシレーターなんですね。

つまりRCIは、推移した値幅との関係性を考えるオシレーターではなく、推移した価格の時間(期間)との関係性を重視したオシレーターと捉えることができます。


もうちょっと小難しい話をするならば、

RCIとは「スピアマンの順位相関係数」を用いて相場を表現するオシレーターで、その計算式は

RCI = { 1 – 6 × d ÷ [n × (nの2乗 – 1)] }×100(%)

  • n = 期間
  • d = 「日付の順位」と「終値の順位」の差を2乗して合計した数値
  • 日付の順位 = 期間の中で最も新しい日(当日)の順位が1位で、日付が古くなる程順位が下がる
  • 終値の順位 = 期間の中で最も終値が高い日から順位をつけていく

となります。

ただ、裁量トレーダーであれば、ここまでは覚えてなくても良いかな?と。頭が混乱するなら、スルーしてもOKです。


もともとRCIは、1本の折れ線グラフで表示されるオシレーターです。

しかし、応用的にRCIを複数本表示させて利用することが多く、最近は3本のRCIを表示させたものが主流となっている様ですね。

実際にチャートに表示させると、こんな感じになります。

RCIの基本的な見方ですが、原則としては通常のオシレーターの要領と同じです。(詳しくは「オシレーター概要」をご覧ください)

縦軸が100~-100%の間で表示される折れ線グラフで、

  • 0より上が買い方優位
  • 0より下が売り方優位
  • 80%以上は高値圏(買われ過ぎ)
  • -80%以下は低値圏(売られ過ぎ)

となります。

ただし、RCIに関しては謎な部分が多く、開発者も僕が調べた限りでは良く分かりません。

なので、パラメーターのデフォルト値もハッキリしておらず、良く使われる数値として

  • RCIを1本だけ表示する場合は、「6」を期間とする
  • RCIを3本表示する場合は、「9-26-52」を期間とする

ことが多いという感じですかね。

まぁ、RCIはここ最近でこそ良く耳にしますが、少し前までは使ってる人もあまりいませんでしたし、そもそもこのRCIを使っているのは日本人くらいという噂もあるほどです。

なので、関心が集まっている割には、RCIについてきちんと考察された情報って、意外に少ないんですよ。

ネットなど巷で見かけるRCIのお話に関しても、僕が調べたり検証していったことと比較すると、

「はぁ?」

という内容であることが意外と多いんですね。RCIに関する有益な情報は、非常に乏しいのが現状です。

ですからRCIに関しては、誤った情報が多分に加わったものが「基本的知識」として流布しているのが現状、と思った方が良いかと。

ということで、冒頭でも軽くお話しましたが、この状況を放置しておけば、

「これからRCIを使ってトレードを一生懸命に頑張ろう!」

と思っている人たちにとっては、不利益ばかりになってしまいます。

なので、これから僕がRCIについて考察した内容を、一部ですがお話していきます。

RCIのコンセプト

まずは、手始めに

以下はポンド円1時間足チャートです。俯瞰して見れるように、ロウソク足の幅を小さくしています。

見ての通り、価格は波を打ちながら推移していますね。

で、僕はチャート図を見る時、まずは次の画像の様にザックリと波を見ます。

で、僕がトレードする場合、通常はここでラインを引いて、そのままトレードするか補助としてインジケーターを使うんですが、

今回はRCIのお話なので、まずはRCIだけを表示します。

僕の場合、この段階ではRCI1本だけでいいかなーと。それが以下の図です。

特殊な見方はしません。先日僕が書いた記事「オシレーター概要」での見方をベタに使うだけです。

解説を加えた図は、以下の様になります。

赤い丸の部分で売買を行なうことになるんですが、

これを見ると、RCIは先ほどザックリとみた波の一辺(スイング)を上手く捉えていると思いませんか?

まぁ、スイングトレードでザックリと獲りに行きたいなら、これだけで十分かと。

RCI強えぇ・・・!

ただ、実際のトレードとなると、実は上手くいかないことの方が多いんですよ。次の図を見てください。

上図の赤い丸の部分は絶好の買いエントリーポイントですが・・・

このタイミングに居合わせるのって、仕事をしていたり家事や育児、その他もろもろも用事をしていれば、結構難しいですよね。大体は、逃してしまいます。

例えば、仕事がようやく終わってチャートを覗いたと思ったら、上図の青丸のタイミングだったりするわけで。

しかし、だからと言って青丸の部分で慌てて飛び乗ってしまえば、高値掴みの可能性もあります。

できれば、この上昇トレンドの押し目を狙いたいところです。

ということで、先ほどザックリと見た波の中にあるさらに小さな波に注目します。いわゆるフラクタル構造、ってやつですね。

赤線で示した様な、細かい波の出来るだけ低いところで入りたいわけです。

じゃあ、どうするかというと・・・

この小さな波に合わせて、もう1本RCIを表示してみましょうか。

RCIの赤い線が、それになります。緑色のRCIよりも短い期間を用いて表示しています。

で、上昇トレンド中の小波に乗りたいわけですが、これも難しいことは考えずに、RCIの赤い線が下降から反転上昇するポイント(赤い丸)で、単純に拾っていけば良いわけです。

ザックリと押し目を付けて上昇した場面を捉えてくれます。

ただ、黒い斜め線で示した通り、価格が上昇しているにもかかわらず、RCI(赤)はダイバージェンスを起こしながら、下値を切り上げています。

0ラインをまたいでウロウロしているので、レンジっぽい振る舞いになってきてるのが分かると思います。

そろそろ変化が起きそうだなぁ・・・

というところで、RCI(緑)の線が反転下落して、下降の波が始まります。

おぉ!これだけで、十分トレードできるじゃん!

と言いたいところなんですが、実際にトレードする立場であれば、もう少し厳密性を求めたいなと思うんじゃないでしょうか?

このチャート図をよく見ると分かりますが、大文字Aで反転したポイントは小文字a、大文字Bで反転したポイントは小文字bですからね。

もっと早く谷間を捉えられたらな、と。

ということで、この際の対応を考えるとすると、

  1. 更にRCIの期間を短くとる
  2. 下位時間軸(例えば5分足)でタイミングをとる

の2つが考えられます。

1の場合、安直にパラーメーターを短くとると、インジケーターの性質上、ダマシが増えます。

それに対し、反転を捉える時などは、小さな時間軸から大きな時間軸へと変化の兆候が表れていきますから、エントリーはより小さな時間軸でタイミングをとった方が、効率的です。

なので、お勧めなのは2です。

しかし、今回はRCIに関する解説ですから、1のより小さな期間のRCIを使って判断することにします。

ということで、ここで更に短い期間のRCIを表示してみますね。

青色の線で表示してみましたが、ちょっと見づらいですかね。

このポンド円1時間足チャートは、俯瞰して見れるようにロウソク足を小さく表示してあるので、僕らが見たい緑色の矢印の波の部分を、もう少しクローズアップしてみましょうか。

RCI(赤)のAの反転ポイントで入るより、RCI(青)のaの反転ポイントで入った方が、より有利な位置でエントリーできることが分かります。

次のBですが、b1の方がやや有利ですが、ちょっとヒヤッとする場面です。b2では明らかにBよりも良いポイントです。

Cに関してはc1もc2も、ほぼ変わらないかなぁ?という印象ですね。

とまぁ、こんな感じで傾向を見ていくと、RCI(赤)よりも短い期間であるRCI(青)の方が、より有利な位置でのエントリーの可能性が高く、またエントリーポイントを提示してくれる数も多いことが分かると思います。

この様に、RCI(長期:緑)で状況を把握しつつ、RCI(中期:赤)やRCI(短期:青)で実際のエントリーのタイミングを計ることで、有効なトレードが可能になることが分かってもらえたんじゃないかなー、と思います。

RCIって、結構便利じゃん!

しかし、ここまでの解説を読んでいて、恐らく皆さんは

「チャートに表示したRCIは、価格の波に上手く沿っているけど、RCIのパラメータ(期間)は、何を使ってるの?」

という疑問が、ふつふつと湧いてきてるんじゃないでしょうか?

まぁ、そうでしょうね。わざとパラメータの数値は言ってませんでしたから。

では、そろそろ本格的なお話に突入するとしますか。順を追って、このカラクリをお話していきますね。

RCIの基本的な考え方

まずは、下の画像をご覧ください。

最初に表示したRCI(緑)1本のチャート図に、移動平均線を表示してみました。75SMAです。

よくみると、このRCI(緑)と75SMAは、面白いくらいに対応してませんか?

反転のタイミングはほぼ同じか、RCIの方がやや早いくらいですかね。

ちなみに、75SMA1本引いただけで、レンジの箇所は分かりますよね。トレンドが出ていれば、価格はSMAの上か下で推移、レンジの場合はSMAをまたいでいます。

ぱっと見で判断できますよね。

で、ここからが本題です。

僕のRCIに対する考え方は、端的に言ってしまえば、

「RCIというオシレーターは、移動平均線をオシレートする」

というものです。

つまりRCIは、価格そのものよりも、移動平均線の過熱感を表現しやすい性質があるということです。

もちろんこれは、厳密な意味での「RCI = MAをオシレート」ということにはならないかもしれません。

しかし、「RCI ≒ MAをオシレート」と言ってしまって間違いないくらいの、強い傾向を持っています。

なぜ、そうなるのか?

その理由は、計算式を見ても分かりません。自然の摂理なのか、単なる偶然の一致なのか、僕にはまだその謎を掴めていません。

しかし、事実として言えるのは、

移動平均線とRCIは、一定の比率で算出したパラメータを用いると、互いを補完するような動きをすることになり、結果としてRCIが対応する移動平均線の過熱感を表現してくれることになる

ということです。

RCIと移動平均線を対応させる方法

で、実際に、RCIと移動平均線を対応させるためのやり方ですが、その計算方法は簡単です。

移動平均線:RCI = 10:26

です。移動平均線(10)に対して、RCI(26)です。

正確な数値にするとなると、小数点が出るかと思いますが、この比率でほぼ近似値をとることができます。

移動平均線(20)を使っているなら、それに対応するRCIのパラメーターは

20 × 2.6 = 52

で、RCI(52)となります。

SMA(25)なら、「25 × 2.6 = 65」でRCIの期間は65、
SMA(5)なら、「5 × 2.6 = 13」でRCIの期間は13ですね。

もちろん僕は、この記事の解説で用いたRCI(緑)の数値も、このやり方で割り出しています。

SMA(75) × 2.6 = RCI(195)

ということですね。もう一度、SMA(75)とRCI(195)を表示したチャート図を見てみましょうか。

RCIは見事にSMAの過熱感を表しくれています。

で、その次に表示したRCI(赤)ですが、期間は52です。つまり、SMA(20)にRCI(52)は対応しているということですね。

ちょっと見てみますか。

赤色で示し20SMAが描く波と、赤色で示したRCI(52)が描く波を見比べてみて下さい。(見づらくならない様に、RCI(緑:195)の表示は消しています)

両者が描く波のの山と谷は、気持ちが良いくらいに高確率で一致しているのが分かると思います。

次に、3本のうち最も短期間だったRCI(青)ですが、SMA(10)に対応させているので、RCIの期間は26になります。

ということで、ここまでの解説で用いたRCI3本とそれに対応させた移動平均線を全て表示しておきましょうか。

さて、それではこのRCIへの理解をさらに進めるために、もう少し細かいお話へと進んでいくことにしましょうかね。

なぜ、RCIとMAを同期させる必要があるのか?

移動平均線と流れについて

僕の記事「時間軸に関係なく流れの目線を固定しよう」をご覧の方は、既にお分かりだと思いますが、

移動平均線(MA)は、価格推移の「流れ」を抽象化して、僕らに表現してくれています。

移動平均線の期間を長くすればするほど、価格の推移は抽象化され、より大きな波の形を表現してくれます。

逆に移動平均線の期間を短くすればするほど、移動平均線は実際の価格の推移に近づいていき、より小さな価格の波を表現してくれるようになるんですね。

最終的に移動平均線の期間を「1」とすると、それはロウソク足の終値だけを結んだラインチャートになります。つまり、期間1の移動平均線は価格推移そのものだということですね。

で、価格の波がフラクタル構造だということは、ご存知だと思います。(知らない人は、「「これがBOZ流!ライントレードの基礎2」をご覧ください)

なので、移動平均線は

  • 長期線=大きな波を抽象化
  • 中期線=その1つ小さな波を抽象化
  • 短期線=さらに1つ小さな波を抽象化

することが多くなります。

ただし、インジケーターは過去の価格の値を加工して表現したものです。

ですから、必ず実際の価格のよりも遅れて表現されます。移動平均線も山と谷も、RCIの山と谷も、実際の価格の波の山と谷よりも、遅れて表現されます。

では、ちょっと先のチャート図をもう1度見てください。

実際の価格の波の山と谷よりも、どの移動平均線もどのRCIも、遅れて表現されているのが分かると思います。

期間が遅くなればなるほど、遅行する度合いは大きくなります。

ですから、エントリーのタイミングは期間の短い方を用いることで、より適切なポイントを掴みやすくなるわけです。

ただし、期間を短くとればとるほど、実際の値動きのノイズに振り回されやすくなります。つまり、ダマシが増えるんですね。

これらインジケーターに共通する弱点は、必ず頭の片隅に置いておく必要はあります。完璧なインジなど、この世には存在しないんですから。

ということで、その弱点を込みで、もう一度、先のチャート見てみましょう。

長期(緑)のMAとRCIは、大きな波の一辺を表現しているのが分かりますね。

で、一辺の波の流れの中には更に小さな波があります。

それを中期(赤)のMAとRCIが表現してくれています。緩やかな山と谷が描かれていますね。

そして、その波の中にあるもう一段小さな波を表現しているのが、短期(青)のMAとRCIです。

つまり、このチャート1枚で、3本のMAとRCIは、1つの波がフラクタル構造であることを表現してくれているんですよ。

ここまで、理解できましたか?

それでは、先に進んできましょう。

なぜ移動平均線は必要か?

でも、MAとRCIが同じ波の構造を表現してくれるんだったら、どちらか1つで良いんじゃね?RCI使うなら、MAはいらなくね?

という疑問、湧いてくるかもしれません。

しかし、やはりRCIは所詮オシレーターであるが故、その弱点を補ってくれる存在が必要です。

そして、その役割がMAとなります。

MAはチャート上に、実際の価格(ロウソク足)に沿う形で表示されます。MAと価格の位置関係などを見ることで、

  • トレンドが発生している
  • しかも、このトレンドは強め
  • でも、こっちのトレンドは弱め
  • なんだかレンジに入りそう
  • 今は、レンジ

といった感じに、いやそれ以上に、相場の状況を視覚的に把握しやすくしてくれます。

しかし、RCIだけ見ていると、売買の過熱感は表現してくれますが、実際の値動きの特徴は、上手く掴めません。

ですから、RCIだけで相場を判断しようとすると、難しい局面って結構あるんですよね。

0ラインをまたいでウロウロしていると思ったら、いきなり下へと強く下げ出して・・・でも価格はそれほど動いてない・・・

なんて感じで、不可解な行動をRCIが示すことは、沢山あるわけです。

価格は上昇しているのにRCIは低下している、なんてのは日常茶飯事です。

では、ちょっと、実際のチャートでそんなRCIの欠点を確認してみますか。

最近のポンド円1時間足チャートですが、例のごとく右側の部分は隠しています。

で、赤丸のポイントを見てください。

Aの局面では、赤色のRCI(52)が高値圏に突入し始めたところで、青色のRCI(26)が反転下降を始めています。

Bの局面では、赤色のRCI(52)は、上端に張り付き出して横ばい、青色のRCI(26)は高値圏ラインを下抜けています。

このRCIの振る舞いを見て、どう判断しますかね?

RCI(26)が下降し始めたので、この後RCI(52)も後を追う様にして下降を始めることを想定して「売り局面」として捉えることも出来ますし、

まだRCI(52)はトレンド継続中を示しているので、RCI(52)も下降を始めるまでは「様子見」と判断するなど、

結局は「売り場探し」ということになりやすいです。

じゃあ、結果はどうかというと、

価格は上昇しているにも関わらず、RCI(26)は下降を続けており、RCI(52)も緩やかに下がり始めるという結果だったということが分かります。

後付け解説であれば、「ダイバージェンスを示しています」とドヤ顔できる場面ですが、この局面にリアルタイムで居合わせていれば、売り場探しは見当違いだったということが分かると思います。

しかし、このチャートに移動平均線も表示していたら、どうでしょう?

RCIに対応させたMAを表示してみましょうか。

メインチャートの赤い丸部分を見てください。

20SMAは安定して上昇を続けています。そしてそこに、価格と10SMAは下降しながら近づいているので、移動平均線使いの人なら、

「押し目を拾う局面だ!」

となると思います。つまり、この局面は売り場探しなのではなく、買い場探しだったんですね。

もし、移動平均線とRCIを同期させて併用していれば、RCIのAやBでの判断は

「20SMAは上昇力を維持していることがRCI(52)でも裏付けられている中、10SMAは力を落として20SMAに接近している。ということは、調整局面なので押し目を形成する可能性が高い。価格が反発を始めたら買いに出よう!」

となるでしょうし、また

「押し目を付けて買った後、10SMAも上昇を始めたが、それに対応するRCI(26)は下降を続けている。上昇力が弱まっている証拠。深追いせずに早々と決済した方が良さそうだな。」

とも判断できます。案の定、押し目を拾った直後は一旦大きく上昇しますが、その後は伸び悩み、一旦大きく下げた後に上昇を再開しています。

この様に、RCI単体で用いると判断を誤りやすい局面なのに、同期させた移動平均線を用いると、むしろRCIが判断の強い根拠づけに一躍買っていることになるわけです。

RCI単体で用いた時の弱点が、移動平均線と共に用いることで、むしろ強みになるわけです。

オシレーターは、チャートメイン部分に表示されるわけでなく、サブ画面に折れ線グラフで表示される「振り子」の様な存在ですから、具体的な価格の推移の状況を把握するのに、不得意な部分もあるんですよ。

しかし、それをMAは補ってくれるんですね。

そういった意味で、MAはRCIを用いてトレードするにおいても、とても大切な役割を果たしてくれます。

なぜRCIが必要なのか?

じゃあ逆に、RCIを使わないで、移動平均線だけでも良いじゃん!だって、MAだけでトレードしている人も沢山いるし。

という疑問も、あるかもしれません。

まぁ、MAだけでトレードできる人はそれでやって全然OKですが、MA自体にも弱点はあるわけで。

例えばですね、以下の画像をご覧ください。

価格が上昇をした後に、反転下落を始めた場面です。価格の流れ(移動平均線)も、それに準じて反転下落を始めてますよね。

じゃあ、この下落の流れは、どこまで続くんですかね?

下降トレンドが始まったなら、ずっと長く下降するでしょうし、上昇トレンドの調整局面なら、比較的直ぐに折り返して再び上昇を始めるでしょう。

じゃあ、どっち?

これ、移動平均線だけ見てたら、イマイチ分かりづらいですよね。

でも、RCIを見ればハッキリします。

RCIを見てみると、RCIは下降し始めたばかりで、まだ0ラインにすら到達していません。下落が過熱するには、まだまだありますよね。

「ってことは、まだこの下降の流れは続くんじゃね?」

と判断できます。

では、次の展開見てみましょうか。

RCIが下限に近付いてきてます。

ってことは、そろそろこの下落の流れは終焉?と判断できます。

「MAを上抜けたこの陽線強いし、この辺で買いかな?」

って、判断できますよね。

じゃあ、次の展開。

買って正解の局面でした。

もしショートポジションを持っていたのであれば、上昇圧が強いので、うっかりしていたら逃げ遅れていた可能性が大です。

この様に、RCIを見ていたら、どのくらいまでこの流れ(移動平均線の下降)が続くのかが、自ずと予測できるわけです。

RCIは移動平均線の過熱感を表現してくれるため、MAの弱点を補うことが可能になるんですね。

やっぱ、RCIって使えるじゃん!

情報は整理して使う

ここまで読んでもらった方は、MAとRCIを対応(同期)させて用いることの有益性を理解してもらえたかと思います。

MA(10)なら、RCI(26)
MA(20)なら、RCI(52)

といった具合に、互いに連携させることで、互いを補完し合います。

そして、そこには相乗効果が生まれます。

1つの「見ようとしているもの」を、2つの別の角度から洞察していることになるからです。今まで見えなかったものが、見えてくる可能性が高まってくるんですよ。

しかも、情報の乱雑さを防ぎます。

もし仮に、MAとRCIを別々の道具としてしか見ていなかったら、どうなってるでしょうか?

次の図を見てください。移動平均線もRCIもバラバラの期間で設定して表示してみました。

これだと、各線が不規則にあっち向いたりこっち向いたりとして、もう何のどこをどう見たら良いかすら、迷子になってしまいます。

しかし、MAとRCIの各線を同期しておいて、さらには同じ色にしておくと・・・

今、自分がどのMAを見て、そのMAの過熱感はRCIのどの線を見れば良いかが分かる様になりますよね。

情報が乱雑に置かれているのではなく、きちんと把握しやすい状態で並べておくことは、判断を行なうにおいて、非常に良い環境となります。

MAとRCIの各線をきちんと対応させておくことは、より洗練されたトレードの道具として用いることに繋がっていくんですね。

さて、ここまででRCIを扱う上での最も基本的な考え方、

「RCIは、MAをオシレートする」

という内容が理解できたでしょうか?

しかし、基本コンセプトを理解しただけじゃ、実際のトレードに活かすまでには、ちょっと距離があり過ぎかな、というのがホントのところです。

ということで次回は、もっと具体的なRCI各論的なお話に進んでいこうかと思います。

RCI各線の振る舞い方やら、その関係性などについてお話します。

RCIの使い方の説明で良くある「2本のクロスでエントリー!」に、実はあまり優位性がないということにも触れていきますので、お楽しみに。

それじゃぁ、また。