エントリーポイントの狙い方(1)

今までこのブログでは、エントリーポイントに関するお話を何度かしてきました。

が、今回はちょっとその「まとめ」的なところから入って、そこから少し実践向きな内容をお話していこうかと。

このブログの読者さんからすれば、もうお馴染みの話で始まりますが、そこは復習だと思って読み進めてください。それが基本となって、その後は今までには触れていないお話まで突っ込んでいきますんで、期待してくださいね。

それでは、始まり始まり~!

勝てない人のエントリーパターン

トレードで勝てない人というのは(まぁ自分も昔はそうでしたが)

  • 買えば下がり売れば上がる
  • 損切りすれば元の方向へ反転する
  • 損切りしてドテンすれば往復ビンタ

ということが、怖いくらいに繰り返されます。

どうしてそんなことが起きるかというと、頭では色々とテクニカルを駆使して分析した気になっていても、実際はロジックではなく、欲望に振り回されてトレードしてしまっているからです。

勝てない人の典型的なパターン1

勝てない人は、まだ値動きが大きくない局面で、

「ここから価格が大きく伸びたら勿体ない!」

という感情から、価格を後追いしてしまいがちです。

上図の様に、値動きに釣られて後追いしながらトレードしてしまうと、買ったところが高値になりやすく、売ったところが安値になりやすくなります。

値動きを後から追っかけているわけですから、当然ですよね。

また、直近高値を上抜いたりすると「ブレイクした!価格がここからグングン伸びたら勿体ない!」と慌てて飛び乗ってしまいますが、そのブレイクは結果的にダマシとなり、やはり高値掴みとなってしまいます。

これって全て、値動きを後から追いかけてしまうから、そうなってしまうんですよねぇ。

勝てない人の典型的なパターン2

ところが、一旦価格が大きく動き出した(トレンドが始まっている)のを見てしまうと、勝てない人の行動パターンは、感情によって変質します。

「あー、既に価格は大きく動き出してしまって勿体ないことをした。大きく上に伸びちゃった後だから、ここから追いかけても魅力がない。むしろ伸びた分だけ戻してくれる値幅の方が魅力的!」

ってことで、値ごろ感からトレンド中に逆張りを繰り返します。

上昇トレンド中に、値ごろ感で売りをし続けますが、その度に担がれて損切りを繰り返してしまいます。

そして、逆張りを諦めたところで価格は大きく下がり出す・・・

トレンドが始まってしまっているなら、値動きが小さい時の様に値動きの後追いしていても、実際は逆に十分勝てるはずなんですよ。

ところが、実際に価格が大きく動き出してしまった後は、欲望によって後追いは止めて、逆張りをしてしまうんですね。

結果として、まるで相場にからかわれているかの様に、やることなすことすべてが逆を行ってしまって負け続けるのが、勝てない人のエントリーポイントです。

全ては、感情に振り回され目先の値動きに振り回されてしまっているだけで、実際はロジックでトレードしていないことが原因なんですよね。

正しいエントリーポイント

では、勝つためのエントリーポイントとは、実際どの様なものなんでしょうか?

既に何度もお話していますが、正しいエントリーポイントの概要を、以下にまとめてみました。

レンジの場合

価格が上下に行ったり来たりしている場合、つまりレンジ内で価格が上下している場合は、

レンジ上限に到達して反転したところを売り、レンジ下限に到達して反転したところを買います。

またレンジブレイクの際は、ブレイク直後に飛び乗るとダマシに引っ掛かりやすいので、下図の様にロールリバーサールでエントリすることを基本にします。

ブレイク後のレジサポ確認後の反転を狙うわけですね。

(ただし、レンジ内取引が出来ないレベルの小さな値幅のレンジやフォーメーションの場合は、ロールリバーサルを確認せずにブレイク後に飛び乗ってもOKです)

先ほどの勝てない人の典型的パターン1と見比べてみて下さい。

勝てない人は負けるべくして負けるポイントでエントリーし、勝つ人は勝つべくして勝つポイントでエントリしているのが対比されて、分かりやすいと思います。

トレンドの場合

トレンドというのはダウ理論に習って定義するならば、

  • 上昇トレンドは高値低値を切り上げ続けている状態
  • 下降トレンドは高値低値を切り下げ続けている状態

というのは、もうお馴染みの話です。

で、トレンド時におけるエントリーポイントというのは、基本的に2種類あります。

上昇トレンドを例にとって説明すると、

  • 直近高値を越えたポイント
  • 直近低値を下回らずに反転上昇したところ

の2つです。図で示すと、

直近高値を越えた上図エントリーポイント1か、直近低値を下回らずに反転上昇した(低値を切り上げた)エントリーポイント2でエントリーすることになります。

では、この2つのポイント、どの様な特徴があるんでしょうか?

詳細は「エントリーのタイミングをどう考えるか?トレンドフォロー編」に譲りますが、端的に説明すると

エントリーポイント1でエントリーする場合、エントリーの難易度は低いですが、損切り幅は大きくなりますし、含み損になった場合、それに耐える金額と時間が大きくなりがちです。

逆に、エントリーポイント2でエントリーする場合は、押し目を付けた後に反転上昇するタイミングを捉えるため、テクニカルの技術が必要になります。

しかし、損切り幅がポイント1よりもはるかに小さくなるため、リスクリワード比(利益が出た場合の値幅と損失が出た場合の値幅の比率)が良く、また含み損に耐える時間も少ないというメリットがあります。

で、僕がエントリーポイント2を狙うことをお勧めしているのは、既にブログの読者さんは承知のことと思いますが、もう少しこの点について、お話しますね。

低く買って高く売るということ

昔からトレンドフォローのスタイルは

「高く買って、より高く売る」

と言われていますし、また相場格言でも

「押し目待ちに押し目無し」

とも言われているのは、ご存知だと思います。

ただ、ことFXトレードに関しては、株式トレードと比べると、少し勝手が違います。

株式相場というのは、数年に渡って長期にトレンドが続く大相場が、当たり前のようにあります。トレンド形成期間が長いんですね。

こういった相場つきでは、トレンド方向に沿ってガンガン売買した方が吉と出ることが多いので、新高値更新で買うという手法も有効な場面がかなり多くなります。

しかし、外為相場というのは、「永遠のレンジ相場」と言われる通り、株式市場の様に長くトレンドが続くことはそれほど多くなく、上下に行ったり来たりする機会が多くなります。

ですから、高値安値更新でエントリーしていると、買ったと思ったら価格は下に向かい出し、売ったと思ったら逆に上に向かい出したりと、値動きに振り回されてしまいがちになるんですよ。

また、ご存知の通り、高値低値更新(ブレイク)でのダマシも、かなり多いですよね。ブレイクしたと思ってついていくと、反転して損切り・・・なんてのは当たり前に起こるのがFXの世界です。

つまり、FXトレードにおいては、高値低値更新でエントリーしていくというのは、リスクが大きくなりがちで、得策とは言い切れないことになります。

エントリーポイントとはつまり反転ポイント

以上のことから、エントリーポイントをまとめると、

  • レンジ内取引ではレンジ上限下限に到達して反転したらエントリー
  • レンジをブレイクしたら、ロールリバーサルによってレジサポに一旦戻ってきてから反転したところをエントリー
  • トレンド時は、押しや戻しを付けて反転したところをエントリー

ということがエントリーの基本になり、要するに全ての局面において

反転ポイントがエントリーポイント

ということになります。

そう、いつだって反転を捉えてエントリーするのが基本なんですよ。

下手くそな図で申し訳ありませんが、上図の様に反転を始めたところを捉えながらエントリーするのが正しいポイントです。

正しいエントリーとは、常にジグザグと描く波の山越えで売り、谷越えで買うということになるんですね。

エントリーポイントを「反転ポイント」に絞り込むことで、反転にのみ集中して検証と練習を続ければ良い

というメリットが生まれます。

そう、これがBOZ流の考え方でした。

とってもシンプルですよね。

 

ただし!

 

これ、頭で分かってても、実際には欲望に釣られてなかなか出来ないことなんで、頭で覚えるのではなく、身体に刻み付ける様にしておいてください。

なお、この辺の詳しい解説は、「ジグザグと描く波の渡り方」をご覧ください。

エントリーポイントの探り方

厄介なトレンドの押し戻し

エントリーポイントとは、反転ポイント。

これは分かったと思います。

レンジの場合は、レンジ上限に達して反転したら売り。レンジ下限に達して反転したら買いです。

レンジをブレイクしたら、ブレイクとなったレジサポをもう一度試して反転したら(ロールリバーサル)、反転した方向にエントリーです。

しかし、実は厄介なのはトレンド時です。

トレンド時には押し戻しを付けて反転したらエントリーですが、じゃあ一体その押しや戻しはどこまで進んでから反転するんでしょうか?

後付けで、「ここが押し目を付けたポイントです」とドヤ顔するのは簡単です。

しかし、僕らは先の見えないチャートを見ながら、押し目はどこまで進んで、どこに達したら反転してトレンドを再開するのか?ということを考えてトレードしなくちゃいけません。

じゃあ、トレンド時の押し戻しを狙ったエントリーはどの様に考えたら良いのでしょうか?

エントリーポイントを考える2つの視点

押し戻しからのエントリーポイントを探るには2つの視点が必要です。それは、

  • 価格の到達点を探る視点
  • 価格の反転を確認する視点

です。以下に、説明を加えます。

到達を探る視点

到達を探る視点とは、押しや戻しはどれくらいまで進行するのだろうか?ということを考え、価格のその到達ポイントを探る行為です。

要するに、価格がどの辺りまで押し戻しをつけるまでエントリーを「待つ」のか?ということですね。

上昇トレンドで例えるならば、

上昇トレンドの中、値動きを後追いするのではなく、まずは価格が押し目をつけるのを待ちます。

そして、下げてきた価格がどこで下げ止まるのかを、テクニカルを用いて予め想定します。

到達ポイントを探るためのテクニカルの代表格は、

  • ライン(レジサポ等)
  • 移動平均線
  • フィボナッチ

ですかね。

以下は、テクニカルを用いて到達ポイントを探った具体例です。

上図を見ると、下降トレンド中、直近安値がレジサポとなって、戻しの到達ポイントになっていることが分かると思います。

また、上図の青丸Bは、移動平均線が価格の戻し到達ポイントの例です。

詳しくは「チャート・デザインのすすめ(5)」を参照してください。

以上が、価格の到達ポイントを探る視点です。

反転を確認する視点

エントリーポイントを確定するには、もう1つ別の視点が必要です。

それは、反転確認。

押し戻しが想定したポイントに到達した後、きちんと反転し、トレンド方向へと再び価格が進みだすのかどうかを確認する作業です。

なぜなら・・・

到達ポイントを想定していても、実際に価格はそのポイントを越えて更に進んでいくかもしれません。

想定していたポイントに到達したからといって、無闇にエントリーしても、そこを越えて価格が進んでしまったら、損失を招いてしまいます。

ですから、

想定していた到達ポイントで価格が止まり、そして反転してトレンドが再開したことを確認してエントリーする必要があります。

反転確認をするためのテクニカルとして代表的なものは

  • プライスアクション
  • 移動平均線
  • オシレーター

などがあります。

下の図は、移動平均線とオシレーターを用いて反転確認を行った例です。

見ての通り、まず移動平均線によって到達が確認された後、そこできちんと止められ反発しているのが、赤い丸部分で分かると思います。

それと同時にストキャス(オシレーター)が青い丸で反転を示唆しています。

これによって、下降トレンド中の戻しが終了しトレンド再開したことが確認できたので、ショートでエントリーすることになるわけですね。

これら反転確認に関する詳しい内容は、先ほどと同様、「チャート・デザインのすすめ(5)」を参照してください。

以上が反転確認の概要です。

2つのポイントの優先順位

必ずしも到達確認と反転確認の両条件が揃ってなければエントリーは出来ないのか?と問われれば、

「そんなことはない」

というのが僕の答えです。

しかし、そこには注意が必要です。

価格の到達確認と反転確認では信ぴょう性が異なります。2者のうち、より重要なのは、「到達確認」になります。

理由は簡単です。

テクニカルを用いて反転確認を行なう際、その反転示唆がきちんとしたチャートポイントでないところで起きても、実際はダマシを連発します。

つまり、きちんとしたチャートポイント(到達ポイント)でテクニカルが反転を示唆しなければ、反転確認におけるテクニカルの判断は、信ぴょう性が薄いということです。

しかし、それに対して、到達ポイントだけでエントリー判断しても、上手くいくことは結構あるんですね。

ただ、そのためにはプライスアクションやトレンドの強弱等の判断に熟知している必要があります。

なので、到達確認の後に反転が確認されたという2つの条件が揃ったところでエントリーするのが基本だということは、必ず覚えておいてください。

 

さて、ここまでが今まで僕のブログに散らばっていたエントリーポイントに関する概要のまとめになります。

では、ここからはより実践的な内容に入っていくことにしましょう!

と思ったんですが、ちょっとまとめ記事の割には長くなってしまいました。

ということで、続きは次回でお話することにします。

「なんだよ。肩透かし喰らっちまったじゃねーか!」

と思う方もいるかもですが、今回のお話は絶対避けて通ってはいけない基本中の基本です。これを抑えていないと、次回のお話は分かったつもりでも、実践では使いこなせなくなります。

なので、復習だと思ってこの記事を再度頭に叩き込みながら、次回作を待っていただけたらな、と思います。

それじゃあ、また。

ライン引きの手引き(3)

ラインの引き方を学習したとしても、いざ現実のトレードにそのラインを活用しようとした時に、

「水平線はここに引いた方が良いのかな?それともう少し下に?いや、もう少し上?」

なんて戸惑ったりすること、ありませんか?

基本的なことは学習したしラインを引く練習もしてみたけど、細かいところがねぇ・・・

という人って、結構いると思うんですよね。

ということで、今回は引こうとする水平線のチューニングの仕方をお話しようかと思います。

改めて水平線とは

一言でライン引きといっても、様々な考え方や流儀があります。

なので、ここでお話するラインの具体的な引き方は、「これがBOZ流!ライントレードの基礎知識」シリーズに譲りますが・・・

改めて注意してもらいたいことは、

「水平線とは、価格がそこでピタリと溜まったりする様な代物ではない」

ということです。

繰り返しお話する通り、水平線とは市場参加者が注目する価格帯にラインを引くことで視覚化したものです。

仮に市場参加者が「100円」という価格に注目してたとしても、実際に売買されるのは常に「100円」という価格ではありません。

上図の様に、「100円」という価格に注目していても、その周辺を含めて売買が行われることになります。

ですから、下落してきた価格が反発するにしても、それは100円ちょうどの場合もありますし、100円を割り込んでから反発することもあります。もちろん、100円まで落ちきらずに反転上昇を始めることもあるでしょう。

なので、100円という価格に水平線を引いたとしても、それを単なる「線」として認識するよりも、そのライン周辺を含めて「域帯(ゾーン)」として捉えた方が、より正確な判断の仕方ができます。

ちょっと実際のチャートで確認してみましょうか。

下のチャート図の赤く囲った2つの波の頂点(山)のヒゲ先に水平線を引いてみました。すると・・・

見ての通り、きちんとラインが効いていそうなものもありますが、オーバーシュート気味だったり、届かなかったりという箇所もあります。

では次に、先の赤く囲った2つの山のロウソク足達に出来るだけ多くラインが交差する様に、先ほどよりも少し下にずらして水平線を引いてみます。

すると・・・

上図を見ての通り、上手く機能していなかった様に見える部分は改善されましたが、逆に先ほどまで上手く効いてた箇所が、今度は判断しづらくなってしまいました。

この様に、同じ価格帯にラインを引くにしても、細かい部分による引き方の違いで、効いてる様に見える箇所とそうでない箇所が、色々と違ってきてしまいます。

ですから、水平線を1本引いたとしても、それはあくまでも「目安」にすぎず、実際の認識の仕方としては、下図の様に

上下に幅のある域帯(ゾーン)として認識しておいた方が、実際のトレードでの判断は格段にしやすくなるわけです。

しかし・・・

ラインのチューニング

「1本の線を域帯(ゾーン)として認識しましょう!」

確かに言うだけなら簡単です。

しかし、現実として、やり辛い側面があるのは確かです。

頭の中では「ゾーンとして認識するぞ!」と思っていても、実際にはライン1本しか引いてないわけですから、視覚の上では惑わされたりします。

例えば・・・

上図の様にして水平線を引いてしまうと、一番左側の青丸の部分では、ラインを終値ベースで下抜けているロウソク足が2本もありますから、

「抜けた!」

と判断して売ってしまいやすい場面です。

また、右側の青丸3つは、ラインに届かずに反転下落していますから、ラインに届くのを待っていたら、いつまで経ってもエントリーチャンスは訪れません。

頭では「ゾーン」と思ってはいても、実際にはたった1本のラインで上手く立ち回るのは難しい・・・なんて人、多いかもしれません。

なので、実際のライン引きにおいては、自分が最も判断しやすい様に、ラインの引き方を調整(チューニング)しておくことが大切になってきます。

いくつか例を紹介しますね。

線ではなくゾーンとして引く

最も安全なのは、ライン1本だけ引くのではなく、ゾーンとして考えられる範囲の上下に計2本のラインを引いておくということです。

上図の様に、ゾーンの上限下限に見当をつけて、予め2本引いておけば、判断を誤ることは極端に少なくなります。

ただし、それでも価格はオーバーシュートしたり、届かずに反転することも、あるんですよ。絶対はありませんから、「これで大丈夫」と高を括らないことが大切です。

また、実際にゾーンとして2本ラインを引いていくと、煩雑かつ見づらくなることも多々あります。

上図は1時間足ですが、ゾーンを表す2本線を複数引いて、15分足などの下位足を表示した場合、一体どの線がどのゾーンの上限下限のラインなのか、分けわからない状態になったりもします。

それを避けるために、ラインを色分けしたりなどの工夫をすると、今度はラインを引く手順が増えて、作業が煩雑になりがちです。

視認性を良好に保つことと煩雑さがトレードオフな関係だということは、知っておくべきでしょう。

ラインを価格に近付けて調整する

ラインを2本引くにせよ、1本でやり過ごすにせよ、相場つきによってラインは引き直される運命にあります。(ラインの寿命はそれぞれですが)

なので、どうせ引き直したりするのであれば、自分が理解しやすい位置へと、微調整をその都度かける様にします。

具体的にどうするかというと・・・

今回は、「ラインを価格の方向へと近づけて調整する」というやり方をお話しますね。

これは、「オーバーシュートは常にあり得る」ということを大前提にすることで、逆に視認性を良くしてしまうやり方です。

このやり方、他で話している人いないかもしれませんが、結構使えるチューニング方法ですよ。

では、先ほどのチャート図を用いて、具体的に見ていきましょうか。

まず赤い丸で囲った2つの山を基準にラインを引いてみますが、その際に価格はラインよりも下に位置しています。

なので、「この山のどの辺りでラインを引こうかなぁ?」と思ったら、まず価格に近い側(この時点で想定できるゾーン下限)を基準として水平線を引きます。

すると・・・

価格が一旦上抜けた後に再度下落した際、

「価格が下抜けた」

とは判断しづらくなり、むしろ水平線に支えられて再度上昇(ロールリバーサル)したのが確認できるため、エントリーがしやすくなります。

では、次にどう調整するか見てみましょう。

価格がラインを上抜けたまま滞在しているので、今度は水平線を価格側(上方向)にずらして調整します。想定できるゾーン上限へとずらしたのが、上図です。

では次の展開で、価格が水平線を上から試してみた時の挙動を確認してみましょうか。

ラインを上方向に調整したおかげで、判断がしやすくなりました。

では、再び価格がラインを下抜けたので、ラインを下にずらして調整し直します。現時点で想定できるゾーン下限までラインをずらした後のチャート図が下のものです。

やはり、ラインに価格が届かないということがなくなり、トレードの判断がしやすくなったと思います。

この様に、1つのゾーンを表す水平線1本を価格に近い側に調整し直すことで、判断の誤りが極端に少なくなります。

ただし!

これには1つ、注意が必要です。

それは・・・

価格が水平線を抜けたからといって、直ぐにラインの調整をかけないこと

です。

なぜなら、このラインの調整方法は、常にオーバーシュート(価格の行き過ぎ)が起こることを想定しているからです。

同じ水平線でも、価格に近い方にラインを引いてますから、価格はラインにタッチしやすい反面、抜けやすくなります。

抜けやすいということは、オーバーシュートによるダマシも食らいやすいということですよね。

にもかかわらず、価格がラインを抜けた直後に、ラインを価格の抜けた側に近づけてしまうと・・・

少し価格が戻しただけなのに、「オーバーシュートだ!ダマシだ!」と勘違いすることも増えます。

ですから、価格がラインを抜けた後、価格が一旦戻してきた際に

  • ロールリバーサル(ブレイク成功)になるか?
  • オーバーシュート(ブレイク失敗)になるか?

を見極める必要があります。

ブレイクが完全に成功したのか失敗したのかを確認出来た後、ようやく水平線の調整を行なうことになるんですよ。

また、水平線をゾーンの下限(上限)に合わせたからといって、そのゾーン反対にある上限(下限)を全く意識しなくとも良いというわけでもありませんので、この点も注意しておいてくださいね。あくまでゾーンはゾーンです。

自分が判断しやすい基準を持とう

水平線を引く際のチューニングのやり方を、今回は紹介しました。他にもやり方は、色々とあると思います。

が、どの様にすべきかは、自分で決めるべきことです。

価格に近い側へと水平線を引くことが誰かにとって有益でも、アナタにとって有益とは限りません。

アナタがもし、基本に忠実に引いて、上下に域帯が広がってるイメージをした方が取引しやすいのであれば、それがアナタにとっての正解となります。

わざわざ2本ラインを引くのが面倒であっても、アナタにとってそれが最も判断を間違えない方法なのであれば、2本引いた方が良いに決まってます。

どんなに偉い人が、

「そのラインの引き方違うでしょ。もっと下に引いた方が良くね?」

と言ったところで、それはその偉い人が判断しやすい引き方であって、アナタが判断しやすいとは限らないんですよ。

偉い人の言うとおりにして、アナタが判断を誤ったとしても、その偉い人はアナタの損失を補償してくれるわけじゃありません。

そんな偉い人には、素直に

「ご教授ありがとうございます!」

と言って、心の中では

( ̄へ  ̄ 凸

って、中指立てておけば良いんですよ。( ̄ー ̄)ニヤリ

「チャート・デザイン」シリーズでもお話しましたが、人の視認性や、視覚情報からの判断の仕方には、人それぞれです。自分が最も判断しやすい様に視覚情報は変更していく必要があります。

ですから、アナタはアナタが最も判断しやすい方法を、試行錯誤の上で定めれば良いのです。

それで勝てるのであれば、誰が何と言おうとも、それが正解です。

自由にやったら良いさ。

しかし、その自由に責任を持つのも、アナタ自身です。

(ただし、師匠のいる方は、師匠の言われることに従った方が良いと思います。自分の中途半端なアレンジは、むしろ師匠のやり方をきちんと受け継ぐことは出来ませんからね。師匠のいる方は、独り立ちできる様になってから、改めて自分のやり方を模索するのが賢明かと)

宿題

ちょっとここで、宿題でも出しておこうかと思います。

しかし、その宿題の内容は、水平線ではありません。斜めラインです。小さな斜めラインですが。

で、やり方ですが・・・

上図の様にまずは大きな波をトレンドラインでざっと把握し、レンジであればレンジを表す線をざっと引いて把握します。(上図では、それ以外の水平線が引いてありますが、無視してOKです)

で、ざっと大きな流れを把握したら・・・

その後は、その大きな波の中になる小さな波に、斜めラインを引いていきます。上図の赤・青・緑の色で引いたラインがそれですね。

下降する波であれば高値を結んだ斜めライン、上昇する波であれば、低値を結んだ斜めラインを引いていきます。

今回の宿題の主たる目的は、この色付きの小さな斜めラインを引くことにあります。

引き方のルールは、自分で模索してください。ラインの色分けは、別にしなくても良いです。(上図は見やすい様に色分けしただけです)

自分で模索しながら、

  • どんなラインが引けるのか?
  • どんなラインが有効なのか?
  • 引いたラインにどんな特徴があるのか?

を常に考えながら、とにかく量をこなしてください。

手と頭の両方を使って、繰り返し繰り返しやってみて下さい。

何が正解なのか分からなくても良いです。

「こんなことやって、一体どんな意味があるんだろう?」

なんて具合に、きっと迷うと思いますが、迷うなら迷うだけ迷ってください。

ただし、答えを見つける気は捨てずにね。

それが、今回の宿題です。

そして、この宿題を受けて、次回のお話をしていきます。

やった人は、やらない人に数倍の差をつけることが出来ると思って、とにかく手と頭に汗をかいてください。

モニターに映るチャート図にラインを引いても構いませんが、印刷して手書きしてみた方が、より理解が深まるかもしれません。

ひょっとすると、僕が次回のお話を知る前に、多くのことを自分で気が付いてしまうかもしれませんよ。

( ̄ー ̄)ニヤリ

ということで、次回は「波動」についてお話します。

それじゃあ、また。

チャート・デザインの実際(1)

検証すればつまづく

僕は常日頃、

「練習と検証をしましょう」

と言ってますが、どんなに言ってもやらない人はいるんですね。

答えを自分で探さずに、他人から運んできてもらおうとする人です。

いや、自分では探しているつもりなんですよ。本やネットの記事なんかで「探す」という行為はしてますから。

でも、それって根本的に間違ってます。

繰り返し言いますが、本やネットで情報を知っただけで、スポーツが上手くなる人はいませんし、工芸品を上手く作ることが出来るようになる人もいません。

当たり前のことです。

自分で練習や検証、そして実践を積み重ねることでしか、上手くはならないんですよ。

どんなに一生懸命になって本やネットで情報を探ろうとも、そこには手引きやガイド、お手本しか書いてありません。

これ、先の「チャート・デザイン」シリーズで幾度となく使った画像です。覚えてますよね。

で、僕の解説を読んで納得して、上図を見て「なるほど」と思ったとしても、それは単に「知っただけ」でしかありません。

僕の記事を読んで、本当に検証と練習を繰り返した人なら、きっとこう思うはずですよ。

「BOZのブログに書いてあること、色々やってみたけど、思ってた以上に上手くいかない」

ってね。

そして、それが正解です。

分かりやすい相場

解説書に書いてあることは、基本的にお手本の様な局面ばかりですし、それは僕のブログの記事も例外ではありません。

説明しやすい様に、理解してもらいやすい様に、「分かりやすい」局面を用いて、解説しています。

しかし、実際の相場が作り出す値動きは、千差万別な顔つきをしています。基本を知っていたところで、それだけで対応できるとは限りません。

ちょっと見てみましょうか。以下は、以前Twitterに僕が載せた画像に一部手を加えたものです。

Aのポイントは、「チャート・デザインのすすめ」シリーズの第5話までの内容を、きちんと使えるレベルで自分のモノにしていたら、比較的

「分かりやすい相場」

だったはずです。

ガイドラインは、シンプルに下降トレンドを示していますから、素直に戻り売りを狙う局面ですよね。

では、「チャート・デザイン」シリーズで用いたディテールを表示して、このAの局面をアップしてみると

到達ポイントを探るテクニカルだけでエントリーするなら、上図青丸のaかbでエントリーですよね。

保守的にトレードしたとしても、赤丸cもしくはdのポイントでエントリーです。

つか、覚えてますか?

この局面って、実はシリーズ第5話でお話した僕のトレード例とほぼ同じです。この時もやはり僕は、5分足を見ながらaのポイントでエントリーしてます。

で、この様に解説通りの典型的な局面というのは、検証と練習をある程度重ねてしまえば、難易度はそれほど高い場面ではないはずです。

いわゆる「分かりやすい」局面ですから。

この様な分かりやすい局面を「難しい・・・」と思ってしまう人は、単純に検証と練習を積み重ねることで得た経験値が、乏しいだけなんじゃないですかね。

頭で完全に理解してから、検証や練習に臨もうとしているとか。

でも、その姿勢ってどうなんでしょうかね?

例えば、バスケットボール部に入部した人が、練習に参加もせず、まずは教科書を机の上で読み続け、ルールや基本的動作、またその他のテクニックを頭で完全に理解し、その数か月後に初めてボールを触る・・・

とかってしますか?

しませんよね?つか、それって異常です。

スポーツにしろ趣味にしろ仕事にしろ、普通は実際にやりながら覚えるものですから。

だから必要なのは、

考えてから走るんじゃなくて、走りながら考える

ってことなんですよ。

で、走りながら考えた結果、比較的直ぐに自分のモノにできる局面が

「分かりやすい相場」

と言えるのかもしれません。

難しい相場

じゃあ、今度は下図のBを見てください。

ここはガイドラインで考えると

「分からなくなってきたなぁ・・・」

という場面ですよね。

75SMAは下を向いていますが、価格はその上に乗っかってきています。しかし、完全に上抜けたわけでもないし・・・

いくらレジサポの直下で頭を抑えられている感を醸し出しているとはいえ、ガイドラインからは外れています。

ということで、一旦セットアップは解除、その後の振る舞いを待ってから判断しなくちゃいけない局面です。

ただ、その後の展開を待っていても、一体どの段階で「分かる局面」になったのか、「分からない局面」になったかを判断するのは、実際には、僕がブログで解説していた範囲だけでは、難しいんですよ。

教科書などでは、一律に説明しきれない箇所です。

つまり、こういった局面は、「分かりづらい相場」ということです。

で、分かりづらい局面というのは、どうしても自分で検証を繰り返して、より具体的なガイドラインを自分自身で設定しないと、トレードは困難になります。

ちょっと見づらいと思うので、アップして見てもらいたいんですが、

この図の時点ではロウソク足は75SMAの上で終わっていますから、この段階ではまだ

「分からない」

と判断するしかありません。

では、次の展開を見てみましょう。

ロウソク足は陰線となり、75SMAの下で終わっています。しかも、この陰線はここ数時間の中では最も大きく強いものすし、75SMAも下をシッカリと向いたままです。

じゃあ、これはガイドラインとして「下降トレンド」と判断する場面なんでしょうか?

その答えは、アナタしか知りません。

検証した結果、アナタが「下降トレンドと判断してOK」とガイドラインで設定しているのであれば、それが正しい判断ですし、

検証した結果、アナタが設定したガイドラインには及ばないため、「まだ下降トレンド再開とは判断してはダメ」と判断するなら、それはそれで正しいんですよ。

で、結果だけ先に見せてしまえば、

レジサポを上抜けて上昇してしまってますから、「下降トレンドが再開した」と判断してはダメな局面だったことが分かります。

 

しかし、本当にそうでしょうか?

 

結果だけを何となく見てれば、そんな風に判断してしまいがちです。

でも僕は、先ほどの

この陰線で75SMAを下回った時点で「下降トレンド再開」と判断してもOKとするガイドラインもアリだと思うんですよね。

例えば、この時点で「下降トレンド再開」と判断したら、その時の方針は

「戻り売り」

でしたよね。

しかし、このBで陰線を付けた時点で即エントリーするというディテールではなく、この時点から「戻り売り」を狙うと決めていたら、どうです?

直ぐにはエントリーせずに、もちろんこの後に「戻る」場面を狙い待ちするわけです。

じゃあ、次の展開を見てみましょうか。

戻り売りの局面を狙っていたら、結果として再び価格は75SMAの上に戻ってしまうわけで、戻り売りをする前に

「また、分からない場面に突入しちゃった」

ってなるわけですよ。

ですから、このガイドラインを適用しても、実際は売らずに済むんですね。つまり、この様に間違ってはいなかったってこと。

で、その後の展開も

再び陰線が75SMAを下抜きますが、戻り売りの場面を狙っていても、結局は75SMAの上に価格が戻ってしまうので、売ってしまうという失敗は起こらないわけですよね。

で、僕は今、この局面だけを採り上げて解説してますが、通常、千差万別の顔を持つ相場の全ての局面を、誰かが1つ1つ説明してくれるなんて、あり得ないですよね。

こういった部分は、各自が検証して、自分なりのガイドラインを具体的に作らなくちゃいけないんですよ。

そうでなければ、僕らは様々な局面において実質的な対応は出来ないんです。

「知ってるだけじゃ、出来ない」

と僕はこのブログで何度も言ってますが、こういった分かりづらい局面は、まさにその典型例なんです。

もちろん、検証の結果、自分のロジックが完成していれば、ここで売る人もいるかもしれませんよ。

例えば、環境認識として上図をガイドラインにして「売り局面」と判断した場合、スキャルピングとして5分足で戻り売りを狙うのであれば・・・

上図5分足の赤い矢印が、1時間足で陰線をつけて75SMAを下抜けた波動です。

これを見て、青い矢印の波を獲りに行くのは、その人のスキルによっては可能な局面です。

いずれにせよ、自分が検証して確率的に作り上げたロジックであり、練習によってそれが実行可能なスキルとして持ち合わせているのであれば、

誰がどう言おうが、それは各自の自由ですし、それが正しいトレードなんです。

 

自由にやったら良いさ

 

僕が常にそういうのは、そういった意味も大きいからなんですよ。

検証した結果、そこに優位性があると判断したロジックをアナタが確立しているのであれば、仮にその局面で負けたからといっても、それは「正しい負け方」ということになります。

正しい負け方

ここでちょっと、僕が先週、損切りした時のお話をします。

これ、ポンド円の1時間足です。

赤い四角の部分で、この時の僕は何度か買いを仕掛けました。見ての通り、上昇する75SMAから反発している局面ですね。

(実際のこの時の僕は、違うロジックでトレードしていたので、このMAは表示していませんでした。しかし、結果としてチャート・デザインシリーズで紹介したガイドライン通りの展開になっていましたので紹介しています)

この局面、もう少し見やすくなるように、15分足に切り替えてみます。

上図の緑色MAは1時間足75SMAの近似値ですが、MAで何度となく跳ね返されているのが分かると思います。

で、この局面で僕は、上図水平線を抜けて上昇すると踏んで、買ったんですね。

しかし、見ての通り、何度も上値を試しますが、水平線に阻まれて上昇ききれませんでした。

なので僕は、下で買っては上がりきれないと逃げるを繰り返すトレードをしていたんですね。

で、最後はもう寝る時間だったので、そのまま放置。起きたら損切りになっていた、という展開です。

で、結果として最後のトレードは負けで終わったわけです。

しかし、この損切りした場面って、残念がって後悔する場面でしょうか?

「あー、早めにエグジットしておけば良かった」とか
「エントリーしなきゃよかった!」とか

そんな風に嘆く場面だったのでしょうか?

ここで多くの人が結構勘違いします。

トレードとは、確率のもとで行われます。だから、勝率7割であっても、トータルで3割は必ず負けるんですよ。

逆に言えば、その3割の負けを許容することで、トータルで勝とうとするのがトレードです。

ですから、正しくトレードして、それで負けるのは、むしろそれは正しい負け方となります。

逆に、ロジックに反してトレードをして負けた場合、それは明らかに間違った負け方ですし、仮にそれで勝ったとしても、それは間違った勝ち方であり、過ちでしかありません。

そういった観点で言えば、正しく負けた場合は、それを悔やむ必要も嘆く必要もないわけです。

じゃあ、先のトレードで損切りしてしまった場面。これは、正しい負け方だったのでしょうか?

さて、恒例のシンキング・タイ~ム!!

 

 

・・・

 

・・・

 

・・・

 

考えました?

では、正解の発表です!

その答えは!

 

そんなん、知らねーよ。
人それぞれだろ。

 

が、正解です!

これ、冗談でも何でもありません。

というか、僕が常日頃、「検証しろ」と言っている意味が、ここにもあるんですよ。

僕が「チャート・デザイン」シリーズで例に出したガイドライン「1時間足75SMA」で言えば、

MAが上昇していて価格がその上に位置している場合は、買い方針

ですから、買い判断は正しいことになります。

75SMAからの反発からの買いをディテールとして組み込んでいれば、それもまた買い判断は正しいことになります。

ですから、僕が前回までに例で挙げた範囲内での判断であれば、この局面での買いは正しい判断となり、

正しい負け方

ということになるわけです。

しかし、同じこの局面でも、きちんと各自が検証していたら、必ずしも皆が買い判断になるわけではありません。

もう一度、チャート図を見てみましょうか。

赤い四角で囲った直前に、青丸の部分で、上昇する75SMAを一旦下抜けるも願い叶わず直ぐに反転上昇してしまっています。

この様に、一旦75SMAを試した後に直ぐにまた75SMAを試す場合を検証した人いますか?

このケースを検証して、この場合は「上昇に失敗することが多い」と判断していて、買い方針のガイドラインから外していたならば、

「ここで買ったのは間違いであり、反省しなければいけない負け方」

ということになります。

また、この青丸のポイントでの下値の試し方によっても、判断が変わっていたかもしれませんよね。

「上図の様にMA付近で小競り合いがあるならば、次は危ない。でも、小競り合いなく反転上昇していたなら、次にMAを試した時も買い方針は有効」

とかね。

他にも、色々考えられますよね。

例えば、上図では75SMAの直ぐ上にレジサポがあります。こういった場合はスルーすると検証して決めることもできます。

で、エントリーしてはいけないとしていたのに、トレードしてしまえば、それは間違ったトレードです。勝っても負けてもそれは「ダメな勝ち方」「ダメな負け方」です。

しかし、「エントリーしてもOK。しかしレジサポで様子を見てエグジットを決める」としている人であれば、ここでのエントリーは正しいエントリーになります。

で、その結果負けた場合は、

「レジサポでの振る舞いを見てエグジット出来る実力が自分にはなかった。実力がつくまで、このケースは買わないことにしよう」

とか

「レジサポ付近で上手く立ち回れる様に練習しなくちゃ!」

など、次に自分が採るべき手段を、色々と前向きに検討出来ることになるわけです。

しかし、検証もせずに、記事の内容だけで納得して分かった気になり、先の局面で買って失敗した人は、この1回の負けで全てを判断しようとしてしまいます。

胸を張って負けても良い場面であっても、何が問題だったかも振り返らずに、ただクヨクヨして悔やんだりします。

それどころか

「この手法は間違ってる。信用できない」

ってなったりして、再び打ち出の小槌的な手法探しの旅に出ます。

まさに、負けるべくして負ける思考回路と行動性なんですよ。

 

さて、ここまでお話してきた様に、

相場には「分かりやすい相場」と「分かりづらい相場」があります。

で、「分かりやすい相場」とは、頭で比較的理解しやすい内容で、検証と練習することで、直ぐに身に着けることができる局面のことです。

しかし、多くの場合は「分かりやすい相場」ではなく、「分かりづらい相場」に直面します。

そして、そんな「分かりづらい相場」とは、ある程度検証を重ねないと、実践で用いることが難しい場面です。

また、きちんと検証して自信を持ってトレードできなければ、正しく負けても悔やんでしまい、むしろ今後正しくトレードすることを妨げてしまう局面です。

この点を踏まえながら、検証と練習に励んでもらえたらなぁ、と思いながら、今回はここまで。

それじゃあ、また。