エントリーポイントの狙い方(1)

今までこのブログでは、エントリーポイントに関するお話を何度かしてきました。

が、今回はちょっとその「まとめ」的なところから入って、そこから少し実践向きな内容をお話していこうかと。

このブログの読者さんからすれば、もうお馴染みの話で始まりますが、そこは復習だと思って読み進めてください。それが基本となって、その後は今までには触れていないお話まで突っ込んでいきますんで、期待してくださいね。

それでは、始まり始まり~!

勝てない人のエントリーパターン

トレードで勝てない人というのは(まぁ自分も昔はそうでしたが)

  • 買えば下がり売れば上がる
  • 損切りすれば元の方向へ反転する
  • 損切りしてドテンすれば往復ビンタ

ということが、怖いくらいに繰り返されます。

どうしてそんなことが起きるかというと、頭では色々とテクニカルを駆使して分析した気になっていても、実際はロジックではなく、欲望に振り回されてトレードしてしまっているからです。

勝てない人の典型的なパターン1

勝てない人は、まだ値動きが大きくない局面で、

「ここから価格が大きく伸びたら勿体ない!」

という感情から、価格を後追いしてしまいがちです。

上図の様に、値動きに釣られて後追いしながらトレードしてしまうと、買ったところが高値になりやすく、売ったところが安値になりやすくなります。

値動きを後から追っかけているわけですから、当然ですよね。

また、直近高値を上抜いたりすると「ブレイクした!価格がここからグングン伸びたら勿体ない!」と慌てて飛び乗ってしまいますが、そのブレイクは結果的にダマシとなり、やはり高値掴みとなってしまいます。

これって全て、値動きを後から追いかけてしまうから、そうなってしまうんですよねぇ。

勝てない人の典型的なパターン2

ところが、一旦価格が大きく動き出した(トレンドが始まっている)のを見てしまうと、勝てない人の行動パターンは、感情によって変質します。

「あー、既に価格は大きく動き出してしまって勿体ないことをした。大きく上に伸びちゃった後だから、ここから追いかけても魅力がない。むしろ伸びた分だけ戻してくれる値幅の方が魅力的!」

ってことで、値ごろ感からトレンド中に逆張りを繰り返します。

上昇トレンド中に、値ごろ感で売りをし続けますが、その度に担がれて損切りを繰り返してしまいます。

そして、逆張りを諦めたところで価格は大きく下がり出す・・・

トレンドが始まってしまっているなら、値動きが小さい時の様に値動きの後追いしていても、実際は逆に十分勝てるはずなんですよ。

ところが、実際に価格が大きく動き出してしまった後は、欲望によって後追いは止めて、逆張りをしてしまうんですね。

結果として、まるで相場にからかわれているかの様に、やることなすことすべてが逆を行ってしまって負け続けるのが、勝てない人のエントリーポイントです。

全ては、感情に振り回され目先の値動きに振り回されてしまっているだけで、実際はロジックでトレードしていないことが原因なんですよね。

正しいエントリーポイント

では、勝つためのエントリーポイントとは、実際どの様なものなんでしょうか?

既に何度もお話していますが、正しいエントリーポイントの概要を、以下にまとめてみました。

レンジの場合

価格が上下に行ったり来たりしている場合、つまりレンジ内で価格が上下している場合は、

レンジ上限に到達して反転したところを売り、レンジ下限に到達して反転したところを買います。

またレンジブレイクの際は、ブレイク直後に飛び乗るとダマシに引っ掛かりやすいので、下図の様にロールリバーサールでエントリすることを基本にします。

ブレイク後のレジサポ確認後の反転を狙うわけですね。

(ただし、レンジ内取引が出来ないレベルの小さな値幅のレンジやフォーメーションの場合は、ロールリバーサルを確認せずにブレイク後に飛び乗ってもOKです)

先ほどの勝てない人の典型的パターン1と見比べてみて下さい。

勝てない人は負けるべくして負けるポイントでエントリーし、勝つ人は勝つべくして勝つポイントでエントリしているのが対比されて、分かりやすいと思います。

トレンドの場合

トレンドというのはダウ理論に習って定義するならば、

  • 上昇トレンドは高値低値を切り上げ続けている状態
  • 下降トレンドは高値低値を切り下げ続けている状態

というのは、もうお馴染みの話です。

で、トレンド時におけるエントリーポイントというのは、基本的に2種類あります。

上昇トレンドを例にとって説明すると、

  • 直近高値を越えたポイント
  • 直近低値を下回らずに反転上昇したところ

の2つです。図で示すと、

直近高値を越えた上図エントリーポイント1か、直近低値を下回らずに反転上昇した(低値を切り上げた)エントリーポイント2でエントリーすることになります。

では、この2つのポイント、どの様な特徴があるんでしょうか?

詳細は「エントリーのタイミングをどう考えるか?トレンドフォロー編」に譲りますが、端的に説明すると

エントリーポイント1でエントリーする場合、エントリーの難易度は低いですが、損切り幅は大きくなりますし、含み損になった場合、それに耐える金額と時間が大きくなりがちです。

逆に、エントリーポイント2でエントリーする場合は、押し目を付けた後に反転上昇するタイミングを捉えるため、テクニカルの技術が必要になります。

しかし、損切り幅がポイント1よりもはるかに小さくなるため、リスクリワード比(利益が出た場合の値幅と損失が出た場合の値幅の比率)が良く、また含み損に耐える時間も少ないというメリットがあります。

で、僕がエントリーポイント2を狙うことをお勧めしているのは、既にブログの読者さんは承知のことと思いますが、もう少しこの点について、お話しますね。

低く買って高く売るということ

昔からトレンドフォローのスタイルは

「高く買って、より高く売る」

と言われていますし、また相場格言でも

「押し目待ちに押し目無し」

とも言われているのは、ご存知だと思います。

ただ、ことFXトレードに関しては、株式トレードと比べると、少し勝手が違います。

株式相場というのは、数年に渡って長期にトレンドが続く大相場が、当たり前のようにあります。トレンド形成期間が長いんですね。

こういった相場つきでは、トレンド方向に沿ってガンガン売買した方が吉と出ることが多いので、新高値更新で買うという手法も有効な場面がかなり多くなります。

しかし、外為相場というのは、「永遠のレンジ相場」と言われる通り、株式市場の様に長くトレンドが続くことはそれほど多くなく、上下に行ったり来たりする機会が多くなります。

ですから、高値安値更新でエントリーしていると、買ったと思ったら価格は下に向かい出し、売ったと思ったら逆に上に向かい出したりと、値動きに振り回されてしまいがちになるんですよ。

また、ご存知の通り、高値低値更新(ブレイク)でのダマシも、かなり多いですよね。ブレイクしたと思ってついていくと、反転して損切り・・・なんてのは当たり前に起こるのがFXの世界です。

つまり、FXトレードにおいては、高値低値更新でエントリーしていくというのは、リスクが大きくなりがちで、得策とは言い切れないことになります。

エントリーポイントとはつまり反転ポイント

以上のことから、エントリーポイントをまとめると、

  • レンジ内取引ではレンジ上限下限に到達して反転したらエントリー
  • レンジをブレイクしたら、ロールリバーサルによってレジサポに一旦戻ってきてから反転したところをエントリー
  • トレンド時は、押しや戻しを付けて反転したところをエントリー

ということがエントリーの基本になり、要するに全ての局面において

反転ポイントがエントリーポイント

ということになります。

そう、いつだって反転を捉えてエントリーするのが基本なんですよ。

下手くそな図で申し訳ありませんが、上図の様に反転を始めたところを捉えながらエントリーするのが正しいポイントです。

正しいエントリーとは、常にジグザグと描く波の山越えで売り、谷越えで買うということになるんですね。

エントリーポイントを「反転ポイント」に絞り込むことで、反転にのみ集中して検証と練習を続ければ良い

というメリットが生まれます。

そう、これがBOZ流の考え方でした。

とってもシンプルですよね。

 

ただし!

 

これ、頭で分かってても、実際には欲望に釣られてなかなか出来ないことなんで、頭で覚えるのではなく、身体に刻み付ける様にしておいてください。

なお、この辺の詳しい解説は、「ジグザグと描く波の渡り方」をご覧ください。

エントリーポイントの探り方

厄介なトレンドの押し戻し

エントリーポイントとは、反転ポイント。

これは分かったと思います。

レンジの場合は、レンジ上限に達して反転したら売り。レンジ下限に達して反転したら買いです。

レンジをブレイクしたら、ブレイクとなったレジサポをもう一度試して反転したら(ロールリバーサル)、反転した方向にエントリーです。

しかし、実は厄介なのはトレンド時です。

トレンド時には押し戻しを付けて反転したらエントリーですが、じゃあ一体その押しや戻しはどこまで進んでから反転するんでしょうか?

後付けで、「ここが押し目を付けたポイントです」とドヤ顔するのは簡単です。

しかし、僕らは先の見えないチャートを見ながら、押し目はどこまで進んで、どこに達したら反転してトレンドを再開するのか?ということを考えてトレードしなくちゃいけません。

じゃあ、トレンド時の押し戻しを狙ったエントリーはどの様に考えたら良いのでしょうか?

エントリーポイントを考える2つの視点

押し戻しからのエントリーポイントを探るには2つの視点が必要です。それは、

  • 価格の到達点を探る視点
  • 価格の反転を確認する視点

です。以下に、説明を加えます。

到達を探る視点

到達を探る視点とは、押しや戻しはどれくらいまで進行するのだろうか?ということを考え、価格のその到達ポイントを探る行為です。

要するに、価格がどの辺りまで押し戻しをつけるまでエントリーを「待つ」のか?ということですね。

上昇トレンドで例えるならば、

上昇トレンドの中、値動きを後追いするのではなく、まずは価格が押し目をつけるのを待ちます。

そして、下げてきた価格がどこで下げ止まるのかを、テクニカルを用いて予め想定します。

到達ポイントを探るためのテクニカルの代表格は、

  • ライン(レジサポ等)
  • 移動平均線
  • フィボナッチ

ですかね。

以下は、テクニカルを用いて到達ポイントを探った具体例です。

上図を見ると、下降トレンド中、直近安値がレジサポとなって、戻しの到達ポイントになっていることが分かると思います。

また、上図の青丸Bは、移動平均線が価格の戻し到達ポイントの例です。

詳しくは「チャート・デザインのすすめ(5)」を参照してください。

以上が、価格の到達ポイントを探る視点です。

反転を確認する視点

エントリーポイントを確定するには、もう1つ別の視点が必要です。

それは、反転確認。

押し戻しが想定したポイントに到達した後、きちんと反転し、トレンド方向へと再び価格が進みだすのかどうかを確認する作業です。

なぜなら・・・

到達ポイントを想定していても、実際に価格はそのポイントを越えて更に進んでいくかもしれません。

想定していたポイントに到達したからといって、無闇にエントリーしても、そこを越えて価格が進んでしまったら、損失を招いてしまいます。

ですから、

想定していた到達ポイントで価格が止まり、そして反転してトレンドが再開したことを確認してエントリーする必要があります。

反転確認をするためのテクニカルとして代表的なものは

  • プライスアクション
  • 移動平均線
  • オシレーター

などがあります。

下の図は、移動平均線とオシレーターを用いて反転確認を行った例です。

見ての通り、まず移動平均線によって到達が確認された後、そこできちんと止められ反発しているのが、赤い丸部分で分かると思います。

それと同時にストキャス(オシレーター)が青い丸で反転を示唆しています。

これによって、下降トレンド中の戻しが終了しトレンド再開したことが確認できたので、ショートでエントリーすることになるわけですね。

これら反転確認に関する詳しい内容は、先ほどと同様、「チャート・デザインのすすめ(5)」を参照してください。

以上が反転確認の概要です。

2つのポイントの優先順位

必ずしも到達確認と反転確認の両条件が揃ってなければエントリーは出来ないのか?と問われれば、

「そんなことはない」

というのが僕の答えです。

しかし、そこには注意が必要です。

価格の到達確認と反転確認では信ぴょう性が異なります。2者のうち、より重要なのは、「到達確認」になります。

理由は簡単です。

テクニカルを用いて反転確認を行なう際、その反転示唆がきちんとしたチャートポイントでないところで起きても、実際はダマシを連発します。

つまり、きちんとしたチャートポイント(到達ポイント)でテクニカルが反転を示唆しなければ、反転確認におけるテクニカルの判断は、信ぴょう性が薄いということです。

しかし、それに対して、到達ポイントだけでエントリー判断しても、上手くいくことは結構あるんですね。

ただ、そのためにはプライスアクションやトレンドの強弱等の判断に熟知している必要があります。

なので、到達確認の後に反転が確認されたという2つの条件が揃ったところでエントリーするのが基本だということは、必ず覚えておいてください。

 

さて、ここまでが今まで僕のブログに散らばっていたエントリーポイントに関する概要のまとめになります。

では、ここからはより実践的な内容に入っていくことにしましょう!

と思ったんですが、ちょっとまとめ記事の割には長くなってしまいました。

ということで、続きは次回でお話することにします。

「なんだよ。肩透かし喰らっちまったじゃねーか!」

と思う方もいるかもですが、今回のお話は絶対避けて通ってはいけない基本中の基本です。これを抑えていないと、次回のお話は分かったつもりでも、実践では使いこなせなくなります。

なので、復習だと思ってこの記事を再度頭に叩き込みながら、次回作を待っていただけたらな、と思います。

それじゃあ、また。

臨機応変ということ

目線固定の弊害

トレード関連の情報を色々と見ていくと、

「上目線」
「下目線」
「目線固定」

という言葉をやたらと聞きます。

一般的に目線固定というのは、「上昇トレンドだったら買い方針のみ」という具合に、

トレンドの方向でしかエントリーしない様に行動を律する
買いか売りかの方針を決めたら、決めた方針を守る

という意味で使われてるんじゃないかなぁ・・・と思います。

確かに、それはそれで良いと思うんですが、僕の様に決して若くはなかったり、それほど器用じゃない人間は、一旦考えを決めてしまうと、その固定観念に縛られてしまいがちです。

で、僕の経験上、それって結構痛い思いするんですよ。

だってね、僕らは未来のことなんて知る由がないんですから。

なのに、綿密にチャート分析をやって目線を固定してしまうと・・・

方針と全く違った方向に動いても対処できない!

ってことになるんですよ。

売り方針で臨んで、実際には上昇してしまって損切りしても、上昇中にずっと売り時を狙い続け、上昇し続ける中で売り続ける羽目に陥ってしまいがちです。

なので、僕は目線を固定するというやり方は、あんまり好きじゃない。

やっぱりね、大切なのは

固定観念や先入観に縛られずに、間違ってたら間違ってたで素直にそれを認め、今の現実の流れについていく

という姿勢が大切なんだと思うんですよ。

つまり、臨機応変さが大切ってこと。

実例を用いて

過ちを認めよう

ちょっと、チャート使って説明しますね。

これ、オージー円1時間足チャート。

僕は昨日(2020/04/07)、この下降チャネルラインを引いて、赤い丸で記したところで売りエントリーをしたんですよ。次に価格はチャネル下限に向かって進むと判断して。

で、その後は直ぐに20pips以上の含み益が出てたんですが、もちろんライン下限に向かうと思ってるので利確はしなかったんですね。

ただ、エントリー後の値動きからすると、上にブレイクしてもおかしくない感じでした。なので、利確するか迷ったんですが、損切りしても10pipsちょっとで済むので、そのままポジションを保有することにしたんです。

で、ここは割と大切なポイントです。

改めて思い直してみると、仮に僕がポジションを持っていなかったら、値動きを見て「ブレイクするな」と踏んで買うタイミングを狙っていたはずだったと思います。

しかし、僕は売りポジションを持っていたため、自分の考えと行動に修正を加えられなかったんですね。

なので、結果は・・・

見ての通り、その後は反転上昇して、下降チャネルをブレイクしました。

僕も、まだまだですね。(* ̄∇ ̄*)ゞ テヘッ♪

では、ここでどうするか?

「売り方針」という固定観念、「価格は下がる」という先入観に縛られたままだと、

  • 損切りしない
  • ナンピン売りを続ける
  • 損切りと売りを繰り返し続ける

のいずれかを続けることになります。

でも、こういった場合は素直に

「ラインをブレイクしたので、流れが変わったかも」

という事実を受け入れる姿勢が大切なんですよ。

昔の僕なら、恐らくここでムキになって売り向かい続けたと思います。

しかし、相場は自分の想い通りになりません。どんなにムキになったところで、そこに意味はないんですよ。むしろ、相場の流れに素直に従うことが大切です。

ということで、昨日の僕がとった行動は・・・

5分足を用いて説明します。

赤い丸が売りエントリーです。値動き的に「ヤバいかな?」と思った時点で臨機応変に対処できなかったため、損切りする羽目になりました。

損切りしたポイントが青い丸のところです。

ラインを抜けた時点で、「やっぱ、そうか。抜けたか」と感じました。値動き的には、ラインをブレイクした後のフォロースルー(ブレイク後に後を追って買う勢力)もあるなと思ってたので、予め注文しておいた逆指値(STOP)を受け入れることにします。

しかし、見ての通り、ラインをブレイクした価格は、STOPには届かず再度下落を始めます。

ただ、この時点で僕は、視点(先入観)がクリアになっていたので、

  • 再度チャネル内に戻る様であれば、この値動きはオーバーシュート
  • チャネルのラインに跳ね返されたら、ロールリバーサル

と判断できます。

なので、手動で損切りするかどうかをまず判断することに。

結局、ラインに下落は止められたので、青丸のポイントで成行注文の損切りをします。売り方針をすんなり捨てたことにより、損失は13pipsほど。

で、その後にロールリバーサルだな、ということで(やや操作は遅れましたが)緑丸の辺りで買いエントリーをし直します。

後は、赤い矢印を見ての通りです。

臨機応変に買い方針にすんなりと転じたことにより、約40pipsと約20pipsのトレードが可能になりました。

3倍返し!いや、5倍返しだ!!

しかし、もし目線を固定したままで先入観を捨てられずに、売りに拘ってエントリーし続けたとしたら・・・

怖いですよね?

僕の経験上、売り向かった場合の大体のパターンといったら

ラインを越えてしまった後も、赤い丸で囲った辺りを目印に売りを続け損失を膨らませ、1つ目の緑色の丸を目印にして売った後は含み益が出ますが、今までの損失もあってか欲を出して利確できず、次の緑丸で損切り。

しかし、その後の微妙な下がり方を見て

「あー!損切りしなきゃよかった!!」

と後悔しながら、次の赤い丸でやっぱり売るんですよ。

で、損切り。

そしてついに力尽き、最後の青丸ポイント当たりからは指をくわえて下落するのを見続けながら

チックショ~~!!

と小梅太夫ばりの叫び声を上げることになります。

売り手が焼かれつくしたところが、上げ止まりになるわけですよ。

これ、相場あるあるですね。自分に良くあることは他人にも良くある。

人の常とは、世の常でもあるわけです。

相場は生物

相場とは生物(いきもの)であると同時に、生物(なまもの)です。

そう、「なまもの」。賞味期限は短いんです。

ですから、自分が分析したことに、いつまでも縛られ続けるとお腹を壊します。

例えば先ほどのオージー円の1時間足。

下降チャネルを大きくブレイクした後、再度下落してチャネルラインにぶち当たっています。

何やら、ラインに止められて反転している様に見えますよね。

先ほどの僕が紹介したトレードでは、小さな波のロールリバーサルでしたが、今度は大きな波でロールリバーサルを形成して、大きく上昇しようとする直前の様です。

ん?

ホントですかね?

それでは、恒例のシンキング・タ~~~イム!!

 

 

・・・

 

 

・・・

 

 

・・・

 

ホントにこれ、ロールリバーサルですかね?

 

・・・

 

・・・

 

・・・

 

分かりました?

 

では、答えを言いましょう。

答えは・・・

 

分かんねぇよ、そんなの。

 

が正解です。

当たりました?当たるわけないですよね?

じゃあ、解説しましょう。

先ほども言いました。相場は「生物」だと。

相場は「いきもの」ですから、ずっと同じ形に留まってはいませんし、同じところにも留まりません。

そして、そんな相場は「なまもの」ですから、分析したその時の賞味期限は直ぐに切れてしまいます。

下降チャネルと判断した相場は、あえなくブレイクしてしまったんですよね。

ということで、確かにチャネルラインに一旦止められていますが、このラインも賞味期限を過ぎてしまうかもしれません。

そして、「いきもの」である相場は、常にその形を変えてしまいます。

例えば、こんな風に。

あれ?

これって、下降チャネルを形成してたんじゃなくて、レクタングル(四角)・フォーメーションだったの?平行レンジってこと?

いえいえ、ホントのところどうかは、今のところ分かりません。

下降チャネルのラインがまだ有効で、ロールリバーサル後は上昇を始めるかもしれません。

しかし、この後は平行レンジを形成し、仮に上昇したとしても上の水平線に止められて、下降を始め、次に下の水平線へと下値を試すかもしれません。

つまり、その後の未来に「絶対」はないんですよ。

あくまで、可能性の世界。

僕らが出来ることというのは、過去から現在の値動きから、未来への可能性を探るだけ。そして、その可能性の中からリスクと優位性を見出しながら、自分がとるべき可能性(道程)を選択して歩み続けるだけなんです。

そして、そんな可能性に対して、常に臨機応変な対応をし続ける。

それが、トレーダーというものです。

なんだか、トレードと人生観は、重ね合わさることが多い様な。そんな気がする2020年緊急事態宣言発令中の春です。

流れに従う

流れに逆らわないために

臨機応変に振る舞うことは大切だと頭で分かっていたとしても、人はついうっかりと自分の先入観に縛られてしまいがちです。

では、先入観に縛られずにいるためには、どうしたら良いでしょう?何か良い判断材料みたいなものは、ないのでしょうか?

もし仮に、そう聞かれたとしたら、僕はきっとこう答えます。

 

そんなの、自分で考えれば?

 

冷たいですか?まぁ、冷たいですよね。

でも、他人の頭で考えてもらうことばかり考えて、自分の頭で考えない人は、魑魅魍魎の潜むこの相場の世界では到底生き残れません。

なので、「どうしたら良いか?」というテーマは、常に自分の頭で考え抜くことが大切です。

ただ、こんな話をしてしまった以上、「自分の頭で考えなよ」で終わらせてしまうのも、何か違う気もしますので、僕から1つの提案しておきます。

それは、移動平均線。

僕は、目線を固定するなら、それは上目線・下目線ではなく、価格推移の「流れ」を固定した方が良い、というお話をしています。

具体的に再度お話するのは面倒なので、「時間軸に関係なく流れの目線を固定しよう」あたりを参照してください。

まぁ、要するに価格の流れを抽象化した移動平均線をきちんと意識しておくことで、流れにきちんと従うことが出来るということです。

先ほどの

という、売りに固執してしまったら大損害を受けたであろう場面ですが、移動平均線を表示させると

パーフェクトオーダー。

どこをどう見ても、買いポイントを模索する場面にしか見ません。

もちろん、これは1つのヒントでしかなくて、提案です。別に移動平均線を3本表示しなくちゃいけないということでもありません。

自分の基軸となる流れを示す移動平均線を1本だけ表示させておくだけでも良いですし、移動平均線を使わず別の何かを基軸としても構いません。

ただ、チャート上に価格の流れの方向をきちんと意識させる道具(インジとか)を何か1つでも用意していくことで、それは勝手な先入観という呪縛から解き放たれる助力となると思うんですよ。

そういった工夫を自分なりに加えていくことで、流れに沿いながらも臨機応変に相場を渡り歩くコツを掴んでいけるんじゃないかなー、と思います。

チャート分析の心得

真剣にトレードに取り組んでる人にとって、チャート分析とは大切なものです。

毎日の作業として、その日の終わりまたはトレード始める前には、念入りにチャートを確認し、分析します。週末には、次週の分析をやはり念入り行います。

人によっては、凄く丁寧に時間をかけて分析しているんじゃないかなぁ?

非常に喜ぶべき姿勢ですし、その努力が早く実ってくれたら良いな、と思います。

ですから、そんな一生懸命な人へ向けて、老婆心ながら僕からアドバイスをさせてもらうとしたら、

 

そんな時間かけた分析、いらねーし

 

という一言になるでしょうか。

別にトレードで勝つためには、長時間をかけてまでやるような高度な分析は、特別必要ありません。

高度な分析などせずとも、シンプルに分析することで、トレードでは十分勝ち続けることが出来るんですよ。

さっきの僕のトレードの例、ご覧になりましたよね?

チャネルライン引いて、ラインに当たって跳ね返されたところを売っただけです。で、その行為が否定されたら損切りして、後は流れについていっただけです。

僕は普段オージー円をやらないので、たまたまチャート覗いてライン引いて見たという、ものの数十秒の分析ですよ。

ひょっとして、まさか・・・

長い時間と労力をかけて分析したら、相場の謎を解き明かせるとでも?

そこまでは思ってないにしろ、自分の労力に時間をかけたらかけた分だけ、的確な分析によって素晴らしいトレードが出来るとでも?

んなこたぁ、ない。幻想なんですよ、幻想。

例えば、バッターボックスに立つ前に、相手の投手の分析を長時間かけるだけだけて練りに練った上で、

「きっと、一球目はAでくる。もし、AじゃなくBであったら、こうやってこう対処して・・・」

って方針を決めて、その目線を「固定」してバッターボックスに立ちますかね?

で、投手がどんな球を投げてこようが、当初の方針に従ってバットを振りますか?

別に野球じゃなくても、卓球でも良いですよ。

「相手はまず、最初にこのコースでこんな回転をかけて球を打ってくる」

って方針を固定して、相手がどの様な球を打ってきても、その方針通りにラケットを振りますかね?

なんかそれって、球を見ないでバットやラケットを振るのとあんまり違わない様な気がしますけど。

根本的なところ、間違ってませんか?

トレードもスポーツも、予め練りに練って予定された架空の世界の中で、闘うわけじゃありません。

常に、現実対応です。

むしろ、時間をかけて突き詰めて分析すればするほど、その分析に縛られてしまい、臨機応変に動けなくなってしまいます。

ですから、分析なんてのはシンプルに行ってシンプルに判断しておいた方が良いんですよ。

長々とトレードのシナリオを作成するためのチャート分析する時間があるのであれば、そんな時間はトレードの検証と練習に費やすべきです。

そう、どんな球が来てもその場で臨機応変に打ち返すことが出来るための、「現実対応」という腕を磨くための、ね。

人生、何事も・・・

先ほども言いましたが、相場を自分の想い通りに操作することは出来ません。自分の力じゃどうにもならないんですよ。

だから、諦めが肝心。

相場では、諦めることが大切なんですよ。

最近の自己啓発的な風潮だと「諦めなければ、夢が叶う」と言います。

が、少なくとも相場において、それは嘘です。真っ赤な嘘でしかありません。

例えばスポーツの試合なんかは、形勢不利であっても諦めずに踏ん張ることで、逆転勝利を掴むことは可能かもしれません。

しかしそれは、自分の頑張りで何とかなる範囲での話です。

自分の努力などとは全く無縁の世界では、そんな話は通用しないんですよ。

もし、諦めなければ夢が叶うと相場の世界で信じるなら、全財産を賭けて自分が信じる方向へとエントリーすれば良いんですよ。そして、逆行したなら、借金をしてでも自分が信じた方向へとエントリーし続けたら良いんです。

だって、信じれば夢は叶うんですよね?

もしそうなら、何も考えずにエントリーしつづけたら、億万長者になれるはずです。

でも、しないですよね?

なぜやらないかと言えば、諦めなければ夢は叶うわけじゃないっていう話が、相場では通用しないってことを、実は心の奥底で分かっているからです。

相場という世界では、諦めないのは地獄への一歩なんです。

だったら、諦めたら良いんですよ。素直に。

日本では古くから、「人生、何事も諦めが肝心」と言います。そして、それは僕たちが生きていくうえでの本質です。

諦めるとは、明らかに見極めるということ。

確か、雀鬼と呼ばれた桜井章一氏の言葉だったと思います。

諦めるというのは、押して出るべき時と引き際を、きちんと見極めるということなんですよ。押して出るべき時は突き進み、引き際であれば何の躊躇いもなくその場を立ち去るということです。

これ、非常に難しいことですが、非常に大切なことです。

自分が決めた方針と逆の方向に流れが行くのであれば、素直にそれを認め、諦め、そして流れの方向へとついていく。

己の過ちを認め、進むべき方向を見極めてそちらに方向転換をすることを受け入れる。

それも、勇気です。

諦めるとは、大切な勇気のことなんです。

相場の世界において、諦めないというのは、諦めきれないという往生際の悪さのことであり、ただの醜い姿でしかありません。

  • 諦めるとは、明らかに見極めること
  • 諦めないということは、醜態

そう胸に刻んで相場に臨むことは、臨機応変さを手に入れる1つの大きな指針かもしれません。

 

・・・ということで、

今回のお話は以上です。今回の内容は、思い付きで書き始めた様なものですが、皆さんのお役に立てたなら、幸いです。

それじゃあ、また。

主婦とホストと波の三角関係

気が付けばここ数回は、インジケーターを用いたトレードのお話が続いていました。

でもね、やっぱ値動きそのものは大切です。

だって値動きとは、価格推移そのものですから。僕らは、価格を取引しているんであって、インジケーターのシグナルを取引しているわけじゃありません。

ですから、結果的にインジケーターと併用するにせよ、しないにせよ、きちんと値動きを見ながらチャートと向き合うことが、トレードの精度を上げていくためには大切なんじゃないかなぁ~?と思うわけです。

ということで今回は、基本的な波の見方を先日までのポンド円チャートを使って、お話していこうかと思います。

ただねぇ・・・

実はこの記事、何とか今週の市場が始まる前にアップしたくて、日曜日の仕事終わった後に必死に書いてたんですが、

全然間に合わねぇ。

おまけに、寝落ちしちゃったし。

ということで、既に今週のポンド円の値動きは分かっちゃったって話は抜きにして、

それでは、始まり始まり~!!

波の形成過程を考えよう

僕のTwitterをご覧の方は、先日のこのツイートご存知かと思います。

ということで、先週金曜日の時にリアルでポンド円チャートを見ていた人は、その時の自分の見方、考え方、そして心理状況を踏まえながら、今回の解説を読んでください。

僕の考えが絶対というわけじゃないですが、トレードが上手くいかないという人にとっては、僕のチャートの見方と自分のチャートの見方を比較することで、何か具体的に掴めるものがあるんじゃないかと。

では、まずは先週金曜日までのポンド円15足チャート。

先週の金曜日がざっくりと赤丸で囲ったところですね。

で、この既に出来上がったチャート全体を、後付け解説でザックリと言ってしまえば、

緑色の矢印が示す様に、下降してきた価格は1月30日日本時間の夕方で反転上昇。その後は上昇トレンドを形成しますが、金曜日にはレンジ(三角保ち合い)を形成。

となるわけですが、今回はそういったお話をしたいんじゃないんですね。

この波を描いて価格が形成されている過程の中で、その時々でどの様に思考していくか?をお話したいんですよ。

また、実際のトレードでは、まずは大きな時間軸を見て、その傾向を踏まえて考えていくのが筋なんですが、そういった大局観も脇に置いてお話します。

今回は、あくまで波が1つ1つ形成されていく中で、それを見ながら、その都度どう判断していくのかをお話するのが目的ですから。

ということで、下落から反転上昇を始めた辺りまで時を戻します。そこから先は例のごとく、隠しながら進めていきますね。

赤丸から上昇を始めるまでの間では、高値(緑丸)を切り下げながら緩やかに下降していますが、低値(青丸)はきちんと切り下げているというより、やや不規則な印象ですよね。値動きが不安定かな~?と。

こんな状況の中であれば、赤い丸で反転上昇したとしても、再びダラダラと下げたり上がったりする可能性は大です。だって、それまでの低値(青丸)からの反転上昇が、みんなそんな感じですから。

ただし、少しだけ明るい兆しがあります。

それは、オレンジ色の四角の部分。ここを揉み合った後に強めに下抜けていったわけですが、この下落を否定するかのように一気に反転上昇し、先ほど揉み合っていたオレンジ色の四角の部分の高値も抜きました。

上昇が強い。ひょっとして・・・

しかし、まだ分かりません。その後の経過を見ます。

勢いよく上昇したものの、Aを頭にして再度下がってきました。

どの程度下げるんでしょうか?その下げ方によって、再び上昇を始めるのか再び下落傾向に転じるのかの分かれ目になります。

まず注目するのは、先ほどオレンジ色の四角部分で囲った揉み合いの低値です。

ここを抜けたら、やっぱ下落傾向かな、と。

しかし・・・

オレンジ色の揉み合い部分の低値でピタリと止められて再度跳ね上がりました。

「ここを上抜けたら、買っても良いかな」

という判断になります。

なぜかというと、

ダウ理論で見ます。

赤い矢印を辿ってみれば分かる通り、低値は切り上げているので、次はAの高値を価格が上回れば、

高値切上げ&低値切上げ=上昇トレンド

という解釈になります。

ただ、これは比較的小さな波での判断なので、手放しで安心はしていられません。なので、Aを抜けたところで買いエントリーしても、小ロットで臨むか、いつでも逃げれる準備はしておきたいところです。

では、その後の状況を見てみましょう。

大きく抜けましたね。チャート上にあるめぼしい高値(緑丸)も全て上抜けてます。強い上昇示唆です。

また、先ほどお話した様に、早々とAを上抜けたところで「上昇トレンド確定!」と考えて、即飛び乗っていれば、上手く上昇気流に乗れたという展開です。

ただ、僕としてはもう少し慎重になっても良い場面かな?とも思っています。

なぜかというと、緑丸Yの高値、気になりませんか?目立った直近高値はここになるので、ここを抜けてからの方が、手堅い様にも思えます。

実は、この高値Yというのは、結構重要なポイントなんです。

このYの先っぽを通る黒色の水平線を引いておきましたが、良く見ると、この周辺で過去に何度も価格が反発するなどの反応しているのが分かると思います。

というのも、この水平線で記した価格は142.00のキリ番だからです。だから、意識されているんですよねぇ。

ですから、このYを上抜いたのを確認してから、買いエントリーするというのが、手堅いところかなぁ、と思うわけなんですね。

ただし、

上図にある最後のロウソク足付近のような高値で買うのは、禁物です。

タイミング的に先ほどのAやYを上抜いたタイミングで買えなかった人は、グングンと上昇する価格を見て、

「これを逃したら、勿体ない!!」

と高値掴みをしてしまいがちです。

しかし、これはやってはいけないことです。勝てない人は、何度も何度も経験したはずですよね。高値を追いかけて買うのは、自殺行為に等しいってことを。

これ、「ジグザグと描く波の渡り方」を読んだ人なら、もうお分かりですよね。完全に欲望に振り回されているだけの行為なんです。

「押し目待ちに押し目なし」

という言い方もされますが、「勿体ない」と思ったところで、買わなければ儲かりもしませんが損もしないんです。全然もったいなくない。

本当に勿体ないのは、欲望に振り回されて、高値を追いかけ高値掴みをして損失を出してしまうことなんですよ。

もう1度先の画像を見てください。

上昇トレンドの場合、

「価格を直近低値が下回らない限りは、上昇トレンドとして買い方針」

というのが、トレードの基本です。

この図で言えば、Bを下回ったら損切りということになります。

しかし、AやYを上抜いた時点で買うのであれば損失は限定的ですが、流石にこの図の最後のロウソク足付近の価格帯で買うのは、

ちょっと、損失額が大き過ぎやしませんかね?

ということなんです。

許容できるのであれば買えば良いですが、その損失幅、90pipsくらいありますよ?ホントに許容できるんですか?

デイトレなら、絶対に許容してはいけない損失幅です。見送りが賢明という判断になります。

主婦目線、最強説

主婦はプロの相場師

さて、ここで肝に銘じてほしいのが、チャートと向き合う時、トレードに臨むときのその感覚です。

決して欲望に振り回されるんじゃなくて、本来のマトモな自分の感覚を前面に押し出して欲しいんです。

そういえば、時を同じくして先週の金曜日に、僕はTwitterでこんなことをつぶやいています。

(注:「寝上がって」は誤字で「値上がって」が正解です)

普通の人の売買行動って、欲しいものを買いたい時は、出来るだけ安く買おうとするのが当たり前の行動なはずです。

ましてや主婦だったら、最近の野菜の妥当な相場価格を知っていますし、どの位安く買えたらお得感満載なのかも分かります。

もちろん、この位の高値だったら買うのを諦めようという「引き際」も心得ています。

「野菜ならあそこのスーパー、でも魚ならこっちのスーパーが安い」

というのも知っていますし、鶏肉の特売日も、ポイント倍増デーも予め把握済みです。

つまり、主婦というのは実は相場においての、プロなんですよ。しかも、凄腕の。

そうやって、家計を支えているんですから。

で、そんなプロが、高値に飛びついてしまうというのは、よほど緊急性があるとかじゃない限り、しないはずですよね。

なのに、なぜ飛びついてしまうのか?

それは、欲望に目が眩んでしまっているからです。

ホストに入れ込んだ主婦の悲劇

欲望に目が眩んでしまったその光景は、まるでホストに入れ込んでしまった主婦の様です。

お気に入りのホストに気に入られたい、嫌われたらどうしよう、彼をナンバーワンにしたい!などと、実はどうでも良いことばっかりに目が行きます。

ですから、ホストのほんの少しの動向が気になって気になって仕方がない。

小さな素振りを見逃したら、お気に入りのホストは私じゃなくて他の女に視線を注ぐかもしれない・・・

なんて行為は、15分足で見ても十分対応できる相場を、5分足1分足と細かく見ることで、少しの振る舞いも見逃さない様にするのと同じです。

これ、ポンド円の5分足です。緑色の丸で囲った部分が、ちょうど先ほどまで見ていた15分足の最新高値の部分です。

価格のちょっとの振る舞いでも気になって仕方がなくなってしまった心理状態なので、5分足でより細かい振る舞いを見ようとしています。

これ、ホストの一挙一動が気になって気になって仕方がない色狂いした主婦の行動ですね。

で、色狂いした主婦は青い四角で囲ったオシレーター(ストキャスティクス)のじれったい態度にもう、気が気じゃありません。

「冷たくされたくない、私に優しくして!」

そんな思いからストキャスが赤丸aを示した時に

「ここを逃したら、彼は私から離れていく!」

と判断して、今月の生活費に手を付けます。

しかし、彼の気持ちは更に下がっている様に思えるので、今度は赤丸bのタイミングで家を購入するための頭金として積み立てていた定期を崩して貢ぎます。

さらに赤丸cでは、家族の積み立て保険も解約して貢ぎます。

それでも彼の気持ちは下がり続けているので、ついに借金にまで手を出して彼に貢ぎだすんです。そして、そんな借金を繰り返し繰り返して、彼に貢ぎ続けます。

しかし、家族にどんな理由を付けようが、主婦が夜な夜な外出するなんて、バレバレです。しかし、そんな不自然すぎるという状況判断(環境認識・現状認識)すら、彼女は出来なくなっているんですよ。

だって、お目当てのホストの一挙一動しか目に移らないんですから。

そして、この欲ボケした主婦は、赤丸eで全てを失います。

ギャ~~~~~ッ!!!

笑えない光景です。これは悲劇というより、ホラーかもしれません。

しかし、そんな風になりたいですか?

なりたくないですよね?嫌ですよね?

本来なら、マトモな主婦として相場を見極める目を持っているはずなのに、そんな末路は迎えたくないはずです。

だったら、改めましょう。改めたら良いじゃないですか。

ではここで、主婦目線に切り替えて、もう一度先ほどのチャート図を見てみましょうか。

AやYを越えた辺りの安い価格で買えなかったからと言って、ご近所さんの主婦がこのチャート図の最後のロウソク足の終値で、目の色を変えて白菜を買ったとしたら、どう思います?

「え?嘘でしょ?信じられない・・・」

って、冷静に思いますよね。

はい、ではそんな冷静な目線になったところで、本題へと戻りましょう。

値動きに対する待ち構え方

正しいお祈りトレードの仕方

ではもう一度、先ほどのチャートを見てみましょう。

さて、この局面からチャートに向き合った僕らは、

「こんな高いところでは買えない。もっと安く買える局面を探そう!」

ということになります。

ということで、僕らがこの時できることと言えば、決して買いエントリーのボタンをポチッと押すことではなく、

「下がれ!下がれ!」

とお祈りするくらいのものです。

そう、正しいお祈りトレードとは、買ってから「上がれ!」とお祈りするのではなく、買う前に安く買うために「下がれ!」とお祈りすることなんです。

なんなら、替え歌でも作って歌ってもいいですし、YouTbeでも観ながら音楽に合わせてノリノリで踊ってみてもOKです。

だって、暇でしょ。上がり続けてる価格をずっと見てても。

お勧めは、この辺でしょうか。

ただし、この時間帯は日本時間では深夜なので、騒音によるご近所迷惑はお気を付けください。

・・・とまぁ、そんなこんなで時間を潰していると、調整局面に差し掛かって下がり出します。

良い感じですね。安く買えそうなので、お得感丸出しです。

では、次の展開を考えていきましょう。

お祈りの後は

お祈りしながら、歌を歌って動画見ながらノリノリで踊っていたら、神に願いが通じ、実際に下がってきました。

しかし、ぬか喜びしているだけじゃ埒が明かないので、

  • どの辺まで下がりそうか?
  • 反転上昇した際のエントリーの方法(トリガー)は?

ということくらいは、予め検討をつけておかなくちゃいけません。

例えばこんな感じかな。

上昇を始める前までの高値を斜めラインで結び、ここをブレイクしたとするならば、ロールリバーサル(レジサポ転換を確認して反発上昇)でエントリーするとか。

キリ番から上で揉み合ってるゾーンに注目して、このゾーンの上値で跳ね返されたらエントリーするとか。

このゾーン内に入ったら、再びそこから上に抜け出したタイミングでエントリーするとか。

で、その後の経過を見てみますね。

Dで反発。ロールリバーサルですね。しかし、先ほどのCの高値で止められています。

仮に、青色のゾーンを上抜けた時に買ったとしましょうか。

その場合、Eで決済してもOKです。40pipsは獲れてる感じですかね。

また、他に判断材料があるなら、まだ上昇すると判断して持っていても全然OKです。余裕で建値もしくは微益決済できますから、損はありません。

ほらね、賢い主婦の様に安値を探して買うと、結構余裕でしょ?でも、色ボケした主婦の様にして高値掴みしてたら、顔面蒼白だったはずです。

で、その後の展開をちょと見てみます。

CとEの高値をブレイクしたところで買いですかね。またFの反転局面を捉えられるなら、そこで買ってみるのも手ですね。

まぁ、常日頃言ってますが、こういった時にタイミングをとるのは、何でも良いんですよねぇ。値動きで判断しても、インジケーターを使っても。

ポイントさえ踏まえていたら何で判断しても良い、というのが僕の考え方ですから。

ちょっと、見てみますか。

先ほどのDの反転は、多少のタイミングが違っていますが、移動平均線のゴールデンクロスで買っても、ストキャスティクスの低値圏でのクロス、もしくは低値圏を上抜けで買っても、RSIのラインブレイクで買っても、めでたく成功しています。

で、先ほどのFのポイントの反転も移動平均線とRSIは、上手くタイミングを捉えています。


ただし、ストキャスティクスの青丸ですが、僕はストキャス使いじゃないんで、ここが正しい買いシグナルとなるかは分かりません。

ストキャス使い込んでる人なら、ひょっとしてここで買い判断できてるかも・・・ということで、他とは違って青色で囲ってみました。


まぁ、何が言いたいかと言えば、繰り返しになりますが、

きちんとしたチャートポイントで、きちんと使い込んでいる道具を使えば、ダマシも少なく、きちんとしたエントリーができるんだぜぃ!!

ということです。

先ほどの色ボケした主婦は、同じストキャスティクス使っていても、ダマされ続けてましたよねぇ。

でも、きちんと状況を踏まえて、正しいポイントで正しく道具を使えば、正しいトレードが出来るんですよ。

ということで、先に進みましょうか。

危険な三角関係

再三言ってますが、Gの辺りの様にある程度価格が進んでしまったのを追っかけるのは、御法度です。

下がるのを見守りながら、次の状況を窺います。

で、気が付くとこんな感じ。

ぱっと見、三角保ち合い(トライアングル)に見えます。ということは、

「パターンを形成しているから、そこをブレイクした方向にエントリー!」

と考えがちなんですが、安易な判断は危険です。ちょっと、解説します。

これ、僕の主観の域を脱してないかもしれませんが、近年、

高値を切り下げ低値を切り上げながら三角に保ち合うパターンは、分足チャートでは実質的には形成されないことが多い

というのが、僕の印象です。

このGの場面の前のE-Fの部分を見てください。ここでも高値を切り下げ安値を切り上げた三角保ち合いが形成されている様に見えます。

しかし、実はそう見えるだけ。

値動きが既に形成された後、つまり出来上がったチャートで判断するのと、形成途中で判断していくのとでは、ちょっと勝手が違ってきます。

実際、この局面で価格が形成されている途中で、保ち合いのラインを引こうとすると、以下の図の様になるはずです。

価格の形成途中でラインを引こうとすると、低値を結ぶラインが、気の早い人で緑色のライン、そうでない人でも赤色のラインになりがちです。

で、何も考えずに「ラインを割り込んだ」と思って売ると、上の図を見れば分かる通り、痛い目に合うわけです。

この様に、高値切下げ安値を切り上げながら保ち合いが始まった様に思える場面は、結構な確率で裏切られますから、注意が必要です。

で、そんな注意するポイントですが、具体的には以下の2点に気を付ければよいかと。

  1. ラインはあくまで仮定として考え、別の可能性を考慮しておく
  2. ボラが縮小する時間帯を考慮する

順を追って説明していきます。

1.ラインはあくまでも仮定

斜めに引くラインの厄介なところって、既に出来上がったチャートでは綺麗に引けても、価格の形成途中だと、上手く引けないことが多いんですね。

経験値が大切で、初心者には結構難しいんですよ、斜めラインって。

当初は三角保ち合いに見えても、その後の価格推移で結果的に、平行レンジとなったり、下降フラッグになったりします。

いや、むしろそっちの方が多いかと。

なので、「これ、三角保ち合いじゃね?」と思っても、あくまで仮ラインとして見ておく必要があります。

そしてそのためには、気持ちとチャートに余白を用意しておくことが大切です。

結果の出せないトレーダーのほとんどは、

「少しでも初動を捉えてチャンスを掴みたい!」

と思って、何でもかんでも斜めラインを引いてみたりします。

でも、それって先ほどのホストに入れ込んだ哀れな主婦と同じ行為でしたよね?ちょっとの挙動に敏感に反応して、痛い目にあい続けるという・・・ね。

ですから、気持ちに余裕(余白)を持って臨まないと。

で、そのためには、チャートにも余白を持って臨みます。

例えばこんな感じ。

「赤ラインの様に安値を切り上げている様に見えるけど、その後の展開では青ラインaやbくらいは下げても不自然じゃないな。」

と考えるんです。

そのうえで、直近低値Dを表す青ラインdを下回らない限りは、買い目線固定で買い時を待ち構えます。

そうやっておいてから、先に説明した様なインジケーターを利用して反転を捉えてみるのも、1つの手なんですよ。

でもまぁ、実際に無理してこのE-Fの波で反転上昇を捉える必要はありません。

気持ちとチャートに余白を持っていたら、直近高値CとEを結んだオレンジ色の水平線をブレイクしたら、「上昇トレンド再始動」として買えば良いだけなんですから。

ホストに狂った主婦の様に、ちょっとしたノイズに振り回されないためには、気持ちとチャートには余白を持って臨むことが大切です。

2.ボラが縮小する時間帯を考慮する

トレンドを描いてきた価格が保ち合いを形成する場合には、実は2つのパターンがあります。それは、

  • 買い方と売り方の攻防が拮抗している時
  • 単なる商い薄状態

ロンドン市場前半やニューヨーク市場前半など、市場参加者が多い時間帯での保ち合いは、売買が拮抗しているケースが多く、一旦形成されたパターンはそのまま継続しやすい傾向にあります。

ところが、商い薄の時間帯(ボラティリティが縮小する時間帯)は、単に取引が少ないという理由で保ち合い状態になっていることがほとんどです。

その場合は、最初は三角保ち合いに見えても、そのままズルズルと横ばい状態が続くので、結果として当初思っていた形とは違う形の保ち合いが形成されてしまいます。

このE-Fの局面、実はアメリカの市場もほぼ終わっていて、しかも東京市場が開始する前の閑散した時間帯です。

E-Fの高値を結んだラインをブレイクして強く上に上昇し始めたのは、ちょうど東京市場が始まる午前9時です。

ボラが縮小する時間帯に、細かい値動きを気にして追ってしまうと、ノイズに振り回されてしまいます。

保合いの高いところで買ったり、低いところで売った状態のまま、ズルズルと保ち合いで決済もできず生殺しにあった挙句、損切りでトドメを刺されるという悲劇は、できるだけ避けたいものです。

低ボラ、再び

さて、三角保ち合いの注意点は以上です。ここから再び、Gの高値からの三角保ち合いを見ていきましょうか。

東京時間午前9時から始まったポンド円の上昇は、その1時間後の午前10時でGの高値を付けます。

で、そこで保ち合いがはじまるわけですが、もう既にご存知の通り、東京時間では午前9時55分の仲値公示の後は、市場が閑散とすることが多くなります。

ですから、この三角に見える保ち合いも、この後は違う形に変形してしまいやすいわけです。

その後の展開を見てみましょうか。

三角保ち合いは、やはり機能してませんね。

これ、5分足で拡大して見ると、如実にその嫌~な感じが分かります。

ボラの低い時間帯に、5分足の様な小さな時間軸のチャートをガン見して、

「チャンスを逃したくない!初動を捉えて出来るだけ値幅を儲けたい!」

なんて風に色ボケしていると、ちょとした挙動に振り回されます。

「あ!ラインをブレイクした!今がチャ~ンス!」

と思って買ったりすると、その後にジリ下がり。でも下がりきらずに上がってきますが、上がりきらずに・・・

という感じで、ホストに焦らされ続けるんですよ。

こういったボラの低い時間帯は、あまりチャートを見ないのが賢明で、仮に見ていたとしても、

せめてこんな感じにラインを引いて、気持ちとチャートに余裕を持たせていた方が、賢明です。

 

さて、いつものことですが、随分とお話が長くなってしまいました。

当初の予定では、先週末までのの解説をしようと思ったんですが、まだこの時点でまだ金曜のお昼過ぎです。

なので、この後のお話は次回へと持ち越すことにします。

また、もう週も明けてしまい、市場も再び動き出してしまっていますから、どうせならってことで、昨日(月曜日)のポンド円の値動きも使ってお話を展開させていこうかな、と。

おまけに、僕は昨日のポンド円下落の最中に、逆張りを仕掛けて失敗しています。昨日の僕のTwitterをご覧の方は知ってると思いますが。

で、これも良い話のネタになるので、それも交えてお話していけたらなと思ってます。お楽しみに。

それじゃあ、また。