相場の局面を考えてみる

Twitterでも告知していた通り、そもそもは「セットアップ」についてもう少し詳しい記事を書こうと思っていました。

しかし、ちょっと思うところがあり、今日はそのセットアップ以前のお話をしようかと。

セットアップについては、既に「これがBOZ流!ライントレードの基礎6」にてお話していますが、端的に言えば、

「セットアップとは、トリガーの前提条件」

ということになります。ただ、この説明だと、セットアップとトリガーの関係性は分かっても、トレード全体からみたセットアップの位置付けや重要性は、いまひとつ掴みきれないと思うんですよね。

なので、セットアップに辿り着くまでのお話を順を追って説明していった方が、実際のトレードに役立つことになるんじゃないかと。

ということで、今回はまず「相場の局面」についてのお話です。では、始まり始まり~。

相場の局面

相場には色んな局面がある

チャートを覗くと、価格はジグザグと進みながら、様々な軌跡を描いています。

そして、描かれた軌跡は、様々な局面を僕らに教えてくれます。例えば、こんな感じでしょうか。

価格の上下動にザックリと注目して見れば、上図の様に見えたりします。

さらに、価格が横ばいとなっている部分にも注目すると・・・

 しかし、視点を変えると、こんな見方も出来たりします。

ラインを境に、価格は上に行ったり下に行ったりしているだけの様にも見えますね。

さらには、上図とは違う境目を気にする人もいるかもしれません。

この様に、チャートから見える値動きは、僕らに様々な状況、局面を教えてくれます。

ただ、僕らはトレーダーです。このくらいザックリで終わらせておいても、実際のトレードでは扱いづらいわけで。

そこで今度は、チャートが示す局面を、実際にトレードが出来るくらいまで落とし込んで見ていくとしましょうか。

上図のチャートは後ほど使うんで、ちょっと違うチャートでやってみましょう。下図はユーロドル4時間足ですが、以下の様な感じになるんじゃないかと。

おっ!なんか、トレーダーらしくなってきましたねぇ。

図から分かるとおり、

  • レジスタンスにぶち当たって上値を抑えられている局面
  • サポレジが効いてる局面
  • 下降トレンドが始まった局面
  • 調整局面
  • 下降トレンドから反転上昇が始まった局面
  • トレンドラインが引ける局面
  • 高値で乱高下している局面
  • サポートをブレイクした局面etc…

と、実際にトレードする際のポイントとなる局面が、いくつも見つけられます。自由にチャートを見ていけば、他にも様々な局面を見つけられるかと。

この様に、相場には色々な局面があるわけです。そして、上図の様な辺まで、各局面を落とし込んでいけると、実際のトレードに活用できる情報になっていきます。

相場の3大局面をアップデートしよう

今まで見てきた通り、相場には様々な局面があります。

しかし、皆さんもご存知の様に、相場の局面は大きく分けると、

  • 上昇トレンド
  • 下降トレンド
  • レンジ(横ばい)

の3つしかない、と言われています。確かにその通りです。

ジグザグと波を描いて進む価格が、上に向かっているのか下に向かっているのか、それとも何だかんだ横ばいなのか?

言ってしまえば、相場にはこの3つしかありません。

しかし、僕らはトレーダーです。単にチャートを分類するだけが仕事じゃないんですね。実際のトレードに活かせる区分け方をしないと。

となると、この3つの分類は、正直なところ実用的ではありません。

ちょっと、説明します。

まず、この3大局面のうちの「レンジ」についてですが、レンジというと皆さん、こんな感じをイメージしませんか?

何だかんだ言って、横ばいのレンジですね。

じゃあ、これは?

①と④はトータルに見れば、横ばいっぽく、②はやや下向き加減、③は上向いている様に見えます。

これらは、一体何でしょう?

 答えは、上図全てがレンジです。3大局面の中で、上昇トレンドと下降トレンドに定義できないものは、全てレンジになります。

しかし、ここで大きな問題点があります。

先の一般的なイメージのレンジには、高値や低値に一定の規則性がありました。だから、トレードに活用できる局面です。

ところが、上図の①~④はいずれも高値や低値が不規則です。

もし、この①~④がリアルタイムで値動きを形成している途中であったら、もはやお手上げです。上に向かうと思ったら勢いよく下に抜け、下に向かうのかと思ったら上に行ったり。価格はどこからどこに進んでいくのが、全く分かりません。

要するに①~④の様に高値安値が不規則なレンジは、「分からない」局面だと言えます。

似た様なことは、トレンドにもあります。上昇や下降の傾向が認められても、値動きが比較的不安定で、「これって、ホントに上昇トレンド?」と迷ってしまう様な局面。

こういったケースも、やはり「わからない」局面だと言えます。

そして、分かる局面ではトレードが可能ですが、分からない局面ではトレードをするのは不可能です。

だって、値動きがどう進むのか想像がつかないんですから。

ですから、僕らトレーダーにとって実務上、値動きに規則性が見出せない、どの様にトレードして良いか分からない局面のことを、「分からない」局面であると、明確に区別する必要があります。

ということで、BOZ流においては、相場の3大局面を、トレーダー向けとして4大局面にアップデートしておきましょう。

  • 上昇トレンド
  • 下降トレンド
  • レンジ
  • 分からない

むしろ、この「分からない」ことを、トレーダー自身がハッキリと「分からない」と自覚することが、トレードにおいては物凄く大切です。

認識が違えば局面も変わる

ではちょっと、この「わからない」という局面を具体的に見てみましょうか。下図は、先ほどのポンド円1時間足です。

 薄い青色で囲った部分、緩やかに上昇していますが、これが上昇トレンドと言い切るにはやや不安定です。

赤い丸で記した部分ですが、高値は切り上げていますが、低値は切り下げています。

こういった局面は、後付けで解説しようと思えば、何とでも理屈付けられるでしょうけど、リアルタイムでトレードすると、ほぼ振り回されるんですよ。

ラインAとBの保ち合いを下方ブレイクしたものの、再度上昇。下値を切り上げながらラインBも越え、さらにBにサポートされた場面です。この後は、ラインAをめがけて上昇し、このラインを越えるか越えられないかを見るのが、通常なんですが・・・

①まで上昇したものの、ラインAに到達するどころか、直近高値を越えられずに反転下落してしまいます。おまけに今度は、ラインBまで越えてしまうんですね。

この時点で、「あー、上じゃなくて下か」と買いポジ投げちゃったり、損切りしたり、売り建てたり・・・

ところが、②で反転上昇。今度は①を越えて、ラインAまで到達してしまうんですね。

「あれ?やっぱり上か?」

なんて思ってると、反転下落してラインBを越え、先ほど付けた低値②をさらに下回るわけで。

しかもこのチャート、1時間足ですからね。5分足じゃないんですよ。ほぼ丸2日かけて、このぐちゃぐちゃな値動きを描いてるんです。リアルタイムでトレードしようと構えていたら、振り回されっぱなしで、たまったもんじゃありません。

結局は、④で下値を付けた後、ラインBもAも越えて⑤の高値まで到達してしまいます。散々振り回されて諦めた直後に当初の思惑方向へと素直に伸びていくという、相場あるあるがこの局面だったかもしれません。

じゃあ、この薄青色で囲った局面は、一体何だったの?レンジなの?上昇トレンドなの?ってことになります。

 こういった局面、つまり値動きに規則性が見いだせず、「?」となってしまう局面が

分からない

という局面なんですね。

こういった分からない局面は、トレードは控えなくちゃいけない場面です。手を出せばやられる確率が高いので、値動きの規則性が分る局面が来るまで、静観しておかなくちゃいけません。

ちなみに、上図のチャートの見方の正解を軽く説明しておきましょうかね。先ほどのチャート図は、こんな感じでした。

で、まるで誘導尋問の様で申し訳ないんですが、実は注目する局面の範囲が違います。現実的なのは、下図の赤い枠で囲った部分です。

先ほどまでは、赤い矢印線で値動きを追ってみましたが、上図の赤い矢印線は、そうではなく、スイングラインです。

緑色で囲った部分は、複雑で不規則な値動きを繰り返していますが、スイングラインを引いてみると、余計な波は省略されますので、随分とスッキリした印象になります。

実はこの赤い枠で囲った部分、ややこしく動いてはいますが、もっと上の時間軸で見れば、なんてことはない下落途中の調整局面でしかありません。

俯瞰して見れば、単純な様に思えるものも、近視眼的になればなるほど複雑怪奇に見えてきます。

ただ、人の認識能力って、色んな偏りとか盲点があると僕は思っていて、こういった状況下だと、きちんとした判断がなかなか難しいんですね。

もう一回先ほどのチャートを見てみましょうか。

緑色で囲った部分の左端で、価格は一旦大きく下落しています。その後、徐々に価格はせり上がっているんですが・・・

こういった値動きをされると、僕らの意識はこの下落直後からの値動きに集中しがちになり、視点が緑色の部分ばかりに向かいやすくなるんです。

しかしまぁ、こいうったことは誰にでも起こることです。ドヤ顔で解説している僕だって、正直なところ、この場面でトレードしたら、

そう、こっちの値動きに気を取られてたかと思うんですよ。ノーポジならまだしも、ポジション持ってた場合は、特に陥りやすい。

目先の値動きに囚われず、どの様な状況においても、的確な判断で相場を見ることのできる認識スキル。これは、遠い道程ですが、トレーダーとして日々精進が必要ですね。僕もこの記事を書きながら、心を引き締める想いでいます。

全ての局面でトレードする必要はない

分かる、分からないを明確にしよう

相場には様々な局面があります。

が、その局面がどういった局面なのかを判断できない場合もありますし、ましてや全ての局面を正しく認識できるわけでもありません。

しかし、それを恥じることはありません。

トレーダーにとって大切なのは、その局面が「分かる」のか「分からない」のかをハッキリと認識できるかどうかです。

そして、

分かる局面だけでトレードし、分からない局面ではトレードしない

という極めてシンプルな判断と行動が大切です。

分からない局面でトレードしても勝てる確率は低いわけです。だって、分からないんですから。

分からない局面とは、トレードしてはいけない局面であり、仮に分からない局面で勝ったとしても、それは実力ではなく、単なるまぐれでしかありません。

 

もちろん、リアルタイムで分からない局面であっても、後から分析してみれば分かるかもしれません。スキルがないだけで、もっと上達すれば分かる様になる局面もあるかもしれません。

しかし、リアルタイムで分からないのであれば、それは「分からない」局面でしかありませんし、今現在「分からない」のであれば、それも「分からない」局面でしかありません。

ですから、今現在の自分自身のスキルで「分かる」局面と「分からない」局面があるということを明確化しておかなければダメなんです。

分かる分からないを曖昧にしたトレードを繰り返すという行為は、実は何も分かってないのに、何か分かった気になってトレードすることです。

非常に危険な行為でしかありません。

「僕は、上昇トレンドしか判断できません」
「私は、平行レンジしか良く分からないんです」

それで、良いんですよ。

1つだけでも局面が認識できるのであれば、その局面だけをトレードすれば良いんです。つか、1つであろうが百であろうが、分かる局面だけでトレードするのが、トレーダーとしての本来の姿です。

「でも、それだとトレードチャンスが少ないです」

 

はぁ?

 

じゃあ、分からない局面でトレードするのはチャンスなんですか?チャンスの無いところでトレードしようとすることが、チャンスなんでしょうか?

分かる局面、つまりチャンスのあるところでチャンスを掴もうとするのが、トレーダーの仕事なんですよ。

分からない局面は、練習と検証を繰り返し繰り返し行って、少しずつ分かる様になってくれば良いだけの話じゃないですか。

全ての局面でトレードしなくちゃいけないルールなんて、この世には存在しません。むしろ、全ての局面でトレードをしてはいけないことの方が、鉄則です。

恥じるのは欲にまみれた自分の姿

分からなければトレードはしない。これは、極めて当たり前のことです。

そして、分からないことがダメなんじゃなくて、分からないくせにトレードをしようとすることがダメなんですよ。

冷静に考えてみてください。分からない局面なのに、一体どうやってトレードが出来るんですか?

分からないのにトレードをするのは、ただ欲に目が眩んだ姿でしかありません。

お金を儲けたい、早くトレードがしたい、もしここでエントリーしないで価格が伸びたら勿体ない・・・

全部が全部、全てが欲望だけのトレードじゃないですか。

こちらの姿を恥じることの方が、トレーダーとして、そして人として大切なことなんじゃないですか?

随分と厳しい言葉を投げかけていますが、もちろんこの言葉は、自分自身に返ってくる覚悟を持って、僕は書いているつもりです。

しかし、現実のトレード界隈は・・・

とは言え、現実のこのトレード界隈では、そういったことを実行するのが難しいことを、僕は知っています。

多くの人がね、実はこの分かる局面、分からない局面すら認識せずにトレードしているんですよ。

なんか、色んなテクニカルがあるじゃないですか。で、これ見よがしにそれを説明ている連中も溢れるほどいる。(まぁ、僕もその一人ですが)

で、その多くは怪しい連中でしかないわけで。

しかし、そんな連中の言葉を参考にして、多くの人が自分のトレードを組み立てているのが現実です。

で、「環境認識」とか言って、インジケーター表示した日足チャートとかを見て、

「う~ん、今日は上目線かな?」

って。

そして、「マルチタイムフレーム」とか言って、1時間足や分足なんかも表示させて、そこに「手法」とか言ってインジケーターをいくつも張り巡らして、

「待つことが、大切」

みたいに唱えながら、ず~っとず~っと、シグナルが点灯するのを待つ。チャートにかじりついて、待って、待って待ち続ける。

で、結局待ちきれなくてエントリーしたりして。

それを、メンタルの弱さとかのせいにして自分を責めて見たり。トレード日記に、反省点とかを書いて自分を鼓舞して、

そして次の日は、きちんと待って・・・

でも、勝ったり負けたり。

そしてそれを、メンタルの弱さのせいにして・・・

で、次の日はまた待ちきれなくて、ルール違反をして・・・

日々自分を責め続ける日々の繰り返し。

そのくせ、自分がトレードできる局面なのかどうかなんて、何一つ見ちゃいない。

いやぁ~・・・僕だってそんなことしてたら、待ちきれないですよ。ルール違反だって、バリバリやっちゃいますって。

むしろ、ルール違反しない人の方が不思議です。だって、

 

根本的なところが、間違ってるんですから。

 

まさに、負けるべくして負けているわけで。

 

まずは、その局面が分かるところなのか、分からないところなのか?

それを見る目を養うことが必要です。

もちろん、値動きで形成される局面を見ようとしたら、今張り巡らしてるインジケーターは、邪魔になってきますよ~。

しかし、それに気づいたら、また一歩成長です。

 


さて、今回のお話はここまでです。相変わらず、長くなり過ぎたので。

次回は、この「局面」について、もう少し掘り下げていきたいなと思ってます。楽しみにしてください。

それじゃあ、また。

3 Replies to “相場の局面を考えてみる”

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