これがBOZ流!ライントレードの基礎4

さてBOZ流ライントレードの基礎第4回目です。

前回までの3回で、とりあえずライントレードの考え方、やり方、ルールの解説は終わりにして、今回は実際にチャートにラインを引いてみることで、手順や具体的な引き方を解説していこうかと思います。

それでは、GO!

実際にラインを引いてみよう

と、その前に・・・

ラインを引きやすくするための設定

ライン引きは、毎日の作業です。なので、まずはMT4を使ってる人のために、ライン引きがしやすくなるための設定から。

「ツール」から「オプション」をクリックすると、ダイアログボックスが開きます。

「ライン等の設定」タブをクリックしたら、「作成後にプロパティを表示」のチェックボックスにチェックを入れてください。以上で完了です。

この設定後は、ライン等を引いた直後、自動的にプロパティのダイアログボックスが開く様になります。

そのまま、色や太さ等のラインの設定が出来ますし、ラインを引くのにミスった時は「キャンセル」ボタンを押せば、ラインは直ぐに消えますから、ラインを引いたり消したり修正したりの際の手間が省ける様になります。

週足からラインを引こう

では、実際にチャートにラインを引いてみましょう。通貨ペアはとりあえず、ユーロドルにしましょうか。ユーロドルは通貨取引量が最も多い通貨ペアのせいか、値動きも特異性が少なく、ライン引きの練習には適しています。

まずは、週足からラインを引いていきます。

実際にトレードを行なう場合、週足チャートでは現在値から遠く離れた価格帯の山と谷にわざわざラインを引く必要はありません。なぜなら現在の価格がそこまで到達するのに、何週間も時間がかかるからです。

ただ、今回は練習なので、離れた山や谷にもラインを引いていくことにしましょう。

まずは水平線から

で、週足の場合は、前回お話した様に1点で構わないので大きな山と谷にラインを引きます。まずは、水平線からでしたね。

大きな山と谷に直近からラインを引いていきます。あまり細部に目を光らせずに、誰が見ても分かるポイントにラインを引くということを、心がけてください。

で、ラインの具体的な引き方ですが、とりあえずヒゲ先にラインを引いてみます。2点以上のポイントを結んでラインが引けそうな場合も、とりあえずは直近のロウソク足のヒゲ先にラインを引いてみてください。(直近の優位性)

では、ラインの色と太さを変えてみましょうか。時間軸の優位性から、大きな時間軸で引いたラインがより重要だということが一目で分かる様にするためです。

色や太さは各自の好みでOKですが、とりあえず今回は、週足のラインを赤色にし、太さは一段上げて表示してみます。

また、上図で示した様に、大きな山にラインは引けそうだが、その後そのラインが効いているのかが微妙で、引いて良いのか迷ってしまう場合もあります。

基本的に週足レベルで、ある程度の大きさを持った波から引くポイントは、微妙であっても意識されることが多いです。下の時間軸ではしっかりとラインが効いてるのが確認出来たりしますから。

ただ、日足や4時間足でも、その様に迷ってしまうケースは多々ありますので、そういった場合は、色はそのままで太さを1段階下げるとか点線にするなどして、後からでも区別できるようにしておきましょう。

なお、1時間足で引くラインの場合、迷ったら引きません。1時間足で迷う線は、それ以下の時間軸でハッキリとラインを引くことが出来るかもしれませんが、BOZ流では、分足にはラインは引かないからです。

BOZ流で勝負するのは、1時間以上の足で、ハッキリとラインが引ける場面だけなんですよ。

ということで、今回は、微妙なラインについては、色は同じまま、細い点線で表示することにしましょう。以下の様になります。

次に、先ほどヒゲ先に引いたラインの位置を調整していきます。調整の仕方ですが・・・

基本的には、ラインを引いた時にポイントとして通過するロウソク足達のヒゲ先から実体の終値部分までの間で調整していくんですが、

最も多くのロウソク足が通過する位置に調整してください。

なお、ラインを調整する際は、直近優位を意識してください。また、単なるレジスタンス・サポートよりも、レジサポ・サポレジとなる位置を意識してください。

まぁ、言葉だけだと分かりづらいかもしれないので、図で解説してみました。下の図をご覧ください。

では、上の図を参考に、週足のラインを調整していきましょう。

大体、こんな感じですかね。

「え?大体でいいの?」

はい、大体でいいです。調整の仕方は、ルールさえ守っていれば、アバウトでOKなんですよ。前にも言いましたが、BOZ流では、ラインにピタリと値動きが反応するという発想はありませんから。具体的にどうするかは、次回でお話しますので、ご安心を。

フォーメーションを探そう

次に、フォーメーション(パターン)を探します。ただし、これには注意が必要です。

過去に既に形成されたフォーメーションは、今現在トレードする際には関係ありません。既に終わったことですから。

フォーメーションを探すというのは、

現在の価格がフォーメーションを形成しつつあるかどうか?

を見るということです。今、フォーメーションを形成しているのであれば、そのフォーメーションに対応したトレードを行なえば良いだけです。そのために、フォーメーションを探します。

ただし、今回はやはり練習なので、過去に形成されたフォーメーションであってもラインを引いてみましょう。

斜め線を引こう

それでは次に、斜め線を引いていきます。引き方は水平線と同じです。

上図の緑色で示した上昇ウェッジ、別にフォーメーションとして捉えられなくともOKです。「トレンドラインの上にトレンドラインよりも角度の鈍った斜め線が引けるなぁ」という認識が出来ればそれで充分です。

形とか名称に囚われなくとも、認識できていることが大切なんですから。なので、あえて斜めラインを引く段階で、これを描いてみました。


ついでなので、ちょっと脇道それます。波動の話になってしまうのですが、「トレンドラインよりも角度の鈍い斜め線が引ける」というのは、安値を切り上げる力よりも、高値を切り上げる力が弱まっているということです。要するに、価格が上昇するごとに次第に売り圧力が増しているということですね。反転の可能性が高まっています。大体こういった時は、オシレーターはダイバージェンスを示します。波形が読めれば、オシレーターは必要ないという典型例です。


さて、週足のライン引きは以上です。

次に、日足にラインを引いていくんですが、その前にちょっとここで、ラインの調整の仕方について、寄り道します。

ライン(線)をゾーン(域帯)として認識しよう

第1回で、「市場参加者全員が仮に同じ価格1点に注目していたとしても、実際の売買が行われるのは、その価格を含む周辺一帯」という様なお話をしました。

そのため、ヒゲ先で引いたラインでピタリと止まったり、少しでも抜けたら突き進んだりすることは、そうそうありません。攻防はその周辺一帯で行われるんですから。

なので、実際はその売買の攻防が行われる位置をライン(線)として認識するのは誤りで、その周辺一帯をゾーン(域帯)で捉える必要があるわけです。

しかし、その攻防が行なわれる一帯はどこからどこまでか?というのは、確定しづらい面があります。その時その時の市場参加者の状況によって変わってきますからね。

ただ、一応の目安はあります。それはロウソク足の実体(終値)からヒゲ先の間です。これは、第1回目で「高値安値は重要。しかしヒゲ先と終値に優先順位はつけない」と説明した通りのことです。

実は先日、書店で見かけたトレードの本にも、この様にラインではなくゾーンとして捉えようとの解説がありました。その本でも、終値を基準としてヒゲ先までをゾーンとするようなことが書いてあった様に記憶しています。

確かに、ヒゲ先からロウソク足の実体をゾーンとすることで、ダマシは比較的回避できます。ゾーンを突き抜けたらその方向へ進み、反転してゾーンから出たらそのまま反転した方向へ突き進むことは多い様に思います。

そのため、BOZ流でもラインを調整する目安は一応ロウソク足の実体(終値)からヒゲ先の間としています。この範囲をゾーンの一応の目安とするんですね。

ただし、

そうやってゾーンを設けても、実際はその外側で攻防が起こりることは、普通にあります。特に大きな時間足のゾーン幅は「そのもみ合いだけで充分トレードできるじゃん」レベルの数十pipsに及ぶことはごく普通にありますからね。正直なところ、

ゾーンの範囲は予め確定しづらいというのが現実です。

なので、BOZ流では無理してゾーンを示す描画はしないということにしています。

いや、しても良いんですよ。ただ、面倒じゃないですか。ゾーンを表すためにラインを2本引いてみたり、ライン幅や四角図形をゾーンに合わせて調節してみるとかって。

おまけに、調節してゾーンを示しても、そこが実際に攻防が行われる範囲を示すとは限らないわけだし。

なので、BOZ流では無理してゾーンを描画せずにラインで済ますという方針にしています。


ただし、僕は、もう少し高度に値動きを把握する場合、敢えてゾーンを示すラインなどを描画することはあります。しかし、このライントレードの基礎シリーズでは、そこは省略します。だって、基礎なんだもん。しかもライントレードとしては、省略しても基礎が出来てれば十分通用するんで。気になる人は、1年前に書いた記事「後付け解説なら誰にでもできますが、実際にトレードするのは難しい、って話」とその続編「2017年12月14日午前まで続いた下降チャネルの内部構造について」でもヒントにしてください。


ただ、ゾーンを描画する代わりに、各時間帯(各ロウソク足)で最も数多く通った(争った)価格をラインで表示することで、

「このラインの周辺で、攻防が行われるぞ!」

という認識を持つようにします。これがBOZ流です。

「え?アバウト過ぎじゃね?」

とか思う人もいるかもしれませんが、アバウトで良いんですよ。だって、どの範囲で売り買いの攻防戦が行われるかなんて、知る由もないんですから。

で、アバウトにしておくことで、逆に的確な対処が可能になるやり方をBOZ流では行います。

まぁ、その際の対処の仕方は次回に譲るとして、話を元に戻しましょうか。

日足にラインを引こう

週足の次は、日足にラインを引いていきます。週足チャートを日足に切り替えましょう。

週足で引いたラインは残ったままですね。

ただ、時間軸を小さな方へと切り替えると、ラインが不自然な位置になることが結構あります。まぁ、大まかなところから、より細部に注目するようになるんですから、当然です。

なので、時間軸を小さな方に切り替えた時には、必ず上の時間軸で引いたラインを修正します。

ま、こんな感じになりますかね。

では、日足にラインを引いてみましょう。基本的には、週足のところで説明したラインの引き方と同じです。

まずは水平線から。直近から見ていって、とりあえずヒゲ先にラインを引きます。日足で引くラインは週足の次に重要なので、今回はラインを青色、太さは週足と同じ下から2番目の太さにします。

判断が微妙なラインは、太さを1段下げた青い点線にします。

その後、ヒゲ先に引いたラインを調整しましょう。

ここまでラインを引いてみて、気が付きましたか?意識してやったわけじゃないのに、ラインが等間隔で引けています。面白いですねぇ。

では次に、フォーメーションを探し、パターンラインを引いたら、その後は斜めライン(トレンドライン)でしたね。

ラインは引けば引くほど、チャート画面が乱雑になって、逆にラインとなるポイントを見逃しやすくなります。ただ、これは練習のため、もう引く必要のない過去のラインまで引いてます。「見逃してもいいや」くらいの気持ちで、ラインを引くことにまずは慣れましょう。

4時間足、1時間足にラインを引こう

続いて、4時間足に切り替えます。同様に、上位時間軸で引いたラインに調整が必要な場合は、調整します。

では、水平線を直近からヒゲ先に引きましょう。ラインの色は黒で、太さは今まで同様、デフォルトより1段太めにします。引いたラインは、調整しましょう。

同様に、パターンラインとトレンドラインを引きましょう。ただ、太めの斜め線が多くなると、チャートがウザくなるので、4時間足では太さを1段下げます。細くしても斜めラインの場合は、十分目立つので安心してください。

次に1時間足に切り替え、上位時間軸のラインに調整が必要だったら、調整します。そして、今まで同様に、水平線を直近からヒゲ先に引きます。ラインの色は黒で、太さは一番下で。

慣れてきたら、水平線が等間隔で引けるかどうかも、意識してラインを引くようにしましょう。

引いたラインを調整し、パターンラインとトレンドラインを引きます。

以上で完成です。

大きな時間軸からルールに沿ってラインを引いていくと、途中までは乱雑に見えていたチャートですが、1時間足まで来ると、むしろシンプルです。規則性をもって価格が推移しているのが把握できると思います。

相場って、面白いですねぇ。

と、ここまでは良いのですが・・・

ちょっと先の図をもう一度見てください。全体のバランスを考えてラインを引き直さなかったのですが、最も直近の山と谷に注目すると、オーバーシュートしているのが分かります。

4時間足では、ヒゲとロウソク足の間に位置しているんですが、1時間足ではロウソク足が山では3本分、谷では4本分のオーバーシュートです。

果たしてこれを、オーバーシュートとして片づけて良いのでしょうか?

きっと良くない。

このチャート画面は、当然のごとく右側が最も現在に近く、左側に行けば行くほど過去になっていきます。そして、オーバーシュートしている山と谷は、最も今に近い新しい山と谷なんですね。

なので、直近の優位性から、恐らくこちらの山と谷が今後意識される可能性が高くなるわけです。

時間の経過と共に、今まで効いていたと判断できる左側のロウソク足の先っぽ達は、どんどんと過去に押しやられ、やがてはチャート画面からも消えていきます。そして、オーバーシュートした山と谷は、次第に左側の中央へと位置し、存在感を増していきます。

ラインとは、永遠と機能するわけではありません。時間の経過とともに、相場環境も変化し、ラインは次第に機能しなくなったり、移動したり、新たに生まれたりしていくものです。

もし、このオーバーシュートが、新しいラインを引く起点になるとすれば、今まで等間隔で引けていた水平線の秩序が崩れます。これは、相場環境の秩序が変わりつつあることの示唆とも言えるでしょう。

しかし、まだ結論は出ていません。

こういった場合は、ラインを引き直しても構いませんが、事態は確定していないので、この山と谷に目印を置くとか、別な色などで区別できるようにラインを引いておくという対処でも良いかと思います。

素直に練習しよう!

今回は最新のチャート画面でラインを引いてみました。ただ、これからライントレードをはじめようという方や、今までライントレードを試みたけど上手くいかなかったので、BOZ流をちょっと試してみようという方は、

やっぱり、ラインを引く練習が必要です。このブログで数回に渡って解説してきたBOZ流の考え方とルールをもとに、ラインを引く練習を行ってください。

ブログやツイッターで僕が繰り返し言ってることですが、

「知ってる」=「使える」「できる」ではありません。

使えるようになるまで、出来るようになるまで、繰り返し繰り返し練習しなくちゃいけません。トレードは知識じゃなくて、技術なんですから。使いこなせるようになって、初めてそのトレード方法が活きていくるんです。

慣れない人は、少し時間がかかるかもしれませんが、頑張ってください。

あと、僕はこのブログでかなり詳しく解説していると思いますが、勝手に自分のオリジナルを加えて始めない様にしてください。

それぞれの流儀は、それぞれの理論を積み重ねて構成されています。自分の思い付きで手を加えてやりだすと、遠回りになってしまうだけじゃなく、下手をすれば全く無意味なものにしてしまうことだってあります。

僕は仕事上、人を教えることが多いのですが、やはり教えた通りに素直にやる人が一番成長が早いです。

大人になると変に賢くなって、出来るようになる前に、自分勝手にやり方を変えてしまう人が多いのですが、こういう人ってなかなか成長しないです。というか、いつまで経っても仕事が出来ない人のままで終わるケースがほとんどです。

なので、まずは出来るようになるまで、素直に教わった通りにやってみる。それが大切です。

ライントレードのためのライン引きを、自分のものにしていってください。

 

さて、今回はこれで終わりです。

次回はいよいよ最終回。実践編に突入します。今まで説明してきたBOZ流ライントレードを使って、実際のトレードのやり方を学んでいきましょう。

環境認識と手法の使い方から説明して、トレードの具体的な手順の説明と検証を行う予定です。

「BOZ流ライントレードって、こんな風にやるんだ!」

って、実際のトレードのやり方が分かりますよ。目から鱗が落ちるかどうかは知りませんが、こうご期待!

これがBOZ流!ライントレードの基礎3

さて、BOZ流ライントレードの基礎第3回目です。前回は、時間の優位性のお話をしましたね。

今回は、1つのポイントだけでラインを引くというお話からしようかと。

1つのポイントだけで引けるラインとは?

前々回では2つ以上のポイントを直線で引くというルールをお話したんですが、実は1つのポイントだけで有用なラインを引くこともできます。

もちろん、1つのポイントだけなので、斜め線は引けません。水平線のみです。

ただ、いくつかの注意点があるので、それを踏まえながらお話を進めていきたいと思います。

1.チャート画面上の最高値と最安値

ま、これは図で説明しなくとも分かる通り、開いたチャート画面上で最も高い山と最も低い谷に引くというやり方です。

まぁ、チャート画面上で最も高い価格と低い価格ですからね。目に付くので意識はされやすいです。

ただ、注意しなくちゃいけないのは、しょせん画面上で見えている範囲での判断でしかない、ということです。小さな時間軸であれば、大きな時間軸のほんの一部を切り取ったにすぎませんからね。

なので、本当にその高値安値が機能するかどうかは分からないんですね。下の図を見てください。ユーロドルの5分足です。

パソコンの画面いっぱいにチャートを開いていたとしても5分足という小さな時間軸だったり、表示環境が違ったりすれば、相場の全体像は全く把握できません。なので、上図で引いた最高値と最安値が、本当にチャートポイントになるかは、甚だ疑問です。

1時間足で、俯瞰して見てみましょう。

赤い丸の部分が、先ほどの5分足チャート画面の最高値と最安値です。ご覧の通り、ラインを引いた意味が全くないことに気づくと思います。

こういったことを防ぐには、前回お話した様に、大きな時間軸からラインを引いていくということが重要になってきます。大きな時間軸、つまり俯瞰した状態からラインを引く(ポイントを見つける)作業をしていれば、無意味な線を引きづらくなります。

また、実際のところ、チャート画面の最高値・最安値にラインを引いた後に、時間軸を上げてチャートを見ると、その高値安値は、他のポイントでラインを引いたところと合致していることが、結構多いです。つまり、大切なポイントが小さい時間軸だとチャートからはみ出して気が付かなかっただけ、ということです。

そういった意味でも、やはり大きな時間軸からラインを引いていくことで、無駄な手間を減らすことができるわけです。

2.週足・日足の大きな波の頂点

週足や日足といった大きな時間軸の場合、大きな波の山や谷は、例えそれが単独のポイントであっても、市場参加者からは十分に意識されます。あまり深く考えずにラインを引いてもOKです。

3.前週・前日の高値安値

前の週の最高値と最安値、前日の最高値と最安値は、市場参加者の多くに意識されています。

一定の条件が揃えば「今日の高値を抜けたら買い」だとか、出動する条件になっていたりする手法もあったりしますしね。

ただ、「意識されるポイントの1つ」ではあるんですが、通常のライントレードとしてのポイントの見つけ方(山と谷)と合致しないことがほとんどなわけで、値動きの反応も違うことが多くなります。

そのため、常のラインとは区別した方が良く、例えば点線や破線にするとか、色を変えるとかで、対処すべきです。

4.ダウ理論を利用した直近高値安値

前回お話した様に、市場の値動きには時間の優位性というものがあり、直近の高値安値は意識されやすくなります。

ただ、何でもかんでも直近の高値と安値なら良いわけじゃありません。条件があります。それは、

  • ダウ理論上の上昇トレンドが起きている場合の直近安値
  • ダウ理論上の下降トレンドが起きている場合の直近高値

こう言われても、ちょっと分かりづらいと思うので、詳しく解説していきます。

ダウ理論においては、

  • 上昇トレンドとは、高値と安値がそれぞれ切上げ続けて上昇している状態のこと
  • 下降トレンドとは、高値と安値がそれぞれ切下げ続けて下降している状態のこと

ですよね。ですから、トレンドが発生している場合、直近の高値や安値がきちんと更新され続けているかを、市場参加者は気にして見てるわけです。具体的に言うならば、

  • 上昇トレンドの場合は、直近安値が切りあがっているか?
  • 下降トレンドの場合は、直近高値が切り下がっているか?

という点に、注目しています。

なので、例え単独のポイントであっても、トレンドが発生している場合は直近の高値や安値に水平線ラインを引くことが出来るわけです。

ただし、このラインの取り扱いは、物凄く注意が必要です。その注意点とは、

  • 直近しか通用しない
  • ルールに沿った山と谷を選ぶ必要がある

ということです。詳しく見ていきましょう。

直近しか通用しない

ここで引くラインとは、トレンドが継続するのかしないのかを見極めるためのラインです。

例えば上昇トレンドの場合、直近の安値を現在の価格が下回った瞬間、「トレンドは終了」となります。それを見極めるためのラインですから、その役目が終われば終了です。

ラインを割らずに、新たな谷を付けて上昇をはじめ、直近の高値を抜けば、そのラインは消し、新たな谷にラインを引きます。

ラインを割ってしまえば、上昇トレンドは終了し、レンジか下降トレンドに移行する可能性が大です。直近安値の役目は終了するので、ラインは消すことになります。

いつまでもラインを残しておくと、混乱や過ちの源になるので、注意が必要です。

ただし、この直近しか通用しないというのは、トレンド継続中の時に限ります。トレンドが終了して反転した場合、これらのポイントは、再びラインの引ける注目ポイントとなる可能性がありますので、混同しないでください。

ルールに沿った山と谷を選ぶ必要がある

恐らく、初心者にはこれが一番厄介かも。なぜなら、直近の山と谷なら何でも良いってものじゃないからです。

選ぶ山と谷のルールは、以下の通りです。

  • 上昇トレンドの場合、高値を更新した波の始まりとなる谷にラインを引く
  • 下降トレンドの場合、安値を更新した波の始まりとなる山にラインを引く

この2点だけです。言葉だけだとややこしいですね。図で説明します。

イメージできましたか?まぁ、これは、簡単な例です。

次の例は、もう少しややこしくなりますので、要注意です。

少し難しいですかね?イメージできるまで、ガン見してください。

でも、次はもっとややこしいです。前々回でお話したスイングラインを引いたことない人は、ちょっと覚悟して覚えましょう。

上昇トレンドの場合、高値を更新しない小さな波は無視する(正確に言えば、より大きな波の一部として捉える)のが、スイングラインのルールです。同様に、下降トレンドの場合は、安値を更新しない小さな波は、より大きな波の一部として捉え、結果として無視されます。初心者の方には、ちょっとややこしいですかね?

前々回でお話した様に、BOZ流ではスイングラインは波形分析に用いることにしていてライントレードでは(大切だけど)基本的には使わない、と言いました。

が、この場合のライン引きは、トレンド分析の上に成り立っていますから、どうしても波形分析からは切り離せないんですよ。

しかし!

上図の様なケースというのは、1つ上の時間軸で見ると、×印をつけたラインの谷は、谷として認識されず1辺の波にしか見えなくなります。

なので、BOZ流のルールである、大きな時間軸からラインを引いていくということを守れば、基本的にスイングラインの引き方を知らない人でも、混乱せずに済むはずです。

ただ、トレンドの直近高値安値は「直近」なだけあって、わざわざラインを引かなくとも認識できる範囲内かと、僕は思ってるんですね。

ラインは多ければ多いほど、むしろ混乱を招く原因になりがちです。

なので、ある程度慣れてきたら、これにはわざわざラインを引かなくても良いかと。ラインを引かずとも認識できるように、日ごろから意識づけしていくとが大切です。

5.トレンド継続を示すブレイクポイント

最後に、「これはちょっと補足程度でいいかなぁ~」という感じで、ご紹介。

先ほど、ダウ理論においては、

  • 上昇トレンドとは、高値と安値がそれぞれ切上げ続けて上昇している状態のこと
  • 下降トレンドとは、高値と安値がそれぞれ切下げ続けて下降している状態のこと

であるとお話しました。そして一方の

  • 上昇トレンドの直近安値
  • 下降トレンドの直近高値

にラインを引くというお話をしたんですが、今度はもう一方の

  • 上昇トレンドの直近高値
  • 下降トレンドの直近安値

に注目します。

しかも、注目の仕方は直近高値安値の更新前と後の2つです。どういうことかといえば・・・

上昇トレンドを例にとって、図を交えながら説明しましょう。

「高いところで買って、より高いところで売る」というトレンドフォローを行なう場合は、この直近高値を更新するかどうかに注目します。直近安値を切り上げた後、直近高値を切り上げることで、「トレンド継続が確定した」と判断するわけですね。

また、トレンド継続が確定した後の押し目として、ブレイクした高値の山から引いたラインがレジサポとして機能する可能性があります。押し目の目安の1つとして注目されるわけですね。

ただ、このポイントは「まぁ意識しておけば良い程度」で、わざわざラインを引くまでもないかな、というのが僕の正直なところの見解です。理由を述べると、ちょっと長くなり過ぎるし、話が大きく反れそうなんで割愛しますが。

いずれにせよ、トレンドに対するラインは直近のポイントですし、ラインをわざわざ引く必要はないかと。意識できるのなら、それでOKです。

トレードスタイルについて

どの時間軸までラインを引くべきか?

価格推移が生み出す波の山と谷。基本的にラインは、どの時間軸においても引くことが可能です。

そのため、小さな時間軸、細かな波にまで注目していけば、縦横無尽にラインを引けますから、チャート画面はラインだらけになってしまいます。

しかし、既にお話した通り、より時間軸の大きい方に優位性があるため、時間軸を小さくすればするほど、ラインの有効性も低下していくわけです。

じゃあ、どの時間軸までラインを引けば良いのか?という話になってきますが、それはトレードスタイルによるところが大きいです。

ただ、BOZ流ライントレードでは、ラインを引くのは1時間足まで(ただし、パターンラインは分足でも引きます)ということにしています。

その理由ですが、そこにはトレードスタイルが大きく関係してくるので、ここではちょっとそのお話を。

BOZ流はデイトレードが基本

僕のトレードスタイルは、基本的にデイトレードです。で、このBOZ流ライントレードも、必然的にデイトレードのために構成されています。

そのため、ラインを引くのも1時間足が最適としているんですね。

ですから、数日間ポジションを保有するスイングトレードであれば、無理に1時間足まで引かなくとも、細かくても4時間、通常は日足で十分かもしれません。

1日に繰り返し繰り返し取引行なうスキャルピングであれば、もっと細かく引く必要があるかもしれません。

ただ、同一通貨ペアでは1日にチャンスが数度しか訪れないデイトレードからすれば、ラインを引くのは1時間足までにすることは、とても重要になってきます。

1時間足とそれ未満との隔たり

時間の優位性から、ラインの有効性は時間軸が大きくなればなるほど増し、小さくなればなるほど減りますが、その落差は1時間足とそれ未満の分足とで、かなり大きくなります。

分足では、ラインを無視されることが極端に多くなるんですよ。

恐らく、資金量の大きい市場参加者の多数は1時間足以上を気にしていて、分足に注視する大口は少ないからかと。

そのため、BOZ流ではラインを引くのはやはり1時間足までというルールにしています。

環境認識と手法について

トレードを始めたばかりの方でも、「環境認識」や「手法」という言葉を聞いた方は多いかと思います。

環境認識とは、現在の相場環境がどの様な状況下にあるのか?を見ることを言います。

  • トレンドは発生しているのか?レンジなのか?
  • 今は売り方が優勢なのか、買い方が優勢なのか?
  • どの辺りの価格帯が市場参加者に注目されているのか?

これらを見極めることが、環境認識となります。

そのため、相場というものを俯瞰的に見る必要があり、比較的大きな時間軸のチャートで、こういったものを確認していくんですね。

それに対して、手法というのは、エントリーやエグジットするための条件です。有効だとする条件を1つ、もしくは複数用意しておいて、それら条件が合致したらエントリーし、それら条件が合致したらポジションを解消する、というのが手法となります。

  • 移動平均線による、ゴールデンクロスやデットクロス
  • オシレーターが◯◯したら買い、△△したら売り
  • プライスアクション

細かく例を挙げていったらきりがありませんが、こういったものを手法というんですね。

で、ラインを引くという行為は、環境認識で用いるというのがBOZ流の考え方です。そのため、あまり小さな時間軸にラインを引くということに意味がなくなります。

パターンラインについて

ラインは1時間以上に引くというルールが、以上の説明から分かったと思います。

ただし、パターンラインに関しては分足にも引いていきます。

なぜか?

答えは簡単です。フォーメーションは分足でも有効なことが多いからです。

プライスアクションだとか酒田五法だとか、ロウソク足の形状や並び方によって値動きを判断するやり方があります。

で、そのロウソクの並び方・・・実は小さな時間軸で見るとフォーメーションを形成していることがほとんどなんですよ。

前々回、2本で構成される包み足は1本にすると長ヒゲのロウソク足になるって話はしましたよね。覚えてますか?これです。

こういった感じで、ロウソク足を分解していくと、小さい時間軸ではパターンが形成されたりするんですね。

他にも例を挙げると、例えば下はユーロドルの1時間足チャート。

正確に言うと、5分足チャートに1時間足のロウソク足を表示させたものなんですが、矢印で示した下降トレンドの起点となったこのロウソク足の形状、小さな時間軸で見るとどうなるか分かりますか?

5分足を覗いてみましょうか。

ダブルトップを形成してますね。1時間足だとよく分からなくとも、5分足だとフォーメーションを形成していたことが分かります。

この様に、フォーメーションの場合は小さな時間軸でも機能することが多いですし、比較的早めに反転や継続を示唆してくれますので便利です。

なので、パターンラインに関しては、1時間未満の分足でも積極的に引いていく(引かなくとも認識できるなら、無理に引くことはありませんが)ことが、必要になってきます。

 

以上のことからBOZ流ライントレードは

  • デイトレードに用いる
  • ラインは環境認識として用いる
  • ラインは1時間足以上に引く
  • ただし、パターンラインは分足に引いてもOK

というスタイルで構築されていると思ってください。


さて、今回はここまでです。

ラインの引き方や考え方の解説はこのくらいにして、次回からは、実際のチャートにラインを引いてみる具体的な解説をしていきます。かなり実践的なところまで踏み込んでいくつもりなので、楽しみにしてください。

それじゃあ、また。

 

2017年12月14日午前まで続いた下降チャネルの内部構造について

(この記事は2017年10月14日付の記事です)

さて、今朝書いた記事「後付け解説なら誰にでもできますが、実際にトレードするのは難しい、って話」では、

「後付け解釈通りには実際のトレードは出来ないし、それを見てクヨクヨする必要はないし」

って話をしました。

で、その続き。っていうか、そこからちょっと話を発展させて、もう少し実際のトレードに活かせる解説をしようかなと。

今回のこの下降チャネルの内部構造についてお話ししようかと思うんですが、まずはこのチャネルが形成される直前のチャートを見てみますか。

この段階だと、単に値幅の小さなもみ合いにしか見えないですよねぇ。つまり平行レンジ。この後、下降チャネルが形成されるとは普通は誰も思わないわけで。

ただ、別にこの後に下降チャネル形成されるかどうかなんて、実は問題じゃないんですねぇ。

大切なのは、「この価格帯で売り買いが交錯している」という事実です。

で、いつもこんなパターンなわけじゃないんですが、

この売り買いが交錯する価格帯(以下「ゾーン」と呼びます)が、どう移動するか?

というのを観測することが、値動きを読み込むうえで大切な1つになります。

では、このゾーンが、以降どのように移動してくかに注目してみましょう。

まずは、最初に売り買いが交錯したゾーンⒶは上下にブレイクを失敗しますが2回目の上値ブレイクに失敗した後、下限にブレイクし、価格帯はゾーンⒷへと一段下に移行します。このレンジ下限は、先のゾーンⒶにて下限ブレイク(緑枠)が失敗した際の下値ですね。これが意識されています。

で、次にこのゾーンⒷにて2回下限ブレイクをします(緑枠)が、いずれも失敗。なので次は上を試しに行くわけです。

ところが、この上限ブレイクは先のゾーンⒶの上値まで届かないわけで。つまり、上値ブレイクも失敗。2度ほど高値を目指しますが、願いかなわず諦めて下落へと。

で、この後はちょっと荒れます。

上値失敗した価格は、再度ゾーンⒷ内に収まるわけでなく、再度ゾーンⒷの下を試します。が、先の下値ブレイク失敗した価格帯(緑枠)が意識されていて、止められる。で、またまた上を目指しますが、今度は緑枠に入るのがやっとなので、やっぱ「下でしょ!」ってことで、大きく下に下げていくわけです。

しかし、これもまたⒶⒷの時と同じく、下限ブレイクしても大きく買い上がるため、Ⓑから1段ズレたところでもみ合いが始まり、ゾーンⒸを形成していくわけです。

こんな感じで、じりじりとゾーンを切り下げる形で、結果このチャートは先の下降チャネルを形成していくわけなんです。

ですから、前回説明したような後付け解釈で下降チャネルと判断するよりは、こういった値動きの読み込み方を取得していった方が、実際のトレードする際に活用できるようになります。(やり方は、ここでは説明しません。僕は、トレードの先生じゃないんで)

で、話をもう少し先の方に進めますが、

こういった内部構造を持った下降チャネルのパターンの場合、結果的に上にブレイクする傾向があります。

あ、これ・・・今この記事書いてる時点で実際にチャネルを上にブレイクしちゃってますんで、「後付け」で解説してると思われるかも。それは嫌なんで、一応チャネルをブレイクする前に僕がツイッターでツイートしたやつを載せておきます。

で、どうしてこのパターンの下降チャネルは上にブレイクしやすいのか?ってことですが、

普通、下降トレンド、つまり値動きが下降していく場合は下げ方が強いのが一般的です。が、このパターンは、じりじりとしか下げません。ゾーンが1段そしてまた1段という形。

価格は下げていくんで、売り方の勝ちなんですが、勝った割には力は拮抗しているんですね。だからすんなり下げないし、上下に価格がぶれやすい。

おまけに、上図を見ればわかる通り、下値ブレイクしても必ずと言ってよいほど勢い良く買いあがってます。

つまり、売り方がなんとか勝っている状態ですが、実はじり貧状態とも言えて、買い方にはまだ勢いが残ってるわけです。

売り方が息を切らしてくれば、買い方が勢いを増していく・・・

これって、絶対じゃないですが、普通に考えれば起こりやすい傾向ですよね?つまり、これが上限にブレイクしやすいっていう理由。このパターンの結果傾向を知らなくても、この値動きの攻防を読み込むことが出来たら、想像つきやすいですよね?

さらには、ゾーンⒸでの大きな下限ブレイクは、何度試しても一気に買い上がられていて、大きな下ヒゲを形成。おまけに最後の方のブレイクは前回の下値に全然届かない始末。

「これは、下げ傾向のクライマックスってことじゃね?」

って、値動きを読む人の多くは思うわけです。そろそろ、買い方が巻き返してくるな、と。

じゃ、結果ですね。

やっぱ、ブレイクしましたねぇ。でもまぁ、これ絶対ってわけじゃないです。相場に絶対はないわけで、あくまで傾向のお話です。

ちなみにですが、こういった攻防は売り方と買い方の勢力が拮抗した状態で起こってるので、上値ブレイクしたからと言っても、しばらくはじり高が続くケースが多分に考えられます。一気にバイーンって伸びるのは期待しちゃダメ。大きなファンダメンタルズ要因でもない限りは。おまけに、大きなファンダメンタルズ要因で、再度下落もあり得ますから。

ってことで、まもなく大きな指標発表が行わわれます。要注意ですね。

それじゃあ、また。