パターンラインと200SMAでトレードしてみる(その1)

シンプルにトレードをしてみよう

きっとトレードを学ぶ多くの人は、

「数多くのテクニカルを自由に操り、高度で複雑な分析を行なうことによってトレードで勝つことが出来る」

と思っているんじゃないかと。僕も勝てない時代は、そう思ってました。

まぁ、そういった小難しいことは必要ないかと言われたら、必要なくはないんですが・・・

要するに、様々なテクニカルで緻密な分析を行なう必要があるのは、

  • トレードの精度を上げるため
  • より多くのトレードチャンスを見つけるため

が大体の目的なわけで。

そこに拘らないのであれば、テクニカルもシンプルに用い、シンプルに状況判断をしていくことで、十分にトータルで勝ちに持っていくトレードは出来ると思うんですよね。

ということで、今回はシンプルなトレードの具体例を挙げてみようかと。

前回前々回と、2回に渡って「200SMAの使い方」をお話してきましたので、今回も200SMAを使います。

やり方としては、検証ツールを使ってトレードを行ないながら、実況中継をする形式で進めていきます。

お楽しみに!


ということで実際にやってみたのですが、検証ツールでトレードしながらのブログ記述は、改めて見直したらかなり雑な結果に。

ということで、以下のトレードにおける解説部分は、理解しやすい様に改めて記事を加筆編集し直していますので、あしからず。


トレード・スタイル

まずは、今回ご紹介するトレードのスタイルを具体的にお話しておくとします。

利用するテクニカル

今回のトレードで使うテクニカルはロウソク足以外では、

  • パターンライン
  • レジサポライン
  • 200SMA

だけにしようかと。

フィボだとかN値だとか、そんなものは一切登場しません。他のインジケーターや別期間のMAも使いません。

ラインですら、ゴチャゴチャと引く様なことはしません。いたってシンプルに。

ただ、ひょっとするとダウ理論とかプライスアクションっぽいのは顔を出すかもしれませんが、それすら極力省いて、トレード判断していこうかなと。

ちなみに、上位足で引いたラインは、下位足に反映されて表示されるように設定してあります。

そして、200SMAはどの時間軸でも用い、目立つように赤い色で表示することにしますのであしからず。

ポジション保有期間

1回のトレードにおけるポジションの保有期間は、今回は特に決めないで行なう予定です。

デイトレードとかの枠に縛られず、チャートポイントからチャートポイントまで保有する方が、トレードの主旨が読者の人には分かりやすくなるんじゃないかと。

なので、数日またいでも決済しないこともあるでしょうし、その日のうちに2度3度トレードを繰り返すこともあるかもしれません。

1回のトレードにおけるリミットとストップ

1回のトレードで目標とする獲得値幅と損失値幅ですが、これも特に決めません。

本来であれば、ストップとリミットの比率を考えてエントリーするのが王道なんですが、今回のトレードの目的は、「シンプルにやっても勝てますよ」ということを示すのが目的なんで。

単純にチャートポイントからチャートポイントまでを獲りに行きます。そして、エントリーの根拠が失われたと思った時点で損切りします。

ただ、20pips、30pipsと細かい値動きを獲るようなトレードは省略します。面倒なので。

利用する時間軸

日足・4時間足・1時間足・15分足の4つの時間軸を同時に見ながら、いわゆるMTF(マルチ・タイム・フレーム)でトレードすることにします。

ただし、このブログ記事で全ての時間軸を同時に載せながら進行していくのは大変なので、ポイントに見合った時間軸のチャート図のみを載せていくことにしますね。

トレード開始期日

とりあえず無作為にいくつか抽出してみて、それがパターンラインと200SMAの解説トレードに最も適してそうな期日からトレードを開始してみることにします。

それでは、始まり始まり~!

200SMAを利用したトレードの具体例

以下のチャート図はポンド円の4時間足。この辺りから始めてみようかと思います。

チャートを見ると、価格は200SMAを大きく越えた後、比較的長い期間揉み合いが続いています。何となく200SMAに近づいた後、今はやや200SMAから離れていく感じに見えますが・・・

とまぁ、そんな風に何となくな感じでチャートを眺めていても、勝ちトレードには結び付きません。インジケーターをいくつ並べてみたところで、負けてばっかりになります。

ということで、この状況を、トレードできる具体性のあるレベルまで落とし込んでみましょう。

とは言っても、たった2本の線を引くだけなんですが。

下降チャネルですね。

価格は上昇トレンドを形成して200SMAを大きく越えた後、チャネルを形成しながら下降しています。このチャネルは、上昇フラッグの可能性が高いかな。

で、今現在は、チャネル上限のラインにタッチした直後で、

「ブレイクするのか?それとも反転下落するのか?」

という感じで揉み合っている状況ですね。

では、この局面を下の時間軸でズームアップして見てみましょうか。

まずは1時間足。

200SMAを下にしてチャネル上限ラインとの間で、なにやら荒ぶってます。

じゃあ、次に15分足を見てみましょうか。

同様にチャネル上限ラインと200SMAの間で荒ぶってますねぇ。

ではこの後、価格は4時間足チャネル上限ラインをブレイクするのか?それとも反転下落し始めるのか?

もちろん、上にブレイクするなら買いですし、反転下落するなら売りです。

どうします?どう判断していきます?

では、それを判断するために、もう1度この局面をズームアップしてみてみましょう。下図は先ほどの1時間足。

レジサポのラインが引けますね。ここで下値が何度もサポートされています。面白いことに、このラインは200SMAと重なっています。強力そう。

とうことは、ここを下にブレイクしたら、

「4時間足チャネル上限にタッチした後に、反転下落を始めた」

と判断して売りを仕掛けて良さそうです。

じゃあ、上にブレイクする場合は?

点線のラインで示したところは143.00円のキリ番で、高値はここを意識されて止められている様にも見えます。

ただ、このラインを越えたら4時間足チャネル上限もブレイクするほど強力なラインなのか?と言われたら、今のところはその根拠はゼロに近い感じ。

なので、4時間足チャネル上限ラインを直接上にブレイクするかどうかで、判断することになるかと。

それでは、この状況を15分足で観察しながら、エントリーのタイミングを伺ってみます。

15分足では、200SMAは上昇していますよね。しかし、上の方でのチャネル上限ラインは右肩下がり。この2つの線の間隔は徐々に狭まっており、価格はその間に挟まれていています。

こういった状況を僕は、疑似的なトライアングル・フォーメーションとして見ることが多いです。

で、今現在、ラインと200SMAはかなり間隔が狭まってきてますよね。売り買いの圧力がかなり高まってることになるので、そろそろ動き出すころかなぁ・・・と。

そして、ロウソク足を見ると陰線が連続して3本。しかも3本目は大きめな陰線。価格は比較的勢いよく下落している最中ですね。

では、200SMAと水平線を抜けるか反転するかを観察してみます。

抜けましたね。

サポートとなっていた200SMAと水平線を一旦下抜けた後に、もう1度上を目指しますが、今度はこの両者がレジスタンスとなって反転下落(「ロールリバーサル」と言います)しました。

このタイミング、1時間足で見るとこんな感じ。

1時間足でも、同じ状況ですね。重なったレジサポラインと200SMAを下にブレイクした後、一旦上を目指しますが、レジサポラインと200SMAに阻まれて、再度下落を始めています(ロールリバーサル)。

ということで、「価格は4時間足チャネル上限から反転下落を始めた」と判断して売りエントリーをします。142.233円です。

ただ、この1時間足を改めて見直してみると、

「もう少し高い位置で売りエントリーしたかったなぁ・・・」

という気持ちにはなるかと思います。

でも、それは後付けでチャートを見た際に沸き起こる、単なる欲望でしかありません。

もし、もっと高い位置でエントリーできる技術が欲しいのであれば、どんどんと複雑で高度な技術を身に着けていけば良いだけです。

しかし、今はシンプルにトレードしてくのが目的なので、むしろ、中途半端な位置で入らず、シッカリと引き付けてエントリーしたんですから、これが正解です。

 


ちょっと寄り道します。

さっきの1時間足を見て、「あれ?どこかで見たことある様な?」と思った人、いませんか?僕のtwitterのフォロワーさんの中で。

そう、つい3日前のこれですね。

検証トレードをやった後日、ちょうど似た様な状況がポンド円であったので、伏線のつもりで、ツイートしておいたんです。結構粋なことやってみました。

手を変え品を変えつつ、でも結局は似た様なパターンは度々起こるんですよねぇ。

同じ波は二度と来ないですが、表層は変えつつも歴史は繰り返します。


 

さて、話をもとに戻しましょう。

反転下落を始めた価格が次に目指すのは、4時間足チャネル下限ラインです。

では、その後の展開を見てみましょう。

4時間足チャネル下限ラインにほぼ到達。200SMAでピタリと止められて、反転しかかってます。

とりあえずここで利確。141.349円なので、スプレッド換算せずに単純計算で、88pipsほど。

200SMAに到達したことで、何やら大きく動き出しそうです。

では、今度はこのチャネル下限から反発するのか下にブレイクするのかを、15分足で観察していきましょう。

面白いことに、ここでもチャネルを形成している様なので、ラインを引いてみました。

さて、ブレイクするでしょうか?

ブレイクしましたね。

でも、一旦下に戻しているんで、もう少し観察しましょうか。この15分足チャネル上限ラインが今度はサポートとなって反転上昇したら(つまりロールリバーサルが確認出来たら)、

「4時間足チャネル下限から反転上昇した」

と判断して買いエントリーすることにします。

あれれ?

ラインが効いていない様です。

どうやら、ラインの引き方が違う様ですね。引き直してみます。

こっちが正解ですかね。ヤバいヤバい。

で、今度はきちんとラインが引けてる様です。

ブレイク後にロールリバーサルが確認できたので、買いエントリーを行ないます。141.684円です。

次に目指すのは、4時間足チャネル上限ライン!!しかも、4時間足200SMAからの反発だから、デカいぞ、こりゃあ!

と言いたいところなんですが・・・

今度の上昇では、15分足と1時間足共に200SMAが上で待ち構えています。

まぁ、4時間足よりも下位足なんで、上昇力の方が強いとは思いますが、侮ってはいけません。出会い頭に、反転下落の急降下で損切りということだって、考えられます。

ということで、ここは恐る恐る経過観察をするとしましょう。

15分足200SMAは無事突破した様です。おまけに200SMAでロールリバーサルしてます。

そして1時間足でも・・・

とりあえず突破してます。

が、ここから荒ぶる可能性は大きいです。油断はできません。

しかし・・・

15分足で観察していますが、荒ぶる様子は伺えません。市場参加者の多くはこの上昇に同意しているご様子。

残る関所は、以前に引いた水平線です。ここを越えたら、4時間足チャネル上限まで一気に駆け抜けるんじゃないかと。

はい。おめでとうございます。4時間足チャネル上限に見事到達しました。

で、この部分を1時間足で見ると

これ、僕がいつも言っている「水平線と斜めラインが出会ったところ」ですね。チャネル上限ラインと143.00円のキリ番ラインがちょうど出会ったところに、価格が到達しています。

「こりゃ、上に抜けるな」

実は、4時間足チャネルをブレイクするという根拠は、いくつかあります。

しかし、ここは出来るだけシンプルな判断でトレードするのが目的なので、ここは教科書通りに一旦利確します。142.938円で+125pipsの利益です。

では次に、この4時間足チャネル上限から反転するのかブレイクするのかを観察していきましょう。

下図は1時間足。

143.00円のキリ番ラインとチャネルラインがレジスタンスとなって、揉み合いが続いています。

しかし、ちょっと待ってください。

上値は水平線で止められてますが、下値は規則正しく切り上げています。どうやら、サポートとなる斜めラインが引けそうです。これは、アセンディング・トライアングルのフォーメーションですかね。

ということでラインを引いて15分足で経過観察していましたが、どうやら斜めラインは無視してそのまま小さく揉み合ったままです。

違ったみたい。

しかし、転んでもタダでは起きません。よく見ると、上値を止めているキリ番ラインのすぐ真下には、レジサポラインが通ってます。キリ番と同じ点線にしてみました。2つの水平線の間で揉み合うレクタングル・フォーメーションの可能性が大です。

様子を見てみます。

やっぱり下値も点線の水平線で止められてますね。

じゃあ、このレクタングル・フォーメーションを

  • 上抜けたら4時間足チャネル上限ブレイク
  • 下抜けたら4時間足チャネル上限から反転下落

と判断してエントリーできそうですね。

で、引き続き観察してると・・・

下にブレイクしました!

4時間足では・・・

おおっ!これは売るしかない!

と一瞬思ったんですが、やっぱ止めました。

僕は15分足ばかりに注目していて、ちょっと近視眼的になってたみたいです。

下図は1時間足です。

気が付きました?

ちょっと、この図に解説を加えると以下の様になります。

赤い四角で囲った部分に注目してください。

15分足でサポートとして引いた点線のラインなんて、1時間足で見たら弱い弱い。本命の強力なラインはその下の実線で引いた水平線の方です。

そもそも僕は常日頃、

「分足でしか確認できない様な水平線は、簡単に無視される」

と偉そうに言っていたはず。言ってた本人がやらかしてるんですから、もう・・・

ということで、レクタングル・フォーメーションとして判断すべきは、点線ラインの方ではなく、上図で赤い四角で囲った部分が正解となります。

僕は、前回の反転下落での売りエントリーの際は、この実線をサポートとして判断してたんですよね。

ウッカリと忘れてました。

15分足点線ラインをブレイクしたからといって売ってしまっても、すぐ下にあるこの実線ラインに阻まれる可能性が大。

ということで、ここではエントリーを見送ります。

 


今回は、見送りましたが、実際はトレード可能な局面です。図を見ればお分かりの通り、この点線と実線のレクタングル・フォーメーションの値幅は50pipsありますから、ここでレンジ取引をすることは十分可能です。

しかし、冒頭でお話した通り、細かく獲っていくトレードは、主旨から外れるために見送ります。これ以降にもいくつか出てくる可能性は大きいですが、スルーするつもり。


 

実線で引いた水平線がサポートとして、ここを抜けるか反転するかを15分足で観察することにします。

反転しましたね。

しかも、200SMAが上向き出しており、そこに到達する前に反転上昇というパターン。

ウッカリと売っていたら、損切りする羽目になってたかもしれませんね。セーフ。

では、レジサポ・ラインで反転上昇した価格は、次に4時間足チャネルラインをブレイクするでしょうか?

展開を見てみましょう。

はーい。上抜けましたよー。

ロールリバーサルの後、赤丸で囲った前回高値も抜きましたー。

ということで、ここで買いエントリーします。143.383円です。

では、次に価格はどの辺りまで目指して上昇するでしょうか?4時間足を見てみましょう。

4時間足チャネルの開始時につけた高値までは行きそうですが・・・

もう少し俯瞰して見たいので、日足を見てみましょうか。

げっ!!

チャネル開始時の高値付近では日足200SMAがゆっくりと下降しながら待ち構えています。

チャートの左側を見る限り、過去に価格は毎回200SMAに上昇を阻まれて、下落を繰り返しています。

ヤベェなこりゃ。何だか荒れそう・・・

ということで、いつでも逃げれる準備をして、経過観察します。

日足200SMAにタッチしました。

荒ぶる前に利確して逃げときます。144.646円でエグジットなので、利益は+126pipsです。

さて、この後は荒波に飲み込まれたくないので、様子見に徹しようかと思います。200SMAの中でも大きな時間軸、日足200SMAですから、荒ぶり加減は半端ないと仮定しておいた方が吉かなと。

 

 

ということで、今回はここまで。これ以上やると、この記事はなかなかアップできそうにないんで。

でもまぁ、今回の記事を読んでもらっただけでも、

「複雑にいくつものテクニカルを駆使しなくたって、1つ2つのテクニカルをきちんと使って状況判断することが出来れば、十分に有用なトレードができるんだなぁ」

と実感してもらえたんじゃないかな、と。

では、このトレードの続きは、次回に持ち越すとしますね。お楽しみに~!

それじゃあ、また。

ダブルボトムについて

前略、恥の上から

先週末9月8日(日)、僕は台風の関東上陸を避けるため、深夜までの仕事の予定を切り上げて、夕方には家に戻ってきてました。

で、時間が空いたのでツイッターに週明け9日の相場観(?)でも呟こうかと、こんな画像を用意してました。

ポンド円の4時間足9月8日時点のチャートです。

でも、ここまで作成したところで止めちゃいました。(* ̄∇ ̄*)ゞ テヘッ♪

僕がツイッター利用する本来の目的は、相場分析を披露したりポジション先出することではなく、

むしろ逆で、自分の損切りやミス・トレードを晒すことで、自己修正の一端になればな、という想いからです。

まぁ、やっちゃいけないという決まりはしてないんですが、その数日前にポジショントークを繰り返していたので、心のどこかにドヤ顔が覗かせてしまっているんじゃないかという危惧が、頭の片隅に浮かんできたんですね。

といういことで、画像作成途中で取り止めたわけなんです。

が、やはりこの危惧は的中していた様で、僕は次の日、自分のちょっとしたスケベ心から、ミス・トレードを犯してしまいます。

なので、今回はこの反省を込めて、自分のミス・トレードを題材に、この時の相場分析を振り返っていこうかなと。

主題は、「ダブルボトム」についてです。ダブルトップについても、要領は同じになるので、上手く読み取ってくださいね。

では、行ってみましょう。

ダブルボトムを考える

ダブルボトム前説

まず、上の画像、完成させちゃいますね。それが、コレ。

ぱっと見で分かる通り、有名なパターン「ダブル・ボトム」ですね。

こういった場合は難しく考えず、セオリー通りに

  1. ネックラインを越えたら買う
  2. もしくは、ネックラインを越えた後に押し目を作り、再びネックラインでサポートされて反発したところを買う

という風にトレードすれば良いことになります。

ただ、1.の通りにネックラインを越えてすぐ買った場合、次の押し目が大きい場合は耐えられずに損切りしてしまい、その後から急上昇!なんて初心者あるあるになりやすいわけで。

このパターンがダマシだったらそれこそ損失は大きいわけですし。

ということで、推奨されるのは2.ということになります。

ですが・・・

じゃあ、ネックラインってどこよ?

って話にもなるんですよ。

ネックラインについて

ダブルボトムに関するネックラインの考え方で、最も一般的なのは、コレ。

ネック・ポイントに水平線を引いたものをネックラインとするものです。

ところが例1とは別に、こんなのも、あります。

この例2のパターンも、見たことある人は割といるんじゃないかなぁ。ネックとネック直前のスイング・ハイ(波の山となる部分)を結んだラインをネックラインとするものです。

上図ではネック直前のスイング・ハイがネックよりも下にあるので、ネックラインは右肩上がりとなっていますが、

このネック直前のスイング・ハイがネックよりも上にある場合は、その両者を結ぶネックラインは右肩下がりになります。

しかし、ネックラインの引き方は、この2つだけじゃないんですねぇ。下図の様な引き方もあるんですよ。

この例3の引き方は、知らない人の方が多いと思います。

(でも、この図を見た途端に、「あれ、チャネル?」なんて気づく方もいるかと思います。これ、凄いヒントですが、今回は話がそれるんで各自自分の頭で考えてくださいね)

ですが、

まぁ、ネックラインの引き方の種類があるってことを知ってる知らないは、極端に言ってしまえば、どうでも良い話です。トレードをする身にとっては実際のところ、

「じゃあ、この3つはどれが正しいの?」
「3つとも有効性があるとしても、どう使い分ければ良いの?」

ということになると思うんですよ。3つのうち、どれを選択すべきか迷っちゃうんじゃないでしょうか?

ダウ理論で見る

でも、僕から言わせると、「ネックラインはどうしたら良い?」という問題は、それほど深刻に考える必要がないと思うんですよねぇ。

そもそも、WボトムやWトップ、それにヘッド・アンド・ショルダー(三尊)なんてのは、単にダウ理論上でトレンドが崩れた後に逆方向へトレンド転換し出した時の典型的な形をパターン化したものでしかないんですよ。

このことについては、機会を見ていずれまとめてお話します。

ただ、今回はダブルボトムについてですので、これについて少しお話していきましょう。

まずは、典型的なダブルボトムを見てみましょうか。

この場合の教科書的なエントリーポイントは、先ほどもお話した通り、

  1. ネックラインを越えたところの星マーク1で買う
  2. ダマシを回避するため、ネックラインを越えた後に一旦押し目を付け、ネックラインで止められ反転した(青丸g)のを確認して星マーク2で買う

ということになります。

しかし、これをダウ理論で見ると、もっと色んな事が見えてきます。

上図の様な典型的なWボトムをダウ理論で見た場合、

b → d は高値を切り上げておらず、
c → e も低値を切り上げてません。

なので、eで上昇をはじめてもdを越えるまでは「下降トレンドは継続、今は調整中」ということになります。

そして、d → f と高値を切り上げた段階でようやく「下降トレンドは少なくとも一旦終了」と判断できることになります。

しかし、単に高値を切り上げただけで、低値は切り上がってませんから、上昇トレンドとは判断できないため、星マーク1は買いポイントとはなりません。むしろ、見送らないと危険な場面です。

仮に星マーク1で買ってしまい、その後に大きく下落した場合、

単にWボトムのセオリーだけで見たら「ダマシにあってしまった」という理解で終わる場面ですが、

ダウ理論で見たら、「買ってはいけない場面で買ってしまったミストレード」ということになるんですよ。

なので、ダウ理論で見た場合は、ネックラインで反転上昇した青丸gの場面にきて初めて

高値を切り上げ、低値を切り上げた

ということになり、ここにきてようやく上昇トレンドが発生する可能性が大きく高まったという判断となるわけです。星マーク2は、その可能性に賭けると共に、ネックラインのレジサポ機能が効いているということを根拠に買いを仕掛ける場面ということになります。

なお、上昇トレンド発生をさらに根拠づけるのは赤丸fを切り上げた場面になります。

高値を切り上げ続けた

という継続性が根拠に1つ加わるため、星マーク3でエントリーする方が、より低リスクということになるわけです。

なお、ネックラインが機能せず、さらに価格を切り下げたとしても、eを下回らずに反転上昇した場合でも、赤丸fの高値を抜けば、

高値更新→低値更新→さらに高値更新

という図式となり、「上昇トレンド開始」と判断可能となるため、星マーク3で買いエントリーがOKとなる局面です。

この様に、Wボトムをダウ理論で見ていくと、通り一遍な解釈には留まらず、深く値動きを解釈していけることが分かると思います。

では、上図のWボトムが少し崩れた場合も見てみましょうか。

例えば先のダブルボトムのネックラインの例2の図を例にとってみると

これなんてのは、ダウ理論で見た場合、

上図の様になるわけで、

a → c と低値を切り下げてますが、b → d と高値を切り上げた時点で下降トレンドは少なくとも一旦終了と判断します。

で、その後は、レンジか上昇トレンドへと転換すると判断するわけですが、

c → e と低値を切り上げたことで、上昇トレンドが発生したかな?と判断できます。

dを上抜き、d → f となった時点で、高値切上げが継続されたことが確認でき、上昇トレンドは濃厚ということですね。

gの場面でネックラインで反転上昇することで完全に上昇トレンドが発生していることが確認できたことになります。

となると、Wボトムの買いポイントのセオリーである星マーク3は、このケースの場合でいえば、むしろ保守的過ぎるぐらいの買いポイントです。星マーク2で仕掛けても問題のない局面ですし、むしろ攻める意味では星マーク1で仕掛けても構わないわけです。

また、ネックラインをgが割り込んだとしても、eを下回らずに反転上昇すれば、これまた絶好のエントリーポイントになります。

以上の様に、Wボトムもダウ理論で見ることで、ネックラインに拘らずにトレードが可能になりますし、また一律に「Wボトム」としてエントリーポイントも固定して見る必要はないわけなんですね。

 

ダブルボトム再び

Wボトムをダウ理論で見れば、無理にネックラインを規定する必要はないことはわかりました。

ただ、問題が1点。

Wボトムのネックを上抜けた後に一旦押してから反転上昇するポイント(先の図で言えば青丸g)を見つけるのは、リアルタイムでチャートを見続けていられるのであれば十分対応は可能でしょう。

しかし、リアルタイムでチャートを見ていられない場合は?

特に指値を置く予約注文を出してトレードしたい場合は、

「ここ辺りで反転するんじゃないか?」

という見立てをもとに、指値注文を出しておく必要があります。反転するポイントを予め想定しておく必要があるわけです。

じゃあ、どうしたら良い?

となるわけで、やはりダウ理論だけじゃ反転ポイントを推測することは難しくなります。

そこで再びですが・・・やっぱりWボトムのネックラインの概念を用いて反転ポイントを探る必要が出てきます。

あー、なんかイタチの追いかけっこだ。

では、そうなる前に、もう1度最初の方に提示した図を見てみましょうか。

これは、押し目を付ける可能性の高い範囲を示したものです。

では、先ほどのネックライン3種類の解説に合わせて3本のラインを引くとどうなるでしょうか?以下がその図です。

ちょっと見づらいですが・・・

緑色のライン1は、ネックラインの例2で示した、ネック(上図のエロいポイント)とその直前のスイング・ハイを結んだラインです。

青色ライン2は、ネックラインの例3で示した、ボトム2点を結んだラインと平行なラインをネックに合わせて引いたものです。

黒色ライン3は、ネックラインの例1で示した典型的なネックラインで、ネックを基点に水平線を引いたものです。

赤色ライン4ですが、発想は黒色ライン3と同じですが、ネックのヒゲ先に引くとオーバーシュートする可能性を考慮したものです。

よって、1~4の範囲で押し目を付ける可能性が高いと判断します。

 

しかし、

 

実際にこの範囲内のどこか1つに指値注文を出すとなると、正直このゾーンは広過ぎです。ざっと見ても1~4までは75pipsの値幅があり、デイトレの場合で言えば

これじゃあ、話にならねぇ!

というレベルなんですよね。

では、どうしましょう?

建玉操作による指値注文

別に今回のWボトムに限った話ではなく、押しや戻しをピンポイントで予測するというのは、実際のところ至難の業です。

なので、こういった場合は建玉操作を行なうことで、損失拡大のリスクを分散させます。

これ、以前お話しましたが、覚えてますかね?

指値を建てるゾーンが決まっているということは、既に損切りする位置も決まっているので、最大の損失幅も予め想定できます。

なので、これを基点にして建玉するポイントを複数に分けることで、リスクを分散させる方法をとります。

これ、いわゆるナンピンに当たるのですが、俗に危険だと言われるナンピンとは全く別物の建玉操作で、むしろピンポイント1発でエントリーするよりもリスクを軽減する目的で行なうやり方です。

(詳しくは、「建玉操作としてのナンピンについて」をご覧ください)

では、具体的なやり方を順を追って説明します。

まずは、見やすい様に4時間足を1時間足にしてみてみましょう。

週明け9日月曜日の午前8時の終値までを表示して、その後の値動きは隠してみました。

ラインの色と番号は、先ほどの4時間足と対応しています。

緑色のライン1は、ネックラインの例2で示した、ネックとその直前のスイング・ハイを結んだラインです。

青色ライン2は、ネックラインの例3で示した、ボトム2点を結んだラインと平行なラインをネックに合わせて引いたものです。

黒色ライン3は、ネックラインの例1で示した典型的なネックラインで、ネックを基点に水平線を引いたものです。

赤色ライン4ですが、発想は黒色ライン3と同じですが、ネックのヒゲ先に引くとオーバーシュートする可能性を考慮したものです。

以上を考慮して、1~3に指値を分散させておきます。また、損切りのポイントは4の少し下に置くことになります。

それでは、順を追ってみていきましょう。

週明けは下窓を開けて相場が始まりました。

上図チャートは午前8時が終わった時のものですが、この時点ではセオリー通りにほぼ窓埋めは完了しています。

で、窓を埋めた後の展開を見ます。先週末の終値を越えていくようであれば、そのまま買いますが、この後に再び落ちてくるようであれば買うことは出来ないので、この場面では見送りです。

トレードするかどうか様子見をします。隙間時間を使って見ればOKかと。

で、次に正午終値のチャート。

完全に1~4のゾーンに入り込んだので、2もしくは3まで押しは続くと想定します。

2のラインのすぐ上に通常のロットの半分、残りの半分は3のラインのすぐ上に指値注文を出します。もちろん、いずれも4の直下は損切り注文を置くのが大前提です。

ただし、もう少し突っ込んだ話をすると、

AのスイングローとBのスイングハイのスイングに対して、23.6%(フィボナッチ指数)戻す付近にちょうど2のラインが位置してるんですね。

ということで、本来の僕であれば、2のラインのすぐ上に通常のロットの2/3を置き、3のラインのすぐ上に残り1/3を置くという判断をします。

じゃあ、結果を見てみますか。

ご覧の通り、2のラインで反転上昇をはじめています。

ということで、3のラインには届きませんでしたが、通常ロットの2/3で反転上昇局面を指値で捉えることが出来たわけです。

この後、ライン1を越えたのを見たら、残りの1/3を追撃買いすることも可能ですね。

というわけで僕は爆益を・・・と言いたいところなのですが、冒頭でお話した通り、僕はここまで分かっていながら、ちょっとしたスケベ心を出してしまったために、指値に1つもかからずにこのエントリーチャンスを台無しにしてしまったのです。

計画は信念をもって

僕がミスを犯した経緯は、以下の通りです。

僕は日曜日の時点で、上述の通りの計画を持っていたのですが、

実際は「面倒くせーや」という安易な理由で、建玉を分割せずに先のライン2のところ1点に指値注文を出していたんですよ。

しかし、僕は仕事に入る直前の9日当日の午後4時を回った時点でチャートを確認したら、ロウソク足が強めに陰線を描いてたんですね。

で、ちょっと怖くなった。

もちろん、押し目を付けて上昇するだろうという自信はあったので、買い方針を撤回はしなかったんですが、問題は斜め線のウィークポイントでした。

ライン2は水平線ではなく右肩上がりの斜めラインです。

なので、価格の下落が早ければこのラインに到達するのは低い価格ですが、下落が遅ければラインに到達するのはより高い価格となります。

下の図を見たら、分かりやすいかも。

下落の勢いが強い場合はAのポイントで斜めラインに到達しますが、下落の勢いが弱ければBのポイントで到達するため、同じラインに到達するにしても価格に高低差が生まれます。

なので、予め指値を置く場合は、Aのみを想定すると価格はラインに到達せずに反転してしまう可能性があります。必ずBの様に到達が遅いことを考慮しなければいけません。

要するに僕が置いたライン2の上の指値の位置は、上図で言えばBを想定したものであったわけです。

しかし、目先の値動きを見てしまった僕は、

「もっと早めにラインに到達するかも!?」

と思ってしまったんですね。

おまけに、

「下落の勢いが強ければ多少オーバーシュートするかも!?」

とも思ってしまったわけで。

こうなってしまうと、僕の心の片隅から、勿体ないお化けが顔を出してしまいます。

「もう少し下に指値を置けばもっと儲けられるのに・・・勿体ないな」
「ストップまでの位置が遠いから、万が一損切りになったら勿体ないな」

そんな勿体ないお化けにスケベ心を揺さぶられてしまい、この直後に指値注文を下にずらすという、全く計画性も根拠もない行為をやってしまったんですよ。

そんなわけで、実際の価格は僕の指値注文の5pips上で反転上昇してしまったという結末に至りました。

う~ん・・・ダメっすねぇ。

分割して建玉するというのは、実際の損失額を軽減させる目的があるので、その相乗効果として心理的負担も軽減できるんですよ。

にもかかわらず、面倒くさがって建玉を分割しなかったせいで、目先の値動きで欲望と恐怖を揺さぶられちゃったわけです。

技術によってメンタル部分は十分に軽減できるのに、ちょっとした心の油断で技術すら疎かにしちゃったら、意味ないですよねぇ。

ということで、この失態を晒すことで、今後の僕のトレードに活かせたらな、と今回の記事を書かせてもらいました。

そして、この失態も併せて、この記事を読んでくれた人も自分のトレードに活かせてもらえたらな、と。

そんなこんなで、今日のお話はこれでお終いにします。それじゃあ、また。

 

ライン引きの手引き(2)

さて前回は、間違って引きやすい水平線と正しいアプローチで引いた水平線を比較して解説をしました。

で、今回は前回のチャートをもとに斜め線を引く解説をする予定だったんですが、やっぱ辞めました。僕自身の説明力の不足さも相まって、混乱するんじゃないかと思うので。

まぁ、基礎シリーズではお話していますが、水平線であろうが斜め線であろうが、どちらが良いのかではなく、正しいアプローチであればどちらもきちんとした成果が出せます。

なので、ここでは水平線に対してもう少し詰めてお話ししておいた方が良いんじゃないかと。

欲張って「あれもこれも」となる前に、1つのことに長けていることの方が、トレードの上達は早いと思うんですよね。別のことに手を出すのは、その後からでも遅くはありませんから。

ということで、前回解説したのは、このチャート図のところまででした。

で、このラインが機能しているということで、例のごとくこのラインと等間隔にラインを引いてみます。するとこんな感じ。

さて、このチャート見て、何か気づきませんか?

チャート下部のラインが、あまり機能していませんよね。

赤い丸の部分、最初の方はラインが意識されている様ですが、次第に機能しなくなっています。

なぜだと思います?

思い出して欲しいのですが、水平線とは魔法の杖でもなんでもなく、市場参加者が注目する価格帯に線を引いただけのものです。

なので、この辺りにはここで引いた129.17付近の水平線よりも注目される価格帯があると考えられます。

じゃあ、それは何でしょう?

端的に答えを言ってしまえばそれは、

 

キリ番

 

です。実は、この場面では129.00というキリ番が意識されています。

ということで、ここにラインを引いてみましょうか。ついでに130.00というキリ番にもラインを引いてみます。区別しやすい様にキリ番ラインは赤色にしておきますね。

上図Aの部分を見てください。129.00のキリ番にラインを引いてみると、こちらのラインの方が意識されているということが分かると思います。

129.00のキリ番ラインに到達するまでは、その手前の129.17付近に引いたラインが意識されている様ですが、一旦それを下回るとこのラインはほとんど意識されず、むしろ市場は、

129.00を越えるかどうかに意識が向かっています。

129.00を越えさえないという買い手の意志と、129.00越えを試そうとする売り手の意志とのぶつかり合いですね。

そして、この攻防戦は割と分かりやすい形で買い方が勝ち、売り方は敗走。価格は上昇を始めます。

上図チャートを見ると分かる通り、この価格の上昇中、等間隔に引いた黒色ライン(129.47と129.77のライン)は明らかに機能していています。

その後、等間隔に引いた13.07ラインの手前、キリ番13.00ラインにくると、一旦止められてしまいます(緑色で囲ったBの部分)。やはりキリ番は意識されている様ですね。

しかし・・・

価格がこのキリ番13.00ラインと等間隔13.07ラインを一気に突き抜けた後は、等間隔ライン13.37付近のラインで止められ反転下落しますが・・・

この後、キリ番13.00ラインは機能しなくなります。下の図を見てみましょう。

青丸で囲ったCの部分を見れば分かる通り、キリ番13.00ラインは全く機能していないと言ってよいほど、ライン上を何度もまたいでいます。

キリ番ラインどころかその上にある等間隔13.07ラインも繰り返し越えては戻される形となっています。(水色の丸①の部分)

これは、この2つのラインの価格帯が機能していないというよりも、むしろこの価格帯が意識されているがゆえに、このライン周辺での売り買いの攻防が激しくなっていると考えられます。

Aの場合は、129.00ラインを死守しようと、このライン際より上での攻防でしたが、

Bの場合は、130.00ラインを一旦越えられてしまっているので、それを押し戻そうとする売り方と、そこを押し返そうとする買い方とのラインをまたぐ形での攻防です。

つまり、意識はされているが故にラインをまたぎながら揉み合っているという状況ですね。

しかし、この攻防に変化が現れるのが水色の丸部分②のところです。

水色の丸①では13.07ラインを何度もオーバーシュートしていましたが、水色②の場面では、ピタリと止められています。高値が切り下がりました。

そして、130.00ラインより下で価格が納まった状態で市場の日付は変わります。②の後に小さな下窓が開いてますが、そこが日付の変わり目です。

日付が変わってアジア市場では、緑色の丸D群を見れば分かる通り、130.00ラインが意識されている様ですね。この価格帯まで来ると、価格は反転してしまいます。

じゃあ、その後の展開を見ていきましょうか。

キリ番130.00ラインが意識されつつも、緑色の四角で囲った様に、なんだかんだ言ってレンジはレクタングル・フォーメーションを形成。

その後、強く下方ブレイクしますが、その途中経過では黒ラインは効いています。

ただ下値を付けて強く戻した辺りから、ラインはキリ番も黒ラインも効いているとは言えない状態になります。

青色の丸で囲ったEを見てください。先ほどのチャートのCと同様、2種類のラインは確かに意識されていて、この一帯で買い方と売り方による攻防が激しく行われています。

そして、それが故にこの2つのラインは、実際のトレードを行なううえで機能しているとは言いづらい状態となっています。

で、このEでの激しいもみ合いに勝負がつくと、価格はブレイク前のレクタングル・フォーメーションの下限ライン(129.77)目指して上昇を始めます。

しかし、Fの部分を見てもらえば分かる通り、この黒ライン129.77には届きません。

ラインに届かず反転した場合は、「上昇も力尽き、ここまでか・・・」と判断し、売りを検討するのが定石です。

が、後付け解説でその様に言うのは簡単です。実際のトレードでは、どのタイミングで「届かなかった」と判断するかは難しいんですよ。

様子を伺っている間に、今度はその下の黒ライン129.47ラインにも届かず反転し、揉み合いを形成。ようやく下のラインにタッチしたと思ったら、Gの部分で見られる通り、効いてるのか効いてないのか、ラインをまたぐようにして揉み合ってしまってます。

正しいアプローチで引いたラインが意識されているのは、分かった。でも、レジサポとしての機能がハッキリしていなくちゃ、トレードできないじゃん!

ってなると思うんですよね。確かに、その通りです。

実際、ラインをまたいで攻防が繰り返されている時って、いわゆる「乱高下」って傾向も多く、手を出さないのが得策です。

ただ、ちょっと様子を伺っていれば、もう少し見えてくることもあるんですよ。

 

BOZ流ライントレードの骨格が、

「価格は等間隔に引かれた水平線の間を移動している」

であるのは、既に何度もお話しています。

いわゆる、同じ値幅での値動きを様々な形で繰り返すのが、その時々の相場環境だということなんですが、今回のケースも、結局は同じなんですよ。

ちょっと、下の図を見てください。

緑色の枠で囲ったXを見てください。価格は、黒ライン130.70と129.77を上限としたレクタングル・フォーメーションを形成して揉み合っていますよね。値幅はちょうど30pips。

で、同じく緑色の四角で囲ったYとZを見て下さい。同様に、同じ値幅30pipsで価格が揉み合っているのが分かると思います。

Zは比較的分かりやすいレンジを形成しているので、このレンジ下限を抜けたら売りだということが分かると思います。

Yはちょっとややこしいので解説しますが、

一応Yもこの値幅で揉み合ってるんですが、青丸aの下値を付けた後に青丸bでこの値幅をブレイクして高値を更新します。

その後、価格は再びYのレンジ内に戻ってきますが、cでは黒ライン129.17に支えられる形で低値を切り上げて、再びこのYの値幅を越えていってますよね。

これ、ダウ理論での高値低値を切り上げ始めたということで、上昇トレンドが発生したと判断する場面です。つまり、絶好の買い場面なわけですよ。

この様に、「価格は同じ値幅を形成しながら移動している」ということを把握しておけば、一見ラインが機能して見えない局面でも、トレードに活用できる場面が結構あるんじゃないかと。

相場って、面白いですね。

ということで、今回はこの辺でお終いにします。それじゃあ、また。